▼全日本無差別級SAWランキングマッチ決勝戦　5分2R
○高江州朝也（SAW関西）
7-6
●中倉憲一（SAW本部）

　今大会のトーナメントの結果が、チャンピオンとランキング制定に反映されることになった無差別級。その決勝戦に勝ち上がったのは、昨年の無差別級覇者・中倉と、ベテラン中のベテラン・高江州だ。

　試合が始まると、両者は相手の首と手を探りながら、組みつこうとする。しかし、なかなか優位な体勢で潜り込めないとみるや、高江州は一本背負い！　

　まずはこのテイクダウンで1ポイントを獲得する。さらに高江州はハーフガードの状態から押さえ込みに入り、20秒で3ポイントを追加した。スタンドに戻り、劣勢の中倉も払い腰を狙うが、高江州が踏ん張ると体勢が崩れ、逆に潰されてバックを奪われそうになる。

　常に先手を取られ、タックルを切っても攻められない中倉。そんな新鋭を相手に、今度はサバ折りからのテイクダウンで1ポイントを重ねるベテランといった展開のまま、第1ラウンドが終了した。

　続く第2ラウンド、中倉の逆襲が始まった。高江州のタックルをことごとく切った中倉が、うまく潜り込んで組みつくと、遂に払い腰を決める！　これが柔道でいえば一本の相当するような投げであったため、5ポイントが入る。すかさず中倉はバックを奪いに行くが、ここは押さえ込むことができず。

　それでも投げで1ポイントを追加し、高江州を猛追する中倉。しかし、高江州もタックルでこのピンチを逃れるなど、さすがベテランともいえる試合運びを見せ、中倉の逆襲を振り切った。

　99年大会以来、9年ぶりの全日本無差別を制した高江州は、今年で45歳。自らが持っていた最年長王者の記録を更新した。
　かといって、喜びに浸っている間は無かった。数試合後に、今度は-80kg級のタイトルを懸けて、再び中倉と相対せねばならなかったのだ――

　今年5月に行われた体重別選手権で、-80kg級を制した中倉が同級初代王者に認定された。このタイトルへの挑戦者決定戦で、矢内純一（SAW本部）を下した高江州が王者に挑むこととなり、無差別級決勝の再戦が行われることになったのだ。

　スタンドでの探り合いから、中倉が首投げで1ポイントを獲得すると、そのまま袈裟固めで押さえ込み。3ポイントを奪う。無差別級決勝で苦しめられた一本背負いも、今度はしっかりとディフェンスし、さらに投げで1ポイントを追加する。高江州も1ポイントを返すが、ペースを奪えない。

　2ラウンド、両者1ポイントずつを重ねるが、ペースは変わらず。

　最終3ラウンド、グラウンドで高江州が猛攻を見せる。もみ合いになれば常に上になり、バックを奪いかける場面もあった。しかし、そこで押さえ込みには至らず、ポイントで逆転することはできなかった。

　これで王者のタイトル防衛となり、今大会の対戦成績は1勝1敗という高江州と中倉。大会終了後、高江州は中倉に対し「来年も2回やろう」と笑顔を見せた。

　-80kg級と同じくタイトルが制定された同級では、古参の王者・小西に佐藤が挑んだ。
　試合は完全に小西が掌握した。組みついてから引き込み、スイープする佐藤だが、このルールでは圧倒的不利な試合パターン。リングサイドに座っていたサンボ界の重鎮・田中康弘氏も「これは柔術だけじゃ勝てない」との評会を下す。

　対する小西はもちろんルールを熟知しており、まず豪快な飛行機投げで5ポイントを獲得すると、押さえ込みで3ポイント。さらに2ラウンドにも押さえ込みで3ポイントを獲得し、10点以上の差をつけたことでTKO勝ちとなった。

＜SAW・SPルール試合結果＞

▼SAW・SPルール3分2R
○清水靖弘（日本ウェルネススポーツ）
4-0
●ディビッド・タバレス（Kempo Unlimited Hi）

▼SAW・SPルール5分2R
○トミー・ラム（Kempo Unlimited Hi）
2R　フロントチョーク
●丸山航平（日本ウェルネススポーツ）

▼SAW・SPルール5分2R
○米山将太（S.A.W）
1R　腕ひしぎ足固め
●ライアン・スコビィリー（Kempo Unlimited Hi）

▼SAW・SPルール5分2R
○遠藤　隆（S.A.W）
1R　ヒールホールド
●ジェレミー・ウォン（Kempo Unlimited Hi）

▼SAW・SPルール5分2R
○キーナン・ヨナミネ（Kempo Unlimited Hi）
1R　KO
●丸山　智（S.A.W）

▼全日本ルーキークラス-78kg級
○中倉三四郎（フリー）
1R　腕絡み
●山崎和也（SAW本部）

▼全日本ルーキークラス＋88kg級
○宮下一成（MGC）
4-1
●ジェレミー・ウォン（U.S.A）