シュートボクシング協会
「NEO ΟΡΘΡΟΖ Series.〜FINAL〜」
2006年12月3日（日）東京・後楽園ホール
開場17：00 開始18：00
※スターティングファイト17：30〜
▼メインイベント 70kg契約 3分5R
○宍戸大樹（シーザー/SB日本ウェルター級王者）
KO 2R2分2秒 ※飛びヒザ蹴り
●ダマッシオ・ペイジ（ジャクソンズ・サブミッション・ファイティング/WEF世界ウェルター級王者）
12月3日（日）東京・後楽園ホールにてシュートボクシング協会主催『NEO ΟΡΘΡΟΖ Series〜FINAL〜』が開催され、メインイベントで宍戸大樹（シーザー）が“喧嘩屋”ダマッシオ・ペイジ（アメリカ）と対戦した。
 06年シリーズの最終興行で大トリを務めた宍戸。大宍戸コールを背中に浴びてリングに上がると、気合の入った表情でペイジに視線を移し、ダムトレーナーと気合注入のハイタッチをかわし、試合開始のゴングを聞いた。
1R、S-cup2006一回戦で緒形健一（シーザー）からダウンを奪っているペイジは、試合開始直後から喧嘩ファイトを全開。大振りの変則的なフックを振り回し、宍戸に組み付くと序盤から豪快なスープレックスを仕掛けていく。
しかしこの猛攻を落ち着いて捌いた宍戸は、突っ込んでくるペイジを前蹴りで突き放し、左右のミドルを効かせてペイジの動きを止めていく。
 インターバルで体力を回復させたペイジは2Rに入ると、再びラッシュを仕掛けて宍戸にジャーマンスープレックス！ 宍戸の体が宙に浮いたものの、シュートポイントは入らない。
するとこの一発を境に宍戸が反撃を開始、パンチで突っ込んでくるペイジのボディに強烈なミドルを蹴り込み、顔面のガードが甘くなったところに左右のパンチを集める。
逃げるペイジをコーナーに詰める宍戸は再びパンチでペイジを棒立ちにさせると、離れ際の右ハイキックを当てて、遂にペイジからダウンを奪う。
カウント内に立ち上がってファイティングポーズを取るペイジに対し、宍戸は「インターバル中に土井さんに狙えと言われた」という飛び膝蹴りを一閃！
これがペイジの顔面を打ち抜き、ペイジが二度目のダウン。明らかにダメージを負った様子のペイジは、何とか立ち上がったものの、レフェリーがペイジのダメージを見てストップを宣告。宍戸が2R2分2秒、鮮やかなKO勝利で2006年のシュートボクシングを締めくくった。
 しかし試合後、宍戸は3日前にぎっくり腰になってしまい、試合当日までほとんど動けなかったことを告白。
「今日はぶっつけ本番の状態で闘いました。今朝やっと動けるようになり、歩くことは出来たのですが、フットワークは使えなかったですし、今も少し痛みが残っています」と、手負いのままリングに上がったことを明らかにした。
「浮き沈みの大きかった一年でした。K-1MAXとS-cupという大きな大会に出て、ある意味、自分の第一章は終わったと思います」と、2006年を振り返った宍戸。
「世界には強い選手がもっとたくさんいますし、シュートボクシングはそういう選手をたくさん発掘してきますから、ボロボロになってもいいので、その戦いの中で何かを掴み、ステップアップしていきたい。誰々と戦いたいという気持ちではなく、強い相手とやっていきたいと思います」と“宍戸第二章”の幕開けを口にすると共に、「この一年間で小さなケガやダメージがあるので、少し長めの休暇をとってから、来年に向けて頑張ります」と力強く語った。
▼第6試合 60kg契約 エキスパートクラス3分5R
○及川知浩（龍生塾/SB日本フェザー級王者）
判定3-0 ※50-48、50-44、50-47
●ツァン･ジャ･ヒ(韓国/Tae San
Gym/韓国ムエタイ協会スーパーフェザー級王者)
※及川が3Rと5Rにそれぞれシュートポイント1あり
 1R、鋭い右ローを飛ばす及川。ツァンのパワフルなパンチをしっかりとブロック、距離を取ってディフェンスしながら、確実にローを当てていく。ラウンド終盤には早くもツァンが及川のローでバランスを崩す場面も見られた。
2R、ツァンは及川のブロックがないボディを狙い打ち。そこから左ミドル、右フックを放っていく。しかし及川は決してツァンの攻撃に慌てることなく、ツァンのパンチに右ローを合わせていく。
3Rに入るとツァンは及川のローを嫌ってか、オードソックスからサウスポーにスイッチする。一度、両者バッティングで試合が中断となるのだが、再開後、ツァンが猛然とラッシュ。
及川は1、2Rと比べてやや手数が減ったものの、単発ながら右ローを確実に効かせて、組の攻防になったところで首投げでツァンを投げ、シュートポイント1を獲得する。
 4R、及川は右ローだけでなく、右フック、右ストレートとパンチでも攻勢に出る。しかしツァンは及川の攻撃をもらいながらも全く下がる気配はなく、それどころか及川の攻撃に必ず自分の攻撃を返し、必死に反撃の糸口を掴もうとする。最終ラウンドになっても、ツァンの攻撃は止まらない。
及川のブロックをお構いなしと言わんばかりに右アッパーや左フックを繰り出していく。しかしここで及川が3Rに続き、首投げでシュートポイントを奪取。
ポイントでリードを奪うと、必死にツァンを倒そうと右ローを連打する及川。しかしツァンの打たれ強さの前に倒すことは出来なかった。判定は3-0で及川に軍配が上がったが、及川はツァン陣営に「強いよ」と苦笑い。
 ▼第5試合 60kg契約 エキスパートクラス3分5R
○ジュン・ビュング（天氣/韓国ムエタイ協会フェザー級王者）
判定2-0 ※49-49、49-48、49-48
●歌川暁文（日本/UWFスネークピットジャパン/SBフェザー級2位）
1R、ジュンは右ミドルや前蹴りなど射程の長い蹴り技で、歌川に距離を詰めさせない。サウスポーの歌川もジュンに蹴り負けず、右ローや左ミドルを返し、右フックで飛び込んでいく。
終盤、歌川の右のジャブがストレート気味に入り、ぐらつくジュン。すかさず飛びヒザ蹴りを繰り出した歌川だったが、これは当たらない。
2Rに入ると左ミドルから右フックのコンビネーションで攻める歌川。対するジュンもパンチの打ち合いでは決して打ち負けず、左フックや右ストレートを当てる。
 さらに離れ際に必ず右ミドルを蹴る。セコンドの大江慎から「先！」と指示が飛ぶ中、3Rに挑んだ歌川だったが、ジュンは歌川の攻撃を受けても全くひるまない。逆にジュンは右ミドルを中心とした攻めで、歌川を後退させる。さらにこのラウンドで歌川は右目尻をカットしてしまった。
歌川のカットで勢いづいたのか、ジュンは4R開始直後から右ストレートで前に出て、一気に歌川を攻め込む。ジュンのミドルとパンチを受けて防戦が続く歌川だったが、終盤に狙い済ました左ハイキック！
これがジュンの即頭部をもろにとらえたものの、ジュンは倒れない。5Rに入ると声を出しながら気合を入れてパンチとローを繰り出す歌川。歌川のパンチも当たってはいるものの、ジュンは前に出て歌川を押し切った。
 ▼第4試合 65kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R
○三原日出男（シーザー）
判定3-0 ※30-27、30-28、30-27
●五味慎一郎（湘南）
35歳とは思えないグッドシェイプの三原は、序盤から五味を圧倒。単発ながら「ドスン！」と響くような左右のボディフックを振り回し、右ミドルを蹴りこんでいく。
3Rに五味の右ストレートをもらうものの、これで逆に火が着いたのか、三原は怒涛のラッシュ。3R通じてほとんど動きを止めることなく、ベテランの三原が元気なところを見せ付けた。
 ▼第3試合 55kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R
○えなりのりゆき（シーザー）
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
●脇田 誠（風吹）
「渡る世間は鬼ばかり」のテーマ曲に、タイツに入れたポロシャツ姿で会場人気もうなぎのぼりのえなり。
しかしそのキャラクターだけでなく、改名後は4戦全勝と波に乗っており、この日も顔面とボディに打ち分ける細かいパンチの連打、そこにミドルとローを織り交ぜて、脇田を翻弄していく。
試合終盤には足を止めてフラフラになりながらも、パンチとミドルをラッシュをかけるなど、えなりは試合でも会場を大いに盛り上げた。
 ▼第2試合 61kg契約 フレッシュマンクラス3分3R
○木田なっくる将大（龍生塾）
KO 3R0分46秒 ※、右ハイキック
●南 健介（シーザー）
蹴りを全くカットしようとせず、あしたのジョーばりの両手ぶらり戦法をとる木田だったが、カウンターの左フックを当てて先制のダウンを奪う。
そして3Rにはパンチで南を下がらせて豪快な右ハイキックでKO勝利、試合後にカメラマンの撮影に応じる時には、カメラマン一人一人に対して表情を作り、ある意味プロ魂を見せ付けた。
 ▼第1試合 57kg契約 スターティングクラス2分3R
○崎村暁人（グラップリング・シュートボクサーズ）
判定3-0 ※30-29、30-29、30-29
●阿部マサトシ（AACC）
右フックを中心にパンチで攻めた阿部だったが、崎村がサウスポーの阿部に対して右ミドルを当てるなど、パンチだけでなく上手く蹴りも織り交ぜて判定勝利。
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