FEG
「K-1 WORLD MAX 2008
World Championship Tournament FINAL」
2008年10月1日(水)東京・日本武道館
開場16:30 開始18:00
▼メインイベント(第8試合) K-1 WORLDMAX 2008 World
Championship Tournament決勝戦 3分3R延長2R
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/2003世界王者)
延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9
●アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン・オデッサ/2007世界3位)
※本戦判定は28−28、28−27(魔裟斗)、28−28
今年の世界一を決める戦いもいよいよクライマックスを迎えた。5年ぶりの世界王座奪還を目指す魔裟斗は、準決勝で佐藤嘉洋との日本人頂上決戦を制しての決勝進出。対するキシェンコは連覇を目指す現世界王者アンディ・サワーを下して、決勝へ駒を進めた。
昨年のトーナメント準決勝で対戦している両者、この時は魔裟斗が左フックでキシェンコをマットに沈めている。魔裟斗がキシェンコのリベンジを退け世界の頂点に立つのか? それともキシェンコが新たに世界王者としてその名を歴史に刻むのか?
1R、右ローを蹴る魔裟斗。キシェンコは左フックから右ローを返す。キシェンコもワンツーから右ロー。魔裟斗は右ストレートから前に出て連打をまとめる。ここから足を止めてパンチで打ち合うと、互いの左フックが顔面をかすめる!
魔裟斗はキシェンコの左足を狙ってインローとアウトロー。キシェンコは魔裟斗の右ローを受けるとバランスを崩す。魔裟斗はアッパーから左ミドル。
キシェンコが魔裟斗のローを空振りさせると、魔裟斗が尻餅をつく。距離を詰めてアッパーとフックを打つ魔裟斗。キシェンコがローを蹴ると、魔裟斗も動きが止まる。前に出てパンチをまとめる魔裟斗。キシェンコはそこにヒザ蹴り。
魔裟斗はキシェンコのボディにパンチを打ち込む。これでキシェンコが下がる。右ストレートで前に出る魔裟斗。そして魔裟斗はジャブ&ローで攻める。このラウンドのポイントは10−10、10−9、10−9で魔裟斗がリードする。
2R、魔裟斗の前蹴りに右ストレートで飛び込むキシェンコ。これで距離を詰めたキシェンコが左フックから右ストレート! この一発で魔裟斗がダウンを奪われてしまう。
準決勝に引き続き、先にダウンを奪われるという苦しい展開になった魔裟斗。しかし試合再開となると、魔裟斗は自ら前に出て打ち合う!
ワンツーで前に出るキシェンコ。魔裟斗もアッパーから右ストレート。再び二人の左フックが両者の顔面を捉える、魔裟斗は右ロー、左フック! これをもらいながらも左フックを返すキシェンコ。ここから魔裟斗が右ストレートで前に出る。キシェンコが下がる!
魔裟斗は左フックを効かせて連打、そして左ボディ。キシェンコも右ストレートと右ローを打ち返す。
魔裟斗が右アッパーを突き上げれば、キシェンコは右フック! すかさず魔裟斗も右アッパー、右ロー! 右フックで前に出る魔裟斗は右ロー。キシェンコも左フックから右アッパー、そして右ローを蹴る。
キシェンコが右アッパーから左フック。魔裟斗も右アッパーを打ち返す。キシェンコにダウンを奪われた魔裟斗だったが、その後の猛攻でポイントを挽回。インターバルで発表されたポイントは3者とも9−8でキシェンコとなる。
3R、ワンツー、左ミドルを蹴る魔裟斗。キシェンコは右ストレートを返して右ハイキック。そして二人の左フックがここでも交錯する。魔裟斗が右フックから左ボディ。さらに左アッパーから右フックを返す。
やや手数の少ないキシェンコだが、的確な右ストレートを返す! 魔裟斗が左ボディを打てば、キシェンコも左ボディ。距離を詰めて打ち合う。キシェンコが右ローを蹴ると、魔裟斗も右ロー。そしてヒザ蹴りで前に出る。
ジャブ、右アッパーで前に出る魔裟斗。キシェンコはガードを固めて右ロー。魔裟斗はワンツーから右ローを蹴って、キシェンコを下がらせる。右アッパーから左フックを打つ魔裟斗。キシェンコも左フック。
そして足を止めて二人が打ち合う! キシェンコが右ストレートから左フック。魔裟斗が右ローを蹴るが、キシェンコの攻撃は止まらない。キシェンコが右ストレートから左フック、そして左のヒザ蹴りを突き上げる。
このラウンドは互いに一歩も引かず、殴り合いとなった。判定は……28−28、28−27(魔裟斗)、28−28でドロー! 決勝戦も延長戦にもつれこむ接戦となった。
延長R、いきなり打ち合う両者。魔裟斗とキシェンコの左右のパンチが交錯する! 魔裟斗が右ロー。左フックを返すキシェンコ。
魔裟斗は左ミドル、そしてインローとアウトローを蹴る。キシェンコも前に出て突っ込んでいくが、魔裟斗がそこに右ストレート。
魔裟斗の右ローを嫌ってか、キシェンコは時折サウスポーに構えをスイッチする。そこから左ヒザを蹴るキシェンコ。
魔裟斗が前に出て来るところに左フックを返す。ジャブを突いて前に出る魔裟斗。キシェンコが左アッパーを突き上げると、魔裟斗は左フック。
そしてここでも二人が足を止めて激しく打ち合い、左フックが互いの顔面を捕らえる。魔裟斗の前蹴りにキシェンコが右ストレートから左フック。
魔裟斗が右ストレート、キシェンコが左フック。キシェンコが右左のフック、そして右ストレート!
これが魔裟斗の顔面を捕らえるが、魔裟斗はジャブから左ボディ、そして右ストレート。ガードを固めて前に出るキシェンコ。
キシェンコが左フックから右ストレート。しかし魔裟斗も右ストレートで前に出る! このラウンドは3Rを越える激闘となった。
そして判定は10−9、10−9、10−9で魔裟斗! 佐藤、キシェンコとの死闘=計8Rを戦い抜いた魔裟斗が世界一に返り咲いた! 泣き顔で表情をクシャクシャにしながら、喜びをかみ締める魔裟斗。
リング上でマイクを渡された魔裟斗は「いやあ、やっと世界チャンピオンになれました。15歳から格闘技を始めて、ずっと格闘技を続けてきて、一つのことをやり続けるといいことがあると思います。
一つのことを諦めずにやり通すと、充実している気持ちになるし、いいことです。自分は99%の努力と1%の才能でやってきて、天才でもない。継続は力なりで、努力がこのベルトにつながったと思います」と清々しい言葉で挨拶を締め括った。
▼セミファイナル(第7試合) ISKA世界ライト級王座決定戦 3分3R延長2R 60kg契約
○上松大輔(チームドラゴン/挑戦者)
KO 1R0分29秒 ※左ヒザ蹴り
●大宮司進(シルバーウルフ/王者)
K-160kgの次期エースと目される上松が大宮司の持つISKA世界ライト級に挑戦!
普段はファッションモデルもこなす“イケメン”上松は白いガウンを身にまとい、首からは大きなアクセサリーをつけて、リングへ上がる。
“魔裟斗の盟友”大宮司には魔裟斗のトレーナーを務めるヌアトラニーがつく。
1R、前に出てくる大宮司に対し、上松は下がりながらロー。細かいパンチで大宮司にガードを上げさせると、すぐにヒザ蹴りを蹴る。
一旦、距離が離れると上松はミドルを蹴って、大宮司の頭を掴んで左のヒザ蹴り!
これがグサリと突き刺さり、大宮司が後方に吹っ飛びダウン! この一発で大宮司は立ち上がることが出来ず。上松が秒殺勝利で、ISKA世界ライト級王者となった。
▼第6試合 K-1ルール 3分3R延長1R 60kg契約
○大月晴明(AJKF/WPKC世界ムエタイライト級王者)
判定3−0 ※30−28、29−28、30−29
●梶原龍児(チームドラゴン/WFCA世界ライト級王者)
ライト級の絶対エースと紹介された大月は「ド突き合います」、11月にバンドのCD発売が予定されている梶原は闘うロッカーと紹介され「殴り合います。殴り合いの“合い”は“愛”ですよ」と“殴り愛”を宣言。両者共にパンチを得意としているだけに、打ち合いを誓った。
1R、右手を伸ばした独特の構えからジリジリと詰めていく大月は、梶原にロープを背負わせるといきなり左ハイキックをヒットさせる。
その後も左ハイキックを多用しつつ右ローを蹴り、機を見て思い切った右フック、左フックを放つ。大月のスイングが空振りしただけで、場内からはどよめきが起こる。
梶原は下がりつつ右ロー、何度かパンチを交錯させたが、このラウンドは様子見に終始した。オープンスコアはジャッジ2名が10−9で大月、残り1名が10−10。
2R、パンチを振り回してくる大月に対し、梶原は蹴りをほとんど使わずボクシング勝負。
ジャブを有効に使い、大月のフックをダッキングでかわしていく。フックの回転は大振りの大月よりも速く、フック系に対してストレート系のパンチを多用するため、このラウンドは梶原のヒット数が目立った。スコアは10−9で梶原が1名、他の2名は10−10のイーブン。
3R、梶原がパンチで前に出るが、目のいい大月はまともにもらわず逆にフックを返す。
梶原が連打でコーナーへ詰めて行けば、大月はハイキックをヒットさせて梶原を大きくグラつかせる! しかし、その後も梶原がフックで逆襲し、大月も右フックで打ち合いに応じる。
期待通りのパンチ合戦となったが、KO決着にはならず、勝敗は判定に委ねられた。判定は30−28、29−28、30−29で大月の勝利。豪腕不発でKO出来なかったからか、大月は首を捻る。場内からは「ライト級は5Rで見たいよ!」という声も飛んだ。
▼第5試合 K-1 WORLDMAX 2008 World Championship
Tournament第2リザーブファイト 3分3R延長1R
○ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムック/2004・2006世界王者)70.0kg
KO 1R2分18秒 ※右フック
●ブラックマンバ(インド/レボリューション・ファイトチーム)
準々決勝で佐藤嘉洋にKO負けを喫した元世界王者のブアカーオが第2リザーブファイトに登場。対戦相手は総合格闘技のリングで活躍するブラックマンバという異色の組み合わせとなった。
1R、まずは左ミドル、前蹴りを蹴るマンバ。ブアカーオはそれを落ち着いてディフェンスして右ストレートを返す。さらにマンバの蹴り足を取ってミドルを蹴るブアカーオ。マンバは前に出て組んでヒザ蹴りを打つ。ブアカーオはマンバの前蹴りをキャッチして左フック!
ブアカーオが佐藤との最初の対戦でダウンを奪ったパンチと全く同じ形でマンバからダウンを奪った。再開後、ワンツー、左ハイキックで一気に攻め込むブアカーオ。マンバも右フックでブアカーオの首をキャッチすると左のヒザ蹴りを突き上げる。しかしブアカーオはそこに右フックを打つと、マンバがダウン。ブアカーオが貫禄のKO勝利を収めた。
▼第4試合 K-1 WORLDMAX 2008 World Championship
Tournament準決勝戦 3分3R延長1R
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン・オデッサ/2007世界3位)
延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9
●アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング
オランダ/2005・2007世界王者)
※本戦判定30−30、30−30、30−30
魔裟斗VS佐藤嘉洋戦の興奮がまだ冷めやらぬ中、もうひとつの準決勝、史上初の二連覇と通算三度目の優勝を狙うサワーが登場。
今大会からトレードマークでもあったロングスパッツが禁止となったため、ショートパンツ姿が新鮮である。対するは昨年3位の“脅威の21歳”キシェンコ。
1R、ロープ際に下がって誘ったかと思えば、圧力を掛けて前に出るサワーは見事な左フック→右ストレート→レバーブロー→右ローのコンビネーションを2度決める。ローを蹴りながら前に出るキシェンコに、左フックをもらいながらも右ローを返す。オープンスコアは10−10のイーブン。
2R、お互い交互にレバーを叩き合う両雄、キシェンコはパンチの応酬の中でもハイキックを何度も狙う。サワーはレバーブローと右ボディストレート、前蹴りでボディ攻め。
奥足へのローと前足へのインローもコツコツと蹴っていく。キシェンコはサワーの右クロスを警戒してか、フック気味のパンチを放ち、前のガードを閉じ気味にしている。スコアはやはり10−10のイーブン。
3R、サワーがボディ攻め、キシェンコがパンチで来るとローを合わせ、再びボディを攻める。
キシェンコの右ストレートに右クロスも狙うが、キシェンコもパンチを返す。キシェンコの左右フックをダッキングで鮮やかにかわしていったサワーだが、決め手がなく判定はジャッジ三者とも30−30のドローに。
延長戦、勝負を賭けたキシェンコがパンチでガムシャラに前へ出て飛びヒザ蹴りを繰り出す。
さらに上段後ろ廻し蹴りも放つ。サワーはパンチを打ち返し、インローでキシェンコの表情を歪める。印象をよくするためか、キシェンコと同じバックキック、飛びヒザも使う。
ラスト10秒、ガムシャラにパンチで前へ出るキシェンコ。サワーのボディ攻め、インローが効いていたかに見えたが、手数とアグレッシブに優ったキシェンコが判定勝利!
大方の予想を覆し、キシェンコが決勝進出を果たした。
判定が告げられた瞬間、サワーは「なぜだ?」との表情。勝ったキシェンコも「えっ?」という表情を浮かべたが、手が挙げられるとその場に座り込んで喜びを表現した。
まだ決勝戦が残っているにも関わらず、前年王者を破った喜びからかチーム全員で記念撮影。はしゃぎながら控え室へ帰っていった。
▼第3試合 K-1 WORLDMAX 2008 World Championship
Tournament準決勝戦 3分3R延長1R
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/2003世界王者)
延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9
●佐藤嘉洋(日本/フルキャスト/名古屋JKファクトリー/2006・2007日本王者)
※本戦判定は28−29(佐藤)、28−28、28−28
遂に実現したK-1MAX日本人頂上決戦! 今回のトーナメントに進退をかけると宣言している魔裟斗とMAXの主役の座を虎視眈々と狙う佐藤。試合前から互いに舌戦を繰り広げており、試合の緊張感は最高潮だ。
先に入場となった佐藤は落ち着いた表情で花道に登場、花道を歩き終わると、胸に拳を当て祈りを奉げ、リングへと上がる。続いて真っ赤なガウンに身を包んだ魔裟斗が登場。拳を大きく突き上げてから、リングへと続く花道を歩いた。
1R、インローを蹴る佐藤。魔裟斗が右ストレートから左フックで飛び込む。その魔裟斗に左のテンカオを狙う佐藤だが、魔裟斗はそこに左フックを合わせる。
距離が開くとインローを蹴る魔裟斗。佐藤はジャブとローのコンビネーションで攻め、ジャブで魔裟斗を近づけさせない。左フックで飛び込み、右フックを返す魔裟斗。
ジャブ、インロー、左テンカオと左の攻撃で攻める佐藤。魔裟斗は佐藤の左のテンカオに左フックを合わせる。
佐藤はジャブで距離を取り、左の前蹴り、左のテンカオで攻める。右ストレートで飛び込む魔裟斗は右ストレートから左フック、佐藤をコーナーに詰めるが、佐藤も右のテンカオを魔裟斗のボディに突き刺す。
しかし一歩も下がらない魔裟斗。右ストレートですぐに距離を詰める。佐藤はガードを固めてジャブとインロー、魔裟斗は右ストレートから左ボディ。佐藤はジャブと前蹴りで距離を取って、魔裟斗にテンカオを突き刺す。
魔裟斗はワンツー、佐藤は前蹴りとインロー。魔裟斗の右ストレートをブロックしてワンツーを返す佐藤。
佐藤が右のヒザ蹴りを突き上げれば、魔裟斗は右フックを返す。今大会からスタートしたインターバルで発表されるジャッジのポイントは3者とも10−10のイーブン。
2R、佐藤は前に出て魔裟斗の奥足を狙ってロー。魔裟斗はそこにワンツーで飛び込む。ガードを固めて下がる佐藤。魔裟斗は左ミドルを蹴る。前蹴りとインローを返す佐藤だが、魔裟斗がワンツーから左ミドル。佐藤も左ミドルを蹴り返し、左足を上げながら前に出て、右ローと左のヒザ蹴りを打つ。
しかしそこに魔裟斗が左フック! さらに右ストレート、ワンツーで前に出ると、佐藤は思わず組み付く。
それを突き放してワンツーを突く佐藤だったが、魔裟斗は左フック! さらにジャブで佐藤の顔を跳ね上げさせる。下がりながら右ローを返す佐藤だったが、魔裟斗は左フック、ワンツーでどんどん前に出る。
必死に奥足のローを蹴る佐藤だが、魔裟斗は右ストレート、佐藤の前蹴りをさばいて左フック! 魔裟斗は再びジャブで佐藤を下がらせて、右アッパー。しかし佐藤も右ストレートを打ち返す。魔裟斗は左アッパー、左ボディ、佐藤の右ローに右ストレートで前に出る。
魔裟斗の攻撃を受ける佐藤だが、下がることなく右ロー、右アッパー。魔裟斗は左ボディ、ジャブ、右アッパー。佐藤も左のヒザ蹴りを返す。このラウンドのジャッジは3者とも10−9で魔裟斗。2R終了時点で20−19×3で魔裟斗が1ポイントをリードしたことになる。
3R、右ローを蹴る佐藤に対して、魔裟斗が右ストレートから左フック。ポイントで負けている佐藤は右ロー、右アッパー、ワンツー、右ローと手数を増やしていく。そこに魔裟斗は右ストレート!
しかし佐藤も足を止めてパンチで打ち合う! 互いにパンチが顔面をとらえるようなスリリングな展開の中、佐藤の左フック、右ストレートが魔裟斗の顔面を打ち抜く! これで魔裟斗がダウン!
ポイントでリードされている佐藤がダウンを奪うという展開になった! 再開後、佐藤は左フックから右ストレート。魔裟斗も右ストレートを返して、ジャブから左フック。佐藤もすぐにヒザ蹴りを返す。左フックで前に出る魔裟斗。佐藤は組み付いて、追撃を阻止する。
ブレイク後、佐藤は右ミドル、左前蹴り、ワンツー。魔裟斗は右ストレートから前に出ると、佐藤に肩をつけるようにして、左ボディ、右ストレート、ワンツー、右アッパー! 怒涛の連打で佐藤に襲い掛かる。
佐藤はガードを固めて、魔裟斗に組み付く。何とかポイントを挽回しようと左ボディ、左フック、右ストレートで前に出る魔裟斗。
佐藤はやや組む展開が多かったものの、魔裟斗の右ストレートに左フックを返し、魔裟斗の右ストレートにも右ストレートを打ち返す。そしてこのまま試合終了となった。
そして運命の判定は29−28、28−28、28−28でドロー! 佐藤がダウンを奪ったものの、魔裟斗がポイントを奪い返し、3Rのジャッジのポイントは10−8、9−8、9−8という形になったのだ。
延長R、ワンツー、左の前蹴り、右ストレートで前に出る佐藤。魔裟斗は右ストレートから左フック、さらに左ボディを突き刺す。佐藤はジャブを突いて距離を取るが、魔裟斗は左フック、さらに佐藤をロープに詰めて右フック、距離が開けばインローを蹴る。佐藤は魔裟斗を左前蹴りで突き放そうとするが、魔裟斗は左フックで飛び込んでワンツー、そして佐藤のボディにヒザ蹴り。
佐藤も右のテンカオ、ワンツーを返す。しかしワンツーで前に出て行く魔裟斗。下がる佐藤に右ストレートを打ち込む。佐藤もワンツーや前蹴りを返すが、圧倒的に手数が少ない。
逆に魔裟斗はワンツー、右アッパー、ワンツーと手数を増やす。佐藤も左のヒザ蹴り、ワンツー、左フックを返すが、魔裟斗はワンツー、右アッパー。佐藤も必死にパンチを返すが、魔裟斗の手数に圧倒される。延長Rも決着が着かず、判定へ。判定は3者とも10−9で魔裟斗。魔裟斗が佐藤を振り切って、準決勝への切符を手にした!
▼第2試合 K-1 WORLDMAX 2008 World Championship
Tournamentリザーブファイト 3分3R延長1R
○アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/2002世界王者)
TKO 2R0分48秒 ※ドクターストップ
●城戸康裕(谷山/2008日本王者)
今回はリザーブマッチが2試合組まれているが、第2リザーブファイトのブアカーオVSブラックマンバよりも、第1リザーブファイトの城戸VSクラウスの勝者に優先リザーブ権が与えられる。
クラウスは「誰か負傷して、リザーブが出れる状況になってくれれば嬉しいな」と言い、城戸にいたっては「佐藤さんのローがムチャクチャ当たって魔裟斗さんが嫌がるが、3Rに魔裟斗さんのパンチが入ってKO勝ちする、と。
でもローが痛くて決勝には出られない。そこで僕が出て、キシェンコのローがバンバン入るけどパンチで勝ったサワーに僕がKOで勝って優勝する」とまで青写真を描いていた。
1R、城戸はロープ際に下がりながら円を描き、パンチで入って来ようとするクラウスに思い切りヒザを突き上げる。
クラウスの入り際にヒザやハイキックを入れる作戦か。クラウスはワンツーをブロックさせてのレバーブロー。このラウンドのオープンスコアは三者とも10−10。
1Rは様子を見ていた感のある城戸だが、2Rになると意外にもパンチで打ち合っていき、ワンツーから左ハイキック。
ストレートパンチからの左ハイキックを何度も繰り出す。クラウスがパンチで来るとヒザ蹴り、ボディに打ってくると頭を引き付けてのヒザ蹴りを放つ。
しかし、クラウスが前へ出て圧力を掛けていくと、城戸はコーナーに詰められ、逆にヒザ蹴りを顔面にもらってしまう!
この一撃で城戸は眉間辺りから流血。ドクターチェックが入り、ストップがかけられた。クラウスが城戸の得意技であるヒザ蹴りで勝つという、意外な結末となった。
▼第1試合 スーパーファイト 3分3R延長1R
○ユーリ・メス(オランダ/イッツショータイム)
KO 3R2分59秒 ※左フック
●小比類巻太信(日本/BRAVI RAGAZZI/2004・2005優勝)
小比類巻が貴之から太信にリングネームを変えてからの初戦。対戦相手のメスは長らくオランダの強豪キックボクサーとして名を馳せ、ここまで41勝9敗5分けという圧倒的な戦績を誇っている。小比類巻はこの難敵を相手に、1年4カ月ぶりの勝利を挙げることが出来るか?
1R、ガードを高く上げてジリジリと前に出るメスは、ガードを固める小比類巻に左フックを連打。小比類巻はヒザ蹴りで飛び込むが、メスはそれをがっちりと受け止める。
メスの左フックに左フックを合わせる小比類巻。小比類巻は前蹴りでメスを突き放すが、メスは右ストレートで前に出る。そのメスにすぐに抱きついてしまう小比類巻。
レフェリーからは注意が与えられる。左フックとインローで前に出るメス。小比類巻は左のテンカオを狙うが、そこにメスが左フック!
この一発で小比類巻がダウンを喫してしまう。再開後、メスはインローで前に出て右のテンカオ。小比類巻きも飛びヒザ蹴りでそれを迎え撃つ。しかし終盤、メスが右ストレートから左フック! 小比類巻はダメージをごまかすようにメスに抱きつく。
2R、一気に前に出て行くメス。小比類巻も右のヒザ蹴りでそれを迎え撃つが、メスの右ストレートがヒット! 小比類巻も必死に右ローを蹴り返す。しかし一向に圧力が衰えないメス。
小比類巻の右ボディストレートに左フックを返す。そして組み付く小比類巻を突き放してロープに詰めると、メスが左右の細かい連打をまとめる。
ここまで劣勢が続く小比類巻は、左右のヒザ蹴り、そして右ローを蹴り返す。そこに右ストレートを叩き込むメス。しかし小比類巻もカウンターのヒザ蹴り!
これがボディに突き刺さり、一瞬、メスの動きが止まる。ジャブとインローで距離を取る小比類巻。メスは前蹴りで小比類巻をロープに下げさせるが、小比類巻はクリンチで追撃を凌ぐ。
3R、メスのローに左ローを返す小比類巻。ジャブで距離を測る小比類巻に対し、パンチで突っ込むメス。そのメスに小比類巻が組み付くという展開が続く。下がりながらジャブを突き、右ストレートを返す小比類巻。メスはそれを左フックで追いかけ、小比類巻がロープに詰まると左ボディ!
メスの手数と圧力に押され、どうしても小比類巻はクリンチを多用してしまう。ジャブ、ロー、前蹴りでじりじりと前に出るメス。小比類巻のジャブに強烈な左のパンチを返す。
小比類巻も左ミドル、左ヒザ蹴りを当てるのが、その後が続かない。終了間際、逆転を狙って右フックで飛び込む小比類巻。そこから左フックを返すのだが、そこにメスが絶妙のタイミングでカウンターの左フック!
これが小比類巻の左フックよりも先に当たり、小比類巻はマットの大の字! 小比類巻はそのまま立ち上がることが出来ず、レフェリーが試合をストップ。改名し、復活を目論む小比類巻だったが、壮絶にリングに散った。
▼オープニングファイト第5試合 K-1甲子園FINAL8 K-1ルール 3分3R
○HIROYA(主催者推薦/セントジョーンズインターナショナルハイスクール/フリー)
KO 1R0分24秒 ※2ノックダウン
●平塚大士(中部地区3位/愛知県立安城農林高校/稽道会)
『K-1甲子園』優勝候補のHIROYA(セントジョーンズインターナショナルハイスクール/フリー)は、開幕戦でライバルと目されていた藤鬥嘩裟(勇志国際高校/藤)を破った中部地区3位・平塚大士(愛知県立安城農林高校/稽道会)との対戦を迎えた。
前田憲作K-1
WORLD YOUTH監督が「強い」と太鼓判を押す平塚。藤戦に続いて番狂わせを起こすのか? HIROYAも「前へ前へ出てきて気持ちの強い選手。その気持ちに負けないようにしたい」と語っていたのだが…。
1R、出会い頭に平塚が放った左前蹴りにHIROYAが左フックを合わせ、平塚は前のめりに膝を着く。すぐに立ち上がるもダウンが宣告され、場内からは「えぇ〜っ?」との声が沸き起こる。フックを引っ掛けられ、スリップしたように見えたからだ。
続いて平塚がパンチを打ちに行ったところで、またもHOROYAの左フックがヒット。平塚がグラついて後ずさりしたところでダウンがとられ、2ノックダウンでHIROYAのKO勝ちとなった。
あまりにもあっ気ない決着に場内からは再び「えぇ〜っ?」と疑問の声。ストップが早すぎるという意味もあっただろうが、K-1甲子園では安全性を重視しているためストップが早いのは仕方がないところ。何も出来なかった平塚は悔しさから号泣。HIROYAもかわいそうに思ったのか、平塚の手を挙げてあげるが、平塚の涙は止まらなかった。
▼オープニングファイト第4試合 K-1甲子園FINAL8 K-1ルール 3分3R
○日下部竜也(中部地区優勝/愛知県立豊田高校/大石道場)
KO 1R2分43秒 ※左ハイキック
●佐々木大蔵(関東地区準優勝/東京都立山崎高校/チームドラゴン)
天才空手少年として大きな注目を集めている日下部。1回戦ではその名に恥じないレベルの高さを見せ付けて勝利を手にした。対する佐々木はチームドラゴンで練習を積む選手。
1R、軽いステップワークから右ロー、右フックを見せる日下部。佐々木も右ローを受けてパンチを返すが、日下部の出入りが早く返しの攻撃が当たらない。
ガードを上げて前に出て行く日下部。佐々木も右ロー、左ミドルを蹴るが、日下部は一歩も下がらない。佐々木の右ローに右フックをかぶせる日下部。
さらに日下部は左アッパー、左ボディで佐々木を後退させる。そして日下部が自分の体を沈めて右のロングフック! これが佐々木の顔面にクリーンヒット!
ふらつく佐々木に日下部は左ハイキック! この攻撃で佐々木がダウン。ダメージの大きい佐々木を見てレフェリーが試合をストップ。日下部が豪快なKO勝ちを収めた。
▼オープニングファイト第3試合 K-1甲子園FINAL8 K-1ルール 3分3R
○嶋田翔太(主催者推薦/西武台高校/島田塾)
判定3−0 ※30−26、30−26、30−26
●村越 凌(関東地区3位/神奈川県立平塚農業高校/湘南格闘倶楽部)
HIROYAのライバルと目されている嶋田が登場。R.I.S.E.70kg王者の日菜太を先輩に持つ村越は嶋田の牙城を崩すことができるか?
1R、サウスポーの村越に対し、右のローとパンチで前に出る嶋田。村越はそれを左ミドル、前蹴りで突き放そうとするが、嶋田は下がらない。
ガードを低くした構えからジャブ、右ミドルを繰り出す嶋田。すると嶋田の右ハイキックがヒット!
これで村越が大きくバランスを崩す。必死に前蹴りとミドルで距離を取り、左ハイキックを蹴る村越だが、嶋田の圧力をストップできない。嶋田は村越をパンチで下がらせて強烈な右ミドル、そして変則的な右ハイキック! 嶋田が多彩な右の蹴り技で村越を攻め込んだ。
2R、左ハイキックを蹴る村越。しかし嶋田は左フックから右ストレート、距離が開くとバックキックを蹴る。さらに嶋田は村越を前蹴りで突き放すと、今度は顔面への前蹴り。村越の奥足ローに、嶋田は右ストレートを合わせる。
嶋田は左フックから前に出て左ミドル、右ストレート。村越も下がりながら左ストレートを返すが、嶋田が回転の早いパンチの連打で村越にガードを固めさせる。そして足が止まった村越に嶋田は強烈なロー! このラウンドも嶋田が有利に試合を進める。
3R、嶋田は左ローを蹴りながら、距離が詰まると右ヒザ蹴りから右ミドル。
村越の左ミドルを空振りさせると、強烈な右ローを蹴る。嶋田は村越の左ストレートにカウンターの右ミドル、右フックからヒザ蹴り!
これで村越が背中を見せてしまい、レフェリーはダウンを宣告する。再開後、組み付く村越のボディに嶋田はヒザ蹴り。これを効かせると、嶋田が強烈な左フックを叩き込む。その後も嶋田が組んでからのヒザ蹴りを上手く使って、村越を圧倒。1回戦に引き続き、その強さを見せ付けた。
▼オープニングファイト第2試合 K-1甲子園FINAL8 K-1甲子園ルール 3分3R
○卜部功也(関東地区優勝/千葉県立岬高校/西山道場)
TKO 3R0分54秒 ※セコンドからのタオル投入
●坪井悠介(中部地区準優勝/静岡県立天竜林業高校/斬刃拳)
1回戦では林恭平を判定で下した卜部と山本宜明をKOで下している坪井の一戦は、プロキックボクサーを兄に持ち、大会前から高い評価を得ている卜部がこの試合でもその強さを発揮した。
1R、サウスポーの卜部はガードを高く上げた構えからコツコツとローを蹴り、坪井を後退させると左ミドル。坪井がロープに詰まれば、細かいパンチの連打で攻め込む。卜部の左アッパー、右フック、左ストレートが立て続けに当たる。
2Rに入ると、1R以上に圧力を掛けて前に出る卜部は左ストレート、左ハイキック、飛びヒザ蹴りと伸びのある攻撃を次々と繰り出す。完全に防戦一方となってしまう坪井。逆に卜部はどんどん攻撃の圧力を増していく。
3R、ここまでポイントで差を付けられている坪井だが、卜部が坪井をロープに詰めて左ボディから右のアッパー、そして左ストレート! この卜部の連打で坪井の動きが止まったところでレフェリーがダウンを宣告。ほぼ同じタイミングでセコンドからタオルが投入され、卜部がTKO勝利を収めた。
▼オープニングファイト第1試合 3分3R延長1R
○ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン(オランダ/ゴールデングローリー)
KO 1R1分42秒 ※3ノックダウン
●ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズ・ミックスマーシャルアーツ・アカデミー)
欧州の強豪ホルツケンが再び日本上陸!MAX常連のカラコダを相手にどんな試合を見せられるか?
1R、ガードを高く上げて細かいパンチで前に出るカラコダ。ホルツケンはカラコダのガードを間を狙って飛びヒザ蹴り。
そしてカラコダのガードを間を狙って右フック! これでホルツケンが最初のダウンを奪う。再開後、再びホルツケンの右フックがヒット!
カラコダが大きくバランスを崩すが、ダウンはない。その後もホルツケンはバックキック、ヒザ蹴りと怒涛の連打。ハイキック、アッパーとカラコダの顔面に攻撃を集め、立て続けに2度のダウンを奪って快勝。日本デビュー戦ではブアカーオに敗れたホルツケンだったが、その実力を知らしめた。
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