↑(左から・空手衣の選手のみ)軽量級優勝の西田、中量級優勝はイランのKhodadadi、軽中量級優勝の藤井、重量級優勝の夏原。
極真空手道連盟 極真館
「第6回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」
2008年11月3日(月・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館
開場12:00 開会式13:00
毎年無差別級で行われている秋の全日本大会だが、今年は来年10月2〜4日(現地時間)ハンガリーのブタペストで開催される『第2回全世界ウエイト制空手道選手権大会』の日本代表を決定する選抜戦となるため、階級別のトーナメントで行われた。
出場選手が最多の24名で争われた軽量級は、最年少18歳の西田健二(魚本流空手拳法連盟)が制覇した。他流派で、しかもセコンドもいないたった一人での挑戦となった西田だが、若さ溢れる突貫ファイトで場内を沸かせる試合を展開。
→グルジア王者も破った西田(右)は弱冠18歳の新鋭。
本戦1回戦ではグルジア王者を、準決勝では春の『全日本ウエイト制大会』(顔面突きありの真剣勝負ルール)軽中量級優勝者・渋谷俊を、決勝では同じく他流派からの出場となった中澤公誉(空手道東真會)をそれぞれ降した。
18名が出場した中量級の決勝戦では大波乱が起きた。第2&4&6中量級&第5回全日本ウエイト制軽中量級優勝、第2回全日本大会優勝と極真館最多のタイトルホルダーである東海林亮介(城南川崎支部)と、A.Khodadadi(イラン)の決勝戦となった同階級。
→反則勝ちながらも中量級を制覇したKhodadadi(右)
開始10秒で東海林の放った突きが顔面に入ってKhodadadiがダウン。1試合後に再試合となったが、またしても東海林の突きが喉元に入ってしまい、Khodadadiが試合続行不可能に。審議の末、東海林の反則負けとなった。
各階級に1名ずつ選手を送り込み、反則勝ちながら中量級で優勝者を生み出したイランは、重量級でもE.Ebrahimnasiriが4位に入賞。闘争本能むき出しのファイトスタイルで日本人選手を苦しめ、大躍進している。
→軽重量級は藤井(左)が優勝。22歳という若い王者誕生だ。
16名が出場した軽重量級は、第2&3&5回全日本大会3位と第4回全日本ウエイト制重量級優勝の実績を持つ藤井脩祐(城南大井町支部)と、第3回全日本王者の舩先雄(奈良県北支部)が決勝戦を闘い、22歳の藤井が28歳の舩先を破り、王座に就いた。
8名がエントリーされていたが2名欠場となり、6名によって争われた重量級では、第4回全日本大会準優勝で第5&6回全日本ウエイト制重量級二連覇の夏原望(城南川崎支部)が、決勝で第4回全日本大会6位&第5回5位の櫻井豊(埼京・城北支部)から上段膝蹴りで技ありを奪い、優勝を果たしている。
→重量級は戦前の予想通り、夏原が優勝を勝ち取った。
各階級の上位2名が『第2回全世界ウエイト制空手道選手権大会』の出場権を獲得。次は世界チャンピオンの座を目指す。
▼軽量級決勝戦
○西田健二(魚本流空手拳法連盟)
判定4−0
●中澤公誉(空手道東真會)
西田が突きで突進してくるところへ中澤は左上段廻し蹴り、右前蹴り、右中段廻し蹴り。それでも勢いが止まらない西田の突きに膝蹴りを何度も合わせていく。序盤はうまく立ち回った中澤だったが、次第に西田の突き&下段廻し蹴りに押されるようになり、動きが止まってくる。
そこへ西田は若さ溢れる凄まじいラッシュ! 突きの連打と下段廻し蹴りで押しまくり、左上段廻し蹴りもヒットさせる。気合いを発しながら勢いよく突きの連打と膝蹴りで前へ出る西田。最後は胴廻し回転蹴りを放って試合終了。本戦判定4−0で初優勝を決めた。
▼中量級決勝戦
○A.Khodadadi(イラン)
反則勝ち
●東海林亮介(城南川崎支部)
開始直後、いきなり飛び膝蹴りを見舞った東海林は、着地すると下突きの連打に行くが、この一発がKhodadadiの顔面に流れてしまう。うずくまるKhodadadiにダメージがあったため、1試合後に再試合が行われることになった。
再試合では重い突きで突っ込むKhodadadiを回りながらかわし、下突きを入れていく東海林。中段廻し蹴り、膝蹴りとボディを攻め、下突きが鋭く決まっていく。Khodadadiは後ろ廻し蹴り、上段廻し蹴りも放っていくが不発。
ボディを効かせた東海林が気合いと共に下突きを繰り出していったが、喉元に放った突きが喉に当たってしまい、Khodadadiは再びダウン。今度は完全にダウンしてしまい、担架で運ばれてしまった。
東海林のセコンドから「中段突きが先に入ったので倒れた」との声もあったが、審議の結果「先に顔面へ入っていた」との判断が下され、東海林の反則負けとなった。師匠である廣重毅・副館長が再三、試合中に「顔面あり(真剣勝負ルール)の闘い方になっているぞ!」と指摘していた通り、最悪の結果となってしまった。
▼軽重量級決勝戦
○藤井脩祐(城南大井町支部)
判定5−0
●舩先 雄(奈良県北支部)
藤井が放った逆突きが顔面に当たり、注意1が与えられる。東海林、夏原共に真剣勝負ルール(顔面突きあり)を経験しており、その切り替えが上手く出来ていないようだ。
どっしりとした構えから右の重い下段廻し蹴りを狙ってくる舩先に対し、藤井は強い逆突きを多用して左右の上段廻し蹴りに繋げていく。舩先も上段廻し蹴りや踵落としを返していくが、藤井の逆突きの威力が凄まじく押されてしまう舩先。本戦判定5−0で藤井が優勝を勝ち取った。
▼重量級決勝戦
○夏原 望(城南川崎支部)
判定5−0
●櫻井 豊(埼京・城北支部)
身長177cm、体重96kgの夏原と178cm、97kgの櫻井によって優勝が争われる。両者共に重量感のある突き、下段廻し蹴りを繰り出しつつ、上段廻し蹴りも放つ。
動きの速い夏原が左下段廻し蹴りからの前蹴りでダメージを与え、突きで突進。下がる櫻井に今度は右下段廻し蹴りでダメージを負わせていく。そして、夏原がボディへの膝蹴りから左の上段膝蹴り! これで技ありを奪った。
突きと下段で反撃を試みる櫻井だったが、藤井は下段を蹴りつつ下突き、前蹴り、膝蹴りとボディを攻め続け、本戦判定5−0で優勝候補の実力を見せ付けて勝利を収めた。
RESULT
▼軽量級
優 勝 西田健二(魚本流空手拳法連盟)
準優勝 中澤公誉(空手道東真會)
3 位 渋谷 俊(城南川崎支部)
4 位 高山忠士(城南川崎支部)
▼中量級
優 勝 A.Khodadadi(イラン)
準優勝 東海林亮介(城南川崎支部)
3 位 大橋 剛(幸手支部)
4 位 徳重智(城南川崎支部)
▼軽重量級
優 勝 藤井脩祐(城南大井町支部)
準優勝 舩先 雄(奈良県北支部)
3 位 坂田好総(昭武館カラテ)
4 位 河野高志(黒澤道場)
▼重量級
優 勝 夏原 望(城南川崎支部)
準優勝 櫻井 豊(埼京・城北支部)
3 位 藤井将貴(城南大井町支部)
4 位 E.Ebrahimnasiri(イラン)
敢闘賞 E.Ebrahimnasiri(イラン)
技能賞 松尾勇佑(川崎元住吉支部)
試割賞 夏原 望(城南川崎支部)=23枚
↑6月の全日本ウエイト制大会に続いて、今大会でも棒術のデモンストレーションが演武として行われた。来年にはいよいよ錬成大会を開催する予定。
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