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【UFC】王者アンデウソンは相手の負傷で王座防衛、アウヴェスがコスチェックを下す

2008/10/26


ZUFFA
「UFC90 SILVA vs COTE」

2008年10月25日(土/現地時間)アメリカ シカゴ/オールステイト・アリーナ

<試合結果>

▼メインイベント UFC世界ミドル級タイトルマッチ 5分5R
○アンデウソン・シウバ(ブラジル/王者)
TKO 3R0分39秒
●パトリック・コーテ(ブラジリアン・トップチーム・カナダ/挑戦者)

 これが4度目の王座防衛戦となる王者アンデウソンは、試合前から余裕を感じさせる表情。試合が始まると、もともとサウスポーだった構えを頻繁にスイッチしながら、ステップワークを使って挑戦者コーテの様子をうかがう。

 相手が右を振りながら踏み込んでくると、すかさず得意の首相撲からヒザを打とうとする王者。コーテはすぐさま頭を抜いて後ろへ下がる。そこからアンデウソンは前に出始め、左ハイのカウンター、さらに飛びヒザをヒットさせると、コーテは右目眉のあたりをカットしてしまう。コーテもひるまずパンチを振って出るが、アンデウソンは相手の前を歩いて左右に動くなど余裕のまま1Rを終えた。

 2R、開始早々、アンデウソンの強烈な左ストレートがコーテの顔面にヒット! コーテも下がりながらバックブローを見舞おうとするが、これをブロックしたアンデウソンが組みつき、相手をケージに押し込む。テイクダウンできないとみると、すぐに離れて距離を取った王者は、左右のローから左ハイ。さらにコーテのタックルを切り返し、自らが上を奪った。すかさず王者は上下にパウンドを落とすが、展開が無いと立ち上がり、猪木アリ状態で相手にスタンドへ戻ることを促す。

 コーテはこれを拒否するも、レフェリーがブレイクを命じ、スタンドで再開となった。アンデウソンは相手の顔の目の前で拳を激しく動かしながら、右ローへ。これをキャッチしたコーテがテイクダウンを狙うもアンデウソンはカット。逆に差し替え、ケージに押し込んでからボディへヒザをヒットさせ、ここも王者のペースでラウンドが終了。

 これまでアンデウソンはUFC参戦後、全ての試合を2R以内に終えていたため、コーテは三本の指を立て「3Rまで行ったぞ」というアピール。だが、その直後に思いもかけない結末が待ち構えていた。少しジャンプしながら前に出ようとしたところで、軸足であった右のヒザを押えながら、苦痛の表情を浮かべマットに倒れ込むコーテ! もともと古傷があった右ヒザを脱臼してしまったようで、ここで試合はストップされてしまった。

 場内に大ブーイングが鳴り響く中、王座を防衛したアンデウソンは「コーテは素晴らしい選手だった。真正面から向かって来て、面白い試合になっていたと思う。彼とはまた再戦することになるだろう」と、ファンに対して謝りながらオクタゴンを去った。


▼セミファイナル ウェルター級 5分3R
○チアゴ・アウヴェス(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
判定3-0
●ジョシュ・コスチェック(米国/アメリカン・キックボクシング・アカデミー)

 ここまでUFCでは無敗、しかも全て一本かTKOで終わらせている驚異のストライカー・アウヴェス。対するコスチェックもUFCでは安定した戦績を誇っており、この試合に勝利した者が、同級王者ジョルジュ・サンピエールへの挑戦権を獲得するといっても過言ではない試合だ。

 1R、相手との距離を保ちながら打撃で探っていくコスチェックだが、左ジャブを出したところにカウンターの左フックを喰らってしまい、ダウン寸前! すかさずアウヴェスは追い打ちをかけようとするが、ここはコスチェックが片足タックルに入り、なんとか逃れた。

 ダメージは大きいかと思われたが、コスチェックはまたもタックルに入るなど、驚異的な回復力を見せ、左ストレートや右クロス、さらにはボディへのパンチで相手を追うと、アウヴェスは首相撲からヒザへ。これをかわしたコスチェックはアウヴェスをケージへ押し込むがテイクダウンできず、逆にアウヴェスのローをもらってしまう。

 2R、コスチェックの右アッパーに左フックを合わせるといったように、激しい打ち合いを見せる両者。ストレートを主体に前進するコスチェックは、飛びヒザから組みつき、アウヴェスをケージへ押し込む。

 しかしアウヴェスは脇を差し返すと、離れ際に右ヒジ! これはかわされたが、コツコツとローをヒットさせながら、次第に前に出始める。コスチェックの片足タックルも切り、このラウンドは終了。依然、アウヴェスペースのままだ。

 3Rが始まると、アウヴェスはペースアップ。どんどん前に出て、右ローを何発も当てる。これが効いてきたか、コスチェックの左足にやや力が無くなり、さらにローをもらうと体勢を崩してしまう。そこに追撃のヒザを見舞うアウヴェス。コスチェックはタックルに行くが全て切られてしまい、なす術が無くなってしまった。

 ここから両者が一度ずつサミングをアピールし合う場面があったものの、試合は変わらずアウヴェスのペース。相手の右ストレートをかわしながら右ローをヒットさせると、再び体勢が崩れるコスチェック。試合終了直前にもスーパーマンパンチを打ち込んだアウヴェスの完勝となった。


▼第8試合 ライト級 5分3R
○グレイ・メイナード(米国/エクストリーム・クートゥア)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
●リッチ・クレメンティ(米国)

 1R、前に出るクレメンティに対し、ステップを使うメイナード。お互いに牽制の打撃を放ちながら、相手の様子を見る。まずメイナードがタックルに入るも、これも牽制的なもので、クレメンティが軽く切ると、再び探り合いの状態が続く。

 場内にブーイングが鳴り響く中、相手の左ローに合わせてメイナードがタックルに入り、テイクダウンに成功。ハーフガードを取ったクレメンティは、相手の脇を差しながら、ヒジをもらわないように自分の頭を相手の左脇の下にくぐらせ、さらにクローズドガードへ。対するメイナードも上からパウンドを落としていった。

 2R、メイナードがタックルで組みつくと、豪快なリフトアップからテイクダウン。クレメンティは相手をはね上げて立ち上るも、逆にメイナードがケージに押し込み相手の首を抱えてギロチンを仕掛ける。首を抜いたクレメンティは相手を引き込むと、自分の右足を抱え込み、相手の左腕を取ってオモプラッタ。

 これをかわしたメイナードが上をキープすると、今度はもぐりスイープからバックを狙う。メイナードはこれをディフェンスし、さらにハーフガードの状態にある相手の首を抱え込む。クレメンティはタックルに切り替えるが、メイナードはしっかりと切ってから、パスガードに成功。ここでこのラウンドが終了。

 3R、クレメンティの右フックをかわしてからタックルに入ったメイナードが、またもリフトアップからテイクダウン。クレメンティの下からのアームロックに対しても、正座して相手の腕を自分の太ももで挟み込むようにしてディフェンスする。クレメンティはロックを外して、相手の手首を掴みスパイダーガードへ。

 これを切ったメイナードは、かつぎからパスガード、サイドへ回る。クレメンティもハーフガードへ戻し、またももぐりスイープを狙うも、メイナードはディフェンスしながらバックへ。立ち上がった相手を再びテイクダウンし、そのまま上をキープして試合を終えた。判定は文句なくメイナードのフルマーク。しかしクレメンティのガードワークも光った試合だった。


▼第7試合 ヘビー級 5分3R
○ジュニオール・ドス・サントス(ブラジル/チーム・ノゲイラ)
KO 1R1分20秒
●ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/シュートボクセ)

 ここまで勝っても負けても1R決着というサントスが、衝撃のノックアウト劇を演じた。試合が始まり、互いにローを放つ両者、相手の右ストレートをかわして組みついてきたヴェウドゥムに対し、これを切って離れたサントスは右アッパーを放つ! ヴェウドゥムもカウンターの右フックを放つがこれは当たらず、サントスのパンチがガラ空きとなったヴェウドゥムのアゴにヒット。そのままヴェウドゥムは前のめりに倒れ込み、サントスのKO勝ちとなった。

 最後にパンチが交錯した瞬間、ヴォウドゥムが完全に顔を下に向け、相手を見ていなかったのに対し、サントスは相手を真っ直ぐ見てパンチを打ち込んだ。しかもヴェウドゥムは左のガードがおろそかになっており、ここが勝負の明暗を分けたといえる。


▼第6試合 ライト級 5分3R
○ショーン・シャーク(米国/ミネソタ・マーシャルアーツ・アカデミー)
判定3-0 ※30-27、29-28、29-28
●タイソン・グリフィン(米国/エクストリーム・クートゥア)

 互いにレスリングがベースとあって、低い体勢を取りながら試合は始まった。まず組みついたシャークが、ケージに相手を押し込めながら、片足をたぐってテイクダウンに成功。体を相手にべったりとつけながらパスを狙おうとすると、相手に背中を見せてしまったグリフィン。シャークはすぐさまバックマウントを奪うが、グリフィンも立ち上がり、相手を振り落とす。

 スタンドで再開後、またもシャークがテイクダウンを奪う。ここでグリフィンはなんとか立ち上がり、左ボディから右フックへのコンビネーション。シャークも右アッパーのカウンターを狙う。グリフィンはここで片足タックルに入るが、シャークはこれを切ってバックにつく。しかし極めまで持って行けないとみると、すぐに離れて、またも打ち合う。

 2R、またもシャークがテイクダウンに成功するが、すぐに立ち上がり、ボディから顔面へとパンチをつなげるコンビネーションを放つグリフィン。ところが中盤からスタミナが切れたのか、相手のパンチに対してディフェンスしながら下がる場面が見られるようになってしまう。そんなグリフィンに対して、またもタックルを仕掛けるシャーク。これを切られると左フックをヒットさせ、立て続けにラウンドを取った。

 最終ラウンド、逆転を狙ったグリフィンが前に出て、右フックで相手をグラつかせる。しかしシャークも、左フックを打ち込んでいくなど、互いにペースアップする。インサイドから右ストレートを放つグリフィン。左フックを主体に攻め続けるシャーク。激しい打ち合いに、観客も大きな歓声を送り、熱戦は終了。元同級世界王者が復帰戦を勝利で飾った。


▼第5試合 ミドル級 5分3R
○ターレス・レイチ(ブラジル/ノヴァウニオン)
一本 1R1分18秒 ※スリーパーホールド
●ドリュー・マクフェデリース(米国/ミレティッチ・ファイティングシステム)

 豪快な左右のフックを振るマクフェデリースに対し、タックルに入ったレイチ。マクフェデリースはケージを掴んでなんとか倒れまいとするが、レイチは粘ってテイクダウンに成功。一旦立ち上がり、猪木アリ状態で様子を見てから寝技に戻り、一気にバックを奪う。自分の右足で相手の右腕を押えながら、チョークでも腕十字でも狙える体勢に入ったレイチ。最後は軽くパンチを打ち込み、それを嫌がって腕を上げた相手の首を取り、スリーパーでタップを奪った。


▼第4試合 ライト級 5分3R
○スペンシャー・フィッシャー(米国/ミレティッチ・ファイティングシステム)
一本 3R3分56秒 ※三角絞め
●シャノン・グガーティ(米国/シティ・ボクシング)

▼第3試合 ミドル級 5分3R
○ダン・ミラー(米国/AMAファイトクラブ&チーム・ヘンゾ)
判定3-0
●マット・ホーウィッチ(米国/チーム・クエスト)

▼第2試合 ライト級 5分3R
○エルミス・フランカ(ブラジル/チーム・エルミス・フランカ)
判定3-0
●マーカス・アウレリオ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)

▼第1試合 ウェルター級 5分3R
○ピート・セル(米国/セラーロンゴ・コンペティションチーム)
判定3-0
●ジョシュ・バークマン(米国/エクストリーム・クートゥア)

※今大会の模様はWOWOWにて26日(日)深夜0:20〜、29日(水)午前4:30〜放送を予定。

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