パンクラスism主催興行
「PANCRASE 2008 SHINING TOUR」
2008年12月7日(日)東京・ディファ有明
開場15:00 開始16:00
観衆=1,850人(超満員=主催者発表)
▼メインイベント(第10試合) 第2代ライト級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○井上克也(和術慧舟會RJW/同級1位)
判定3−0 ※29−29(井上)、30−29、30−29
●大石幸史(パンクラスism/同級2位)
※井上が第2代ライト級キング・オブ・パンクラス王座に就く。
初代王者・昇侍が返上したライト級の王座を賭け、井上と大石が激突。両者は07年5月にウェルター級戦で対戦し、井上が左ストレートでKO勝利。今回はライト級に落としての再戦となる。
1Rゴングと同時に仕掛けたのは大石。一気に井上をコーナーに押し込み、太もも目掛けてひたすらヒザ蹴り。寝かせたい大石は足をかけたりとバランスを崩そうとするも、井上はテイクダウンを許さない。目立った攻防はなくブレイク。
井上は手を突き出し相手との距離をとりながら左ミドル。大石が再びタックルを仕掛け、井上をロープ際に押し込んだところで、このラウンドは終了。
2R、井上の左ミドルに対し、大石がパンチを合わせる。テイクダウン狙いに終始する大石は井上に組み付く展開に。一度は倒された井上だが、すぐに立ち上がり寝技の展開には行かせない。戦前に井上が語っていた通り、「どっちが上になるか」が勝敗ポイントとなる試合となる。
大石がしつこく組み付いてくると、ロープを背負う井上は必至に耐えながら、ヒザ蹴り。
3Rも変わらず、井上のパンチに構うことなく大石が突進し、組み付く。ここでレフェリーが割って入り、消極的だと判断された両者に口頭注意が言い渡される。これでようやく目が覚めたかのように打ち合いに出る大石と井上。打撃戦だと不利だと感じた大石はタックルにいくも、井上は突き放す。左ミドル、左ストレートと的確な打撃で大石をコーナーに追い込んだところで終了のゴング。
1人はドローもマストシステムによる判定で3票を獲得した井上が第2代ライト級キング・オブ・パンクラスに輝いた。マイクを握ると、「今まで王者にはなったが、防衛戦をしたことがないので年に3回は防衛戦をやって、10回ぐらいは防衛したいです」とアピール。
試合後のインタビューでは「ismの選手で一番強いのは北岡(悟)選手なので、(来年1・4戦極で)五味選手に勝ったらやりたいですね」と北岡との4度目の対決に意欲を示した。
▼セミファイナル(第9試合) 初代バンタム級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○井上 学(U.W.F.スネークピットジャパン/同級3位)
一本 2R4分44秒 ※チョークスリーパー
●川原誠也(パンクラスP’sLAB横浜/同級1位)
※井上が初代バンタム級キング・オブ・パンクラス王座に就く。
初代バンタム級王者の称号を賭け、破竹の秒殺街道を突っ走るパンクラスの超新星・川原と、長年フェザー級のランカーとして実績を残してきた井上が激突。
あの宇野薫が認めた実力を持つ川原が、僅かパンクラス4戦目で巡ってきたビッグチャンスをものにすることが出来るのか。
1R、両腕ガードでしっかり構える井上に対し、川原は左右のフックを放つ。一気に組み付いた井上は2度目のタックルでようやくテイクダウンに成功する。
上を取った井上だが、見事な身体能力で反転した川原はすぐにパウンドを落とす。逃がさないとばかりに井上は執ようにタックルを仕掛けると、川原はヒザ蹴りを合わせる。
再びテイクダウンした井上は川原のバックをとり、コブラツイストを仕掛けるムーブに。前に振り落とすかたちで逃げた川原。
川原は打撃戦を仕掛けるも、井上はテイクダウンにこだわる展開。何度もグラウンドにいくが、川原はディフェンスで逃げきる。
2R、重心を低く構える川原は鋭いアッパー、ジャブ、フックと何発も井上の顔面にヒットさせる。川原の打撃で井上は口から血を流し、左目は腫れる。タックルにはヒザを合わせられ、「正直心が折れそうになりました。視界も二重に見えて全く距離感がわからなくなった」と井上。ドクターチェックも入り、大ピンチに追い込まれた。
しかし、玉砕覚悟で両足タックルを仕掛けた井上はテイクダウンに成功。素早い動きでバックを奪うとパウンドを落としていく。そしてあっというまにスリーパーの体勢へ。
これががっちり極まり、川原はタップ! まさかの逆転劇に場内は騒然。井上本人も涙を流し、“人間風車”ビル・ロビンソンコーチと固い抱擁を交わした。
試合後には、昨日のケージフォースでバンタム級王者となった水垣偉弥(シューティングジム八景)との対戦アピールをした井上。王者対決が実現するのかに注目が集まる。
▼第8試合 第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○和田拓也(SKアブソリュート/暫定王者)
判定3−0 ※30−30(和田)、30−30(和田)、30−29
●鳥生将大(パンクラスism/同級2位)
※和田が第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラス王座に就く。
前回の10月大会で対戦した両者。キャリアで上回る和田に対し、鳥生の健闘が光りドローとなった。これで10戦目となる鳥生はこのビッグチャンスをものにしたいところだが……。
1Rから両者はお互いに見合う展開が続く。鳥生は右ロー、ジャブを繰り出すも単発に終わってしまう。和田もけん制のパンチを出しながら組み付くだけに終わり、目立った展開はないままこのラウンドは終了した。
2Rも探りあいが続く中、和田がタックルで押し込むもテイクダウンできない。スタンドに戻り、和田の右ストレートがクリーンヒット。これで一瞬だが鳥生はぐらつく。
3Rには勝負を仕掛けた鳥生が左ミドル、前蹴り、後ろ回しと多彩な蹴り技で和田を追い込む。冷静にさばいた和田はテイクダウンに成功し、ガッチリ上から押さえ込む。このまま時間が過ぎ、判定へ。優勢ポイントで和田が勝利、第4代ウェルター級キング・オブ・パンクラスに輝いた。
▼第7試合 ミドル級戦 5分3R
○金井一朗(パンクラスism/同級4位)
一本 1R2分25秒 ※肩固め
●松井大二郎(フリー)
1R、積極的にローを繰り出す松井に対し、金井はぐるぐる回りながら様子をうかがう静かな立ち上がり。距離が縮まると、金井は右ストレート! これが松井にクリーンヒットし、ダウン!
金井が攻めると、松井は必死にガードを固めて抵抗する。上のポジションをキープする金井はすぐに肩固めに移行。松井は失神し、レフェリーがストップ! 10月の金原弘光に続いて、金井が元UWFインター狩りに成功した。
▼第6試合 パンクラスアテナ 55kg未満契約 3分5R
○中井りん(修斗道場 四国)
TKO 1R1分33秒 ※レフェリーストップ
●WINDY智美(パンクラスism)
これまで対戦相手を病院送りにしてきたWINDY。今回の強敵・中井戦に向けても「年末は病院で過ごすことになると思います」と挑発的なコメントを残している。
1R、あのWINDYのパンチに全くびびることなく、前に出てパンチを振るう中井。一気に組み付いた中井は浴びせ倒すようにテイクダウンに成功する。サイドからマウントポジションを奪った中井はマウントパンチ連打。
WINDYは必死にブリッジで抵抗するが、中井の攻撃は止まらない。レフェリーが試合をストップ。試合後に中井はアクロバティックな宙返りを披露し、会場を沸かせていた。
▼第5試合 ウェルター級王座次期挑戦者決定トーナメント決勝戦 5分3R
○岩見谷智義(高田道場)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−28
●野沢洋之(スタンド)
飛び込みながらの右ストレート、右ローと1Rから打撃勝負に徹する野沢。しかし、テイクダウン狙いに徹する岩見谷を前にしてなかなか一歩が踏み込めない。
ひたすら岩見谷がタックルを仕掛け、テイクダウンに成功するも上からガッチリ固めるのみで目立った展開はなし。岩見谷が判定勝利し、この日ウェルター級王者になった和田の持つ王座への挑戦権を得た。
▼第4試合 ヘビー級戦 5分2R
○スタニスラブ・ネドコブ(ブルガリア/ブルガリア・ブシドー・フェデレーション)
TKO 1R1分35秒 ※レフェリーストップ
●河野真幸(NEW JAPAN FACTORY)
「全ては日曜日にわかるよ」公開練習では意味深なメッセージを残した琴欧州の盟友ネドコブ。試合開始と同時にいきなり河野をコーナーに押し込むと、一気にテイクダウンした。
ネドコブがパウンド連打で追撃すると、河野は下から三角絞め狙い。それをふりほどいたネドコブはかまわずパウンドラッシュ! たまらず河野がうつ伏せで防戦一方になったところで試合がストップした。
▼第3試合 フェザー級戦 5分2R
△齋藤裕俊(和術慧舟會GODS/2008年度ネオブラッドトーナメント優勝)
ドロー 判定0−0 ※19−19、19−19、18−18
△赤井太志朗(ノヴァウニオン・ジャパン)
右ストレートを1R序盤にクリーンヒットさせた齋藤が有利に試合を進める。かなりフラフラの赤井だったが、何とか持ち応える。齋藤はローブローを食らい、リズムを崩されるも右ストレートと右ローで主導権を握った。
3Rになると赤井が反撃。テイクダウンしバックからのチョーク、そして終盤にはアームロックを決め追い上げに成功。ドローに終わった。
▼第2試合 ライト級 5分2R
○花澤大介13(総合格闘技道場コブラ会)
一本 2R2分19秒 ※肩固め
●マキシモ・ブランコ(ベネズエラ/戦極育成選手)
「以前MFCで闘ったエディ・アルバレスのような重さだった」と試合後に振り返った花澤。マキシモの放つ強烈なパンチの前に花澤は追い込まれるも、テイクダウンに成功。上からガッチリ押さえ込んだが、マキシモは持ち前の身体能力を活かしブリッジで返すなど膠着を許さない。
タックルにはヒザを合わせられ花澤はなかなかグラウンドに行けない。「負けると思った。心が折れかかっていた」花澤だが、2度目の肩固めでようやく一本を奪った。
▼第1試合 フライ級戦 5分2R
○廣瀬 勲(ストライプル/2008年度ネオブラッド・トーナメント優勝)
判定2−0 ※20−19、20−19、19−19
●二之宮徳昭(X-ONE GYM湘南/チームZST)※初参戦
お互いに一歩もひかない激しい打ち合いが展開され、場内は大盛り上がり。要所でタックルを決め、テイクダウンした廣瀬がスリーパーを決めたが、二之宮は耐える。
2Rにもタックルから一気にバックを奪った廣瀬がスリーパーで攻める。極めるには至らなかったが、廣瀬が判定勝利を収めた。
▼パンクラスゲート第7試合 ミドル級戦 5分2R
○鈴木槙吾(ALLIANCE)
一本 1R1分13秒 ※腕ひしぎ十字固め
●川和 真(禅道会新宿道場)
▼パンクラスゲート第6試合 ライト級戦 5分2R
△ISAO(坂口道場)
ドロー
△徳重祐樹(ALLIANCE)
▼パンクラスゲート第5試合 フェザー級戦 5分2R
○ピータン(坂口道場)
一本 2分2分00秒 ※腕ひしぎ十字固め
●岩本高典(BSS)
▼パンクラスゲート第4試合 フェザー級戦 5分2R
○上田 優(ALLIANCE)
TKO 1R0分28秒
●島崎太郎(U-FILE CAMP.com)
▼パンクラスゲート第3試合 フェザー級戦 5分2R
○高藤正和(高田道場)
一本 1R2分12秒 ※腕ひしぎ十字固め
●江上 剛(品川CS)
▼パンクラスゲート第2試合 バンタム級戦 5分2R
○中島裕之(和術慧舟會レンジャー品川)
一本 1R3分47秒 ※三角絞め
●齊藤貴儀(パラエストラ古河)
▼パンクラスゲート第1試合 フライ級戦 5分2R
○中村圭志(坂口道場)
KO 2R3分53秒 ※スタンドでのパンチ
●山中 剛(和術慧舟會東京本部)
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