ニュージャパンキックボクシング連盟
「START OF NEW LEGEND XI 新しい伝説の始まり」
2008年9月27日(土)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00(予定)
▼第12試合 NJKFスーパーフェザー級王座決定戦 3分5R
○赤十字竜(キング/同級2位)
判定3−0 ※49−48、50−48、50−47
●中須賀芳徳(OGUNI/同級1位)
※赤十字が初代王座に就く。
新設されたスーパーフェザー級王座を争うのは、真王杯60kg級準優勝の中須賀と、7月に20歳になったばかりの新鋭・赤十字(あかじゅうじ)。中須賀は16勝(6KO)4敗、キックボクシングの60kg級最強決定トーナメント真王杯で準優勝後、R.I.S.E.でオノリュウに不覚を喫したが、その後は4連勝で現在3連続KO勝ちと再び波に乗っている。
対する赤十字は元・MA日本&全日本ウェルター級&全日本ミドル級チャンピオンの向山鉄也を父に持つ、いわばキックボクサーのサラブレッド。17歳でプロデビューし、高校在学中に5連勝を飾るなど大器の片鱗を見せ付けた。負傷によって長期欠場を余儀なくされ、7月に王座決定トーナメント1回戦で復帰戦を行う予定だったが、対戦相手の負傷で流れて、今回の王座決定戦がなんと2007年1月14日以来の試合。戦績は5勝(1KO)1敗と中須賀とは大きなキャリアの差がある。
赤いTシャツを着た中須賀の応援団と、黒いTシャツを着た赤十字の応援団がゴング前から名前をコール。場内が真っ二つに割れたような声援合戦が繰り広げられ、異様な雰囲気の中ゴングが鳴った。
1R、サウスポースタイルから得意の左ストレートを狙う中須賀。左ミドルが鈍い音を発して決まる。両者共に前蹴りを多用して距離をとり、ミドル&ローの交換。中須賀は前蹴りで距離を取ったかと思うと、飛びヒザ蹴りで距離を詰める。強い単発の攻撃を繰り出す中須賀に対し、赤十字はパンチからロー、ミドルのコンビネーション。
2Rになると赤十字の左ローが何度もヒット、中須賀は攻め込んで行って決め手の左ストレートを放つが、赤十字はバックステップ&スウェーなどのボディワークでかわしていく。赤十字は右ミドル&ハイキックを繰り出し、確実に左ローへ繋ぐ。パンチで攻め込む中須賀には左フックを返す。
3R、中須賀は作戦を変えて左ローキック主体の攻め。お互いにローを蹴り合い、至近距離でパンチを交錯させる! 赤十字の右アッパーに中須賀も左アッパーを打ち返そうとしたが、そこへ赤十字の右フックがカウンターでヒット! 中須賀が膝を着き、ダウンが宣告される。大きくどよめく場内。中須賀は失点を奪い返そうと、ヒジ、組んでのヒザ、左ストレートで猛追するが、赤十字の左ローに大きくバランスを崩す。
4R、ローからパンチ、組んでのヒザ蹴りをやる中須賀に赤十字もしっかり組んでヒザで応戦。中須賀が飛びヒザから左ストレートをヒットさせると、赤十字もすぐに左フックを打ち返す。逆転を狙う中須賀はロー、ヒザを出しつつヒジを振るう。接近戦になると激しくアッパー、フックが交錯! 攻守が目まぐるしく入れ替わり、お互いの意地と気迫が伝わってくる熱闘に場内も大沸き!
5R、赤十字が左右のフックとアッパー、右ストレート。中須賀が左ストレートと左フック、組んでのヒザ蹴り。お互いにパンチを当て、中須賀がヒザで攻め込むとすぐに赤十字がパンチで逆襲する。赤十字のボディブロー連打に中須賀がボディへの飛びヒザ蹴り!
最後の最後まで激しく打ち合い、パンチ、キック、ヒジ、ヒザ、キックボクシングのあらゆる技の応酬が繰り広げられ、両者の気迫も凄まじく、“これぞキックボクシング!”という大激闘となった。両陣営の大応援団の熱気もあり、場内は大盛り上がりの内に終了のゴング。
判定は3−0で赤十字! 大方の予想を覆して本命・中須賀を破り、NJKF次代のエースが誕生した。まだ20歳ながら老練な動きと父親譲りの激闘ぶり…これからが楽しみなまだ未完成のチャンピオンである。赤十字は齋藤京二理事長、そして父である向山鉄也副理事長(右)にベルトを巻かれ、高々と手を挙げられた。
▼第11試合「G.M.C. PROMOTION PRESENTS TOMONORI 60kg狩り
1st」 63kg契約 3分3R※ヒジなし
○TOMONORI(OGUNI/WMCインターコンチネンタル・スーパーフライ級王者、MACH
GO! GO! 52kg級覇者)
判定2−1 ※30−29、28−29、30−29
●村浜武洋(K-1フェザー級トーナメント’97覇者、元KICK世界スーパーフェザー級王者、元シュートボクシングJSBAカーディナル級王者)
52kg級で国内最強を証明したTOMONORIが、60kg級のK-1ライト級参戦を視野に入れ、なんと10kg以上重い63kg契約での試合に挑む。この前代未聞の挑戦、しかも対戦相手は70kg級のK-1
WORLD MAXで活躍し、アンディ・サワーからダウンを奪ったこともあるベテランの村浜だ。
1R、飛び込んでいったTOMONORIが右フックで先制、両者ともフックを狙って激しく動く。さすがに村浜のパンチを警戒し、圧力で下がっていくが、ロープを背負っても村浜のフックをサイドステップでサッとかわし、村浜が勢い余って転倒する場面も。
TOMONORIは低く入ってパンチを狙う村浜のボディに飛びヒザ蹴り、すぐに離れて距離を取る。ロープを背負いながら回り込むTOMONORIはローキック、村浜もローからフック。村浜の右フックでTOMONORIは左目上をカットして流血する。入ってくる村浜に左フック、飛びヒザ蹴りを合わせるTOMONORIだが、村浜もどんどん前進。
2R、圧力を掛けてパンチを狙ってくる村浜に、TOMONORIはボディへの飛びヒザ蹴り、ハイキック、強いローキックを放っては距離を取る。TOMONORIは強いローを蹴りつつ再三飛びヒザ蹴りを狙っていくが、ボディには入るも顔面には当たらない。
左右のフックで前に出る村浜と、蹴りで距離をとるTOMONORI。ロープ際でガードを固めて村浜に連打させ、サイドステップでスッとかわす。空振りしてバランスを崩す村浜。しかし、TOMONORIも下がっているばかりではなく、何と片手を着いてのハイキック(カポエラキック)を繰り出してさらに飛びヒザ蹴り。流血したTOMONORIにドクターチェックが入り、試合は一時中断。
3R、ミドル&ハイキック、さらにカウンターの左フックを狙うTOMONORIを追い回す村浜。左右のフックをガードして蹴りを返すOTMONORI。巧みにインロー、飛びヒザ蹴りのカウンターをヒットさせるのだが、やはり体重差はいかんともしがたく、村浜は下がらない。
終盤、村浜の右フックがクリーンヒット! 一瞬ひやっとする場面だったが、TOMONORIは連打を許さずサッと離れる。距離をとると胴廻し回転蹴りをニ連発! 村浜はいずれも喰らわない。さらに右フックをヒットさせてTOMONORIを下がらせるが、村浜が前に出てくるとTOMONORIは飛びヒザ蹴り。
両者共に非常にスピード感のある試合を展開し、スリリングな攻防に場内も沸いた。試合終了のゴングが鳴ると、TOMONORIは笑顔で村浜の前に跪いてお礼を言う。判定は30−29、28−29、29−28のスプリットながらTOMONORIの勝利! 60kg狩りツアーの第一戦を勝利で飾った。
しかし試合後、TOMONORIは「今後の方向性は会長、トレーナー、マネージャーと話し合って決めます」と言う。「次の試合は60kgでやります」とは明言したが、やはり体重の壁は感じたというのだ。
「それに、やっぱりヒジありでやりたいというのもある。強いタイ人とやりたいですね」と、今回の試合を参考に今後の方向性を模索していくという。
▼第10試合 日・タイ国際戦 68kg契約 3分5R
○ガンスワン・BeWell(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者)
判定3−0 ※48−47、48−47、49−46
●石毛慎也(東京北星/元NKBウェルター級王者)
昨年7月のセンチャイ・ソー・キングスター戦以来のムエタイ戦に挑む石毛。対戦相手は元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級チャンピオンのガンスワンだ。今年7月にはウェルター級チャンピオンの健太にヒジ無しルールで完勝を収めている。
1R、開始すぐに石毛の右ローがガンスワンの金的に入ってしまい、石毛がそれに気を取られた瞬間、サウスポーのガンスワンがワンツー! 左ストレートで石毛がダウンを奪われてしまう。その後も伸びる左ストレート、右フックの強打で石毛をコーナーへ釘付けにする。
2R、ガンスワンは左ミドルと前蹴りを多用。右ボディストレートを狙い撃ちする。石毛は左へ回りながらジャブと右ロー。ガンスワンの強い前蹴りに押される。
3R、石毛がジャブから右ローを狙い撃ち。このローを嫌がるガンスワンだったが、右フックから左ハイで反撃、パンチも細かく上手く当てて行く。石毛は長いジャブで下がらせてのローキック。
4R、両者共にボディ攻めと蹴りからヒジを振るう。ヒジが乱れ飛ぶ危険な展開。そこで石毛がカットに成功! ドクターチェック後、石毛はフックとロー、両者のヒジが次々と飛び出す。ガンスワンは前蹴りとボディ打ち、石毛はミドルキックとボディストレート。
5R、ガンスワンが前蹴り、左ストレート、左ミドル、そして速いパンチで石毛を近づけさせない。石毛が前へ出てくると組み付き、攻めさせない。石毛は左ヒジをヒットさせるが、前蹴りに阻まれてしまった。ラスト、石毛が胴廻し回転蹴りを放ったところで試合終了。
パンチを多く的確に当てていたガンスワンが、判定で勝ちを収めた。
▼第9試合 交流戦 70kg契約 3分3R※ヒジなし
○長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/MARS王者決定トーナメントAブロック優勝)
KO 1R1分50秒 ※3ノックダウン
●宮越宗一郎(拳粋会/NJKFウェルター級2位)
総合格闘技「MARS」のブラスターバウト(通常のキックボクシングに投げ、立ち技からの関節技あり)王者決定トーナメントAブロック優勝の実績を持ち、同連盟のウェルター級チャンピオン健太を大阪大会で破っている長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)が、後楽園ホール初登場。
長島は自らアニヲタ(アニメおたく)と公言し、アニメのキャラクターのコスプレにアニメソングで入場してくる変り種。一見、イロモノだが、立ち技格闘技10戦10勝(6KO)無敗という戦績を誇っている。
迎え撃ったのはウェルター級2位の宮越宗一郎(拳粋会)。全日本キックボクシング連盟のトップランカーであるクリストフ・プルボーや、ムエタイ戦士K・ウォーワンチャイから勝利して現在三連勝中のパンチャーだ。長島に勝てば王者・健太が持つタイトルへの挑戦も見えてくるだけに、この外敵を退治したいところだったが…。
1R、大月晴明を彷彿させるようなフックを振り回して突進する長島。顔から行くため宮越の右フックをもらいながらも、構わず左フックを打ち返してさっそくダウンを奪う。
フックを振り回して凄まじい勢いで攻める長島に対し、宮越も打ち合ってしまい、左フックで再び倒される。もう後がない宮越はパンチで応戦するが、長島の勢いは止まらず右、左と強打を振り回す。宮越の右をまともにもらっても、すぐに左フックを打ち返して3度目のダウンを奪い、豪快なKO勝ちを飾った。
場内がざわめく中、衝撃的な後楽園デビューを飾った長島は「全世界のアニメファンの皆さん、こんばんは。K-1の谷川プロデューサー、アニメおたくをK-1に惹き付けるのでよろしくお願いします」とマイクで、アニメファンを引き入れたいなら俺を出せ、とK-1参戦をアピールした。
▼第8試合 NJKFフライ級王座挑戦者決定戦 3分5R
○中西祐介(健心塾/同級1位)
KO 3R2分17秒 ※右ヒジ
●三好 純(y-park/同級2位)
▼第7試合 交流戦 ライト級 3分5R
○一輝(OGUNI/NJKF同級3位)
判定3−0 ※48−47、49−47、50−47
●翔太(SVG/全日本キックボクシング連盟同級7位)
▼第6試合 フェザー級 3分5R
△真二(OGUNI/同級4位)
ドロー 判定1−1 ※48−50、50−47、49−49
△龍馬(y-park/同級8位)
▼第5試合 バンタム級 3分5R
○星 雄晴(町田金子/同級8位)
KO 2R2分58秒 ※3ノックダウン
●田中将士(上州松井/同級10位)
▼第4試合 女子フライ級 2分3R
△大浜芳美(OGUNI/J-GIRLS同級2位)
ドロー 判定1−1 ※30−28、29−30、29−29
△難波久美子(契明/MA日本キックボクシング連盟)
▼第3試合 交流戦 ウェルター級 3分3R
○DAI(誠至会/NJKF同級10位)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●小沼“CANDY”壮城(PHOENIX/J-NETWORK同級9位)
▼第2試合 ライト級 3分3R
○長嶋 透(インスパイヤード・モーション)
KO 3R1分1秒 ※右ヒジ
●立澤伝史(PIT)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
○上田龍之介(キング)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−28
●信之助(東京北星)
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