M-1 MC
「M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ
Legend of elbows2008〜YODMUAY〜 」
2008年8月10日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:30
▼メインイベント 日タイ国際戦 58kg契約
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSR/M-1バンタム級王者)
TKO 2R2分4秒 ※ヒジによるカットでレフェリーストップ
●山本元気(DTS/全日本スーパーフェザー級1位)
ついに迎えた真夏の日・タイ決戦! 2年前に全日本キックのリングで激突し、文字通りの死闘を繰り広げ、ドローに終わっている元気とワンロップ。
まずは元気がいつものように上半身裸で臨戦態勢の状態でリングイン。セコンドには大月晴明もつく。
対するワンロップは多数のウィラサクレックの登りと共にド派手な入場。ワンロップコールの中、ワイクーを踊れば、賞金首を意味する札束の首飾りをつけるなど、元気にとっては完全にアウェームードだ。
全日本キックの小林聡GMもリングサイドで見守る中、ウィラサクレック会長がワンロップのモンコンを外し、運命のゴングが鳴った!
1R、サウスポーのワンロップはインロー。元気は右ストレート、インローを返す。じりじりと前に出て右ストレートを放つ元気。ワンロップのガードが上がると、右ボディストレートから左フックを顔面に返す。
前に出てくる元気を前蹴りで突き放すワンロップ。元気は右ボディストレート。ワンロップはインローで元気を崩して、左ハイキックを返す。そこから首相撲に持ち込むワンロップだったが、元気はそれを突き放す。
距離が離れると左ストレートを打つワンロップ。元気はパンチでワンロップを下がらせて右ミドルを蹴る。ワンロップは元気のインローをすくって、バランスを崩させる。ジャブ&インローの元気。ワンロップが左ハイキックを蹴ると、元気は前に出て右ストレートを打つ。
プレッシャーをかけて前に出続ける元気。ワンロップは得意の右足上げフェイントから左ヒジ! しかしこれはクリーンヒットしない。さらにワンロップは左ストレートから左ヒジ、しかし元気もすぐに右ストレートを打ち返す。
ワンロップの左ストレート、右フックをブロックしてインローを蹴る元気。ワンロップは左ストレートと左ヒジで前に出るが、元気はそれをかわす。
右の前足をフェイントを入れるワンロップ。元気はそれをすくってワンロップをこかそうとするが、ワンロップはその動きを見て右ハイキック!
元気の即頭部をかすめる。そこから組み付いて首相撲の展開に持ち込むワンロップ。しかし元気はそこに右アッパーを突き上げる。
距離が開くと左のヒザ蹴りで前に出るワンロップ。元気は右ロー。再び左のヒザ蹴りで前に出るワンロップだが、元気は左右の連打。
ワンロップの左ハイキックをブロックして右ストレートで飛び込む。左ミドルで元気のステップインを阻止しようとするワンロップ。左ストレートから組み付いて首相撲の展開に持ち込むが、元気も簡単にはヒザ蹴りを許さず、ワンロップの体を突き放す。
ほぼ五分五分の内容ではあったものの、常に元気が前に出てプレッシャーをかける展開が続いた。
2R、ワンロップはインローを蹴って元気のバランスを崩そうとする。しかし元気もすぐにインローを返して、さらに右ボディストレート。
ワンロップは左ハイキックを飛ばし、右手で元気の左手をはたくようにして、そこから右のヒジを繰り出す。この右手のはたき→右ヒジはインターバル中にワンロップのセコンドが指示していた技だ。
これを機に前に出て行くワンロップ。元気は下がりながらも左右のパンチ、首相撲の展開になってもブレイクを待つ。
再開後、元気が右ストレートから左ボディ! ワンロップは左ヒジを振って、そこからインローを蹴る。ワンロップは右手のはたき→右ヒジを多用。
インローから左ミドルを蹴る。ワンロップの右側への回り込みながら右ストレートを打つ元気。ワンロップは距離が詰まれば左のテンカオと前蹴りだ。
インローで踏み込んでから右ストレートを打つ元気。ワンロップはその元気を捕まえて組みヒザ。距離が離れると、ワンロップはやはり右手のはたきから右のヒジ。
左ハイキックを飛ばす。しかしワンロップの攻撃を受けながらも、元気は一歩も引かず前に出続け、逆に右ミドルを蹴る。後退しながらもワンロップは前蹴り、左ストレート、左のテンカオ。
それでもじりじりと前に出る元気。ワンロップをロープにつめたところで右ストレート! さらにパンチで前に出ようとすると、ワンロップが右手のはたきから打ち下ろすような右ヒジ! これで元気が眉間のあたりから出血! そのままドクターチェックが入る。
勝利を確信して、両手を突き上げるワンロップと沸き返るウィラサクレック軍団。
一方の元気は傷自体はそこまで深くなく、出血量も少なかったのだが、レフェリーは試合ストップを宣告! 元気VSワンロップの第2戦は、ワンロップのTKO勝利という結末を迎えた。
試合後、控え室に引き返してくるなり「全然(傷は)大したことないじゃん!」と悔しさを露にした元気。
セコンドの大月も「ワンロップはプレッシャーを受けて下がらせられると弱いじゃないですか。それにスタミナも切れるから、1・2Rはプレッシャーをかけて、3・4Rで勝負だと思ったんですよ。
このまま行ったら、絶対にワンロップのスタミナが切れてたと思うんです。だからもうちょっとやらせて欲しかった…」と、悔しさを語る。
また全日本キックの宮田充・興行部長は「ドクターの判断は間違いではなかったと思います。ただ3度目はヒジで逃げられないような状態を作るというか、例えば山本元気をぶっ倒したら100万円やるよ、くらい言ってもいい。
元気にはワンロップと、とことんやらせたい」とコメント。今回の試合結果により、ワンロップVS元気、そしてM-1VS全日本キックの抗争がより激しさを増していきそうだ。
●ワンロップのコメント
「ゲンキは凄く強かったし、パンチも重かった。今回はずっとガードを意識した練習をしてきたんだ。ヒジは狙っていたね。タイミングで出た感じだ。ゲンキは前回闘った時とあまり変わっていなかったと思う。1Rは向こうのパンチを受けて、僕もパンチを返した。
2回目の対戦だから、ゲンキの戦い方は分かっているし、大丈夫だったよ。危なかった場面? ゲンキはパンチが重いから、全ラウンドを通じて気をつけないといけないと思っていたよ。次の目標? やっぱりK-1に出ることだね」
●山本元気のコメント
「ヒジで切られて、他のヒジは全部見えてたんですけどね。ボディとローを効かせようと思っていて、すぐに疲れたのも分かったんですよ…負けたくなかったです、アイツには。あんなヤツに負けて悔しい。
そんなにやられたイメージはなかったです。パンチはちょっともらいましたけど、前よりは圧力がなかったし、引き引きだったじゃないですか。最後の右ヒジはさすがだと思いましたけどね。大月さんに練習付き合ってもらって、作戦通りに試合が進んでいたから、もうちょっとやらせて欲しかった。これから楽しくなるところだったから。
ただアゴを骨折してから2戦目なんですけど、徐々に動きが良くなってるんですよ。一番良かった時に比べて60%くらいは戻って来ているし、すぐに試合がしたいです。いっぱい練習もして、傷が治ればすぐに試合をやりたいです」
▼セミファイナル 日タイ国際戦 ライト級
○カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSR/M-1フェザー級王者)
TKO 3R1分42秒 ※タオル投入
●海戸 淳(S.V.G./全日本ライト級2位)
全日本キック ライト級の強さを見せたいとM-1参戦を決めた海戸。
対戦相手は全日本のリングで石川直生にKO勝ちしているカノンスックだけに、申し分ない相手だ。
1R、サウスポーのカノンスックに対して海戸はいきなり右ミドル。その後もインロー、ジャブからの右ミドルなど、右の蹴りを中心に攻撃を組み立てる。
軽く左ミドルを返すだけで、まずは様子見といったところのカノンスック。海戸は右ストレート、右ハイキック、さらには左のサイドキックやバックキックなど、多彩な蹴り技で一気に攻め立てる。
しかし2Rに入ると、カノンスックが猛攻を仕掛けた!
序盤こそ海戸の右ストレートや意表をバックヒジが当たったものの、カノンスックは海戸の右ミドルに左ストレートで飛び込むと、今度は海戸の右ミドルをスウェーして左ハイキック! これが海戸の即頭部をかすめる。
さらに攻撃の手を休めないカノンスックは左ハイキック、組んでからの左ヒジ、左アッパー。 カノンスックはパンチを打とうと海戸の頭が下がったところに、左ハイキック。
組み付く海戸を豪快にマットに叩きつけるなど、完全に試合の主導権を握る。
ラウンドが終わり、自陣コーナーに戻ってくるカノンスックはニヤリと余裕の笑み。
そして3R、一気に左ミドルで前に出るカノンスックは左ハイと左ロー。そして海戸がロープを背負ったところで、左ストレートからの左ヒジ!
これが海戸の顔面をとらえ、カノンスックがダウンを奪う。
何とか立ち上がり試合を続行する海戸だったが、カノンスックは右フックから左ハイ。
さらに右フックを強震しながら、逃げる海戸を追いかけると、組み付いた状態からヒジ! さらにカノンスックは海戸をマットに叩きつける。
ここでも立ち上がった海戸だったが、鼻からも出血が見られ、セコンドがタオルを投入。カノンスックがその強さを見せ付けた。
▼第8試合 日タイ国際戦57kg契約
○コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/WSR/M-1スーパーバンタム級王者)
判定2−0 ※50−48、48−48、50−49
●牧 裕三(アクティブJ/J-NETWORKバンタム級王者)
一時は引退し、タイに帰っていたというコムパヤック。久しぶりの試合はいかに!?
対する牧は前日計量で「ヒジで勝ちたい」と宣言している。
1R、距離を測って右ローを蹴る牧。コムパヤックは左ミドルを蹴るが、牧もすぐに右ローを返す。
得意の右ハイキックを蹴るコムパヤックだが、牧もそれをしっかりガード。牧はジャブ&右ローで攻撃を組み立てる。
2R、じりじりと前に出て左ミドルを蹴るコムパヤック。パンチのフェイントから右ロー、さらにジャブを突いてからの前蹴りで、牧を突き放す。このラウンドから手数を増やすコムパヤックだったが、牧はコムパヤックの攻撃を受けると必ず右ローを返す。
3R、細かくジャブを突くコムパヤックは左ミドル、そして左ハイキック! その後もパンチから左右のハイキックにつなげるが、牧はしっかりそれをガードする。
そして牧がコムパヤックのジャブに右ローを合わせると、コムパヤックの足が止まる! ここから牧は試合前の予告通りに左右のヒジを打つ。
4R、牧はコムパヤックの左ミドルをブロックして右ロー。コムパヤックの蹴りには必ず右ローを返す。さらに細かくジャブを突いて、右ローを蹴る牧。下がるコムパヤックに左右のアッパー、細かいパンチの連打をまとめる。コムパヤックは後退しながら左ミドルを蹴る。
5R、コムパヤックは構えをスイッチして左ミドルを蹴る。そこに右ローを蹴る牧。右ストレート、右ヒジと攻撃を繰り出していくが、コムパヤックはガードして左ミドルを蹴る。
コムパヤックは距離を取りながら、左ミドルを蹴るという攻撃を徹底。組み付いては牧をマットに転がす。
その後も左ミドルを蹴り続けるコムパヤックを牧を今一歩攻めきれず。牧の善戦が光る内容だったが、コムパヤックの上手さの前に僅差の判定負けとなった。
▼第7試合 M-1・J-NET交流戦 特別ルール 69kg契約
○小宮由紀博(フォルティス渋谷/J-NETWORKスーパーライト級1位)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSR/M-1スーパーウェルター級王者)
※クンタップにバッティングで減点1
ヒジなし、3分3R延長1Rという特別ルールで行われた一戦。これまでスーパーライト級を主戦場にしていた小宮にとっては大幅な階級アップでの試合となった。しかし前日計量では小宮が68.9kgでクンタップが67.9kg。リング上で対峙した時にはほとんど体格に差はない。
1R、細かく構えをスイッチしながら左ミドルを蹴るクンタップ。小宮はそれをブロックしながら前に出て右ストレートで一気に距離を詰める。
小宮の圧力を受けて下がりながら左右のミドルを蹴り返すクンタップ。小宮はそれに合わせて右ストレートで飛び込む。
2R、小宮が右のボディストレートからクンタップをロープに詰めて右ストレート! パンチの攻防を嫌うクンタップは組み付いてそれを阻止する。左ミドルで距離を取るクンタップ。
小宮はクンタップの組み際を狙って右アッパー。小宮はクンタップを受けると、すぐに右ストレートで飛び込む。クンタップのミドルVS小宮の右ストレートという展開が続く。
3R、右ミドルで前に出るクンタップ。組みついて小宮をマットにこかす。
小宮はインローでクンタップのバランスを崩させると、そこから細かくパンチの連打。クンタップの蹴りをスウェーでかわすと、右ストレートを放つ。
左右のミドルで距離を取るクンタップをワンツーで追いかける小宮。クンタップは首相撲に持ち込むが、これまでのラウンドのようにヒザ蹴りが出ない。判定は本戦ドローとなり、試合は延長戦へ。
延長R、サウスポー構えからインローを蹴るクンタップ。小宮は右ストレート、そして右の飛びヒザ蹴り! クンタップにロープを背負わせて、パンチの連打をまとめる。
組みヒザ蹴りを多用するクンタップ。小宮は首相撲に捕まると右アッパーを突き上げる。右ミドルで距離を取ろうとするクンタップに右ストレートで飛び込む小宮。
ここで首相撲の展開になると、クンタップのバッティングで小宮が額をカット。クンタップに減点1が宣告される。
これによりポイントで圧倒的不利になったクンタップ。これまでの蹴り主体の攻撃からワンツーで一気に前に出て行く! 小宮はそれをディフェンスして右アッパー。クンタップは組み付くと、ヒザ蹴りを連打して、小宮をマットに倒す。
再開後もパンチを振り回して前に出るクンタップだが、小宮も右ストレートでそれに応戦。判定は減点1が響く形となり小宮の勝利。特別ルールではあったものの、クンタップを破る金星を挙げた。
▼第6試合 日タイ国際戦 55kg契約
○寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級1位)
TKO 2R1分11秒 ※ローキックによる3ノックダウン
●ルーンロム・シックローム(タイ/バンタム級)
今年3月にM-1でワンロップにTKO負けを喫した寺戸が再びM-1に参戦! 今回はノーランカーのルーンロムと対戦した。
1R序盤からバチバチと右ローを蹴っていく寺戸。
ルーンロムは右ヒジ、寺戸がパンチで前に出てきたところで左フックを狙うが当たらない。
逆に寺戸はパンチからの右ローを徹底的に蹴り続け、早くもラウンド終了間際にはルーンロムがローのダメージでバランスを崩す。
2R開始直後、寺戸がローを蹴るとルーンロムが堪らずダウン!
何とかカウント内に立ち上がるルーンロムだったが、足元はフラフラ。
寺戸がすぐにローキックの連打で2度のダウンを奪い、余裕のKO勝利を収めた。
▼第5試合 日タイ国際戦ヘビー級
○シリチャイ・クレイジービー(KRAZY
BEE)
TKO 2R2分52秒 ※右ハイキック
●色増幸作(二丁目G)
※色増(別名:IRO関)はこれが引退試合。
▼第4試合、交流戦ヘビー級
○悠羽輝(和術慧舟会DURO)/J-NETWORKヘビー級4位)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−29
●古田太一(アイアンアックス)
▼第3試合 交流戦 ライト級
○翔太(S.V.G./全日本ライト級9位)
TKO 1R1分54秒 ※ヒザ蹴りによる3ノックダウン
●小磯哲史(小鉄組)
▼第2試合 女子交流戦 ライトフライ級
○ちはる(WSR)
判定3−0 ※三者とも30−28
●田中祐季(青春塾/J-GIRLフライ級3位)
▼第1試合 交流戦 ヘビー級
○濱田淳史(チームドラゴン/J-NETWORKヘビー級10位)
TKO 1R2分36秒 ※ローキックによる3ノックダウン
●イ・ソンチョン(ワイルドシーサー/元プロボクシングOPBFミドル級王者)
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