TBS/FEG
「K-1 WORLDMAX 2007〜日本代表決定トーナメント〜」
2007年2月5日(月)東京・有明コロシアム
開場16:00 開始17:30 観衆=8,961人
▼第10試合 日本代表決定トーナメント決勝戦 3分3R延長2R
○佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント優勝)
KO 1R2分25秒
●TATSUJI(アイアンアックス/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント準優勝)
昨年と同じ組み合わせとなった今年の日本代表決定トーナメント。1回戦と準決勝でタフファイトを演じ、ダメージとスタミナをロスした佐藤、TATSUJIは準決勝の安廣戦でローを蹴られた左足のダメージがどう試合に影響するか?
1R、左のインローを蹴る佐藤。TATSUJIはその打ち終わりに右ストレートから飛び込んでパンチを集める。TATSUJIがパンチを打とうと前重心になったところに佐藤は左のヒザ蹴り、そしてTATSUJIの左足を狙ってローを蹴そして佐藤が強烈な右の飛びヒザ蹴り! これがTATSUJIの顔面を見事に打ち抜き、タフなTATSUJIからダウンを奪う。
何とか立ち上がったTATSUJIだったが、ダメージは大きく、右フックを出したところに、佐藤が再び右のヒザ蹴り! これでTATSUJIが2度目のダウンし、足元がおぼつかないTATSUJIを見てレフェリーが試合をストップ! 佐藤が豪快なKO勝利を収めると共に、白須、尾崎、TATSUJIという強豪を退け、今年の日本代表の座を手に入れた。
試合後、リング上でマイクを握った佐藤は「愛を知る県、愛知県から来ました。試合は玄人好み、普段は素人好みの佐藤嘉洋です」と挨拶。「去年は本当にどん底まで落ちて、自分を信じられない時期もありましたが、ジムの仲間や会長に引き上げてもらいました」と、涙交じりに続ける。
観客から「泣くな!」という声援が上がると、「泣いてないです」と苦笑いの佐藤。「もういっちょ、世界に向けて頑張るので、よかったら応援よろしくお願いします」と、力強く宣言すると佐藤コールが巻き起こった。
▼第9試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
○ムラット・ディレッキー(トルコ/ユニバーサル)
KO 1R1分27秒 ※右フック
●アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)
1R、クラウスの右ローで試合はスタート。ムラットが打ち合いに出るとクラウスも待ってましたとばかりに足を止めて右ストレートを放つが、左フックでダウンしたのはクラウスの方だ!
ムラットがフックとアッパーのコンビネーションを巧みに使う。クラウスも右を伸ばして倒しに行くが、ムラットの右ストレートで再びダウン! クラウスはそのままKO負けとなった。恐るべきニューフェイスが誕生!
▼第8試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
○佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント優勝)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●尾崎圭司(チームドラゴン/R.I.S.E.DEAD
or ALIVEトーナメント’06優勝)
1R、距離を詰めてヒザ蹴りを連打する佐藤。尾崎はそれを突き放して右ローを返し、組み際の右フックを当てる。しかし佐藤は構わず距離を詰めて、ボディへの左のヒザ蹴りを繰り返す。このヒザ蹴りが尾崎の下腹部に入って、一時中断。
再開後、尾崎が左アッパーから右ストレートにつなげるコンビネーションで佐藤のバランスを崩させる。さらに佐藤のヒザ蹴りにバックブローを狙う尾崎。尾崎のパンチが当たってはいるものの、佐藤は表情一つ変えずにコツコツとヒザ蹴りとローを返す。
2R、ショートでパンチの連打を繰り出す尾崎。佐藤は左のヒザ蹴りから奥足へのローキックを蹴る。バックブローやバックスピンキックを見せる尾崎に対して、佐藤は尾崎の体を突き放して奥足へのローを蹴り続ける。手数が減ってきた尾崎。佐藤は奥足へのローとヒザ蹴りに攻撃を絞る。
3R、ヒザ蹴りと奥足へのローキックを繰り返す佐藤。単調ではあるものの、絶えることなく繰り出される攻撃に尾崎は攻め手を失う。逆に佐藤はそこに左ハイキックを織り交ぜるなど、攻撃に変化をつける。ショートの距離から右フックや左アッパーを突き上げる尾崎。佐藤も最後まで攻撃の手を休めず、決勝への切符をもぎ取った。
▼第7試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
○TATSUJI(アイアンアックス/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント準優勝)
判定 3−0 ※30−29、30−28、30−29
●安廣一哉(正道会館)
小比類巻を破る大番狂わせを起こしたアンディは歩行が困難となり、左足緋骨骨折の疑いがあって試合が出来ない。トーナメントルール第14条4項により敗者の小比類巻に準決勝進出の権利が生まれたが、小比類巻も左足の緋骨骨折によりドクターストップ。優先順位第2位の安廣が準決勝に進出した。
1R、安廣が飛び込み様のワンツーをヒットさせる。TATSUJIはヴァシコバとは違い、安廣を追って行かずどっしりと構える。左フックで安廣を仰け反らせ、右フック。安廣もパンチで攻めようとしたが、TATSUJIの左前蹴りが急所に入って一時中断。
再開後、安廣が前に出るところを狙うTATSUJI。当たりはしないが前に出て手数を出し、最後にローを放って安廣の単発攻撃を防ぐ。
2R、パンチやローは出すが深追いはしないTATSUJIに安廣はバックステップ&単発攻撃が使えず、攻撃の機会を掴めない。逆にTATSUJIは空振りながらも手を出し、安廣が前へ出て来るとパンチで迎え撃つ。ローを出しながら逃げる安廣に、TATSUJIがパンチで迫っていく。TATSUJIのパンチの回転力に、安廣は手が返せない。安廣はローキック、TATSUJIはパンチ。
3R、左右フックを出して前に出るTATSUJI。安廣はバックステップでかわしていく。コツコツとローを蹴り、離れる安廣。TATSUJIは何とか倒そうと左右フックで襲い掛かる。TATSUJIに追い詰められると抱きつく安廣。クリーンヒットは絶対に奪わせない。
バックステップでかわしながらコツコツとローを蹴る安廣に、パンチで突っ込むTATSUJI。安廣は胴廻し回転蹴り。が、その直後にTATSUJIの左が入り、一気にフックでラッシュ! TATSUJIがパンチをまとめて判定勝ちした。
▼第6試合 スーパーファイト 3分3R延長1R
○ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)
判定 3−0 ※30−27、30−28、30−27
●ツグト・“忍”・アマラ(モンゴル/フリー)
1R、まずは互いに前蹴りやジャブを突く静かな立ち上がり。ブアカーオはいきなり左ボディで飛び込む。プレッシャーをかけるブアカーオはジャブをついて右のロー。組みの攻防になると、ブアカーオは忍の体を派手にマットに転がす。終盤、ブアカーオは左ミドルを連打して忍を下がらせる。
2R、ここまでほとんど攻撃らしい攻撃のなかった忍は、ブアカーオのミドルをキャッチしてパンチを連打。それを受けたブアカーオはブレイクの際にニヤリと余裕の笑み。
そして忍をパンチで下がらせると右ハイキック、忍がパンチで距離を詰めるとそこにヒザ蹴りを打ち込む。そしてブアカーオのボディへのヒザ蹴りがグサリと突き刺さり、遂に忍にダウンが宣告される。
3R、左右のフックで前に出る忍に対し、ブアカーオは組みヒザ蹴りで確実に忍にダメージを蓄積させる。時折、ブアカーオに忍の右フックが当たるものの、ブアカーオはすぐに強烈なヒザ蹴り。そして忍のガードが甘いと見るや左フックを叩き込む。
残り1分、忍はラフなパンチを何発も繰り出すが、ブアカーオはガードを下げてボディワークのみで忍のパンチをかわすなど、余裕を見せての勝利となった。
▼第5試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント優勝)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●白須康仁(花澤/MA日本ウェルター級&WMAF世界スーパーウェルター王者)
1R、佐藤が長身を活かしたテンカオ二連発! ある時は白須のパンチに合わせて、またある時は自分からとテンカオを面白いように当てて行く。右ローキックとテンカオの波状攻撃。
白須のパンチには必ずテンカオを合わせ、白須が前へ出ようとすると右ローを合わせる。佐藤は前蹴りも駆使し、自分よりリーチが短く身長も低い白須を全く入らせない。
2R、ローキックとパンチで突っ込む白須。しかし、すぐに佐藤が距離を取る。ガンガン前へ出て行く白須に、佐藤は体ごと押されてしまう場面もあるが、要所要所でテンカオを合わせる。
白須の左右フック、すぐに佐藤が右のテンカオ。ボディ、飛びヒザで顔面とヒザを使いわける佐藤はあくまでも冷静だ。
3R、佐藤が自分から前に出てのテンカオ連打、白須が左右のフックで迎え撃つ。テンカオとフックの応酬、佐藤はヒザで白須の上体を上げさせ、ワンツーへと繋げる。終始、佐藤が自分のペースで闘い続けて判定勝ちを収めた。
▼第4試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○尾崎圭司(チームドラゴン/R.I.S.E.DEAD
or ALIVEトーナメント’06優勝)
判定 3−0 ※29−28、29−27、29−27
●宍戸大樹(シーザージム/シュートボクシング日本ウェルター級王者)
尾崎はテコンドーをイメージさせるロングパンツ。宍戸はもちろんシュートボクシング伝統のロングスパッツを着用する。
1R、宍戸は尾崎の周りを回るように細かく左右のロー。尾崎もインローを返しながら、宍戸のローにパンチを合わせる。構えをスイッチして左ミドルを蹴る宍戸。
先にバックキックを仕掛けるなど、尾崎のお株を奪う回転系の技を繰り出したのが、宍戸のバックキックをバックステップで交わした尾崎がカウンターの右フック! この一発で宍戸が痛恨のダウンを喫してしまう。
2R、細かいパンチで前に出て行く宍戸に対し、尾崎は前蹴りで突き放し、尾崎もパワフルな左右のフックを返す。顔面のガードを固めて右ローを蹴る宍戸。
尾崎は宍戸のパンチを頭を振ってかわすと、すぐに右ストレートを返す。さらに変則的な飛びヒザ蹴りで宍戸を後退させる。宍戸は細かくステップを踏んで、左右のストレートやアッパーなど手数で圧倒する。しかしここでも尾崎が狙い済ました右フックをヒット! 下がる宍戸に尾崎がバックブローを繰り出し、一気に攻め込む。
3R、ポイントでは負けている宍戸は、これまで以上に手数を増やし、尾崎のガードを合間を縫うように左フック、左アッパー、右ストレートを当てる。この怒涛のラッシュで手数が止まる尾崎。
スタミナ切れの見える尾崎に、宍戸はボディへの強烈なヒザ蹴り! その後も宍戸のラッシュは止まらず。尾崎も時折バックブローやバックキックを出すものの、防戦一方のまま試合終了のゴングを聞いた。
2R以降、驚異的なスタミナで反撃に転じた宍戸だったが、ダウンのポジションを奪い返すことが出来ず。尾崎が格上の宍戸を下す金星をあげた。
▼第3試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○TATSUJI(アイアンアックス/K-1WORLDMAX2006日本代表決定トーナメント準優勝)
判定 3−0 ※30−28、29−28、30−28
●HAYATO(FUTURE_TRIBE/UKF世界スーパーウェルター級王者)
1R、両者は軽快なステップを踏みながらパンチを交錯させていく。回転力の差でTATSUJIの左フックが何度かヒット。TATSUJIはボディの連打から左フック、コンパクトにパンチを当ててローへ繋げる。HAYATOはジャブを伸ばして右ストレート狙い。
しかし、ここでHAYATOのファールカップがTATSUJIの前蹴りで割れてしまったため、試合は一時中断。リングサイドで新しいものに付け替えたため長いインターバルとなる。
試合再開直後、HAYATOが打ち合いに来たところ、右ボディからの左フックでTATSUJIがダウンを奪う。一気に攻めるTATSUJIと迎え撃つHAYATO。TATSUJIの回転の速いパンチがHAYATOを捉え、HAYATOが下がる。TATSUJIの猛ラッシュ!
2R、TATSUJIが左右のフックを猛然と叩きつけていく。ボディからの連打、さらにロープへ詰めてのボディ連打でHAYATOは棒立ち! バックブローを放ったHAYATOだが、TATSUJIの回転を止めることができない。そこでHAYATOがもう一度バックブロー! これはヒット、両者が足を止めて打ち合う!
HAYATOの右ストレートがクリーンヒット、TATSUJIも左右のフックだ。ボディにもらうと下がるHAYATO。勢い込んで攻めるTATSUJIだが、HAYATOの左ジャブを三発連続でもらうと足がもつれる。
3R、足を止めていきなり打ち合いを展開する両雄! HAYATOが左をヒットさせれば、TATSUJIも左フックを返す。左右のフックからローへ繋げるTATSUJI、右ストレートでアゴをかち上げるとHAYATOも右ストレートで前に出る。HAYATOの飛びヒザ蹴りを間一髪でかわすTATSUJI!
両者とも凄まじい数の手数を繰り出し、真っ向から打ち合っていく。ハイキックも交換し、組み合ってヒザ蹴りの応酬。死力を尽くした一戦に場内もヒートアップ! 最後まで両者は攻め続けた。意地と意地、気持ちと気持ちのぶつかり合いとなったが、ダウンを奪ったTATSUJIが勝利を得た。
▼第2試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
延長判定 3−0 ※10−8、10−9、10−8
●小比類巻貴之(チームドラゴン/K-1WORLDMAX2006世界一決定トーナメントベスト8)
兄ボビーをセコンドにつけたアンディ。試合前、二人はがっちりと抱擁を交わして気合を入れる。
1R、小比類巻はジャブから強烈な右ローを二発。離れた間合いからジャブをつくアンディだったが、小比類巻のプレッシャーに負けてずるずると後退してしまう。下がりながらも細かくローを蹴るアンディだったが、小比類巻の強烈な右ローがアンディの左足を捕らえる。
左アッパーから右ストレートを打つアンディ。そこからパンチで前に出て右ストレートを当てる。アンディはこのパンチをキッカケに、徐々に前に出て攻撃を繰り出す。ラウンド終了後、アンディは拳を握ってアピールする。
2R、前蹴りでアンディを突き放す小比類巻。アンディの右ローをキャッチして右ローを連打する。しかしアンディの左アッパーから右ストレートがヒット! 小比類巻はたまらずクリンチで逃げる。
小比類巻はアンディのパンチに合わせて右ローを蹴るが、これまでとは一転、アンディがプレッシャーをかけて前に出て行く。アンディは左フックから左ボディとパンチのコンビネーション。右の前蹴りやミドルを蹴って。このラウンドは明らかにアンディのラウンドだ。
3R、アンディのジャブに小比類巻が右のロー! しかしアンディが右ローに左アッパーからの右ストレートを当てて、小比類巻がバランスを崩す! ここはスリップになったものの、客席は大いに沸き上がった。
小比類巻の右ローを明らかに嫌がる素振りを見せるアンディ。しかしアンディは小比類巻のローを受けながらも、前に出てパンチを繰り出す! 小比類巻はアンディをコーナーに詰めるものの、そこから手数が出ずにアンディを仕留めきれない。
判定は1人が小比類巻を指示したものの、残り2名はドロー。試合は延長に突入する!
延長R、アンディが右ストレートの連打で猛攻! 小比類巻はたまらずクリンチで逃げる。大アンディコールが起こる中、右ローを打った小比類巻の顔面をアンディの右ストレートが打ち抜く! マットに尻餅をつく小比類巻、アンディがダウンを奪った!
残り1分、何とかポイントを挽回しようと前に出る小比類巻。右のローに苦しむアンディだったが、必死に小比類巻を突き放して逃げ切る。判定は3-0でアンディ! アンディが小比類巻を下すという大番狂わせを起こした。
動きに精彩を欠いていた小比類巻だったが、大会終了後の谷川イベントプロデューサーのコメントより、試合前に左足首を骨折していたことが判明。決勝で佐藤嘉洋と戦いたいという希望で、出場を直訴していたことが明かされた。
▼第1試合 リザーブファイト 3分3R延長1R
○安廣一哉(正道会館)
判定 3−0 ※30−29、30−29、30−29
●サトルヴァシコバ(勇心館)
1R、ゴングと同時に一気に仕掛けていくサウスポーのヴァシコバだったが、パンチで迎え撃った安廣の急所に右ローキックが入ってしまい、いきなりの一時中断。その後、左ローで2度目のローブロー。再開後はパンチを放ってどんどん前に出るヴァシコバ、ステップでかわしながらヒザ蹴りを狙う安廣。ヴァシコバがどんどん追っていく。
2R、ジャブで距離を測りながら左のチャンスをうかがうヴァシコバ。安廣も左右のフック、飛びヒザ蹴りで攻める。打ち合いが展開され、激しくパンチが交差。パンチで迫っていくヴァシコバだが、安廣がサウスポーのヴァシコバに右のヒザを巧みに当て、ヴァシコバの左フックに合わせて胴廻し回転蹴りの見せ技も放つ。
突っ込んでいくヴァシコバの攻撃を安廣がバックステップでかわし、単発ながらも攻撃を当てているため安廣の上手さだけが目立った。
3R、前に出て行くヴァシコバ、バックステップでかわしながらパンチを返していく安廣。ヴァシコバの空振りが多く、安廣の右アッパーが炸裂! ヴァシコバも左右のフックで逆襲しようとするが、パンチは空を切る。徹底してアッパーを狙う安廣に、ヴァシコバも左右のパンチで前へ出る。メチャクチャに手を繰り出すヴァシコバだが、拳は虚しく空を切るばかり。単発ながらも確実に当てた安廣が判定勝利を収めた。
▼K-1特別試合 3分3R
○HIROYA(フリー/2005アマチュアムエタイ世界大会優勝)
TKO 3R2分45秒 ※タオル投入
●高橋明宏(大誠塾)
注目のK-1デビュー戦となった“中学生キックボクサー”のHIROYA。この試合は特別ルールのためヘッドギア&10オンスのグローブの着用となった。
1R、HIROYAはサウスポーの高橋に対して、いきなり強烈な右のインローから右の前蹴り。さらにワンツーから右ロー、高橋の左ミドルをスウェーで交わすとローを蹴り返す。
右ストレートで高橋をコーナーにつめたHIROYAは顔面とボディにパンチを打ち分け、再び右ローで高橋のバランスを崩す。必死にパンチを出す高橋だったが、HIROYAの右ローを受けてよろめいてしまう。そのまま右ローを連打するHIROYAだったが、高橋は倒れず。攻め疲れからか、HIROYAは後半、高橋の左ストレートで下がる場面も。
2R、HIROYAはコーナーに詰まめられるも、上手く左フックをひっかけそこから脱出し、すぐに右ロー。この右ローで遂に高橋がダウンを喫する。再開後、左フックから右ローのコンビネーションで攻めるHIROYA。そこから右ハイキックを飛ばし、右ローで2度目のダウンを奪う。
HIROYAの右ローを受けてダメージを追った右足をかばうように、オーソドックに構える高橋だったが、HIROYAは高橋の左足にも強烈なローを蹴り込んでいく。明らかに足元がふらうく高橋だったが、ここは意地を見せて、パンチとヒザ蹴りで前に出る。
KOの期待がかかるHIROYAだったが、3Rに入るとややスタミナ切れ。有効だった右ローにも勢いがなく、高橋のパンチのヒザ蹴りに守勢に回る場面が目立つ。
しかし残り30秒過ぎ、HIROYAの左フックがクリーンヒット! ふらつく高橋にスタンディングダウンが宣告される。すると高橋陣営からタオル投入、TKO勝利という形でK-1デビュー戦を飾った。
▼オープニングファイト2 3分3R
○蜜山剛三(ファイブリングス)
判定 3−0 ※30−26、30−28、30−28
●ASH-RA(エックスフォース)
「得意の蹴りで蹴って蹴りまくりたい」と意気込む蜜山は逆輸入ファイター。プロボクシング出身のASH-RAはこれがMAX3戦目。
1R、サウスポーに構える蜜山はミドルからのパンチ、ASH-RAはローキック。ASH-RAのローに蜜山が左ストレートを合わせるが、深追いはしない。ASH-RAはローキックからの左フック狙い、蜜山はASH-RAの動きに合わせてカウンターを狙っている。
2R、鋭いワンツーをASH-RAのガードの隙間から叩き込む蜜山。蹴りからパンチへ繋げていく。しかし、足を止めての打ち合いになるとASH-RAの方が上だ。回転の早い連打でASH-RAが前へ押していく。
ASH-RAが左右のフックからロー、すぐに蜜山が同じ攻撃を返す。蜜山が左アッパーを突き上げれば、ASH-RAも左フック。左フックを当てたいASH-RAだが、蜜山はダッキングやガードでヒットさせない。充分に警戒している。それでも前に出るのはASH-RA、パンチを当てていく。
3R、パンチで前に出るASH-RAを蜜山がミドルキックで迎え撃つ。距離が開くとバックキックだ。パンチのコンビネーションを繰り出してとにかく前に出るASH-RA、蜜山は肩で突き飛ばしたり、クリンチで抑えたりする。コーナーに詰まった蜜山だったが、右アッパーと左フック。
パンチをもらって左フックを空振りした勢いもあってASH-RAがダウン。ASH-RAは猛然と左右フックで襲い掛かるが、蜜山はしっかりと両腕ガード、前蹴り、クリンチでASH-RAを抑え付ける。勢い余って、または自分の蹴りで転倒してしまうことが多いASH-RA。ラッシュを仕掛けたが、蜜山もパンチで打ち合い一歩も退く事はなかった。
▼オープニングファイト1 3分3R
○城戸康裕(谷山)
TKO 1R2分26秒
●川端健司(チームドラゴン)
1R、城戸の右ローにワンツーで踏み込む川端。そのまま城戸をロープに詰めてパンチを集める。川端はジリジリと前に出てプレッシャーをかけてパンチを出していくが、城戸が右ストレートを当て、そこからの左ハイキックでダウンを奪う。
再開後、城戸は前蹴りと左ハイキックで攻める。川端も、必死にパンチを返していくが、ここでもダウンを奪ったのは城戸。今度は得意のハイキックではなく右ストレートだ。これでKO勝ちに大手をかけた城戸は一気にラッシュ! 川端をロープに釘付けにして、最後は右ストレートでダウンを奪った。
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