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「FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ2008〜」
2008年12月31日(水)さいたまスーパーアリーナ
開場14:00 開始15:00
観衆=25,634人(超満員)
▼メインイベント(第18試合) DREAMミドル級(84.0kg以下)
○田村潔司(U-FILE CAMP)
判定3−0
●桜庭和志(Laughter7)
遂に実現した桜庭VS田村の一戦。会場では2人のこれまでの歴史を振り返る映像が流され、佐藤隆太のマイクで2人が登場する。
ステージに登場した桜庭はUWFの象徴とも言えるレガースとシューズを着用しての入場…かと思いきや、それはマスクを被った別人。桜庭は三輪車で花道に現れ、リングへと向かった。
対する田村は大勝負の時には必ず手にする小太刀を持っての入場、レガースを着用しての試合となった。
1R、互いにサウスポーの両者、まずは田村がローを放つ。桜庭は片足タックル、田村の両足を束ねるようにしてテイクダウンを狙う。
そこから桜庭は田村の後ろに回りこみ、バックを狙おうとするが、田村は桜庭の足を取って前に振り落とし、グラウンドで上のポジションを取る。
インサイドガードで上になった田村は桜庭の顔面にパウンド。桜庭は田村の手首をコントロールして三角絞めの体勢へ。田村は背筋を伸ばしてそれを切ると、パンチを落とす。桜庭も足を田村の頭に絡めて下から鉄槌。
田村は離れて、イノキ・アリ状態となる。ここで桜庭が下から足関節。田村は桜庭の体を潰してパンチを落とす。立ち上がろうとする桜庭を田村はマットに寝かせる。
再びインサイドガードになると田村がコツコツとパンチを落とす。ここでも桜庭は田村の手首を掴んで三角絞めを狙う。
残り1分、田村は立ち上がって中腰になるが、桜庭はすぐにガードに引き込む。そして残り10秒、桜庭が下から腕十字! しかし田村は両腕をしっかりとクラッチしてそれをディフェンスする。
2R、田村が左ローキックから左ストレート! 桜庭は片足タックルでテイクダウンを狙うが、田村はしっかりとそれを切る。桜庭は引き込むような形で田村をグラウンドに持ち込む。しかし互いの動きが止まってブレイクとなり、両者にイエローカードが提示される。
再開後、田村の左ローでバランスを崩す桜庭。すると田村はそこにローキックを連打する。そして田村が両足タックル、桜庭はフロントチョークを狙うが、田村は頭を抜いてそれをディフェンスする。しかしここでも両者に目立った動きがなくブレイクとなってしまう。
ブレイク後、桜庭は田村のローキックをキャッチしてテイクダウン。残り1分、桜庭は田村の足を一本越えてパスガードを狙うが、田村は下から両足をガッチリとクラッチしてそれをディフェンスする。残り10秒となり桜庭が鉄槌を落としたが、そのまま試合終了のゴングが鳴らされた。
試合は両者の持ち味である動きのある試合とはならず、インサイドガードからのパウンドでポイントを取った田村が3−0で勝利を収めた。
試合後、田村は「今日はいい試合、勇気をもらえる試合が続いたのですが、最後にサクと伝わらない試合をしてしまって申し訳ありません。選手は試合場が全てです。またイチから気持ちを引き締めて、練習して試合をしようと思います」と語った。
▼セミファイナル(第17試合) DREAMライト級(70.0kg以下)
―ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー/DREAM初代ライト級王者)
中止
―J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
昨日の会見後にハンセンが倒れ、そのまま病院に搬送。ハンセンは試合を行う意志があったものの、ドクターからストップがかかり、試合が中止となった。リングではハンセンと対戦予定だったカルバンが挨拶、ファンにメッセージを送った。
「まずはヨアキムの無事を祈りたい。非常に体調が悪くて試合がなくなったと聞いた。それが大きな問題にならないで欲しい。去年、自分も同じ目にあった。怪我で試合に出ることが出来なかったんだ。そして今年は怪我の回復と試合を両立させる一年になった。本当にこの一年、怪我の回復を目指してがんばった。そしてここにいたるまで自分を応援してくれた人全てに感謝している。
肉体的にも精神的にも魂にもサポートをしてくれて、今日は死ぬ覚悟でリングに上がろうと思った。でも今日は試合が出来ない。また次の機会にこの気持ちで試合をしたい。今日は戦うことが出来なくて本当に残念。ファンのみんなに自分のエネルギーを与えるつもりだった。俺の試合はなくなったけれど、今日は大会を楽しんで欲しい。それでは最後にアケマシテ オメデトウ。ジャアネ」
▼第16試合 DREAMライト級(70.0kg以下)
○青木真也(パラエストラ東京)
一本 1R1分32秒 ※踵固め
●エディ・アルバレス(アメリカ/エリートXC/ファイト・ファクトリー)
日本だけでなく世界中が注目するライト級のMMAマッチがここに実現! DREAMの大黒柱として活躍した青木が、ライト級GP幻のファイナリストのアルバレスと激突する。
先に入場となったアルバレスは拳を回して、笑顔を見せて花道を歩く。青木は入場曲「バカサバイバー」に合わせた手拍子が鳴り響く中で登場。そして花道で仲間たちと握手を交わし、リングに向かった。
1R、サウスポーの青木に対し、アルバレスは頭を振りながら前に出て行く。青木は下がりながら右ミドルを蹴る。アルバレスのプレッシャーを受けて、ロープを背負って下がる青木。ジャブからタックルでテイクダウンを狙うが、アルバレスはそのタックルを切る。
自らマットに寝転がり、グラウンドに引き込もうとする青木。両手、両足をマットにつけたまま、アルバレスを追いかけるが、アルバレスはそれに付き合わない。
ブレイク後、再び前に出て行くのはアルバレス。青木がコーナーに詰まったところでアルバレスは右ミドルを蹴るが、青木はそれをスウェーでかわしながら、蹴り足を取ってアルバレスのバックを取る。
ここからテイクダウンを狙う青木だが、投げを成功させたのはアルバレス! アルバレスは青木を豪快に投げ捨て、サイドポジションからマウントポジションを取る。
しかし青木はすぐに下から足を絡めて、アルバレスの右足にヒールホールド! アルバレスは体を回転させて逃げようとするが、青木はアルバレスの体を蹴ってアルバレスの足首を捻り上げる!
するとアルバレスが声を出してタップ! 接戦が予想された試合だったが、青木が足関節による一本勝ちでアルバレスを下した!
試合後、青木は「おい、格闘技のトップ、アメリカ、UFC、PRIDEを買収したダナ・ホワイト、お前らよく聞け! 日本が格闘技のトップだ! このヤロー!」と絶叫。
「来年もDREAMの大黒柱として精一杯頑張ります。そして青木真也を好きでよかったと言われるように頑張ります!」とファンにメッセージを送った。
▼第15試合 DREAM無差別級(93.1kg以上) 特別ルール 5分3R
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/マイクス・ジム)
KO 1R0分18秒 ※右フック
●マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)
ジェロム・レ・バンナの欠場を受けて、急遽出場が決まったマヌーフ。ミドル級のマヌーフはスーパーヘビー級のハントを相手にどんな試合を見せるのか?
1R、ジャブを突いて前に出るハント。ハントは左右のストレートで突進していくが、マヌーフは下がりながらカウンターの左右のフック! これがハントの顔面を打ち抜き、崩れ落ちるハント!
マヌーフはそのままハントにパンチを落とし、レフェリーが試合をストップ。体重差、そして立ち技でのキャリアをものともせず、マヌーフがスーパーヘビー級のハントをスタンドのパンチでマットに沈めた!
マヌーフは「ココ ニ コレテ ウレシイデス!」と日本語で挨拶。「『昨日の夜、ハントと戦わないか?』と言われて、戦うことになった。俺は80kgちょっとの小さな男だけど、40kg近く重い選手をKOできた。次はホンマン、俺とやろう!………というのは冗談だよ(笑)」と笑いながら、リングを降りた。
▼第14試合 K−1無差別級
○ゲガール・ムサシ(オランダ/team Mousasi/Red
Devil International)
KO 1R2分32秒 ※3ノックダウン
●武蔵(正道会館)
総合格闘家としてK-1ルールに挑戦した川尻、アリスターがKO勝利を収める中、DREAMミドル級王者のムサシが登場。対戦相手は同じ名前を持ち、本人としてK-1を支えてきた武蔵だ。武蔵は花道でファンと手を合わせながらリングに上がる。
1R、サウスポーの武蔵は左ミドル、左のヒザ蹴り。しかしムサシが下がる武蔵に右ストレート! この一発で武蔵がダウンを喫してしまう。
再開後、ムサシは武蔵のガードの上から連打。武蔵はプッシングでムサシを突き放したり、組み付いてダメージを回復させる。
ムサシは武蔵をロープに詰めて右ストレートから左フック! 武蔵は左のヒザ蹴りを返すが、ムサシの突進は止まらない。そしてムサシは武蔵をロープに詰めて左右の連打! 右アッパーで武蔵から2度目のダウンを奪う。
再開後、ムサシは右ストレートから左フック! ガードを固める武蔵にパンチをまとめて、最後は強烈な右フック! ムサシが武蔵から3度のダウンを奪って快勝した。
これでDREAMファイターVSK-1ファイターのK-1ルールはDREAMファイターの3戦全勝3KOという結果に終わった。
試合後、ムサシは「僕はDREAMミドル級のチャンピオンです。皆さん、今度はDREAMを見に来て下さい。DREAMは素晴らしい大会です。そして僕も総合格闘技が強いと思います!」と誇らしげに語った。
▼第13試合 DREAMヘビー級(93.1kg以上)
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
KO 1R6分32秒 ※左ロー
●チェ・ホンマン(韓国/フリー)
昨年の大晦日にはエメリヤーエンコ・ヒョードルと対戦したホンマンが今年はミルコと対戦。ミルコの必殺・左ハイキックは200m以上のホンマンの顔面には届くのか?
昨日の公開記者会見ではファンから大声援を受けていたミルコ。会場でも入場曲に合わせた手拍子に迎えられてリングに上がった。ミルコはシューズを履いての試合になる。
1R、サウスポーのミルコは距離を取りながら強烈な左ロー! ホンマンの右に回りながらカウンターのローを蹴る。そしてミルコは左ハイキック! これに会場がどよめきが起こる。左ストレートで飛び込むミルコにホンマンが左フックを返す。
ホンマンはミルコの左ミドルをキャッチしてテイクダウンを狙うが、ミルコはすぐに立ち上がる。ホンマンの右に回り、的確に左ローを蹴るミルコ。ホンマンは足を使うミルコを追いかけてパンチを振り回す。
そしてホンマンはミルコをコーナーに詰めると一気にミルコに組み付く。ここからテイクダウンの攻防になるが、ミルコも倒れずブレイクとなる。再開後、左のインローを蹴るミルコ。しかしほとんど手が出ない展開が続いたため、レフェリーからは両者にイエローカードが提示される。
右手を伸ばし、足を使って距離を取るミルコ。ミルコのインローがローブローになり、ホンマンにはインターバルが与えられる。試合が再開されるとミルコが左のインロー! これがホンマンの左膝の内側を綺麗に捉えると、ホンマンがダウン! ホンマンは立ち上がることが出来ず、ミルコがローによるKOという形で勝利を収めた。
試合後、ミルコは「試合を楽しんでもらえただろうか? 今日の大会で一番エキサイティングな試合ではなかったかもしれないが、あれだけ大きな選手には頭を使って戦うしかなかった。
実は新年早々、膝の手術をすることになった。今年、膝の腱と半月版を損傷してしまい、手術後は半年間、試合から離れないといけない。しかし手術後、3、4カ月すれば、またリングに戻って来たいと思う。皆さん、2009年がいい年になるように願っています」と怪我があったことを打ち明け、しばらく試合から離れることをファンに告げた。
▼第12試合 K-1無差別級 ※延長3分1Rあり
○アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)
KO 1R2分2秒 ※左フック
●バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)
K-1GP決勝ではレミー・ボンヤスキーの顔面を踏み付けるという反則を犯したハリがDynamite!!に緊急参戦。アリスターはかつてDREAMのリングで総合格闘技を侮辱したハリとの対戦ということもあり気合い十分だ。
1R、ガードを高く上げてジャブから右ローを蹴るハリ。アリスターは突進してハリに密着する。アリスターは左アッパーから右ロー。そしてハリをコーナーに詰めると、ガードの間から左アッパーとフックの間のようなパンチでハリを吹っ飛ばす!
明らかにダメージが見えるハリ。アリスターはハリの左フックに左フックを合わせ、左ヒザ蹴りから左フック! これがハリの顔面を打ち抜き、ハリがダウン! まさかの展開に場内は大きく沸きあがる。
そして再開後、左右のフックを振り回すハリにアリスターがカウンターの左フック! この一発でハリがマットに大の字! アリスターがハリをマットに沈めて豪快なKO勝ちを収めた。
試合後、アリスターは「総合格闘技の選手、ファンのみんな! これが結果だ!」と絶叫! 喜びを爆発させた。
▼第11試合 K−1ミドル級(70.0kg以下)
○川尻達也(T-BLOOD)
KO 1R2分47秒 ※3ノックダウン
●武田幸三(治政館)
これまで総合格闘技のリングで活躍してきた川尻が大晦日にK-1に挑戦! 対戦相手はキック、K-1で活躍する日本人トップファイターの武田だ。
1R、じりじりと前に出る武田に対し、川尻は左右に動いてローを蹴っていく。さらにワンツーで前に出る川尻。武田はそこにローキックを合わせようとするが、川尻は突進して、左フックからの右ストレートでダウンを奪う。
再開後、川尻は左右の連打で怒涛のラッシュ! 武田もブロックを固めて左フックを返す。川尻は武田をロープに詰めてガードの間から右アッパー! 川尻の攻勢で場内が盛り上がる。
川尻の右ストレートでバランスを崩す武田。川尻は離れた間合いで左アッパーから右ストレート、武田も右ストレートを返す。武田は川尻のパンチをブロックして右ロー。するとここで川尻が意表を突いた飛びヒザ蹴り! この一撃が武田のアゴを打ち抜いて、豪快なダウンを奪う!
武田はすぐに立ち上がり、ファンに向けて力強く拳を向ける。そして再開後、ダメージを回復させようとせず、パンチで打ち合う武田。しかし武田の右フックに川尻がカウンターの左フック! これで川尻が3度目のダウンを奪い、武田をマットに沈めた。
大喜びの川尻はコーナーポストに駆け上がると、何とそこから落下! しかしすぐにリングに戻ると、マットを叩いて喜びを表現した。
試合後、川尻は「武田選手はすごく怖かったですけど、皆さんの応援のおかげで向かっていけました。総合格闘家の僕の挑戦を受けてくれて、男として尊敬するし、僕のケンカを受けてくれた時点で武田選手の勝ちだと思います。
武田選手、ありがとうございます。2009年、まずはDREAMライト級のベルトを目指して、来年は僕がDREAMを盛り上げていきます!」とDREAMでの飛躍を誓った。
▼第10試合 DREAMウェルター級(80.0kg以下)
○桜井“マッハ”速人(マッハ道場)
TKO 1R7分1秒 ※レフェリーストップ
●柴田勝頼(ARMS)
初のDynamite!!参戦となったマッハの対戦相手は“狂犬レスラー”と呼ばれる柴田。階級、戦ってきた舞台が違うため、大晦日らしい異次元対決となった。柴田はいつも通り花道ダッシュでリングに上がる。
1R、柴田はいきなりマッハに飛び掛って一気にラッシュ! マッハの攻撃をお構いなしにパンチと蹴りを連打する。しかしマッハはそれを落ち着いてディフェンスすると、首相撲からのヒザ蹴り。柴田のタックルを切って、グラウンドで上を取る。
ハーフガードで上を取ったマッハは背筋を伸ばして強烈なパウンド! 膝を抜いてマウントポジションを取ると、コーナー際で柴田の顔面にパンチを叩き込む。必死に暴れてポジションを返そうとする柴田だったが、マッハはしっかりとポジションをキープする。
マッハはサイドポジションからヒザ蹴り。柴田は手を伸ばしてそれをブロックする。さらにマッハは柴田の腕を膝で潰して鉄槌!
その後もマッハはマウントポジション、ニーオンザベリーとポジションを攻撃を仕掛けるが、柴田も粘り強くディフェンスする。しかしマッハのマウントパンチで柴田の動きが止まったところで、レフェリーが試合をストップ。持ち味を見せた柴田だったが、マッハが勝利を掴んだ。
試合後、マイクを持ったマッハは「バカヤロー!」と得意のビートたけしのモノマネを披露。「柴田選手、いい選手でした。経験を積めばチャンピオンになれると思います。一緒に頑張りましょう」と対戦相手の柴田にエール、そして「僕ら選手は命がけで頑張ってます。みなさんも命がけで不況を乗り越えましょう!」とファンにメッセージを送った。
▼第9試合 DREAMヘビー級(93.1kg以上)
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
一本 1R5分31秒 ※三角絞め
●マイティ・モー(アメリカ/フリー)
K-1ではWORLDGP3連覇を果たし、無敵の名を欲しいままにしてきたシュルト。今年のGPではピーター・アーツに敗れて、決勝大会への進出はならず。Dynamite!!にはDREAMルールでの参戦となった。
1R、シュルトは左の前蹴り、ジャブをついて距離を取る。モーはそれに合わせて組み付き、テイクダウンを狙っていくが、シュルトはロープを背にして倒れない。しかしモーがシュルトの体をロープから引き出すようにしてテイクダウンする。
一度はサイドポジションで押さえ込まれるシュルトだったが、足を入れてガードに戻すと下から腕十字! シュルトは長い手足を活かして、モーのパウンドをディフェンスする。さらにシュルトはオモプラッタを仕掛けるなど、果敢にガードポジションからサブミッションを狙う。
そしてモーの腕をキャッチして三角絞め! K-1GP3連覇のシュルトがサブミッションで一本勝ちを収めた。
▼第8試合 DREAMヘビー級(93.1kg以上) PRODUCED by DJ OZMA〜Featuring
ゆでたまご〜
○ボブ・サップ(アメリカ/チーム・ビースト)
TKO 1R5分22秒 ※レフェリーストップ
●キン肉万太郎
試合前、スペシャルプロデューサーのDJ
OZMAがピンクのド派手な衣装で登場。今日で芸能界を引退するDJ OZMAはステージ、花道で自らの曲を熱唱。そして今大会でデビュー戦を迎えるキン肉万太郎を呼び込んだ。
万太郎は漫画と同じコスチューム、そして戦闘用のマスクを着用してリングイン。久々の日本登場となったサップはお馴染みの白いマントを使ったパフォーマンスで現れた。
1R、万太郎は突進するサップをタックルでテイクダウン! サイドポジションで押さえ込むと、そこから鉄槌。サップは万太郎の体を押して立ち上がるが、万太郎はすぐにサップをテイクダウンして、マットに寝かせる。万太郎は上四方からチョークスリーパー。
暴れるサップを抑え込んで、顔面に細かくパンチを落とす。押さえ込まれる展開が続くサップだったが、万太郎の体を両手で跳ね除けてポジションを入れ替える。そしてサップは万太郎のタックルを潰して、スタンドを要求する。
スタンドに戻るとサップが強烈な左右のパンチ! これを受けた万太郎は顔をそむけてしまう。すかさずサップはそこにパンチの雨あられ! 万太郎の動きが止まったところでレフェリーが試合を止めた。
▼第7試合 K-1甲子園決勝(62.0kg以下) ※延長2分1Rあり
○HIROYA(主催者推薦/セントジョーンズインターナショナルハイスクール/フリー)
延長判定3−0 ※3者とも10−9
●卜部功也(関東地区優勝/千葉県立岬高校/西山道場)
今年のK-1甲子園決勝に駒を進めたのは優勝候補筆頭のHIROYAと激戦区関東予選を勝ち抜いた卜部。国歌斉唱の後、試合のゴングが鳴らされた。
1R、構えを細かくスイッチする卜部。HIROYAはガードを高くして、右ミドルを蹴る。卜部はサウスポーも構えてインローと左ミドル。
HIROYAはジャブを突きながら距離を測り、右ミドルを飛ばす。互いにローと前蹴りを出す静かな展開が続く。
HIROYAは右ストレートを打って、それをフェイントにして前に出る。卜部はジャブとインロー。HIROYAは右ボディストレート、右ストレートで飛び込むと、卜部もすぐにパンチを返す。動きは少なかったものの、緊張感のあるラウンドとなった。ジャッジは3者とも10−10のイーブン。
2R、左フックで飛び込むHIROYAに卜部は左アッパー、右フック。卜部が離れた間合いから左ストレートを打つ。
HIROYAは右ボディストレート、そして距離が詰まると卜部のボディに右のヒザ蹴りを突き刺す。HIROYAの右ローに細かいパンチをまとめる卜部。
HIROYAはそれをブロックして、右ストレートを返す。パンチの回転力で上回る卜部はHIROYAにパンチをブロックさせて、右のパンチに左ストレートのカウンター! この一発でHIROYAが後退。
そこをすぐにパンチで追いかける卜部だったが、HIROYAの下がりながらの左フックがヒット! 今度は卜部がバランスを崩す。互いにパンチで見せ場を作ったラウンドは9−9、10−10、10−10とイーブンの採点がつけられた。
3R、離れた間合いから左右のストレートで前に出る卜部。HIROYAは頭を振って距離を詰めようとするが、なかなか卜部の動きを捉えきれない。
左ストレートから右フックを返す卜部。HIROYAは右ストレートで飛び込むが、卜部がそれをブロックして右フックを返す。HIROYAも卜部の左ストレートを空振りさせてすぐに右ストレート。ワンツーで前に出て右ミドル、右ローを蹴るHIROYA。
卜部がHIROYAのパンチをディフェンスして、すぐにパンチを返す。拮抗した試合は判定29−29、30−30、30−30のドロー。昨年に引き続き、K-1甲子園の決勝は延長戦にもつれ込む。
延長R、右ストレート、左ミドルを出すHIROYA。HIROYAはインローと前蹴りで卜部を下がらせて右ストレートを打つ。卜部は頭を低くしてHIROYAのボディに左右のストレート。
HIROYAは卜部のパンチをブロックして左フック。卜部も左ストレートで距離を詰めてパンチをまとめる。このラウンドも最後まで両者譲らない展開が続いた。
判定は10−9、10−9、10−9でHIROYA。延長Rで卜部を手数で上回ったHIROYAがK-1甲子園優勝を果たした。
試合後、表彰式で魔裟斗からベルトを贈呈されたHIROYAは「皆さん、ありがとうございます。今日はしんどい試合になってしまって、この場で見せられる試合じゃなかったですけど、今年は優勝できました。
魔裟斗さんの約束があって、僕も優勝できて良かったです。これからも格闘技を盛り上げていくのでよろしくお願いします」と喜びを語った。
▼第6試合 DREAMウェルター級(75.0kg以下)
○アンディ・オロゴン(ナイジェリア/フリー
)
KO 1R3分52秒 ※左フック
●坂口征夫(坂口道場)
念願の大晦日初参戦を果たした坂口のセコンドには試合前の予告通り、実弟の坂口憲二がつく。
1R、互いに間合いを探る状況からオロゴンがジャブ。坂口はタックルから組み付いてオロゴンをロープ際まで押し込むと投げでテイクダウン!
一度はサイドポジションを取ったものの、オロゴンは足を入れてハーフガードに戻す。下から完全に坂口の体をホールドするオロゴン。
坂口は膝を抜いてマウントポジションを狙いながら三角絞め! オロゴンは体を起こしてそれを必死にディフェンス。頭を引っこ抜くと、イノキ・アリ状態からスタンドを要求する。
スタンドでの再開後、オロゴンは突っ込む坂口に右アッパーから左フック! これで坂口が尻餅を突くと、オロゴンがパウンドを連打! 坂口の動きが止まったところで、レフェリーが試合をストップし、オロゴンが豪快なTKO勝利を収めた。
▼第5試合 DREAMライト級(68.0kg以下)
○中村大介(U-FILE CAMP)
一本 1R2分43秒 ※腕ひしぎ十字固め
●所 英男(チームゼスト)
田村の愛弟子・中村とリングスファン所による一戦。両者共にグラウンドで動き回るファイトスタイルを信条としており、好勝負が期待される。
Tシャツを脱ぎ捨て、ショートパンツとレガースというコスチュームのままリングインした中村に対し、所は初めて黒いガウンを着用して登場した。
1R、ガードを下げた中村に所がタックル。すると中村はその腕をアームロックに捕らえて、すかさず腕十字。所の腕が伸びるが、所も必死にそこから脱出する。そして所は中村の後ろに回りこんでバックドロップ。
しかし中村はその動きに合わせて体を回転させて腕十字。所はこれも体を動かしてディフェンスすると、逆に所が中村に腕十字を狙う。互いに腕十字を狙い合う展開が続く。そして中村が所の右腕に腕十字!
両腕をクラッチして必死にディフェンスする所だったが、中村は声を上げて所の腕を伸ばすと、所がタップ! 試合前の期待を裏切らないノンストップバトルの末、中村が一本勝ちを収めた。
試合後、中村は「自分はまだまだなんで言える立場じゃないですけど、もっと勝ち続けて挑戦し続けていきたいと思います」と控え目のマイクアピールで締め括った。
▼第4試合 K-1ミドル級(71.0kg以下) ※延長3分1Rあり
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ)
判定2−0 ※30−29、29−29、29−28
●佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
今年のK-1WORLDMAXで魔裟斗と激闘を繰り広げた佐藤とキシェンコが大晦日に激突! 青木VSアルバレスと共に世界が注目する一戦となった。解説席では魔裟斗もこの試合を見つめる。
1R、まずはインローを軽く飛ばす佐藤。キシェンコも右ローを返す。前蹴り、ミドルを蹴り合う両者。佐藤が得意の奥足ローを蹴れば、キシェンコは佐藤の前蹴りをキャッチしてマットにこかす。
左フックから右ローにつなげるキシェンコ。佐藤が右ローを蹴ると、キシェンコが意表をついたバックブロー! さらにアッパー、フックと強打を振るう。
左フックを起点にパンチで前に出て行くキシェンコ。佐藤はガードを上げて、下がりながらローを返す。前蹴りから奥足ローを蹴る佐藤。キシェンコはその前蹴りを取って右アッパー、左フックを繰り出すが、佐藤のブロックは固い。
佐藤はキシェンコのパンチをブロックしながら左右のロー、さらにキシェンコのパンチに左のヒザ蹴りを合わせる。ジャッジは3者とも10−10のイーブンだ。
2R、左ヒザ蹴り、奥足ローを当てる佐藤。キシェンコを後退させて、パンチの打ち終わりに奥足ローを蹴る。
キシェンコも左フックで前に出るが、佐藤の奥足ローで体が流れる。しかしキシェンコの左フック、そして佐藤のテンカオに合わせたカウンターの右ストレートがヒット!
キシェンコはここから右アッパー、左フックを当てて、佐藤のブロックの間を縫うような右ストレートを連打! これで佐藤が下がる。
このままキシェンコが押し切るかに思われたが、佐藤も果敢に右ストレートを返し、キシェンコの左アッパーに右ストレート! キシェンコのジャブに奥足ローを合わせる。前に出る佐藤はキシェンコのパンチをブロックしてひたすら奥足ロー。
キシェンコは佐藤のヒザ蹴りに左フックを合わせる。このラウンドは2名が10−9でキシェンコを支持。1名は9−9でドローというジャッジになる。
3R、ポイントでリードを許す形となった佐藤はキシェンコのパンチをブロックしてすぐに奥足ロー! キシェンコのパンチに下がらずワンツーで前に出て行く。左フック、左ボディを返すキシェンコ。
パンチが大振りで体が流れる場面が目立つキシェンコに対し、佐藤は徹底してワンツー、ローを蹴る。佐藤の奥足ローとキシェンコの右ストレートが交錯する展開が続く。
佐藤のローキックを何度受けても、バランスを崩さないキシェンコ。残り1分、キシェンコが右ストレート、左フック。佐藤は飛びヒザ蹴り、左の顔面前蹴りを放つ。キシェンコのパンチに佐藤が左のヒザ蹴り。
試合が終盤に差し掛かると、佐藤は右ストレートで激しく打ち合う。しかしパンチが当たるのはキシェンコ! キシェンコの右ストレートで、佐藤の動きが止まってしまう。
そのまま試合が終わり、判定は30−29、29−29、29−28でキシェンコ。真っ向から打ち合う激しい展開となったが、魔裟斗の目の前で佐藤が惜敗を喫した。
▼第3試合 K-1甲子園準決勝(62.0kg以下) ※延長3分1Rあり
○HIROYA(主催者推薦/セントジョーンズインターナショナルハイスクール/フリー)
判定3−0 ※3者とも30−29
●嶋田翔太(主催者推薦/西武台高校/島田塾)
昨年はK-1甲子園準決勝に終わったHIROYAが、再び頂点を目指して準決勝のリングに登場。しかし対する嶋田もここまでの戦いぶりでその評価を高めている。
1R、どっしりと構えて前に出るHIROYAに対して、嶋田は細かくステップを踏みながら左右のミドルを蹴る。HIROYAはジャブから右フック、前蹴りで嶋田を下がらせてプレッシャーをかける。
嶋田のジャブに左フックで飛び込むHIROYA。嶋田のミドルをブロックしてすぐにパンチを返す。
右ストレート、左ミドルで前に出る嶋田。HIROYAは左ミドルをブロックして右ストレートを返す。距離が開くとHIROYAも左ミドル。嶋田はガードを下げた独特の構えから一気に距離を詰めてパンチをまとめる。
ジャブから右フックのHIROYA。嶋田はそれをブロックして左ストレートからボディにヒザ蹴りを2発。嶋田の独特な戦い方にHIROYAはやや手数が少ない。判定は3者とも10−10のイーブン。
2R、嶋田が左ストレートから連打で突進。HIROYAはそこに左フックのカウンター、右ストレート。嶋田は両手をダラリと下げてバックキック。
HIROYAはそこに右ストレートから返しの左フック! さらにHIROYAは嶋田のヒザ蹴りに左フック、前蹴りを捌いて右ストレートを当て、嶋田の動きを止める。
嶋田も前足を上げて前に出ながら右ストレート。HIROYAはそれをブロックしてすぐに右ストレート、嶋田のガードが上がったところに左ボディを返す。残り10秒、HIROYAは右ボディストレート! 1Rに比べると嶋田の手数が減る。ジャッジは1名が10−10をつけるものの、残り2名は10−9でHIROYAを支持する。
3R、一気に左右の連打で前に出る嶋田。HIROYAはそれをブロックして右ロー、右ストレートや左フックを当てる。嶋田はHIROYAをロープに詰めてヒザ蹴りを突き上げる。嶋田のパンチを的確にブロックするHIROYA。嶋田の突進に合わせて左フックを何度も当てる。
そして嶋田のヒザ蹴りをブロックしてHIROYAが右ストレート、左フック! 再び嶋田はHIROYAをロープに詰めて左ミドル、ヒザ蹴り、左右のストレートと怒涛の連打。HIROYAはロープに背にしながらの展開で終了のゴングを聞いた。
判定は30−29、30−29、30−29でHIROYAが勝利。卜部との決勝戦に駒を進めた。
▼第2試合 K-1甲子園準決勝(62.0kg以下) ※延長3分1Rあり
○卜部功也(関東地区優勝/千葉県立岬高校/西山道場)
TKO 3R2分29秒 ※ドクターストップ
●日下部竜也(中部地区優勝/愛知県立豊田高校/大石道場)
K-1甲子園開幕前から前評判が高く、準決勝に駒を進めた日下部。対する卜部はプロのキックボクサーを兄に持ち、関東大会で優勝を果たし、ベスト4に進出した。
1R、いきなり日下部がハイキック。サウスポーの卜部はそれをブロックしてワンツーで前に出て行く。
左右にステップしてパンチを繰り出す日下部。卜部は細かいパンチで日下部にブロックを固めさせる。そこに卜部は右アッパーから左ストレート!
リーチで上回る卜部の左ストレートが当たる。距離を詰めようとする日下部だが、卜部が足を使ってそれを許さない。
日下部は右ミドル、前蹴り。卜部はそこにパンチを合わせる。このラウンドの採点は3者とも10−9で卜部。
2R、互いに激しく打ち合う両者。卜部の左ストレートが日下部の顔面を捉え、日下部の動きが止まる。卜部のガードの間を狙って右アッパーを突き上げる日下部。
右ストレートから前に出て、卜部のボディに右のヒザ蹴りを突き刺す。ここから卜部のボディを狙って左ボディを打つ日下部。しかし卜部は日下部の頭が下がったところにヒザ蹴り! さらにフォローの左ストレートが当たり、日下部は卜部に抱きつく。
それでも必死にパンチで前に出て行く日下部だが、そこに卜部の左ストレートや右フックが何度も当たる。日下部は鼻からの出血でドクターチェックが入る。
再開後、右フックで前に出る日下部だが、パンチが大振りのため、卜部の真っ直ぐの左ストレートが日下部の顔面に当たる。1Rに続き、2Rも3者とも10−9で卜部のラウンドとなる。
3R、右ストレートから左フックで前に出る日下部。卜部は距離を取ってパンチを当てさせない。
アグレッシブに前に出るのは日下部だが、パンチを空振りする場面が目立つ。さらに再び日下部が鼻から出血し、ドクターチェックが入る。再開後、日下部は右ストレートや左アッパー。卜部は両腕ブロックでパンチをディフェンスする。
日下部は左ボディ、右のヒザ蹴りで卜部の腹を狙う。「行け!」というセコンドからの声を受けて、パンチで前に出る日下部。しかし卜部のガードは固い。そして日下部が鼻からの出血で3度目のドクターチェックが入ると、ドクターは試合をストップ。卜部が的確なパンチで日下部を下して決勝進出を決めた。
▼第1試合 DREAM無差別級
○ミノワマン(フリー)
一本 1R1分1秒 ※足首固め
●エロール・ジマーマン(スリナム/ゴールデン・グローリー)
大晦日のオープニングを飾るのはミノワマンと“エロジマン”ことジマーマンの無差別級戦。ミノワマンは直前会見で「自分の手で“勇気のチカラ”の扉を切り開きたい」と宣言している。
ジマーマンは“ボーンクラッシャー”のニックネーム通り、ガイコツをモチーフにしたマスクとボディスーツを着て入場。ミノワマンはキン肉マンばりの真っ赤なパンツで登場、花道を走り抜けてリングに上がった。
1R、離れた間合いから距離を詰めようとするミノワマン。ジマーマンはそこに右フック、首相撲からヒザ蹴りを突き上げる。しかしミノワマンはジマーマンのミドルを空振りさせてテイクダウン。ジマーマンの足を取ってアンクルホールドへ!
一気にミノワマンはジマーマンの足首を捻り上げるが、ジマーマンは構わずミノワマンの顔面に鉄槌を落とす。客席からは悲鳴も上がったが、ミノワマンはさらにジマーマンの足首を絞り上げて、ジマーマンがタップ! 見事に第1試合を1本勝ちで終わらせたミノワマンは四方に向かったS・R・F8回を決めてリングを降りた。
▼オープニングファイト K-1甲子園リザーブマッチ(62.0kg以下)
○平塚大士(中部地区3位/愛知県立安城農林高校/稽道会)
KO 2R1分00秒 ※左フック
●佐々木大蔵(関東地区準優勝/東京都立山崎高校/チームドラゴン)
K-1甲子園リザーブファイトは関東大会準優勝の佐々木と中部地区3位の平塚による一戦。
1R、右ストレートからの左フックで前に出る平塚。パンチのプレッシャーで前に出ていく。佐々木は距離を取って左ミドルを返す。平塚が左フックからインロー、ジャブから右ローとパンチからローのコンビネーションで攻める。やや手数が少なかった佐々木だが、後半は左ミドル。距離を作ってジャブ、右ローなど射程の長い攻撃を当てる。
2R、前蹴りで距離を取る佐々木。平塚のパンチには左ミドルを合わせる。しかし平塚がミドルから距離を詰めてロープ際での左フック!
これが佐々木の顔面を打ち抜き、佐々木がダウン! 立ち上がった佐々木だったが、レフェリーが試合ストップを宣告し、平塚がKO勝ちを収めた。
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