ニュージャパンキックボクシング連盟
「START OF NEW LEGEND IX〜新しい伝説の始まり〜」
2008年7月27日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼第11試合 フェザー級王座決定戦 3分5R
○国崇(拳之会/同級2位・バンタム級1位)
判定3−0 ※49−48、49−47、50−48
●岩井伸洋(OGUNI/同級1位)
※国崇が新フェザー級王座に就く。
バンタムからフェザー級に上げての挑戦をしている国崇が、ついにフェザー級王座決定トーナメントの決勝戦を迎える。対するは2005〜2006年に同王座を保持していた元チャンピオンの岩井だ。両者共に「対戦するとは思わなかった」と口を揃えるが、岩井は「国崇選手の試合は100回は見ている」と対策は万全な様子。
1R、ジャブを出しながら前に出てくるサウスポーの岩井に、国崇は回り込んでのパンチとロー。岩井がパンチを出してくると左フックを被せ、すぐに右フックを返す。さらに左ミドルを腕でブロックして右ボディストレート。
距離感のいい国崇は岩井のハイキックをスウェーで鮮やかにかわすと右ロー。ワンツーで前に出て、右ストレートを確実に当てていく。前へ出る国崇は相手の左側にポジショニングして右ストレートを当てていき、岩井は左ミドルを蹴り返す。
2R、岩井がジャブを突いて左ミドル、国崇はスウェーでかわしての右ローだ。この攻防が何回も見られる。パンチを出しながら前へ出て圧力を掛けていく国崇、岩井のパンチも蹴りもボディワークで鮮やかにかわし、空振りさせて自分の攻撃を当てる。
しかし、国崇の左回りに右へ動くことで対応した岩井は、国崇が正面から入って来るところで右フックをもらってしまう。右ストレートを打ち込んで前へ前へと出てパンチをまとめ、組むと離れ際に左ヒジを繰り出す国崇。岩井のフックにもワンツーを返す。
3R、国崇がついに得意の飛びヒザ蹴りを発射、これはかわされる。ローの蹴り合いが展開され、国崇は岩井のローに右ストレートを合わせて下がったところに飛びヒザ蹴り。岩井も打ち合いに応じて打撃戦となり、国崇はパンチを打ちながらも右ローを確実に当て、岩井の左ミドルに合わせた右ローで岩井の体が揺らぐ。
岩井のローに国崇が右ストレートを直撃! すぐに飛びヒザ蹴りに行くも、これも不発に終わった。下がりながら左ロー、左フックを出す岩井に国崇はボディからストレート、アッパーとパンチをまとめて右ロー。
ボディ攻めからワンツー、そして右ローと攻撃の手を休めない国崇に、岩井の左フックがヒットするが国崇はすぐに右ストレートから右ロー。ラウンドの最後にはバックエルボーも繰り出す。
4R、ここまで蹴り合いでも負けず必ず蹴りを返し、攻撃が当たると次の手を打って攻撃をまとめる国崇。岩井が反撃しても攻撃を返して、必ず受けっぱなしにならなかった。
岩井が左ロー、国崇の右に右フックを合わせて前に出る。国崇はワンツーから右ローを連打、再び前へ出て行くが岩井は下がりながらもパンチを出す。岩井が左ミドルと左ローで攻め、国崇は右ローで反撃。岩井の左ハイキックがヒット! 当たりが浅く首に引っ掛かり、国崇は岩井を倒す。
国崇はパンチから右ローでやや攻めが単調、岩井はローが効いて下がりながらも手を出して、国崇に詰めさせない。国崇はややバテ気味に見え、ローを蹴っているが攻撃が繋がらない。
5R開始と同時に岩井がいきなり激しいパンチの打ち合いを挑み、続いてローの蹴り合いに。岩井のパンチに国崇がバックブローを合わせ、右ローと細かいパンチ連打。さらに左の縦ヒジも繰り出す。得意のレバー打ちもここへ来て当たりだした。
残り時間1分、ちらりと時計を見る国崇。かなり苦しそうだ。それでもワンツー、レバーブローからの右ハイ。岩井は打ち合いを挑み、苦しそうな表情の国崇はバックブローで応戦、前へ出てバックエルボーも放つ。
岩井は組み付いてのヒザで最後の勝負、組み合って激しくもつれ合う中、試合終了のゴングが鳴った。その瞬間、両者ともグッタリ。タフファイトを物語る場面だった。
そして判定は3−0で国崇! バンタムに続いて二階級制覇を達成した。「厳しい試合でしたが、どうにか勝つことが出来ました」と国崇は笑顔を浮かべ、岡山からバスで応援に来た仲間たちに囲まれて記念撮影に応じた。
●国崇のコメント
「正直、嬉しいのひとこと。思い切り苦しかった。パンチの回転が上がらなくて、左に回ろうとしても右に回られてやりにくかった。4Rは一回休憩にしてラストラウンドで勝負をかけようと思ってました。岩井選手はコツコツ来てとペースを崩さず、タフで根性があった。
今後のことはちょっと会長と話をして、しっかり怒られてどう道を開くか考えます。ようやくベルトをとって発言権を持てた。言いたいことがあるけど、今は我慢します。“ヤツ”とやりたい。(その選手は)JAPANです。その人が日本代表みたいに言われている選手なので、ぜひバカスカ打ち合いたいですね。
フェザーでやってバンタムに戻った時は、力が強いタイ人とやっても当たり負けしないと思います。強いタイ人とやりたいですね。この階級で強いのはやはりタイ人ですから。チャンピオンになったし、これでフェザー級卒業はないですよ。仕事はこなします」
▼第10試合 ライト級王座決定戦 3分5R
○大和哲也(大和/同級1位)
KO 1R0分42秒 ※左フック
●HANAWA(ブリザード/同級2位)
※大和が新ライト級王座に就く。
“長崎から来たいなかっぺ大将”を自称するHANAWAは、水着の上にハッピを着た女性5人を引き連れての派手な入場。大和はいつも通り『宇宙戦艦ヤマト』のテーマ曲での入場だ。
当初、ライト級王座決定トーナメントは大和と一輝で決勝戦が争われることが決定していたが、その一輝からトーナメントにエントリーされていなかったHANAWAが5月大会で番狂わせ勝利を収めたため、急遽、決勝進出となった。
1R、HANAWAの右フックに左フックを被せ、さらに右ストレートを放つ大和。両者がステップを踏みながらパンチを交換するが、大和のパンチが何度も入る。そして、大和の回り込みながらの左フック一発でHANAWAはぶっ倒れ、後頭部を強打してダウン。
誰が見ても立てないだろうという強烈なKOシーンを生み出し、大和が前チャンピオンの桜井洋平からベルトを受け取って新チャンピオンとなった。
「これから60KgとK-1ライト級を狙っていくので、よろしくお願いします」と挨拶した大和。リング上には大和ジム勢がなだれ込み、大和を祝福した。
▼第9試合 フェザー級 日・タイ国際戦 3分5R
○サンティパーブ・シット・オウ・ウボン(タイ/現ルンピニーフェザー級3位・元同級王者)
KO 2R1分38秒 ※ヒザ蹴りによる3ノックダウン
●米田貴志(日本/OGUNI/真王杯55kgトーナメント優勝)
3月に骨折して試合が延期となり、これが半年ぶりの試合となる米田。復帰戦にして元ルンピニースタジアム認定フェザー級チャンピオンで、現在同級1位の超強豪サンティパーブとの対戦を迎える。
かつて現役王者タップナーをKOしたこともある米田は“ムエタイ・ハンター”ぶりを発揮することが出来るか?
1R、いきなり右ハイキックを出すサンティパーブ、続いて右ロー。サウスポーの米田は左ロー。やや前に手を出した構えで圧力を掛けつつ、右ローを蹴り続けるサンティパーブ。
圧力を掛けるサンティパーブは左ミドル、右ロー。米田が下がるところに左ストレートと左ハイキック。米田は左ロー。
サンティパーブは右ヒジを立て気味にした独特の構えで近寄っていき、掴むふりをして右ロー、終了間際には右ヒジを繰り出す。
2R、前に出てくるサンティパーブを前蹴りで突き放した米田だが、サンティパーブはヒジから組み付いて執拗なヒザ蹴り。
米田が左アッパーから左右の連打、そして左ミドルと連打して攻勢に出たかに見えたが、すぐに首相撲に捕まって強烈なボディへのヒザ蹴り連打からのアゴヘのヒザでダウン!
立ち上がった米田だが、鼻血のためドクターチェックに。
米田の右フックに右ヒジを返し、右ヒジで米田にガードを固めさせ、その隙間にねじ込むような左の縦ヒジで2度目のダウンを奪うサンティパーブ。
米田の左目上は大きく腫れあがる。ヒジ合戦からハイキック合戦、サンティパーブの右ハイで米田が下がり、ヒザ蹴りの連打でついに米田がうずくまる!
サンティパーブが圧倒的な実力の差を見せ付け、米田を一方的に葬った。
▼第8試合 54kg契約 日・タイ国際戦 3分5R
○デェダムロン・KBA(タイ/元ルンピニーーミニフライ級&ライトフライ級王者)
KO 2R0分37秒 ※右ハイキック
●前田浩喜(日本/インスパイヤード・M/NJKFバンタム級王者)
現在破竹の11連勝中の前田が登場。
初の国際戦で元ルンピニースタジアム二冠王を迎え撃つ。デェダムロンは日本で国崇、レオン・ケイスケを破っている。
1R、サウスポーの前田が右へ回り込み、左ミドルを蹴るとデェダムロンも左ミドルを蹴り返す。
右ストレートから早くもヒジを繰り出すデェダムロン。 前田は回り込みながら左ロー、デェダムロンは左ミドルから右ストレート。
前田の左ローに右ストレートを合わせてくる。前田が組み付くとすぐにヒジ。デェダムロンは右ハイキックを連打し、右ストレートを狙う。
2R、やはり右へ回り込もうとする前田だが、デェダムロンは左へ動いて前田を正面においての右ストレート。
一気に攻め込むデェダムロンに、前田が左側へ動いて右フックを打とうとしたところに右ハイキックが直撃!
立ち上がろうとした前田だが前のめりに崩れ落ち、デェダムロンが豪快なKO勝ち。前田の連勝は11でストップされた。
▼第7試合 68kg契約 日・タイ国際戦 3分5R ※ヒジなし
○ガンスワン・BeWell(タイ/元ラジャダムナンスーパーライト級王者)
判定3−0 ※50−49、49−48、50−47
●健太(日本/E.S.G./NJKFウェルター級王者)
5月にウェルター級チャンピオンの座を獲得するも、6月の王者第一戦で長島☆自演乙☆雄一郎にまさかの敗退を喫した健太。今回の試合も大学のテスト期間と重なってしまったが、テストは全然ダメで単位も危なく、そのストレスの全てをガンスワンにぶつけるという。いつも趣向を凝らした入場を見せる健太だが、今回は普通に入場。
1R、サウスポーのガンスワンが左ミドルで先制、健太が距離を詰めるとすぐに離れる。ガンスワンがパンチで来ると健太は左フック、離れると右ロー。
ガンスワンのローには右ストレートを合わせ、すぐに左フック、右フックに繋げる。ガンスワンの左ストレートがクリーンヒットし、腰が落ちた健太はニヤリ。
ガンスワンのハイキックをかわして右ロー、組んでくるとヒザを入れる健太。左へ回り込みながら左フックを狙う。
2R、健太はロープへ詰めていってのレバーブロー、正面から行くとテンカオと右フックをもらう。真正面から入ってしまう健太にガンスワンが左ストレート、右ボディストレート、左フックを合わせてくるため健太はなかなか入り込めない。
健太はフックから右ローのコンビネーション、左へ大きく回り込むが入る時は真正面からのためガンスワンのストレートやヒザをもらってしまう。
3R、ボディから左右フックを叩く健太。左へ回り込んで右ローを放つが、ガンスワンもパンチからのハイキックで迎え撃つ。
健太が左ストレートから右ストレート、ガンスワンは組んで投げる。パンチで前に出てくるガンスワンに健太が右ロー、下がりながらカウンターを狙う健太は左ハイキックに右ストレートを合わせ、ロープを背負わせての右ロー。2Rでガンスワンに傾いた流れを取り戻し始める。
4R、健太が右ローを連打、ガンスワンがパンチを出してくるところに左フックを被せて離れ際に右ロー。パンチで前に出て来るガンスワンと足を止めての打ち合いに! が、打ち負けたのは健太の方。
コーナーへ詰められたところでガンスワンが飛びヒザ蹴り! 喰らって下がる健太にパンチで襲い掛かるガンスワン。さらに組んでのヒザから健太をコカす。
左ミドルに右ストレートを返す健太は、ガンスワンが前に出てくると右ロー。ガンスワンが飛びヒザ蹴りから足払いでコカす。
ヒザ蹴りに捕まる健太だが、右ローを蹴って脱出、追ってきたガンスワンへバックブロー。ガンスワンの左ミドルと健太の右ローの相打ちが続く。
5R、右ローから左フックで攻める健太だが、ガンスワンのパンチに押されて下がる。組み付いてのヒザ蹴り。健太は右ローからのパンチを狙うが、ガンスワンの左ミドル、前蹴りに突き放されてしまう。
右ローを蹴って前に出る健太、ガンスワンは前蹴りから組む。健太のパンチは空を切るが、右ローを蹴り続ける。ガンスワンは蹴り足をとってのボディへのヒザ。健太が距離を詰めようとすると左ミドル、前蹴りで近づけさせない。
判定は3-0でガンスワン勝利。150戦100勝のベテランの妙味、元ラジャダムナン王者の実力を見せ付けた。
▼第6試合 61kg契約 日・タイ国際戦 3分5R
○中須賀芳徳(OGUNI/真王杯60kgトーナメント準優勝)
KO 3R2分14秒 ※左ストレート
●ソンクラー・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイ/元BBTV・WPKFフェザー級王者)
当初予定していたスーパーフェザー級王座決定トーナメントがTURBOの左膝靭帯損傷のため中止となり、116戦ものキャリアを誇るベテランのムエタイ戦士ソンクラーと対戦することになった中須賀。先月はタイ修行を行っていたとのことで、その成果が期待される。
1R、両者ともサウスポー、ソンクラーはお腹のたるみが気になる。ロープを背負ったのは中須賀の方、前に出てくるソンクラーにジャブ、ソンクラーはいきなりヒジを放つ。
軸足払いでコカされたソンクラーが右ローから左フック、中須賀の左ストレートにはボディストレートとローを返して組み付く。
ソンクラーが左ローから左ストレート、組みにいってヒザ。中須賀が体勢を入れ替えたところでゴングが鳴ったが、ソンクラーがヒジを放ったため中須賀はムッとした表情。
2R、リング中央でソンクラーが左ロー、中須賀が前に出るとソンクラーは組みつき、放すと左ロー、右ミドル。中須賀は押して左ロー、ソンクラーは蹴り足を掴んで反撃を試みるが中須賀も防御する。
強烈な左ローを蹴っては組み付くソンクラーに、中須賀は左ローから飛びヒザ!
攻勢に出る中須賀が左ローを狙い撃ちし、ソンクラーがロープを背負うと飛びヒザ、さらに左ローを強打する。
3R、中須賀の左ローに足を上げて受けたソンクラーだが、衝撃で倒れる。ソンクラーはヒジで勝負を賭け、中須賀は体を入れ替えての左ローとヒザ。左ロー、左ストレート、右アッパーと畳み掛ける中須賀。ソンクラーもヒジで切りかかる。
離れるとソンクラーも強い左ローを蹴ってくるが、中須賀の左ローに大きく下がり、突き飛ばしてコーナーへ追い込んだところへ飛び込み様の左ストレートでKO! 中須賀が鮮やかな勝利を飾った。
「どうしてもタイの選手とやるとつまらない試合になってしまうので倒すつもりでやりました。
この流れに乗って9月は絶対にベルトを巻くので暇な人も暇じゃない人も9月は絶対に見に来て下さい」と、中須賀は9・27後楽園大会でのスーパーフェザー級王座決定戦の赤十字竜戦をアピールした。
▼第5試合 エキシビジョンマッチ 2分2R
ヨーユット・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイ/元ルンピニーフェザー級4位)
※エキジビションのため勝敗なし
赤十字竜(キング/フェザー級5位)
▼第4試合 日・タイ国際戦 67kg契約 3分5R
○宮越宗一郎(拳粋会/NJKFウェルター級2位)
判定3−0 ※三者とも49−48
●K・ウォー・ワンチャイ(タイ)
※5Rに偶発的なバッティングがあり、Kが試合続行不可能となったため5R途中までの採点で判定。
▼第3試合 フライ級 3分5R
○中西祐介 (健心塾/同級1位)
判定3-0 ※50-47、50-46、50-46
●大槻直輝(OGUNI/同級5位)
▼第2試合 55kg契約 3分3R
○田中将士(上州松井)
KO 1R0分33秒 ※右フック
●斉藤知彦(E.S.G)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
○上田龍之介 (キング)
判定3-0 ※三者とも29-28
●大和侑也(大和)
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