ZUFFA主催
「UFC68 THE UPRISING」
2007年3月3日(土)アメリカ・オハイオ州コロンバス ネーションワイド・アリーナ
<全試合結果>
▼メインイベント ヘビー級タイトルマッチ 5分5R
○ランディ・クートゥア(チーム・クエスト/挑戦者)
判定 3-0 ※50-45、50-45、50-45
●ティム・シルビア(ミレティッチ・ファイティング・システム/王者)
※クートゥアがヘビー級王座に返り咲き。
大歓声で迎えられたクートゥアに対して、シルビアにはブーイングも起こる。完全にシルビアはヒール扱いだ。同じヘビー級というカテゴリーではあるものの、身長で15cm、体重で約20kg、シルビアがクートゥアを上回る。この体格差がどう試合に影響するか?
1R、クートゥアはインローを放ちながら、シルビアの懐に入って右のロングフック! これがシルビアの顔面を打ち抜き、シルビアがその場に崩れ落ちる! クートゥアはそのままグラウンドで上を取りパンチを落とし、バックポジションを奪う。
しかしここでシルビアはディフェンスに徹底し、ダメージの回復を待つ。クートゥアに自分の体を預けて体重をかけるシルビア。結局、クートゥアはいいポジションこそ取っているものの、有効な攻撃がないまま、ラウンド終了となった。
2R、パンチで積極的に前に出て行くクートゥア。シルビアはクートゥアを首相撲に捕らえてヒザ蹴りを打つ。それでもクートゥアはシルビアを金網まで押し込み、タックルでテイクダウン! シルビアの巨体がマットに転がると、場内はヒートアップする。
インサイドからパンチとヒジ打ちを狙うクートゥアだが、シルビアの長い手足に有効打はない。逆にシルビアが下からパンチとヒジ打ちを返す。そして残り30秒、両者の動きが止まりブレイクとなった。しかし再開後、クートゥアは再びシルビアをテイクダウン。ここまでの展開を見る限り、クートゥアは体重差は感じさせない戦いっぷりだ。
3R、クートゥアは距離を取り、ヘッドスリップでシルビアのジャブをかわす。そしてシルビアのジャブの打ち終わりに、クートゥアが右フック、シルビアの組み際に左フックを当てる。その後もクートゥアは積極的に前に出て、シルビアを後退させる! しかし試合が進むに連れて、疲れのためかやや手数が減るクートゥア。逆にシルビアはコツコツとジャブを当てて、自分の距離で試合を進めていく。
このまま試合の流れはシルビアに傾くのか? しかしここからクートゥアが驚異的な強さを見せた! 4Rが始まるとクートゥアが左フックから飛び込んで両足タックル。一度は切られたものの、上手くタックルを片足から両足へと変化させてテイクダウンを奪う。
2Rにグラウンドで上をとった場面では、なかなかパンチを顔面に当てられなかったクートゥアだが、ここではボディと顔に上手くパンチとヒジ打ちを打ち分ける。しかしシルビアのディフェンスは固くブレイクとなる。試合後半このタイミングでのブレイクは、クートゥアにとって辛いものにも見えたのだが…
再開後、クートゥアは左フックでシルビアの懐に入るとタックル! シルビアの体をマットに転がすと、サイドポジションで押さえ込む。そしてヒジ打ちを落としながら、クートゥアがマウントポジションを奪った! 体格差を活かしてクートゥアの体を跳ね除けるシルビア。それでもクートゥアはすぐにタックルに入り、シルビアに有利なポジションを許さない。4Rに入ってもクートゥアの動きは止まらず、ポイントでは圧倒的にクートゥア有利だ。
それでもクートゥアは攻める姿勢を崩さない。5R、クートゥアはシルビアの首相撲を金網まで押し込んで渾身のテイクダウンを奪ったのだ。すると大ランディコールが巻き起こる! その声援に後押しにされるように、クートゥアはハーフガードから足を抜いてサイドポジションへ。さらにクートゥアはマウントポジションからパンチとヒジ打ちを落とす。
4R同様にシルビアはブリッジでクートゥアの体を跳ね除けて立ち上がるが、ここでもクートゥアはすぐに両足タックル! マットに転がるシルビア! クートゥアがインサイドガードの状態で試合終了のブザーが鳴り響いた。判定はもちろんクートゥア! 25分間動き続ける脅威のスタミナと攻める姿勢、そして体重差をものともしないレスリングテクニック、43歳のクートゥアが世界タイトルに返り咲いた。
歓喜の表情を浮かべたまま、王座奪還に喜びを語ったクートゥア。今年2月からUFCに参戦しているミルコ・クロコップ(クロアチア)とクートゥアの夢の一戦が期待される。
▼セミファイナル ウェルター級 5分3R
○マット・ヒューズ(ミレティッチ・ファイティング・システム/前ウェルター級王者)
判定 3−0 ※30−27、30−27、30−27
●クリス・ライトル(アメリカン・キックボクシング・アカデミー)
前ウェルター級王者ヒューズの復帰戦ということで、客席からはヒューズに大声援が送られる。1R開始早々、ヒューズのタックルにフロントチョークを仕掛けるライトル。ヒューズは足を超えながら、それをディフェンスする。するとヒューズはハーフガードの状態から、逆にフロントチョーク狙い。一旦、フルガードに戻されるものの、左右に動いてパスガードを仕掛けていく。下から足を効かせてそれを阻止するライトルだったが、ヒューズがパスガードに成功する。
ガッチリとサイドポジションで押さえ込み、得意のヒューズポジションに持ち込もうとするヒューズ。しかしここでライトルが足をヒューズの頭に絡めて洗濯バサミ! しかしこれが逆にヒューズに腕十字のチャンスを与えることに。一気にライトルの腕を伸ばしたヒューズだったが、その瞬間にラウンド終了のブザーが鳴った。
2R、ヒューズはライトルを金網に押し込んでタックルに入る。ライトルはここでもフロントチョークを狙うが、ヒューズは上手く足を超えてパスガードする。金網際、サイドポジションでがっちりと押さえ込むヒューズはパウンドとヒジ打ちの連打。ライトルは完全に動きが止まってしまい、ヒューズの攻撃をもらうばかり。そして残り2分、ヒューズは止めをささんばかりにマウントポジションへ。必死にハーフガードに戻すライトル。するとライトルはヒューズをフロントチョークに捕らえ、金網を蹴って後方にスイープ!
上になったライトルはヒューズの下からのアームロックに対して腕十字を狙うのだが、体が離れてヒューズにポジションを返されてしまう。結局、ライトルがグラウンドで下になった状態でラウンド終了。ライトルはヒューズのヒジ打ちで右目付近をカットしてしまった。
3R、ライトルのパンチに対してヒューズがカウンターのタックル。ここまでは上手く足を利かせていたライトルだったが、簡単にサイドポジションを許してしまう。そしてじっくりと押さえ込みながら、V1アームロックやチキンウイングアームロックを狙うヒューズ。ライトルのディフェンスに対して、ヒューズは二ーオンザベリーや上四方にポジションを変えながら、終了間際に腕十字! これはライトルの腕が抜けてしまい極まらず。ライトルの固い守りを崩せなかったヒューズだが、大差の判定勝利で復帰戦を飾った。
▼第7試合 スウィングバウト ミドル級 5分3R
○マーティン・カンプマン(ザイエンスジム)
一本 1R4分6分 ※肩固め
●ドリュー・マクフェデリース(ミレティッチ・ファイティング・システム)
サウスポーのマクフェデリースは、1R開始直後から強烈な左ストレートで飛び込んでいく。何とか蹴りで距離を取ろうとするカンプマンだったが、マクフェデリースは距離を詰めて右フック、パンチの連打で押し込んでいく。
しかしこのマクフェデリースのラッシュを凌いだカンプマンは、コツコツとパンチを返し、マクフェデリースが攻め疲れを見せたところでテイクダウン。一気にサイドポジションで押さえ込む。カンプマンは顔面にヒジを落としながら、ボディにヒザ蹴り。そして最後は肩固めでマクフェデリースを絞め落とした。
▼第6試合 ミドル級 5分3R
○リッチ・フランクリン(チーム・エクストリーム/前ミドル級王者)
TKO 2R終了時 ※セコンドからのタオル投入
●ジェイソン・マクドナルド(アメリカ)
地元ということもあって、この日一番の大声援を受けてオクタゴンに上がったフランクリン。自分からベルトを奪ったアンデウソンが見守る中、復帰戦を飾ることが出来るか?
1R、片足タックルに入るマクドナルドは、テイクダウンを狙う。しかしフランクリンは金網際でそのタックルを切ると、ヒザ蹴りとパンチを打ち込んでいく。再びタックルに入るマクドナルド。ここでもフランクリンはそれを切って、逆にマクドナルドを金網に押し込んでヒザ蹴りを打っていく。距離が離れてスタンドの展開になると、距離を詰めようとするマクドナルドに、フランクリンは右フックから左ストレート。このパンチが面白いようにあたり、マクドナルドのダメージは大きい。
引き込んで寝技を狙うマクドナルドだったが、中途半端な距離を取ってしまう。その隙を逃さず、フランクリンがパウンドでラッシュ! 何とか立ち上がったマクドナルドは、片足タックルでテイクダウン。しかし簡単にフランクリンにポジションを返されてしまう。
2R、ここでも執拗に片足タックルに入るマクドナルドだが、フランクリンは倒れない。マクドナルドはフランクリンをコーナーに押し込み、そのままバックポジションを取りアームバーへ。フランクリンの腕が伸びたかにも見えたが、腕を抜いたフランクリンがサイドポジションからマウントにポジションを移し、左右のパンチを連打!
亀になるマクドナルドに容赦なくパンチを落とすフランクリン。マクドナルドは何とかラウンド終了のブザーを聞いたものの、もはやKO寸前にまで追い込まれており、自陣に戻るとセコンドが試合を止めた。
▼第5試合 ライトヘビー級 5分3R
○ジェイソン・ランバート(ノース・カントリー・ファイトクラブ)
TKO 2R3分36秒 ※レフェリーストップ
●レナート“ババル”ソブラル(グレイシーバッハ・コンバットチーム)
1R、インローからのパンチでランバートに組み付いたババルは、テイクダウンを奪うとインサイドガードからパンチを落としつつ、徐々にランバートを金網に押し込んでいく。ババルの体を蹴って立ち上がろうとするランバートだったが、ババルはそれをがぶってバックポジションへ移行。
完全に足をフックしてチョークを狙っていくババル。しかしランバートはチョークをディフェンスしつつ、腰を上げて立ち上がろうとするなど、動きを止めない。そして反転してインサイドガードに戻し、立ち上がった。
ここまで一方的に攻め込んでいたババルだったが、スタンドの展開に戻ると明らかにスタミナ切れ。ラウンド終了間際にはランバートの右アッパーがババルの顔面を捉え、ババルがフラッシュダウンのように尻餅をついてしまう。
2Rに入ると、ババルは完全に失速してしまい、ランバートにグラウンドで上を取られると、パウンドをディフェンスするのがやっと。そしてブレイク後、ババルが不用意にヒザ蹴りを放ったところに、ランバートの左フックがカウンターでクリーンヒット!ババルはそのまま大の字の倒れ込み、レフェリーが試合を止めた。チャック・リデルに敗れた後の試合のババルだが、手痛い一敗を喫した。
▼第4試合 ライトヘビー級 5分3R
○マット・ハミル(チーム・パニッシュメント)
TKO 1R4分00秒
●レックス・ホールマン(アメリカ)
▼第3試合 ウェルター級 5分3R
○ジョン・フィッチ(アメリカン・キックボクシング・アカデミー)
一本 1R3分5秒 ※チョークスリーパー
●ルイジ・フィオラバンティ(アメリカン・トップチーム)
▼第2試合 ライト級 5分3R
○ジェイソン・デント(アメリカ)
判定
●グレイソン・チバウ(ブラジル)
▼第1試合 ライト級 5分3R
○ジェイミー・バーナー(アメリカ)
タップアウト 1R1分34秒
●ジェイソン・ギリアム(アメリカ)
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