TOUITSU実行委員会
「KING OF KINGS TOUITSU in KOBE」
2008年12月23日(火・祝)兵庫・神戸ワールド記念ホール
開場15:00 開始16:00
▼メインイベント(第9試合) トーナメント決勝戦 62kg以下契約 3分3R延長2R(ヒジあり)
○石井宏樹(藤本/新日本キックボクシング協会/前日本ライト級王者)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−26
●黒田アキヒロ(フォルテス渋谷/J-NETWORK/J-NETWORKライト級王者)
※1Rに石井の右ヒジで黒田がダウン。石井がトーナメント優勝。
ついに迎えた決勝、先にローを入れたのは石井の方だった。この試合はヒジ解禁とあって、おなじみのコンビネーションにヒジも加えてさらにペースを掴む石井。
だが並々ならぬ思いで決勝まで勝ち上がってきた黒田も意地でパンチからローを返す。石井は中盤、右ストレートをヒットさせると、コンビネーションからの右ヒジでダウンを奪う。
2Rも石井のペースの中、さらに飛び込んでの右ヒジ、連打からの左ヒジなどで攻撃を加えていく。黒田も劣勢の中、ローにつなぐコンビネーションを主体に応戦。終盤には右フックを当てる場面も。
そして最終の3R、石井がフルスロットルに。アッパーからヒジの連打、前蹴り、サイドキック、ぶん回しての左右のヒジや頭頂部への縦ヒジなどダイナミックさを増した動きで締めくくり、貫禄の勝利。
石井が初の「TOUITSU」トーナメントを制し、ライト級初代王者のベルトを腰に巻いた。
リング上でゲスト解説の吉澤ひとみからインタビューを受けた石井はトーナメントの感想を「足が痛い」と語って笑わせ、リングを降りる際も足を引きずっていたが、これは自分の蹴りによるもので、ローで受けたダメージはないという。
伊原代表にも祝福を受けた石井は「正直、吉本選手が上がってくると思っていたけど、黒田選手には気持ちの強さを感じた。1回戦は硬くて、2試合目でようやく動けた。決勝はヒジがあったので自分の距離で闘うことができた。ヒジのケガも治って、振り回すことができた。新日本の強さを見せつけることができたと思う。来年はまた世界と闘っていきたい」とコメントした。
▼セミファイナル(第8試合) ワンマッチ 65kg以下契約 3分5R(ヒジあり)
○センチャイ・ソー・キングスター(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者)
TKO 3R2分56秒 ※ボディへのヒザ蹴り
●ホー・セイウン(韓国/大韓キックボクシング協会ライト級王者、2008KoreaGP65kg級優勝)
「タイから素晴らしい選手をお呼びしました」とリングアナに呼び込まれたセンチャイは、いつものようにセコンドと踊りながら入場。
そして1Rから、代名詞の一つであるグローブをリングにつけてのオーバーヘッドキック(いわゆる子安キック)を2度、また2段蹴り式のハイなど特徴的な蹴り技を放っていく。
ローやミドルで活路を見出したいホーはセンチャイがパフォーマンス気味に見せる素早いスイッチを真似するなど、19歳にもかかわらず剛胆なところも見せる。途中、センチャイのローブローが入り、試合は一時中断。
2Rからは攻撃モードに入ったセンチャイは、左のショートとボディでホーを子供扱い。さらにハイキックでダメージを与え、かかと落とし気味に繰り出す顔面への前蹴りも連発。これまた代名詞でもある崩しもたびたび見せ、時にはホーの長身を大きくひっくり返すことも。
3Rには完全に仕留めに入り、まずはコーナーでの左ボディでダウンを奪う。そこまでにもたびたび、ダウンを取られてもおかしくない場面のあったホーだが、もはや万事休す。最後はヒザ蹴りをもらうと立てなくなり、試合はストップ。センチャイが初の関西でも神業の数々を見せ、圧倒的な勝利を飾った。
▼第7試合 トーナメント準決勝 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○石井宏樹(藤本/新日本キックボクシング協会/前日本ライト級王者)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−26
●及川知浩(及川道場/シュートボクシング協会/SB日本スーパーフェザー級王者)
※2Rに石井の右ストレートで及川がダウン
1回戦の森本戦に続き、10センチ以上の身長差となった及川だが、1Rから飛び込んでの右フックを見せる。1試合やって体が暖まったという石井はやはりジャブ・ロー、ワンツー・ローのコンビネーションを主体に攻め込んでいく。終盤には、右ローを連打。及川が1回戦でローを効かされていると感じ、攻撃の的を絞る。
2R開始直後、鮮やかなワンツーの右ストレートで石井がこのトーナメント初のダウンを奪う。だが地元の仲間、指導している子供たちの声援を背に受ける及川は粘り強く攻撃。中盤はローの打ち合いとなるが、及川はたびたび、ローが効いている様子を見せる。だがその中でもワンツーを入れるなど、諦めない。
3R、後がない及川はパンチを主体に追っていくが、石井はフットワークを使って距離に入らせず、完全に自分のペース。全般にわたって石井のコンビネーションが冴え、判定は文句なく石井に。これにより、決勝は石井と黒田の間で争われることに。
▼第6試合 トーナメント準決勝 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○黒田アキヒロ(フォルテス渋谷/J-NETWORK/J-NETWORKライト級王者)
延長R 判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●吉本光志(AJ/全日本キックボクシング連盟/IKMF東洋ライト級王者)
※本戦は30−29、29−29、30−30
黒田の勢いが止まらない。1Rからジャブ・ローのコンビネーションが冴え、全ての攻撃をローにつなげる徹底ぶり。こちらも1回戦同様、パンチとヒザで攻撃を組み立てようとする吉本だが、ペースは黒田に。
2Rには吉本がペースを上げ、パンチからテンカオ、組んでのヒザ、右ストレート、左ハイと攻撃のバリエーションを増やしていく。黒田は左右フックからのロー、吉本に呼応するかのようなヒザ。変わらずコンビネーションをローにつなげていくが、後半、吉本のヒザに動きを止められる場面も。
3Rになると吉本は右ミドル連打、左ハイ2発をヒットさせるが、試合はやや膠着気味に。判定は黒田が1ポイント取ってのドローで、吉本は2試合連続の延長に突入。1回戦が激闘だったこともあり、またダメージもあってかここはローにヒザ、バックブローなどで攻
めた黒田が僅差で上回り、2-1とスプリットになった延長判定を黒田が制した。試合後、頭痛を訴えていた吉本は病院に急行。眼窩底骨折の疑いがあるという。
▼第5試合 トーナメント1回戦 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○石井宏樹(藤本/新日本キックボクシング協会/前日本ライト級王者)
判定2−0 ※30−29、29−29、30−29
●壮泰(士道館橋本道場/マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟/MA日本スーパーライト級王者)
1R、まず石井はジャブで先制。壮泰はローをお返し。序盤は蹴り中心の攻防の中、壮泰が左ミドルからローを入れると、そこから石井の代名詞とも言える流れるようなコンビネーションが連続で火を噴く。壮泰も得意のミドルを放っていくが、石井はそれを掴んでローを連打。
2Rも石井のローにつなぐコンビネーションが冴える中、パンチの打ち合いになると壮泰のパンチが入る場面も。
リングサイドで観戦する伊原信一・新日本キック代表からは「打ち合うな!」との声が飛ぶ。石井は壮泰のミドルをすかしてロー。中盤過ぎになると、壮泰はローが効いている様子。壮泰は終盤、ボディを入れる。
3R、壮泰はローとボディ、ミドル。中盤、右ストレートもヒットするが、ラウンドを支配しているのはやはり石井の速いジャブからのコンビネーション。
終盤には激しい打ち合いとなるが、ここでも石井だけでなく壮泰のパンチもヒットする。判定は2−0で石井。優勝候補筆頭の石井が緒戦をクリアしたが、壮泰の健闘も光る一戦だった。
▼第4試合 トーナメント1回戦 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○及川知浩(及川道場/シュートボクシング協会/SB日本スーパーフェザー級王者)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●森本達也(日進会館/99J−TOP軽量級ウエイト制トーナメント準優勝)
※本戦は30−28、30−30、30−30
1R、森本のミドルやハイを及川はほとんどスウェーでかわし、右フックやローといった攻撃につなげる。ジャブや前蹴りで距離を取りつつ、常にプレッシャーをかけ続けているのは及川の方。
体格で勝っているはずの森本は、下がりながらの攻撃を余儀なくされている。その中でもパンチ、ロー、ヒザ蹴りと攻めていくが、組むと及川が投げ、及川の言う「体格差を越えた技術」が生かされる展開に。
2R、中盤から森本が左アッパーを何度か当てる。パンチのコンビネーションからミドル、バックブローなどを繰り出す森本に、及川はローを中心に応戦。
3R、引き続き森本は左アッパーを当てていくが、及川は序盤に左フック、後半に右ミドルで森本をぐらつかせる。中盤にはアッパーの応酬、終盤にはパンチの応酬となるが、流れは及川に。
終了のゴングが鳴ると手応えを得たらしい及川は「勝ったやろ!」と叫ぶが、判定は1−0のドロー。
延長Rに突入すると怒りに火がついたか、及川はローからアッパーへのつなぎ、首相撲からのヒザ蹴り、右フック、右ハイと怒濤の攻め。森本もアッパー、ロー、ミドルで応戦するが、この延長Rは及川が確実に取って、準決勝に進出した。
▼第3試合 トーナメント1回戦 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○黒田アキヒロ(フォルテス渋谷/J-NETWORK/J-NETWORKライト級王者)
判定2−0 ※30−29、29−29、30−29
●梶原龍児(チームドラゴン/K-1推薦/WFCA世界ライト級王者)
自分の手で引き寄せたリベンジマッチに気迫のこもった表情で入場してきた黒田は、右ローで先制。対照的に、梶原は感情を見せない表情でオーバーアクションによるフェイントを見せる。バックブローなども交えながら得意のローを狙っていく黒田に対し、梶原は右フックから左ボディへのコンビネーションを見せる。
2Rも左右のローで活路を開こうとする黒田に、梶原はストレートを含むパンチのコンビネーションで対応。後半には1Rにも見せた右フックから左ボディのコンビネーションを連続して見せる。
試合は梶原のパンチVS黒田のローという様相を濃くしていく。
3Rには梶原が左右のボディストレートも見せ、変わらずパンチ主体に攻め込む中、黒田は左右のローへとつなぐコンビネーションを出し続ける。組んだ梶原を崩した黒田がボディにヒザを入れたところでゴング。
判定は2−0の僅差ながら、ローを打ち続けた黒田に軍配。黒田が3年越しのリベンジに成功し、準決勝で吉本との対戦へ。
▼第2試合 トーナメント1回戦 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○吉本光志(AJ/全日本キックボクシング連盟/IKMF東洋ライト級王者)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●赤十字竜(キング/ニュージャパンキックボクシング連盟/NJKFスーパーフェザー級王者)
※本戦は29−30、29-29、29-29
1R、赤十字は左右ミドル、組んでのヒザ、左右ローで先手。吉本はパンチで出るが、赤十字はうまいタイミングでミドルを入れていく。終盤には赤十字の左フックがヒット。
2Rも攻勢は赤十字。前蹴りで距離を取り、組めばヒザ。左ボディやボディアッパー、ワンツーで攻めのリズムを作っていく。吉本は中盤から左ミドルが入り始める。このあたりからやや攻め疲れも見え始めた赤十字に対し、吉本は3R、逆転へ。
接近戦では左アッパーやボディへのヒザ、離れても飛びヒザに左ハイと、挽回に向けて怒濤の攻め。疲れの見える赤十字も右ミドルやヒザ蹴りで応戦するが、流れは吉本に傾き、本戦判定は1−0でドローに。
セコンドの実父・向山鉄也に叱咤された赤十字は延長R、ヒザ蹴りで先制するが吉本も左ミドル、ヒザで応戦。赤十字が右ストレート、左フックを入れると吉本は中盤に左ミドルを連発。
終盤は壮絶な打ち合いとなったが、結局試合後半から波に乗った吉本が延長戦を制し、準決勝進出。
20歳、キャリア8戦の赤十字は大器の片鱗を見せたが、最後は吉本の修羅場を潜った数がものを言った格好となった。
▼トーナメント リザーブマッチ 62kg以下契約 3分3R延長1R(ヒジなし)
○末広智明(大道塾吉祥寺支部/R.I.S.E.
FLASH to CRUSH TOURNAMENT’07準優勝)
判定2−0 ※30−29、30−30、30−28
●河野雄大(武勇会/マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟/MA日本ライト級王者)
▼オープニングマッチ第1試合 70kg以下契約 3分3R延長なし(ヒジなし)
○甲斐直樹(正道会館/R.I.S.E. KAMINARIMON TOURNAMENT’07準優勝)
判定2−0 ※30−28、30−30、30−28
●JIRO(日進会館/第6回グローブ空手道選手権播州杯中量級3位)
▼オープニングマッチ第2試合 60kg以下契約 3分3R延長なし(ヒジなし)
○一刀(日進会館/第9回グローブ空手道選手権播州杯中量級優勝)
KO 1R0分35秒 ※右フック
●島村晃司(チームドラゴン/新空手2008年K-2グランプリ軽中量級準優勝)
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