11月21日(金)東京・新木場・STUDIO COASTにて、『SKULLSHIT presents
SKULLMANIA Vol.2〜グレート草津 FINAL〜』が開催され、初期のK-1ジャパンを支えてきたグレート草津(チーム・アンディ)が引退試合を行った。
このイベントは、草津に衣装やトランクスを提供してきたアパレルショップのSKULLSHITが主催し、草津と親交のあるミクスチャーロックバンド「マキシマム・ザ・ホルモン」、「dustbox」といった有名アーティストやお笑い芸人が多数参加。
満員の観衆が詰め掛ける中、K-1リングアナでお馴染みのボンバー森尾氏が登場し、まずは草津の引退に華を添える対戦相手の中迫剛(ZEBRA
244)の名前を読み上げる。次に草津が登場すると、会場は異様な熱気に包まれた。
レフェリーを務めるのはK-1・角田信朗氏。3分2R、レガース着用の試合だったが、中迫は一切手を抜くことなく激しくパンチを振るう。中迫の右ストレートをもらった草津はダウン寸前まで追い込まれたものの、気迫を前面に出し立ち向かう。得意技であるバックブローやバックキックといった回転系の大技を繰り出し、一歩もひかない草津。
しかし、2004年6月の試合以来、試合から遠ざかり、今年6月に他界した父の看病に追われ、なかなか練習が出来なかった草津は2Rにはスタミナ切れを起こしてしまい、なかなか自分から手を出せない。
中迫の「もっと打ってこい!」という挑発にのるように、草津は必死にパンチを返していく。ノーガードで打ち合いを展開したところで6分間の戦いは終了。
マイクを握った中迫は「草津の最後の相手に選ばれたことを光栄に思います。ここで花束を渡すのはオレらしくないので、最後に花束に変わるプレゼントを用意しました」とサプライズを予告するような発言。
するとここで、入場テーマ曲に乗って武蔵が登場! 事前のアナウンスになかった大物ファイターの登場で、観客は大盛り上がり。そして3R開始のゴングが打ち鳴らされる。
中迫と同じく武蔵も積極的に前に出ては右ジャブから左ハイとKO狙いの攻撃を繰り出し、草津はフラフラ。鼻血を出し、立っているだけでも苦しそうな表情を浮かべていた草津だが、攻撃を出し続け3分間のラストマッチは終了した。
涙を見せる草津に対し、武蔵は「オレより若いのに引退するってどういうこと? まあ、気持ちの面もあるので、(草津から)引退すると聞いて止めることはありませんでした。ファイターとして最後に華を添えたいと思い、今回出ることにしました。
一緒に練習してきて同じリングに立って、『でかい外国人選手をやっつけていこう』と闘ってきたのに、寂しい気持ちです。リングを離れても社会の中で闘いをしていく場所はあるので頑張って欲しいですね。ここで先輩後輩という関係をやめたいと思うけど、『オレ先輩、キミ後輩』というかたちでいくから。そこは間違いないように」と武蔵らしいコメント。
最後にマイクを渡された草津は「僕なんかのために、先輩方も集まってくれてありがとうございました。何を言ったらいいかわからないが、人生は色々あります。
生きたくても生きられない人がいたりと変な世の中です。“死にたい”とかいわずに、希望という言葉を胸に、与えられた命を全うしていい世の中を作ってください。素晴らしいことはきっとあります。一生懸命いきましょう」と意味深なメッセージを口にした。
試合後に囲み取材を受けた草津は、今後の人生については「9年間うつ病で苦しんできた母親の看病で勉強したことがありますので、そういった病気のカウンセリングの会社を作りたいと思います」とコメント。これから草津の第二の人生はスタートする。
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