FEG/フジテレビ
「K-1 WORLD GP2006 IN TOKYO決勝戦」
2006年12月2日(土)東京ドーム
開場14:30 開始17:00
▼第10試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 決勝戦 K-1ルール
3分3R延長2R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3-0 ※30-27、30-27、20-28
●ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ)
※シュルトがK-1WORLDGP2006王者に
かつての“無敵チャンピオン”と現在の“史上最強チャンピオン”が激突するという、誰もが予想できなかったであろう決勝戦。
先に3タイムス・チャンピオンで完全復活を遂げたアーツが入場、続いてアーツ、ホースト、レミーに続いての二連覇を狙うシュルトが空手衣を着てリングイン。声援は奇跡の復活を果たしたアーツに集中している。
1R、先制攻撃を仕掛けたのはアーツ! ワンツーを放って一気に攻める。必殺の右ローキック、左インロー、そしてもう一度右ローキック!
ジャブを出すシュルトに右ローを合わせるアーツ、シュルトが足を気にしはじめる。ジャブで前に出るシュルトへ右ローを合わせるアーツ! シュルトは左ヒザ、ボディから顔面ヒザを狙う。
アーツをコーナーへ詰めるシュルト、左右フックとヒザ蹴りだ。アーツはそれでも右ローを蹴り続ける。追い詰められたアーツの猛反撃、右ストレート、ジャブ、右ロー。
アーツの左ミドルが炸裂したところでゴング。コーナーへ戻るアーツにバンナが何か叫び、アーツはそれを聞いてニッコリ笑う。
2R、シュルトが左前蹴りからパンチの連打、ヒザ蹴りでコーナーへ。アーツは右ローを蹴って脱出するも、すぐに追い詰められる。ワンツースリーで前に出るアーツ、場内がドッと沸く。アーツのワンツー、シュルトがジャブを返し、左前蹴りでロープに飛ばして左ヒザ蹴り二発! ついにアーツがダウン!
それでもパンチで前に出るアーツにアーツコールが空き起こる。シュルトは左ハイ、アーツがパンチで前へ! シュルト後退! ストレートパンチを出しながら前に出て、右ローを蹴るアーツ。左右のストレートがクリーンヒットしてシュルトがロープを背負う! アーツ決死の反撃に場内は大歓声!
3R、パンチで前に出るアーツの頭部へシュルトがヒザ蹴り。東京ドームに集まった54,800人の「アーツコール」が起こる。シュルトはジャブと前蹴り。再びワンツーで前に出るアーツにシュルトが下がる。アーツのストレート四連打!
シュルトが前蹴りとジャブで前に出る。それでも挑みかかるアーツに場内は大歓声! シュルトはアーツのローにパンチを合わせて前に出て、拍子木が鳴るとパンチでラッシュ。アーツコールの中、ゴングが鳴った。
判定は3-0でシュルト! アーツの気迫も一歩及ばなかった。シュルトが二連覇を達成し、今年のK-1は幕を閉じた。
▼第9試合 スーパーファイト K-1ルール
3分3R延長1R
○バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-29
●ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/ファインダーズ
ユニ ムエタイ ジム)
かつて自分が1回戦で敗れて大怪我を負ったニュージーランド大会で優勝したスロウィンスキーと対戦するバダ・ハリ。
「ヤツはラッキーなだけだ」というセリフは本物か、それともただの言うだけ番長なのか? 昨年、衝撃のK-1デビューを果たした思い出の地で、ハリの実力が試される。
ハリはなかなか入場しようとせず、自身のメロディアスなテーマ曲を歌ってまるで自分に酔っているかのようだ。
やっと歩き出したかと思えば、両手を広げて高らかに歌い上げるハリ。気分は東京ドームでのコンサートである。ついには曲が終わってしまった。ハッと我に返り、ようやくリングインする。
1R、左ハイから右ロー、左右のフックからローキックと上下のコンビネーションで攻めていくスロウィンスキー。ハリはジャブからミドルキック、スロウィンスキーの左フックをかわしての右フックだ。スロウィンスキーは前蹴りからローキックと堅実に攻めていく。ハリの蹴り足の着地を狙って左ロー。ハリも左ミドルからボディストレートを叩きつける。コツコツとローを蹴り続けるスロウィンスキーに業を煮やしたのか、ハリは飛びヒザ蹴りからパンチのラッシュ。
2R、スロウィンスキーの左アッパーに左フックを合わせてグラつかせるハリ。単発のスロウィンスキーの攻撃をよく見てかわしてから、すぐに自分の攻撃をリターンする。ハリの左ミドルに後退するスロウィンスキー。
ハリは左フックを叩きつけ、スロウィンスキーのパンチに右フックを合わせようとする。ハリの右アッパーから左フック、ボディも狙っていくが、右ローをもらってしかめっ面。
3R、前に出て攻めるスロウィンスキーの攻撃をかわしながら、後退しつつ自分の攻撃を入れて行くハリ。スロウィンスキーはワンツーで前に出て、ハリが打ち気になると左ローキック。
左フックを合わせようとするハリに左ローを蹴り続けるスロウィンスキー、ハリはスリップを繰り返す。足が効いて踏ん張りが利かないのである。左右フックで前に出るスロウィンスキー。ハリは最後にKOを狙って上段バックスピンキックを放ったが、空振りに終わった。
▼第8試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準決勝 K-1ルール
3分3R延長1R
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ)
TKO 2R1分2秒 ※レフェリーストップ
●グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
セロがマジックを披露した後、角田ルールディレクターがリング上へ。
「皆様にご説明があります。第4試合、度重なるアクシデントにも関わらず準決勝に進出したレミー・ボンヤスキー選手ですが、控え室で嘔吐を繰り返し、ドクターがチェックした結果、試合を続行するのは不可能としてドクターストップが掛かりました。
レミーに代わりまして本来なら敗れたレコ選手が準決勝に進出する権利がありますが、レコ選手も左足に大きなダメージを負いましてこれもドクターストップがかかりました。ルールにより第一リザーブマッチに勝利したピーター・アーツ選手が準決勝に進出します!」場内はドッと沸いた。
1R、ローキックの応酬から試合がスタート。グラウベのローにアーツが右ストレートを合わせ、グラウベがアーツの右に左ハイキックを合わせる。
この左ハイがテンプル近くに入り、一瞬アーツがグラつく。ローキックの応酬とフックの応酬、グラウベは右に左にと構えを変えて、ハイキックを狙っていく。
アーツがレバーからヒザ蹴り。ブレイク直後にはグラウベが豪快な踵落とし! フックとローの応酬、グラウベは隙あらばハイキックを放つ。
グラウベのフックに対してアーツが真っ直ぐなワンツー、押して右ローキック。グラウベはコーナーへ戻る時、早くも足を引きずるほどのダメージを受けた。
2R、ジャブからハイキックを狙うグラウベにアーツが右ロー、ワンツー、ボディ、レバー、パンチの猛攻! グラウベをコーナーに押し付けて一方的な滅多打ち! 右ローにグラウベが足を上げる。アーツは右フックからヒザ蹴り、さらに右ロー、右フックからの左アッパーでダウンを奪った!
ドッと盛り上がる場内。大ベテランのアーツ狂い咲きである。永遠の宿敵ホーストの引退が火をつけたのか? 何とか立ち上がったグラウベだったが、ファイティングポーズがとれずレフェリーが両腕を交差させた! なんと、アーツが8年ぶりの決勝進出! かつての“暴君”ぶりが蘇り、ホーストと並ぶ「4タイムス・チャンピオン」の記録に大手をかけた!
▼第7試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準決勝 K-1ルール
3分3R延長1R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3-0 ※30-28、30-28、30-27
●アーネスト・ホースト(オランダ/チーム
ミスター・パーフェクト)
02年のDynamite!!、昨年の大晦日に続いて三度目の激突となったシュルトとホースト。ダメージは延長戦まで闘ったホーストの方が濃い。
1R、左の前蹴りとジャブを出すシュルトへ、フックを打っていくホースト。クリンチでブレイクすると、シュルトがジャブを出しながら前へ、ホーストはパンチを繰り出してローキック。
シュルトの左ハイ、ホーストはブロックすると懐に飛び込んでのパンチを狙う。飛び込んでのフックを狙うホーストだが、シュルトの右ヒザが狙う。パンチを当てては組み付くホースト。ついにクリンチで注意が与えられてしまった。シュルトのプッシングに2度、3度と転倒するホースト。
2R、シュルトの右前蹴りで交代するホースト、シュルトはすぐにジャブ。ホーストは左右のフックを繰り出して組み付き、パンチを当てる。
シュルトの前蹴りでホーストがロープにまで吹っ飛ぶ! シュルトは左のハイキック、前蹴り、ジャブで近付くとヒザ蹴り。ホーストは一発当てては組み付くが、やはり注意が与えられてしまう。それでも組み付いてくるホーストにシュルトが左右のフック、バランスを崩すホースト。シュルトは前蹴りとヒザ蹴りで前に出て行き、ホーストはパンチを当てようと手を出すも届かない。
3R、場内からはホーストを応援する声が鳴り響く。圧力をかけるシュルト。下がるホースト。前蹴りでふっとばし、ヒザ蹴りを繰り出す。ロープを背負ってローを蹴るホーストへ、シュルトが前蹴りとハイキック。
組み付きながらフックを狙っていくホーストだが、シュルトには通用しない。コーナーに詰まるホースト。シュルトは追い詰めたままジャブ、前蹴り、ローでホーストを釘付け。シュルトの左フック、一方的に打たれるホースト!
すると場内から“ホーストコール”が沸き起こる。が、その願いも虚しく、シュルトがホーストをロープに貼り付けて飛びヒザ蹴りを繰り出しで試合終了となった。ホーストのK-1における13年間の闘いが幕を閉じた……。
ホーストはリング四方へ向かってお辞儀。すると場内からは万雷の拍手が鳴り響く、スタンディングオベーション。
ホーストはリングサイドで試合を見守っていた妻と子供と抱き合い、“ホーストコール”に涙を滲ませながら戦場を去っていった。最後に、ホーストは力強くガッツポーズ。
▼第6試合 スーパーファイト(リザーブファイト2) K-1ルール 3分3R延長1R
○レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
KO 1R0分40秒 ※左フック
●メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
“殴られない男”セフォーVS“殴り続ける男”マヌーフ。セフォーのディフェンスはマヌーフの人食い鮫ラッシュをも凌ぐことが出来るのか? マヌーフは激しく足踏みしながらニッコリ笑って入場。
1R、セフォーのジャブに右ローを合わせるマヌーフ。足を使って回りながら、セフォーのパンチをかわすようにしてハイキックを繰り出したが、セフォーがグッとプレッシャーをかけて前に出て左フック一発! マヌーフは前のめりに倒れ、全身を痙攣させる。カウントアウトと共に立ち上がったが、およそ15kgの体重差(マヌーフは本来ライトヘビー級)の怖さをまざまざと見せ付ける結果となった。
▼第5試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
●ステファン・“ブリッツ”・レコ(ドイツ/ゴールデングローリージム)
※レコはローブローによる反則で減点1
同じゴールデン・グローリーのハリッドが敗れ、ここは何としても勝ちたいレコが先に入場。ハリッドと同様にラモン・デッカーとオランダの名匠コー・へマースを両側に伴っての入場だ。対するレミーは引き締まった表情で堂々たる入場。レコは“圧倒的不利”の予想を覆せるか?
1R、レミーは左ハイキック二連発から左ミドル、レコもミドルにローを合わせるがこれはローブローに。四つん這いになってもがき苦しむレミー。歯を食いしばって痛みを堪えるレミーに3分間のインターバルが与えられる。
その後、ファールカップを付け直すためさらに2分間のインターバルが与えられたが、レミーは苦痛に顔を歪めたままだ。結局、レミーは回復することができず、スーパーファイトの後で改めて1R0分17秒から試合が再開されることになった。
スーパーファイトがすぐに終わってしまったため、休憩を挟んでレコに警告が与えられての試合再開。左ハイを二発出すレミー、レコはジャブを出しながら前に出るも、レミーは左ハイキックを連発する。そこへレコがバックキックを繰り出すと、またしてもローブローに!
リングにうずくまって悶絶するレミー。場内にスローでリプレイが流されると、レコの踵がモロにレミーの下腹部を直撃しており、大きなため息が。レミーに3分間の休養が与えられた。レコには悪質な攻撃という判断が下され、1点減点。
試合再開。レコはかまわず左ロー、レミーは左右のハイキックを、レコはパンチを連打していく。接近戦で連打を叩きつけるレコはボディも叩き、右ロー。
そしてバックキック、バックブローも放つ。レミーは左フックから右ロー、レコはアッパーだ。接近戦でボディを叩くレコは逆に飛びヒザ蹴り、ガードするレミーのボディを叩きながら再度飛びヒザ蹴りを繰り出す。
ゴングが鳴ると、レミーは露骨に嫌そうな顔。ローブローでダメージを負うと、ボディにもダメージが生じるためボディ攻めが効くのだ。しかも、ボディを打たれると下腹部にも響く。レコはそれを知ってのボディ攻めだったのだろう。
2R、レミーは左ハイにショートの連打とバックブロー。レミーが前に出てくるとアッパーとフックの細かい連打、ボディストレートを放つ。ボディを叩き、バックキックを繰り出すレコ。レミーも左右フックから右ロー、足踏みするようにしてヒザ蹴り、ガードを固めてレコを誘い、右ローを狙い打ちする。レコはボディをドンドン叩き、右アッパーとローキック。レミーもローキックを返してヒザ蹴り。ボディ攻めのレコにレミーがヒザ蹴り、左ミドル、フックからローキックを連打して飛びヒザ蹴りを放ったところでゴング!
3R、レコは左ロー二発からパンチで入る機会を窺う。レミーはジャブを出すようにハイキックを多用。レコはボディを打ってアッパー、ローキック。レミーのワンツーにはバックブローを返し、ヒザ蹴りにはアッパーを合わせる。
ローの蹴り合いから接近戦でのパンチの打ち合いで、レミーの左ジャブから打ち下ろしの右フックでレコがダウン! レミーはガードをガッチリ固めてレコにパンチを打たせながら、ローと右フックでのカウンターを狙う。
レコはロー、バックキックを放って前に出るも、ガッチリと両腕を閉じてブロックしたレミーを崩すことが出来ず、レミーがハイキックで距離をとったところで試合終了。
レミーがグラウベの待つ準決勝へ駒を進めたが、試合を終えたレミーの足取りは重かった。
▼第4試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
KO 1R1分11秒 ※パンチの連打
●ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー)
まずはカラエフが軽快なステップを踏みながらの入場、セコンドには伊原会長が付く。続いてグラウベが空手衣を身に纏って入場、肩には一撃タオルをかけている。
1R、パンチで先制攻撃を仕掛けるカラエフ! 左右のストレートで前進する。グラウベが蹴りを放つとそれがローブローに。カラエフがバックハンドから右ストレート、バックキック、パンチと猛攻を仕掛けるが、これを凌いだグラウベの左ハイキックが炸裂!
カラエフはこれに反応して両腕ブロックの体勢をとったが、グラウベの縦に落ちる蹴り足はその上をすり抜けて顔面へ! 怯んだカラエフへグラウベはワンツーからヒザ蹴り、左フックからの連打で滅多打ち! レフェリーがダウンをコールしたが、カラエフがファイティングポーズをとれないのを見てストップ! グラウベが幸先のいい圧勝で試合を終わらせた。
敗れたカラエフは花道に正座すると、しばらくうつむいたままで悔しさを現した。
▼第3試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○アーネスト・ホースト(オランダ/チーム ミスター・パーフェクト)
延長R判定3-0 ※10-9、10-9、10-9
●ハリッド“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリージム)
新庄、シューマッハ、ジダン…今年も多くの優れたアスリートたちが引退していった。そしてまた一人、今日の闘いを最後に引退する男がいる。前人未到の4タイムス・チャンピオン、アーネスト・ホーストである。「ディス・イズ・マイ・ラスト・チャンス」と5度目の優勝を狙う。リングサイドには家族の姿も。対するは“闘う実業家”私生活ではランボルギーニを乗り回す男、ハリッド。先に入場したハリッドのセコンドにはラモン・デッカーの姿もある。
1R、ホーストの右ミドルにハリッドが左フック、ホーストがスリップする。両の拳で襲い掛かるハリッド。ホーストは体勢を立て直すと右ロー。ホーストの右ロー、ハリッドのパンチをかわして右ロー。
圧力を掛けるホーストに、ハリッドはロープ際へ追い詰められる。ホーストは右ローを蹴ってから、パンチを出そうとしたハリッドへかつての必殺技である右ハイキック! しかし、これは首に引っ掛かっただけだった。
2R、ジャブから右ストレートを放つホーストだが、パンチは空を切る。足を使って回り込もうとするハリッドだが、ホーストのプレッシャーに上手く回れない。ならばとパンチを出しながら前に突っ込む。
ホーストはクリンチで勢いを止めて、逆に自分がパンチで出て行ってレバーからフックの左のダブル。ホーストのローにアッパーを返すハリッド、若い拳が空を切る度にホーストはヒヤヒヤする。パンチを出しながら前に出て行くハリッドと、左に右のカウンターを合わせようとしたり、逆にパンチで押し返したりするホースト。
3R、ハリッドが一気に左右のフックで突っ込んでいく。押されたホーストだったが、 同じくパンチの連打で押し返してローキック。ハリッドの左フックを極端なダッキングでかわし、逆にフックを返していく。
両腕で頭を抱え込むようにしてハリッドのフックをブロックし、ローを返すホースト。打ち込んでいくハリッドだが、効果は得てない。逆にホーストはパンチをまとめ打ちしてヒザ蹴りへ繋ぐ。
両手で押してヒザ蹴り、ハリッドの一発に対してまとめ打ちするホーストは、最後もまとめ打ちからハイキックと見せ場を作ってゴングを迎えた。
が、判定は30-30、30-28、30-30でホーストに一票入ったがドロー! ホーストにとっては体力的にキツイ延長戦へ突入する。
ホーストの蹴りにパンチを合わせるハリッド、ホーストがバランスを崩す。ホーストの右ミドル、右ロー。ハリッドの一発狙いの左フックをダッキング&両腕ブロックで受け止め、すぐに二発以上のパンチを返す。一気にパンチで押していき、ローキック二連発。
ハリッドの一発に対してホーストは手数でアピールする。ホーストがレバーからヒザ蹴り、ブレイクの後は前蹴りからヒザ蹴り。左ローを嫌がり始めたハリッドへ、前に出るホーストがローキックからアッパーの連打、そしてヒザ蹴り。
最後もホーストがヒザ蹴りを繰り出し、圧倒的な手数をアピールした。判定はホースト! 夢の5タイムス・チャンピオンへ向けて準決勝進出を果たした。
▼第2試合 FieLDS K-1 WORLD GP2006 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3-0 ※30-27、30-28、30-28
●ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner
X team TEAM)
「ファンのために闘う」と宣言するバンナに対し、「ファンに最悪の結末を用意してやる」と挑発的に言い返すシュルト。試合前の煽りVTRではバンナがベビーフェイスでシュルトがヒールという図式だ。入場では空手衣を着た子供たちが花道に並び、同じく空手衣を着て入場したシュルトを迎えた。
場内が大きく沸く中、1Rのゴングが鳴った。前蹴りを多用するシュルトにバンナは右ロー。バンナの右フックがいきなりヒット! シュルトが前に出るとバンナが右フック、シュルトは左のストレートを伸ばしていく。
近付くとヒザ蹴りを放つシュルトに、バンナもパンチを合わせる。シュルトの左ハイキック、バンナの左ストレート。
どっしり中央に構えるバンナは回りこむシュルトへワンツー、右ロー。シュルトのパンチをしっかりガードしてパンチを返す。ヒザ蹴りに来れば右フックを合わせる。
2R、シュルトは前蹴りとジャブでバンナを入らせないようにするが、バンナの左ボディストレートをもらって大きく後退。
すかさず前に出るバンナはシュルトのパンチに左ストレートを返していく。頭を振ってジャブを突き、入っていこうとするバンナ。掴んでヒザ蹴りを放ったシュルトに注意が与えられる。ジャブで圧力を掛けていくバンナ、懐に入り込まれると抱え込んでしまうシュルト。
しかし、シュルトの右前蹴り二発から下がりながらの左ハイキックでバンナがダウン! 立ち上がったバンナは左ストレートを放って一気に倒しに掛かるが、クリンチに捕まってゴングを聞く。
3R、お互いにジャブ、シュルトはパンチを空振りするとすぐにハイキック。前に出て来るバンナを左手でプッシングして距離をとる。右の前蹴りから左ハイキック、右のヒザ蹴り。
バンナの左ボディストレートが突き刺さる。シュルトはジャブで距離をとり、ワンツーを叩き込む。抱きつくバンナ!
リーチを活かしてロングの距離でパンチを放ち、右ローを蹴るシュルト。すぐに右ヒザ蹴りもフォローする。シュルトのジャブにローキックからパンチで襲い掛かるバンナ、ロープ際で渾身の右フックを放つも空振り、逆にシュルトのパンチをもらってしまった。
判定は3-0でシュルト、準決勝へ駒を進めた。バンナはドームの四方へ礼をすると足早に去っていったが、途中で足を止めると両手を大きく挙げ、床にうずくまってファンに感謝の気持ちを表した。
▼第1試合 スーパーファイト(リザーブファイト1) 3分3R延長1R
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ)
KO 1R2分53秒 ※2ノックダウン
●武蔵(日本/正道会館)
本来なら決勝トーナメントで行われてもおかしくないこの組み合わせが、第一リザーバー決定戦で実現。実に豪華なリザーブファイトである。
1R、右ストレートで襲い掛かるアーツは武蔵をロープに詰めると連打から毒針ヒザ蹴り。アーツはサウスポーに構える武蔵に右ローを二発蹴りこみ、ワンツー、さらに右ローと好調に攻める。
武蔵はミドルキックを返しつつ、アーツのパンチにカウンターを狙う。アーツはワンツーをエサにして右ローを集中砲火、武蔵も左ミドル。アーツはジャブ二発を伸ばして距離を測ると、武蔵をロープ際まで下がらせて渾身の右ストレート!
武蔵の動きが止まったところへすかさず連打を決めてなんとさっそくダウンを奪った!
立ち上がった武蔵をロープに詰めて、アッパーとフックを連打するアーツ。怒涛のラッシュに武蔵は防戦一方。最後は左アッパーで顔面をかち上げ、右フック!
倒れる武蔵に左フックをフォローしてアーツが完膚なきまでに武蔵を葬り去った。アーツは今年の好調ぶりを最後にも発揮、開幕戦を病欠したことが惜しまれる見事すぎな勝ちっぷりだった。敗れた武蔵はしばらく立ち上がることが出来ず、アーツがアリーナから姿を消した後、両肩を担がれて退場した。
▼オープニングファイト3 K-1ルール 3分3R
○堀 啓(チームドラゴン)
判定3-0 ※29-28、29-28、29-28
●キム・ギンソック(韓国/Team Lazenca)
2メートルのイムと2メートル近くある堀。イムは今年6月の韓国大会でK-1デビューした、韓国相撲シルムの英雄だ。
堀はシリル・アビディを倒す実績を挙げるも、その他の試合がパッとしない。「逞しさが身に付けば、ポスト武蔵も夢ではない」とのアナウンスどおり、ポスト武蔵へ近付くことが出来るか?
1R、イムがいきなりのラッシュ! パンチの連打で堀を追いまくる。リングを大きく使って回り込む堀。イムはかまわずフックを叩き込み、コーナーへ詰めて力任せのフックとヒザ蹴り。
オープンハンドで引っ叩くように堀にグローブを叩きつけるイム、サウスポーの堀は左ストレートを狙うも体格に押されて組み付かれてしまう。後半、スタミナが切れたイムはひたすら抱きつく。
2R、やはりパンチを振り回しながら追いかけていくイム。堀の右ローをもらっても下がらずに前へ出て、堀を下がらせる。堀も左ストレート、右ローを当てていき、イムのパンチをかわしながら左ストレートを当てるもガードが甘いためすぐに返しのパンチをもらってしまう。
イムにクリンチで注意1。堀は左のテンカオを合わせ、苦しいイムはクリンチで警告が与えられる。ここでストレートを出しながら前に出る堀、ひたすら抱きつくイム。
3R、フックを連打して前に出るイム、フロントチョークのように堀の頭を抱え込む。堀はテンカオ、左ストレートを出すもやはり抱え込まれてしまい、投げられる。堀のワンツーに同じようにワンツーを返すイム。
堀は簡単にその攻撃をもらってしまうため、自分の攻撃が続かない。堀のテンカオでイムが一瞬怯む、堀は左ストレートからヒザを放つも、やはり捕まってしまう。ボディにストレートを放ち、ひたすら左右の手を出し続けるイムにヒザ蹴り、抱え込むイム。何とも噛み合わない試合だった。堀はイムのパンチやヒザ蹴りをアッサリもらっているようでは問題。ディフェンスを徹底的に強化する必要があるだろう。
▼オープニングファイト2 K-1ルール 3分3R
○澤屋敷純一(チームドラゴン)
判定2-1 ※28-29、30-29、30-28
●野田 貢(シルバーアックス)
今年6月にデビュー以来三連続KO勝ち、K-1JAPAN期待の新人である野田。セコンドには金泰泳がつく。澤屋敷は柔道で鍛えた肉体でデビューして2年。R.I.S.E.を主戦場に闘うヘビー級の新鋭で、重量級らしからぬテクニックが持ち味だ。
1R、両者ともローキックを飛ばして距離を測る。野田が圧力を掛けて前に出て行きワンツー。パンチで迫る野田に右ローを蹴り続ける澤屋敷、右フックのカウンターは空振り。
野田がジャブからの連打で澤屋敷をロープ際に追い込んでいく場面が多い。澤屋敷も右フックのカウンターを狙うが上手くいかず、右ローを下がりながら蹴ってクリンチ。
2R、パンチで迫る野田に澤屋敷も左右のフックを打ち返してロー。1Rとは違い、澤屋敷もパンチを多用。ローが効き始めたか野田の追い足が遅いため、澤屋敷は1Rのようにロープへ詰まることなく、楽々と回っていく。野田のパンチに右ローを合わせまくる澤屋敷、野田はパンチで倒さんとコンビネーションで迫り、飛びヒザ蹴りも繰り出す。カウンターを合わせようとした澤屋敷に野田の飛びヒザ蹴りがヒット。
3R、一気に連打で前に出る野田。澤屋敷がブロックすると首ヒザに捕まえてヒザ蹴り連打だ。ひたすら右ローを蹴る澤屋敷に、ガードの上からでもパンチを叩き込む野田。ドームに前田会長の「純一、ローが効いてるよ!」の声が響き渡る。しかし、パンチで追っているのは野田。澤屋敷はボディ連打からフックで野田の足を止めるも、野田はストレートの連打で押し返す。ショートの距離ではパンチを当てる澤屋敷だが、ロングだと野田が上回り、押している印象が強い。ローのダメージがどれほど判定に響くか?
ジャッジはやはり割れ、判定2-1のスプリットで澤屋敷が勝利した。
▼オープニングファイト1 K-1ルール 3分3R
○佐藤 匠(極真会館)
KO 2R2分47秒 ※3ノックダウン
●高萩ツトム(チームドラゴン)
今年5月に行われた『新空手全日本大会』の重量級決勝戦で対戦、その時は高荻が延長戦で勝利している。佐藤にとってはリベンジマッチ。空手の突きのようにパンチを繰り出しながら、佐藤が圧力を掛けて前に出る。空手独特の圧力に高荻は下がらされてしまう。2R、フックの連打で高荻にガードさせた佐藤は強力な右アッパー! 高荻が座り込むようにダウンする。続いて佐藤は片手で押しての右アッパーで再度ダウンを奪うと、最後は圧力を掛けてロープ際へ追い詰めてのワンツーでトドメを刺した。
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