KGS
「3A-LIFE presents R.I.S.E.51」
2008年11月30日(日)東京・ディファ有明
開場16:30 開始17:00
▼メインイベント -70kg契約 3分3R延長1R
○日菜太(湘南格闘クラブ/初代R.I.S.E.70kg王者)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−29
●HAYATO(FUTURE_TRIBE/UKF世界スーパーウェルター級王者)
白須康仁、龍二を下して初代70kg王者となった日菜太。大躍進を遂げた一年の締めくくりとして、K-1MAXの常連ファイターで今年の日本トーナメント準優勝のHAYATOに挑んだ。
1R、サウスポーの日菜太は距離を取りながらいつものように左ミドルを蹴る。HAYATOは右ミドルを蹴り返しながら、右ストレートで距離を詰めるとそこから左フック! これが日菜太の顔をかすめるが、日菜太はすぐに組み付いて追撃を許さない。
距離を取る日菜太は左ミドル、左のヒザ蹴り。HAYATOにパンチで押し込まれても、首相撲などを駆使してそれに対処する。
さらに日菜太は左ミドルからのバックキック! これがHAYATOのボディに当たり、HAYATOは尻餅をつく。
すぐに立ち上がるHAYATOだが、日菜太はそこにバックブロー。序盤はやや固さが感じられた日菜太だったが、徐々に手数が増える。
2R、日菜太は左ミドルや左インローでHAYATOの動きを止め、HAYATOが突っ込んでくると首相撲に捕まえてボディにヒザ蹴りを突き刺す。これで動きが止まるHAYATO! 日菜太はHAYATOの首をしっかりとホールドしてヒザ蹴りを何度もHAYATOのボディに蹴る。
HAYATOは日菜太の左ミドルをブロックして右ミドル、ボディストレートやバックブローを狙うが、どれも不発。
逆に日菜太は左ミドル→首相撲からのヒザ蹴りというパターンにHAYATOを完全にはめて、試合のペースを掴むと、左ストレートでもHAYATOを攻め込む。
3R、左ミドルを蹴りまくる日菜太。これで完全にHAYATOの右のパンチを殺した日菜太は左ミドルから左ハイキック、左のヒザ蹴り、バックブロー、バックキックと多彩な蹴り技で試合をコントロール。
試合終盤には左ストレートからパンチの連打をまとめてHAYATOを棒立ちにさせるなど、定評のあった蹴りだけでなくパンチでもHAYATOを攻め込み、判定3−0で完勝!
苦戦が予想された日菜太だったが、終わってみれば、その強さをアピールする見事な勝利となった。
試合後、マイクを握った日菜太は「これでやっと胸を張って僕がR.I.S.E.のエースだと言えると思います。今まではR.I.S.E.のチャンピオンになることが目標でしたが、次の目標はK-1MAXです。K-1MAXでチャンピオンになるまで頑張ります!」とK-1MAXへの参戦を堂々とアピールした。
●日菜太のコメント
「久しぶりの試合で最初は少しやりにくかったですね。でも2Rからは練習通りに動けました。もっとカウンターの左ストレートを当てたかったんで、そこはもっと強くしないといけないです。
セコンドから『行け!』と言われたんですけどなかなかパンチが出なくて、それで最後30秒はラッシュしました。僕がもっとパンチが上手かったらよかったんですけど…まだまだパンチが下手なのは練習不足です。
HAYATO選手の印象は、正直に言うとそこまでなかったです。前に出る圧力は龍二選手の方があったと思うし。HAYATO選手がミドルの蹴り合いをやってくれたんで、それはやりやすかったですね。ヒザ蹴りは特に狙ってはいなかったんですけど、ボディを蹴った時にHAYATO選手が『うっ!』となったんで、これはもうたくさん蹴っちゃえと思って蹴りました。本当はあそこから顔面を蹴るのがよかったんでしょうけど。
今後の目標はリング上で言った通り、世界一を決める場所がK-1MAXなら、僕はK-1MAXに出たいです。そのために練習をやってきているし、僕がR.I.S.E.初のR.I.S.E.&K-1MAXのチャンピオンになります! 白須選手、龍二選手、HAYATO選手に勝って、これだけやったら100%K-1MAXには出られると思ってますし、もしこれで出られなかったら、ふてくされます(笑)。
僕はまだパンチの練習を始めて少ししか経ってないし、体も少しずつ大きくなっています。パワー、スタミナの面で基礎体力トレーニングの成果が少しずつ出てると思うんですね。今日の試合でもHAYATO選手に組まれても押し負けなかったし、思ったよりも楽に戦えました。それに僕には足りないものもたくさんあるし、まだ進化している選手だと思ってます。基礎体力トレーニングは何年もかけてやるものだし、もっとやれば、もっと強くなれると思います」
▼セミファイナル -60kg契約 3分3R延長1R
○TURBO(FUTURE_TRIBE ver.O.J/R.I.S.E.
FLASH to CRUSHトーナメント'07王者、WMAF世界スーパーフェザー級王者)
延長R判定3−0 ※三者とも10−9
●裕樹(リアルディール/初代R.I.S.E.
60kg級王者)
※本戦は28−28、28−29、28−28
初代60kg王者・裕樹と2006年のFLASH to CRASH(60kg)トーナメント王者TURBOによる王者対決。R.I.S.E.真の60kg最強はどっちだ!?
1R、いきなりTURBOのハイスピードラッシュが炸裂。裕樹の周りをグルグルと回りながら、細かいパンチの連打で裕樹のガードを中央に集めさせて、そこに右アッパーや左フック。さらにそこから右ボディストレート、右ローにつなげて、裕樹に攻撃を出させない。
プレッシャーをかけて前に出ようとする裕樹だが、体が正面を向きすぎるため、TURBOの前蹴りやヒザ蹴りが何度も裕樹のボディに突き刺さる。
TURBOの圧倒的な手数の前に、攻撃らしい攻撃を出せなかった裕樹だが、終盤、TURBOがロープに詰まったところで左フックから右ストレート! この一発でTURBOからダウンを奪うことに成功する。
2R、ポイントでは先制を許したTURBOだが、このラウンドも試合を有利に進める。前蹴りと右ボディストレートで裕樹の腹を徹底的に狙い、そこから顔面への回転の速いパンチにつなげていく。
裕樹もTURBOが攻撃を出してきたところに右ローキック、左フックを合わせるが、クリーンヒットはない。
逆にTURBOは裕樹のお株を奪うような強烈な右ローを連打。さらにそこから左ミドル、左ハイキックで裕樹に反撃のチャンスを与えない。
3R、右フックから左ボディ、さらに右ローまで攻撃をつなげるTURBO。TURBOの前蹴りと右ローで裕樹の足が止まる。TURBOは裕樹がガードを固めるとそこにヒザ蹴り! 裕樹もTURBOが首相撲の態勢になると右アッパーや左フックを打ち込む。
攻撃が単発に終わってしまうため、どうしても印象がよくない裕樹。一方のTURBOは3Rになっても全く衰えないスピードと回転の速いパンチで裕樹を翻弄。左右のフック、アッパーで裕樹にガードを固めさせて、裕樹を守勢に回らせる。
本戦の判定はジャッジ1名が29−28で裕樹を支持したものの、残り2名は28−28のイーブン。TURBOが2、3Rを盛り返すという形での延長戦突入となる。
延長R、TURBOは裕樹のパンチを受けながらも、左ミドル、前蹴りで裕樹を突き離し、裕樹のボディにヒザ蹴りを突き刺す。裕樹はじりじりと圧力をかけて前に出るものの、TURBOの多彩な攻撃の前になかなか攻撃を返さない。
逆にTURBOは裕樹のガードをこじ開けんとばかりに、ガードの隙間を狙って左右、横、下からパンチをまとめる。裕樹はTURBOと頭をつけてパンチで打ち合おうとするものの、TURBOの回転力の速さにパンチで押し負けてしまう。延長の判定は3者とも10−9でTURBO! TURBOが持ち前のスピードと圧倒的な手数で裕樹に勝利した。
▼第7試合 ヘビー級 3分3R延長1R
○ファビアーノ・サイクロン(TARGET/初代R.I.S.E.ヘビー級王者)
延長R判定3−0 ※三者とも10−9
●シング・心・ジャディブ(パワーオブドリーム/J-NETWORKヘビー級王者)
※本戦は30−30、29−29、29−29
この1年で2度対戦しているファビアーノとシング。結果は1勝1敗のイーブン、この試合が決着戦となった。
1R序盤は、互いにジャブとローで距離を測る静かな立ち上がり。身長で上回るシングが細かいジャブを当て、前蹴りで自分の間合いを保つ。
ファビアーノは右ミドル、右のロングフックで前に出て、そこから左フックを返す。シングはパンチの間合いになると下からヒザ蹴りを突き上げる。
2R、インローを蹴りながら前に出るファビアーノ。左フックから一気に踏み込んでいく。対するシングはジャブで距離を探って、ファビアーノが距離を詰めてくればすかさずヒザ蹴り。
ファビアーノはシングのヒザ蹴りを警戒しながら、左のアウトロー。シングのヒザ蹴りのタイミングで右フックを放つ。その後もシングのヒザ蹴りとファビアーノの右のパンチが何度も交錯する。ややファビアーノのパンチのヒット数が上か。
3R、ジャブ、右ロー、前蹴りを出すファビアーノ。シングは左フックを引っ掛けるように左に回り、そこから右ローと右ミドル。
さらにパンチからヒザ蹴りで前に出てファビアーノを後退させる。さらにシングは打ち下ろすようなワンツー! ファビアーノも2Rと同じようにシングのヒザ蹴りにパンチを狙うが、当たる数は少ない。本戦判定は0−0となり試合は延長戦へ。
延長R、本戦ではパンチ狙いが目立っていたファビアーノだったが、ここでは前蹴りでシングの動きを止めて、シングの前足を内と外側から蹴るという技巧派ぶりを発揮。この攻撃で徐々にシングの動きを止める。
シングも必死にヒザ蹴りを狙うのだが、ファビアーノのパンチの回転力が勝り、ファビアーノのパンチが当たる。
ファビアーノはシングのヒザ蹴りをサイドステップで何度も空振りさせ、シングの反撃をシャットアウト。文句なしの判定3−0で勝利し、シングとの因縁に終止符を打った。
試合後、ファビアーノは「来年1月にアレックス・ロバーツとタイトルマッチをやりたい!」と2006年G-BAZOOKA(ヘビー級)トーナメント王者のロバーツを次期挑戦者に逆指名。
するとリングサイドでそれを聞いていたロバーツがリングに上がり「じゃあ1月にやりましょう」とそれを承諾。主催者より正式発表こそなかったものの、この対戦はほぼ実現濃厚と言っていいだろう。
▼第6試合 -70kg契約 3分3R延長1R
○龍二(リアルディール/R.I.S.E.
DEAD OR ALIVE TOURNAMENT’07王者)
判定2−0 ※30−28、29−29、29−28
●池井佑丞(クロスポイント・ムサシノクニ/R.I.S.E.
DEAD OR ALIVE TOURNAMENT’07準優勝)
昨年のDEAD OR ALIVEトーナメント決勝で対戦している両者。この時は龍二がKOで勝利を収めているが、“戦う外科医”池井はワンマッチでの龍二攻略に自信をのぞかせている。
1R、サウスポーの池井はいきなり左ストレート。飛びヒザ蹴りで距離を詰めるようにして、龍二を首相撲に捕まえるとヒザ蹴りを突き上げる。さらに龍二が首相撲から逃げようとしたところに池井は左ストレート。
池井は龍二のパンチには左手のブロック&右手を伸ばしてディフェンス、徹底的にヒザ蹴り&左ストレートで龍二を攻める。終盤、池井のヒザ蹴りと龍二のインローがそれぞれローブローに入るアクシデントがあったものの、試合は続行。池井がペースを掴んだラウンドとなった。
2R、池井は自分の左側に回って左ミドル、龍二が前に出てこようとしたところに左ストレートを当てる。龍二は池井の攻撃をもらいながらも前に出続け、池井の前足に左右のロー!
これで池井の足を止めるようにして左フック、左アッパー、右ストレートで前に出る。1Rに比べて手数が減った池井だがカウンターのヒザ蹴り、左ミドルで反撃を試みる。
3R、龍二は池井の左回りを読んで左アウトロー、そこから右のパンチにつなげる。池井は龍二の右のパンチに左のヒザ蹴りを合わせる。池井のヒザ蹴りVS龍二の右のパンチという構図で試合が進む中、池井は龍二を首相撲にとらえてヒザ蹴りを連打する。
ここで龍二がローブローをアピールするが試合は続行となり、池井が左ストレート!
完全に無防備だった龍二はこの一発をもらってしまう。
しかし逆にこの一発で目が覚めたのか、龍二は右のパンチからの力強い連打で池井を後退させ前に出る! 池井が下がりながら左ミドル&ヒザ蹴りを狙い、龍二がパンチでそれを追うという攻防で試合は終わった。
判定は2−0で辛くも龍二。昨年の全試合KO決着&DoAトーナメント優勝から一転、今年は苦戦が続いた龍二は「今年最後にまたやってしまいました。もう1回復活して、来年はKOの年にしたいです」と2009年の飛躍をファンに誓った。
▼第5試合 -60kg契約 3分3R延長1R
○板橋 寛(スクランブル渋谷/ R.I.S.E.
FLASH to CRUSH TOURNAMENT’07 3位)
判定2−0 ※30−27、28−28、29−28
●末広智明(大道塾 吉祥寺支部/R.I.S.E.
FLASH to CRUSH TOURNAMENT’07準優勝)
R.I.S.E.の60kgトーナメント『FLASH
to CRUSH』(以下FtC)覇者のTURBOと初代60kg王者の裕樹が真のR.I.S.E.60kg級最強を決めるこの日、彼らに続くナンバー2の座を争う一戦も組まれた。
末広はFtC準優勝、板橋は3位。事実上、60kg王座の次期挑戦者を決める試合だ。両者は過去2度対戦しており、板橋の戦績11勝(2KO)2敗2分の2敗はいずれも末広にKO負けで付けられたもの。末広がまたも圧倒して勝つか、それとも板橋が三度目の正直でリベンジするのか?
1Rは静かな立ち上がり、末広が前蹴りと右ミドルで距離をとり、時折パンチを放っていく。サウスポーの板橋はパンチ&ロー。前に出て行くのは板橋だが、末広の蹴りでなかなか中に入れないという印象。
2Rも同様に末広が前蹴りと右ミドルで距離をとり、右のパンチを繰り出していく。パンチで迫っていく板橋だが、やはりなかなか自分の距離に入れない。ならばと左ミドルを蹴ると、末広は蹴り足をキャッチしての軸足払い。
中盤になると末広は板橋のパンチに合わせた右テンカオのカウンター、右ボディブロー、右ミドルとボディを狙い撃ち。板橋はテンカオに右フックを合わせようとするが、末広にブロックされる。
3R、やはり右テンカオと右ミドルで試合を優勢に進める末広は、組むと板橋を豪快にコカす。ボディを攻めながら左右のフックで顔面も襲い、このまま判定勝ちになるかと思われたが…末広の放った右フックをかわした板橋が、返しの左フック! この一発で末広がダウン!
末広はダウンを奪い返そうと、得意の右を振るってラッシュを仕掛ける。右、右、右とパンチを繰り出して必死の反撃だ。ダウンを奪った板橋も逃げ切ろうとせずに打ち合っていく。ラスト30秒、両者はその場に足を止めてのパンチの打ち合い! どよめきの中ゴングが鳴り、板橋が判定2−0で末広から初勝利を挙げた。末広は終盤になると集中力が切れるという悪い癖がまたも出てしまった。
▼第4試合 -60kg契約 3分3R延長1R
○小宮山工介(北斗会館/2008年 RISING
ROOKIES CUP-60kg優勝)
判定3−0 ※30−27、30−26、30−26
●長崎秀哉(ウィラサクレック・フェアテックスジム/第2代
M-1スーパーフェザー級王者)
R.I.S.E.の新人王トーナメント「RISING
ROOKIES CUP」で優勝した4人が、他団体のチャンピオンやランカーなど実績のある選手に挑むチャレンジマッチ。そのトリを飾ったのは、“元・天才空手少年”で現在プロ戦績5戦5勝(3KO)無敗の小宮山が、大宮司進をKOしてM-1チャンピオンになった長崎に挑む一戦。
1R、小宮山はいきなり胴廻し回転蹴りの奇襲攻撃。長崎は組んでヒザ蹴りに来る小宮山の首を取り、ヒザ蹴りに持ち込み投げも放つ。飛び込むようにパンチを入れて組み、ヒザ蹴りとショートのパンチを入れる小宮山は、前に出る圧力で長崎を追い回す。
2R、独特の振り回すようなパンチと左ミドルでムエタイスタイルを貫こうとする長崎に対し、小宮山はアグレッシブなハイテンポで攻撃を繰り出してどんどん前へ出て行く。長崎にリズムや間合いを取らせないような、間断ない攻撃だ。胴廻し回転蹴りが空振りに終わると、レフェリーがスタンドをコールする前にサッと立ち上がってパンチを打ちに行く。
顔面、ボディに前蹴りを突き刺す小宮山は、長崎が下がるとハイアングルの飛びヒザ蹴り! なんと、飛び過ぎてしまい勢い余ってトップロープから場外へ転落してしまった。それでもパンチで前に出る小宮山に長崎が組むと、小宮山は頭を押し下げて頭部へのヒザ蹴り! これでダウンを奪うと、今度は後ろ蹴りから頭部へのヒザのラッシュで2度目のダウンを追加。
3R、両者共に組みを多用し、もみ合いになる。長崎もヒザを打っていくが、小宮山に頭を押し下げられて頭部へのヒザをもらってしまう。小宮山は顔面とボディに前蹴りを使い分け、後ろ蹴りからのバックブローなどトリッキーな技も繰り出す。上段後ろ廻し蹴り、飛びヒザなどで最後まで攻めていった小宮山が大差を付けての判定勝利。僅か6戦目で3倍となる18戦のキャリアを持つチャンピオンを破った。
小宮山を指導する伊藤隆TARGET代表によれば、小宮山は2週間前に右足の靭帯を伸ばしてしまい、ほとんど蹴りが出せない状態だったという。そのため首相撲を強化して、見ずに乱戦に持ち込む作戦だった。
▼第3試合 -70kg契約 3分3R延長1R
○國安浩史(シルバーウルフ/2008年 RISING
ROOKIES CUP -70kg優勝)
KO 3R2分38秒 ※右フック
●大渡博之(正道会館/第3,4,6,7回
全日本空手道選手権大会軽量級優勝)
“闘う電通マン”として7月の『K-1
WORLD MAX』に出場、一躍時の人となった大渡が約1年ぶりにR.I.S.E.参戦。対するは魔裟斗率いるシルバーウルフに所属する國安だ。チャレンジマッチとはいえ、戦績は大渡が6勝(4KO)2敗、國安が6勝(2KO)1敗とそれほどの差はない。
1R、一発一発が力強い攻撃を繰り出す大渡は、パンチと蹴りで國安を圧倒。右ストレートの連打で國安を下がらせ、國安のローに合わせた左ジャブでダウンを奪い、終盤にも左フックでグラつかせる。
2Rも同様にパワフルな攻めで國安を攻めていく大渡。面白いようにパンチが当たり、國安を仰け反らせる。パンチでの反撃を試みる國安だが、パワーと圧力の差はいかんともしがたく、下がる展開が続く。しかし終盤、大渡に疲れが見えて手数も減る。
3R、前蹴り、ミドルキックと蹴り技でやはり前に出る大渡。このままパワーで押し切るかと思われたが、疲れが見える大渡は右アッパーが当たったのをきっかけに右アッパーの連打。そこへ國安の右フックがカウンターでヒット! グシャッと崩れ落ちる大渡。立つことが出来ず、國安が劇的な大逆転KO勝ちを収めた。
▼第2試合 -55kg契約 3分3R延長1R
○二戸伸也(クロスポイント・ムサシノクニ/2008年RISING
ROOKIES CUP-55kg優勝)
KO 2R1分59秒 ※パンチ連打
●荻野隆一(チームドラゴン/J-NETWORKバンタム級5位)
山口元気クロスポイント代表がその才能を高く評価する二戸が、J-NETのランカーである荻野に挑む。二戸は28歳と遅咲きの新鋭だが、ここまでの戦績は4戦4勝。ほとんどの試合で得意のパンチを当ててダウンを奪っている。
1R、ジャブとローで間合いをとろうとする荻野に対し、二戸は鋭い踏み込みでたやすく中に入り、パンチをまとめる。出入りが速く、パンチの回転も速い二戸に荻野は後手後手に回ってしまう。二戸は組む展開になっても荻野をコカし、必ず上になってスタミナを奪っていく。
2R、スピードも勢いも衰えない二戸は入り込んでのパンチ連打、荻野はパンチに合わせてのロー、組んでのヒザに活路を求めるが、二戸のスピードに付いていけない。そし二戸が下がる荻野へ右ストレートをヒットさせ、さらに踏み込んでの右ストレート! 吹っ飛ぶようにダウンを喫する荻野。
二戸はパンチで一気にラッシュを仕掛け、回転の速いパンチで荻野を追い回す。カウンターのヒザで挽回しようとした荻野だったが、連打でグラついて左フックをもらって2度目のダウン。両手を着いて立ち上がろうとしたが体が言うことを聞かず、二戸が豪快なKO勝ちでルーキーズ軍初勝利を収めた。
▼第1試合 -70kg契約 3分3R延長1R
○中島弘貴(バンゲリングベイ)
判定3−0 ※30−29、29−28、30−29
●73KING(クロスポイント・ムサシノクニ/2008年RISING
ROOKIES CUP -65kg優勝)
RISING
ROOKIES CUPでは65kg級で優勝した73KINGだが、減量苦のため今回から70kg級に階級を上げての試合に臨む。対するは元シュートボクセ・ジャパンで5戦5勝(5KO)と驚異の戦績を誇る中島だ。
1R、大振りながらも力強い左右のフックで前に出る中島に、73KINGは下がってしまう。ロー、左右のフック、さらにヒザを突き上げる中島のパワーと圧力に下がり続ける73KING。前蹴りでボディを狙い、右ローからハイキックやパンチに繋げていくも、中島に押され気味。
2R、73KINGは左ミドルと左ハイキックで中島を入らせず、中島が左右フックを放ってくると下がった頭へ突き上げるようなヒザ。下がりながらヒザで迎え撃つ展開が続くが、中島はヒザをもらっても決して下がらず、前へ出続けて左右フックで攻めていく。
3Rも同じ展開。突き上げるヒザとテンカオ、さらにアッパーで頭を下げながらフックを打ってくる中島を迎え撃つ73KING。しかし、手数が少なく中島が全く下がらないため、左右フックで押されて下がっていくのは73KINGの方だ。体力差が出てしまった。
判定は3−0で中島が無敗を守り、73KINGは“らしさ”を全く見せることなく敗北した。
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