全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「SWORD
FIGHT 2008〜日本VSタイ5対5マッチ〜」
2008年9月19日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
オープニングファイト開始17:45
▼メインイベント(第8試合) 日本VSタイ大将戦 59kg契約 3分5R
○ペッエーク・ソー.スワンパクティー(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者)
TKO 2R2分59秒 ※ドクターストップ
●石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
ラジャダムナンスタジアムをはじめ3つのスタジアムで4本のベルトを巻いたペットエーク。一昨年からは“ムエタイ・レジェンドファイター”としてヨーロッパ・キック界から招聘を受け、現在はタイと股にかけて活躍中だという。
ワイクーを踊るペットエークをジッと見つめる石川。時計はすでに9時48分。にも関わらず長くワイクーを踊るペットエークに場内からどよめきが起こる。矢を射るポーズをとると、石川は笑顔。石川には雑誌の対談などで親交のある、総合格闘家の青木真也から花束が贈られた。
1R、体をクネクネとくねらせながらのゆっくりとした動きから、突然スピードのあるハイキックやヒジを飛ばしてくるペットエーク。独特のリズムと間合いである。ゆっくりした動きからいきなり右ヒジ、左ハイキック。緩急をつけたトリッキーな動きだ。
顔を前に出して打って来いと挑発するペットエークだが、いきなり前に出るとバックエルボー。ロープを背負うペットエークに何度かアタックを試みる石川だが、すぐにスピードを変えて攻めに転じるため、いかにもやりにくそう。
2R、攻めてはスッと間合いを外し、石川がパンチで強引に行くとバックエルボーを返してくるペットエーク。それでも石川は強引に入っていき、ヒジの合い打ち! 石川の左ミドルには同じ左ミドルを返すが、石川は右ストレートで一気に飛び込んでいく。石川の右ローが当たり始め、ペットエークの左ミドルをキャッチしてボディにパンチを打ち込む。
圧力を掛けて石川がペットエークをロープに詰める。石川にいい流れが出てきたかと思われた次の瞬間、体を入れ替えて石川にロープを背負わせたペットエークの右ヒジが炸裂! これで石川が眉間寄りの左目上をカット! リングサイドに“ガツッ!”と鈍い音が響くほどの当たりだった。
ドクターチェックが入ると、石川の傷口を見たドクターはすぐに首を横に振った。2R、残り僅か1秒での出来事だった。
傷の中を6針、外を9針、合計15針を縫った痛々しい姿でインタビュースペースに現れた石川。ヒジで切られての負けは40戦目にして初めてのこと。「ヒジは見えなかった。俺が上から行ったところに下からで、完全にカウンターだった。ヒジの打ち合いを楽しんでるところがあって…向こうはヒジで完全に勝負してきた。向こうの喧嘩を買っちゃったという感じ」と試合を振り返る。
「ハッピーエンドを掴み損ねた。7番勝負のあと2つが残っているから、あとの2つで巻き返す。俺の中では年内に1試合、そして1・4で最後の勝負。そこで巻き返したい」と、石川は逆襲を誓った。
▼セミファイナル(第7試合) 日本VSタイ副将戦 58kg契約 3分5R
○山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
判定2−0 ※50−48、49−49、50−48
●コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/M-1スーパーバンタム級王者)
全日本キックでは山本元気、藤原あらしをKO・TKOで撃破しているコムパヤック。一度引退してタイへ帰ったが、今年になって再び来日してカムバックした。
対する山本は大月晴明らを破って全日本キック60kg級最強の男として君臨しているが、VSムエタイになると勝率が悪く、これまで7戦して1勝5敗1分と大きく負け越している。
1R、山本はゴングが鳴ると一気に間合いを詰めていってパンチ&ロー。コムパヤックは得意の右ハイキックを連発してくるが、山本はしっかりブロックしてすぐにパンチを返す。
ジャブから左ローに繋げる山本。コムパヤックはロープを背負って迎え撃つが、山本のパンチを振ってからの鋭い左右ローが何度も入る。
コムパヤックのハイキックはブロックし、左フックから右ロー、ジャブから左ロー。鋭いコムパヤックの右ハイキックも紙一重でブロックする。
2R、やはりロープを背負うコムパヤックに山本はパンチからロー。コムパヤックの右ハイキックはブロックしてワンツー。1Rよりもスピードアップした山本はパンチからロー、コムパヤックの蹴りをガードしてすぐにパンチを返す。
左ミドルから飛びヒザ蹴りを繰り出す山本! 右へ回りながら左右のロー、パンチをガードさせてのボディ打ち。コムパヤックは山本の右のパンチに左ミドルを合わせていくが、顔には明らかな焦りと疲れが見える。
3R、顔面にパンチを集めてローを当てて行く山本、右へ回りこんでの右ロー三連発、コムパヤックは右ミドルを返していくが、サウスポーに構えた山本は蹴りに合わせて左のストレートを突き刺していく。サウスポーから左ミドル、ワンツー、コムパヤックが入ってくると右フック。
前に出てくるコムパヤックのヒジをかわし、ローキックを叩き込む。さらに連打からローキック。追ってくるコムパヤックに左ヒジを突き刺してカットに成功! さらに左の縦ヒジで追い討ちをかける。
4R、ワンツーから右フック、左右の連打からロー、右へ回り込んでロー&右ミドル。追いかけるコムパヤックに顔面への前蹴り! サウスポーから左ストレートを面白いように当てる山本は飛びヒザ蹴りも繰り出す。コムパヤックの蹴りはブロックし、ワンツーを返す。ついに組んでくるコムパヤック。ブレイクになると、コムパヤックの右ミドルに山本が左ストレートのカウンター!
5R、ここまで劣勢のコムパヤックだが、応援団に向かってガッツポーズを作る。真弘は左へ回りながらローキック、ワンツー、ジャブにはコムパヤックが右ハイを返してくるがしっかりブロック。右フックから右ジャブ、すぐにローキックへ繋げる山本。
コムパヤックは右ミドルを連発して前に出るが、山本を捕まえきることが出来ない。山本の左ハイキック、組んでのヒザ蹴り。最後には意地の反撃を見せたコムパヤックだったが、山本のスピードに追いつくことは出来なかった。
コムパヤックはロープに乗ったり、足踏みをして勝利をアピールしたが、判定は2−0で山本! 2007年5月のモンコントーン戦以来、1年4ヵ月ぶりにタイ人からの勝利を奪った。
これで日本VSタイ5対5マッチは2勝2敗の五分に! 決着は大将戦にもちこされることになった。
▼第6試合 日本VSタイ中堅戦 55kg契約 3分5R
○チャートピチット・トー.ポンチャイ(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定フライ級8位)
判定2−0 ※49−49、50−48、50−48
●藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
ムエタイ攻略作戦第3戦となるあらし。今回は初の現役ランカーとの対戦になる。ファイタータイプで打撃戦に滅法強く、打ち合いの末にパンチで倒したことも数多いチャートピチットを相手に、「一からやり直した」という新生あらしの技術は通用するのか?
1R、あらしが左ローで先制すると、チャートピチットはいきなりジャンプしてのヒジを脳天に落としてくる。チャートピチットの右ボディストレートから右ハイ。あらしは左ローを放ち、チャートピチットはボディストレートを打ってから左右のフックやミドルに繋げてくる。
あらしが距離を詰めると必ずパンチで迎え撃つチャートピチット。表情を変えず、細い目でジッとあらしを観察しているのがなんとも不気味。チャートピチットの強烈な左右ミドルが鈍い音を発して何度も決まる。
2R、右へ動きながら左ローを当てるあらしに、強烈な右ミドルを返すチャートピチット。あらしがジャブから左ロー、チャートピチットは右ボディストレートから左フック。あらしの攻めはかわされ、チャートピチットのパンチや蹴りは当たるという展開が続く。
あらしが思いきった左フックで入ると、フック&アッパーで打ち合いを挑んでくるチャートピチット、パンチの打ち終わりには右ハイキック! あらしはしっかりガードしてパンチを返す。
3R、あらしはジャブ&左インロー、チャートピチットは飛び込むような右ストレート。あらしが反撃してくるとかわして左ミドル、あらしも重い右ミドルで応戦。パンチと蹴りを上下に散らして多彩な攻めを見せるチャートピチット、あらしのジャブやミドルも当たっているが、手数が全く違う。
間合いの操作で巧みにあらしの攻撃をかわしてミドルを当ててくるチャートピチット、あらしの攻めは左インローくらいしか当たらない。ミドル&パンチのコンビネーションに翻弄されるあらし! 最後には首相撲からの足払いでコカされる。
4R、チャートピチットが右ミドル、右ボディストレートから左フック。チャートピチットの右ミドルが何度もヒットする! 軸足を蹴り、左インローに繋げていくあらし。あらしの左インローとチャートピチットの右ミドルが交互にヒット! その中でチャートピチットがバランスを崩す場面も。
意地の張り合いのような左ローと右ローの蹴り合い。あらしがジャブからアッパー、そしてローでコカす。さらにミドルに合わせた軸足蹴りであらしが2度も転倒させる!
5R、左ローと右のパンチを狙うチャートピチットに、あらしのジャブがヒット。またもあらしの左インローとチャートピチットの右ミドルの交戦に。パンチで前に出るチャートピチット、あらしは左ミドルに左インローを蹴り返す。逆に前に出るあらしだが、間合いを詰めることが出来ず、先にチャートピチットの右ミドルをもらってしまう。何かに取り付かれたような目をして、前へ前へと出て行くあらし。
ミドルにはローを蹴り返し、パンチにはミドル。チャートピチットは勝ちを確信しているのか、ガードを下げて後ろへ下がり続け、あらしの攻撃をかわしていく。あらしが接近すると先手のミドルキック。
判定はジャッジ1名が49−49でドローだったものの、他の2名は50−49、50−48でチャートピチット! あらし善戦も、現役ランカーには届かなかった。
▼第5試合 日本VSタイ次鋒戦 68kg契約 3分5R
○サムランチャイ・96ピーナン(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位
、プロムエタイ協会同級9位)
TKO 3R2分25秒 ※ドクターストップ
●山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
サムゴーに続き、VSムエタイ2連戦となった優弥。今回の対戦相手であるサムランチャイは元プロムエタイ協会ライト級王者であり、現在でもルンピニースタジアムのスーパーライト級7位に位置する強豪選手。
さらに相手の体重を操り攻撃を入れるリアムを得意とするテクニシャンタイプの選手である。優弥はこの強敵をどう攻略するか?
1R、ローとジャブを細かく優弥。左右のミドルと左ボディを打ち込んでいく。ガードを上げて、下がりながら距離をとるサムランチャイ。
前蹴りで優弥を蹴り放し、強烈な右ローを蹴る。サムランチャイをロープに詰めて細かいパンチから右ロー、左ミドルを蹴る優弥。
そしてサムランチャイのガードの間を狙って左アッパー、左ボディ!この攻撃に場内は大きく沸き返るが、サムランチャイはジャブと前蹴りで落ち着いて距離をとる。ジャブと左フック、そこから右ローを蹴るサムランチャイ。
その後もサムランチャイはジャブから右ローで攻める。優弥も左ボディから右ローを返すが、右ローは当たらない。
2R、パンチとローで細かく攻撃を繰り出す優弥。サムランチャイは距離を測って右ロー。組みつくと優弥をマットに転がす。右ミドル、右ローを蹴るサムランチャイ。優弥の左アッパーに右ヒジを合わせ、右ミドルを飛ばす。
優弥はサムランチャイのミドルをブロックして左ボディ。サムランチャイはあらしのミドルをキャッチして組み付くと、優弥をマットにこかす。サムランチャイが右ミドル。優弥は右ローを返す。ここからサムランチャイは何度も優弥に組つき、ヒジとヒザ。距離が離れると、優弥が左ボディと右フック!
サムランチャイはパンチでも優弥と打ち合い、右フックを返す。右ミドルを蹴るサムランチャイ。ワンツーから右ローにつなげる優弥。終盤、サムランチャイは組み付いて、優弥をマットにこかす。
3R、ジャブとローを蹴る優弥。サムランチャイは前に出て右ヒジ! そのまま組み付くと優弥をマットにたたきつける。サムランチャイは首相撲に持ち込んで強烈なヒザ蹴りを出す。しかし優弥がサムランチャイの右ローに右ストレート! さらに返しの左フックも当てるが、すぐにサムランチャイの首相撲につかまってしまう。
首相撲を多用するサムランチャイに対し、組み際を狙って左ミドルを蹴る優弥。さらに左アッパーから右フックをヒットさせ、サムランチャイの鼻から出血させる。
しかしこれで火がついたのか、サムランチャイは左手を伸ばしながら組み付いてヒジ! そして強烈なヒザ蹴りを打つ。するとこのヒジ打ちで優弥が左の口周りをザックリとカット!
ドクターチェックが入り、まだ試合が出来るとグローブを回す優弥だったが、ドクターは試合ストップを宣告。(優弥の傷口は完全に皮膚を貫通していたとのこと)サムランチャイが評判通りのテクニシャンぶりを見せて、優弥を切って落とした。一方、優弥は悔しげな表情で「すいませんでした」と四方に頭を下げてリングを降りた。
▼第4試合 日本VSタイ先鋒戦 63kg契約 3分5R
○吉本光志(AJ/IKMF東洋ライト級王者)
判定3−0 ※49−48、49−47、49−48
●カノンスック・ウィラサクレック(タイ/M-1フェザー級王者)
SWORD
FIGHT2008の口火を切るのは、今回が初のムエタイ戦となる吉本と勝っても負けてもKO決着の超アグレッシブファイターのカノンスックの一戦。公開練習では小林聡から野良犬魂を注入された吉本は全日本キックのランカーに連勝中のカノンスックを食い止めることができるか?
1R、サウスポーのカノンスックに対し、吉本は軽くインローを放つ。それを受けてカノンスックは強烈な左ロー、ジャブを突く吉本に左のヒジを返す。距離をとって右ミドルを蹴る吉本。カノンスックは強引に距離をつめて吉本の首をつかむと左ヒジ、左ハイキックを飛ばす。カノンスックは吉本がパンチで詰めるとそこに待ってましたと左ヒジ! さらに左ミドルを蹴りこむ。
吉本のジャブに立てヒジを合わせるカノンスック。吉本はカノンスックのインローを受けると、吉本もすぐにインロー返す。カノンスックは自ら前に出て左ミドル。吉本はそれを押し返して右ミドル、そしてカノンスックのボディに右のテンカオを突き刺す。カノンスックは左ボディストレートから、左ミドル。
吉本はカノンスックのジャブにここでも右のテンカオ。カノンスックは吉本をパンチで下がらせてから右ハイキック、奥足への左ロー。そして距離がつまると強烈なヒジ! カットこそないものの、何度もカノンスックのヒジを受ける吉本。カノンスックはヒジのフェイントで吉本を下がらせる。
2R、吉本が右のテンカオで前に出ると、カノンスックは左ヒジ! そこから一気に吉本をロープに詰めてパンチの連打! 下がって距離を取る吉本だったが、カノンスックはそこに強烈な左ミドル。いきなりピンチを迎えた吉本だったが、カノンスックの左ミドルをブロックしてすぐに右ロー。そこから右のテンカオ、右ミドルを返す。
しかし距離を詰めてきたカノンスックが左ヒジを放つと、これで吉本が右即頭部をカット! 吉本にドクターチェックは入るが、ここは試合続行となる。再開後、カノンスッキは試合を終わらせんばかりの猛攻! 左ストレートと奥足へのローで前に出ると、左右のヒジを強震! さらに距離が開くと強烈なミドルとインローを蹴る。
これに対し吉本も右ロー、右ミドル、右の飛びヒザ蹴りを返すが、カノンスックは場内に「バチン!」と衝撃音が響くような、強烈な左ミドルを吉本のボディに叩き込む。ここまで劣勢の吉本だったが、カノンスックのローにカウンターの左ハイキック! これがカノンスックの顔をかすめる! しかしカノンスックはニヤリと笑って余裕を見せると、左のヒジ、左ストレート、奥足へのローと、再び猛攻を仕掛ける。
3R、左ローで前に出る吉本。カノンスックは下がりながら左ミドルと左ストレートを返し、右ヒジで飛び込む。カノンスックをコーナーに詰めて右ミドルを蹴る吉本。カノンスックは吉本を首相撲に捕まえると、離れ際に左ヒジ。
吉本はカノンスックをロープに詰めると、右ストレートを二発。吉本が右ハイキックを空振りしたところに左ハイキックを蹴るカノンスック。しかしこのラウンドは吉本の圧力に下がらせられる場面が目立つ。吉本はカノンスックを下がらせて右ミドル、右ロー。
カノンスックも下がりながら左ミドル、左ストレートを返すが、明らかに勢いがなくなっている。逆にどんどん前に出る吉本はカノンスックをロープに詰めてからの右のテンカオ! カノンスックは距離が詰まると組みついて、ヒジを繰り出す。しかしこれも単発に終わる。
4R、ここまでとは違い、いきなり組み付くカノンスック。しかし吉本はそれを突き放して、カノンスックをコーナーまで詰めるとボディと顔面に左右の連打! さらにカノンスックのボディに右のヒザ蹴りを叩き込み、右のヒジやパンチでカノンスックを追い込んでいく!
カノンスックも吉本のパンチに左ヒジを合わせるのだが、吉本は全く下がらない。そしてカノンスックの左ミドルに飛び込むような右ストレート! この一発でカノンスックの動きが止まる! 大きなチャンスを一気に前に出る吉本! 左右のストレートをカノンスックの顔面に叩き込む。
しかしカノンスックもそこに狙い済ました左ヒジ! これが吉本の顔面をとらえる! 圧倒的に手数が多いのは吉本だが、カノンスックがヒジ打ちを出す度に場内からは悲鳴が上がる。足元がふらつきながらも攻撃を繰り出す両者。しかし先に動きが止まったのはカノンスック。
吉本に組みの攻防でカノンスックをマットにたたきつけると、カノンスックはなかなか立ち上がることが出来ない。再開後、吉本も左右の連打から右ロー! ここでラウンド終了ののゴングが鳴らされるが、カノンスックの視線は宙を彷徨い、足元はフラフラだ。
5R、ここでもいきなり組み付くカノンスック。吉本はそのカノンスックを突き放すと鬼のような表情でパンチの連打! カノンスックをコーナーに釘付けにして、一心不乱にヒザ蹴りとパンチを叩き込んでいく。
カノンスックは口も空いて、立っているのもやっとの状態。しかし必死に吉本の攻撃をかわして、立ち続ける。このラウンドが始まってから2分以上も猛攻を続ける吉本。右ストレートから左ミドル。左ハイキックと、カノンスックをサンドバック状態にするが、カノンスックはニヤリ。吉本の攻撃を一方的に受けながらも、最後まで倒れず。日・タイ戦は初戦から大激闘となった。
判定は3R以降に猛攻を仕掛けた吉本の勝利! 死力を尽くして戦った吉本は判定が告げられるとマットに大の字に寝転んだ。その後、マイクを握った吉本は「またいつもの自分の試合になってしまいましたけど、皆さんの応援してくれる声でがんばれました。次はもっと強い選手とやります!」と宣言。吉本が日本チームに1勝をもたらした。
▼第3試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○ソルデティグレ・ヨースケ(UWFスネークピットジャパン)
TKO 2R2分00秒 ※ドクターストップ
●正巳(勇心館/同級8位)
今回がフェザー級での試合は初となるヨースケ。常にインパクトある試合をするヨースケだが、ここ2試合は連敗中であり、結果がほしいところ。
1R、いきなり右のヒジで飛び込むヨースケ。左を伸ばして右アッパー、左フックを打ち込む。正巳はガードを上げて、パンチをブロックしながら右ロー。
しかしヨースケは頭をくっつけるように距離を詰めて、ジャブ、右アッパー、左フックを打ち込む。正巳はそれをブロックしてこつこつと右ローを返す、じれでやや足が止まったヨースケだったが、右の大きなパンチで突っ込んで連打をまとめる。
2R、ワンツーで前に出るヨースケ。正巳もパンチと右ローのコンビネーションで押し返す。パンチと右ローを交互に打ち合うような展開が続く中、ヨースケが正巳のガードの上から右ヒジを強打!
正巳もしつこく右ローを返していくが、ヨースケの右の立てヒジが正巳の額を切り裂き、正巳が出血。ドクターチェックが入ると、ドクターは試合続行不可能と判断。ヨースケが鮮やかなTKO勝利を飾った。
▼第2試合 58kg契約 サドンデスマッチ 3分3R
○白鳥 剣(新東金/MA日本キックボクシング連盟)
判定2−0 ※29−29、30−28、30−29
●岩切博文(月心会/全日本フェザー級6位)
▼第1試合 フェザー級 3分3R
○小山泰明(建部館/2007年度全日本学生キックフェザー級王者)
判定3−0 ※30−26、30−26、30−25
●石井振一郎(チャモアペット)
▼オープニングファイト第3試合 スーパー・フェザー級3分3R
△中向居尚輝(S.V.G.)
判定0−0 ※30−30、30−30、30−30
△大前力也(WSK/KSS健生館)
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級3分3R
○伊藤将彦(STRUGGLE)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●KOTARO(SOUL GARAGE)
▼オープニングファイト第1試合 ライト級3分3R
○原田直樹(青春塾)
判定3−0 ※30−27、30−28、30−27
●丹藤義則(AJ)
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