シュートボクシング協会
SHOOTBOXING2009シリーズ開幕戦
『武志道-bushido-其の壱』
2009年2月11日(水・祝)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:00
※スターティングファイト17:10〜
▼メインイベント(第12試合) エキスパートクラス特別ルール 70kg契約 3分3R無制限延長R
○宍戸大樹(シーザー/SB日本ウェルター級王者)
KO 3R1分54秒 ※ヒザ蹴り
●ウェイ・シュウレイ(中国/中国武術協会/2006年全国武術散打70kg王者)
S-cupのリザーブマッチでは、宍戸とタイトルマッチを行って接戦を演じたこともある山口を相手に、圧倒的な強さを発揮したウェイ。ダウンを奪った強烈なフック、そしてタックルや持ち上げて頭から落とす投げなど、SBに順応した闘いを見せており「私は中国散打界のベスト3に間違いなく入る」と豪語する。
対するはS-cupで準決勝敗退、失意のどん底に落ちた宍戸だ。今回が復帰戦、仕切りなおしの一戦で苦手意識を持つ散打の選手を迎え撃つ。セコンドについた緒形健一が、宍戸の頬を張って気合を入れた。
1R、凄まじいスピードとパワーの左右フック連打から蹴りを繰り出すウェイに、場内から大きなとよめきが上がる。宍戸の片足を持ち上げて投げを見舞い、コーナーに詰めて嵐のような左右フックの連打!
これに耐えた宍戸が懐に入り込んだかに見えたが、鋭角な左ハイキックでダウンを奪われる!
ラスト1分、踵落としからパンチのラッシュを見せるウェイ。コーナーへ追いこんでのラッシュをガードしきった宍戸は、バックブローを放ってニヤリ。
2R、左ミドルをキャッチしたウェイに宍戸がバックブロー。蹴り足をつかんでくるウェイだが、宍戸はバランスを保って倒されない。パンチをしっかりとガードしてローと前蹴り。ウェイのパンチとハイキックの軌道を読んだかのようにしっかりとガードし、打ち終わりに攻撃を返す。
そして、左ストレートでお返しのダウンを奪う宍戸! さらに左ストレートでぐらつかせ、右ローから左ストレート、右ストレート、パンチのラッシュにたまらずタックルで組み付くウェイ。
すると宍戸はアームロック、 ウェイは強引に持ち上げて倒す。ウェイのハイキックに右ローからのパンチを返す宍戸。逆転劇に場内は大いに盛り上がる!
3R、宍戸の右ローに苦しみ始め、タックルに入るウェイ。すると宍戸がアームロック! ウェイは強引に押し倒して防ぐ。立ち上がると宍戸がジャブから右ロー。
再びタックルに来たウェイを今度はフロントチョークに捕らえる! これもウェイが倒れ込んだため失敗したが、宍戸は立ち上がると飛びヒザ蹴り、ウェイはサイドキックで吹っ飛ばす。
前へ出る宍戸がジャブから右ロー、そして頭を抱え込んでヒザを突き上げた! 弾き飛ぶように後方へ倒れこむウェイ! ダウンカウントが数えられたが、立てるような様子もなく、レフェリーは試合をストップ。宍戸の逆転KO勝ちとなり、場内は大歓声に包まれる! ダーッと拳を突き上げて歓声に応える宍戸! 見事な勝利で復活劇を飾った。
▼セミファイナル(第11試合) エキスパートクラス特別ルール 70kg契約 3分3R無制限延長R
○グレッグ・フォーリー(オーストラリア/JABOUT)
TKO 1R0分37秒 ※ヒザ蹴りの連打でレフェリーストップ
●金井健治(ライトニング/SB日本スーパーウェルター級王者)
「本戦のトーナメントには俺が出るべきだった」と、昨年のS-cupで欠場者が出たためリザーブマッチから繰り上げ出場した金井を皮肉るような発言をしたグレッグ。「俺ならアンディ・サワーにも勝てる」と豪語するその実力は本物か?
金井は自分がトーナメントに出たのは正しかったということを証明するため、また2009年の好スタートを切るために勝利を収めたいところだ。
1R、ローから入っていく金井だったが、フックを打ったところで逆に左フックをもらってグラつかされ、続く右フックでダウンを奪われる!
金井が立ち上がるとグレッグは片手で組み付いて顔面へのヒザ蹴りを連発! そのまま首相撲に持ち込んでさらに強烈なヒザ蹴りを連打!
一方的な展開となったため、金井が倒れ込んだところでレフェリーが試合をストップ。金井は左目上を大きくカットし、流血していた。狂喜乱舞するグレッグ、恐るべき外国人シュートボクサーがまたも現れた!
▼第10試合 エキスパートクラス特別ルール 56kg契約 3分3R無制限延長R
○マモル(シューティングジム横浜/修斗世界バンタム級5位)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−28
●えなりのりゆき(シーザー/SB日本スーパーバンタム級暫定王者)
マモルは大月晴明の入場などでお馴染みのマスクマンズ&マッスル軍団を引き連れての入場、黒のロングスパッツを着用している。続いて「SBの暖簾は潜らせない」との名言を吐いたえなりは、いつものように鬼渡の幸楽コスプレでの入場だ。
1R、すぐにパンチからローで前へ出て行くマモル、えなりは左ミドルで応戦するが、マモルは思い切った左フックを狙ってくる。マモルはえなりのローをしっかりとスネで受け、返しのパンチから左ミドル。ボディと顔面を打ち分け、左ミドルに繋げる。
総合の選手ではなくキック系の選手かと思わせるほど、鮮やかなコンビネーションとしっかりしたディフェンスの落ち着いた試合運びだ。ボディを叩き、えなりが左を伸ばすと左ミドルを合わせ、すぐに飛びヒザ蹴り。えなりも右ストレートをヒットさせ、組み付くと首投げを狙う! マモルは得意の首相撲からのヒザ蹴りへ持ち込んだ。
2R、えなりのミドルをキャッチしたマモルが足払いで転倒させる。前へ出て行って何度もえなりを足払いで転倒させるマモルは、えなりが組み付くとまたも足払い。離れると左ミドル、ワンツー。えなりは蹴りを出す度にキャッチされて転倒させられる。
マモルがパンチから押して突き放し、飛びヒザ蹴り! えなりもパンチで前に出て行くが、マモルのガードに阻まれて足払いで転倒させられる。マモルがバックを奪うとパッと自分から倒れてしまうえなり。左ミドル、バックブロー、左右のフックと攻めるマモルが再びバックを奪い、ジャーマンに失敗したところでゴング。
3R、えなりが打ち合いに転じ、マモルも左フックで迎え撃つ。マモルが首投げの体勢になるとえなりは膝を着いてしまい、イエローカードが提示される。パンチをブロックしてから左ボディ、入り込んでヒザ蹴りに持ち込むマモル。
えなりのバックブローをかわしてバックを奪ったマモルがジャーマンの体勢に! しかし、えなりはまたも自分から倒れてしまいレッドカードが提示される。そして組み付いたマモルがヒザ蹴りから鮮やかな一本背負い! シュートポイントを奪う! パンチで逆転を狙いに行くえなりだが、左右のフックをヒットさせるのはマモルの方。えなりも右ストレート、マモルは前蹴りで離して右フック。マモルがヒザ蹴りからバックへ回り、持ち上げて落としたところで試合終了となった。
判定は3−0の大差でマモル! SB初参戦にして暫定王者を破るという番狂わせを起こした。しかも、見事な打撃と投げでシュートボクサーを圧倒してSBに順応したところを見せ付け、タイトル戦線に名乗りを挙げた!
▼第9試合 エキスパートクラス特別ルール 60kg契約 3分3R無制限延長R
○歌川暁文(UWFスネークピットジャパン/SBスーパーフェザー級2位)
延長判定3−0 ※10−7、10−6、10−7
●石川剛司(シーザー/日本スーパーフェザー級1位)
※本戦は29−30、29−29、29−29
普段は友人ながらも前回の初対戦では両者血まみれになりながらの壮絶な死闘を展開し、両者同時にドクターチェックを受けた末にドクターストップ、ノーコンテストとなった。今回が決着戦。前回同様、遠慮のない激しい試合が繰り広げられるのか?
1R、サウスポースタイルでジリジリと詰めていく歌川に石川が右ミドル、左へ回りこみながら右ローとパンチ。歌川がローから入ってくると組み付いての投げを狙い、歌川がこらえるとヒジ。歌川の左ミドルをキャッチした石川は引き寄せて肩固めを狙う。
歌川がコーナーへ詰めると両者激しくパンチを交錯させる。石川の右ミドルをキャッチした歌川が払いながらのヒジ、石川が組みついて首投げを狙ったところでラウンド終了。
2R、前に出る歌川が左ミドルからパンチ、石川が右ハイキックを返す! 組み付いた歌川がヒザ蹴りを放つと、石川は投げで応戦。パンチとヒジで石川をコーナーへ詰めていく歌川に、石川は首投げの体勢から体重を浴びせて押し倒す。しかし、その前の歌川のヒジでカットし、流血。
ドクターチェック後、試合再開となった。前に出て左ミドル、左ヒジを見舞う歌川。石川は左へ回り込みながら組み付いて浴びせ倒す。再び打ち合いになった後、石川の左目上が腫れたため2度目のドクターチェック。パンチで前に詰めていく歌川と組んで投げとヒジを狙う石川。至近距離でフックとヒジの応酬、石川は何度も投げを狙って組み付き、歌川を浴びせ倒す。
3R、パンチで前に出て行く歌川を下がって迎え撃つ石川、至近距離でフックとヒジの応酬。歌川の左フックで一瞬膝を折りかけた石川だが、すぐに左右のフックで反撃。
すると今度は、石川のヒジで歌川が右目上をカットして流血! 前回の再現を見るかのような、両者血まみれの試合となった。
パンチで前に出る歌川と、ロープを背にして左右のフックで迎え撃つ石川。歌川の左ストレートに石川が左フックで応戦。
石川の投げで両者転倒後、なんとまたしても両者ドクターチェック! これはデジャヴか? 歌川は右目上、石川は左目上からの流血がみられる。
試合再開、やはりパンチで前へ前へと詰めて行く歌川を、コーナーを背にした石川が左右フックで迎え撃つ。至近距離で両者とも思い切りパンチを振り回すため、場内にどよめきが起こる。石川の右ミドルをキャッチして転がす歌川。ここでゴングとなった。
しかし、今回のドラマにはまだ続きがあった。判定はジャッジ1名が石川にポイントをつけたものの、残り2名がドロー。延長戦へ突入することになる。
前に出る歌川はパンチ、石川を掴むとヒザ蹴り。石川は右ミドルと右アッパー。前に出て左ミドルを蹴る歌川に石川のワンツースリーフォーが入る。歌川が左フックからヒザ蹴り、石川は組んでの投げ。
歌川の右フックがヒットする中、石川も右ミドルを返すが蹴り足を掴まれて転倒を繰り返す。この歌川のコカしに石川はスタミナを奪われていき、徐々に立ち上がるのが遅くなって明らかにバテ気味。するとなんと、ここで歌川が意表を突くバックドロップ! 鮮やかなアーチを描き、石川がマットに叩きつけられる!
ダメージのある石川は立ち上がれず、ダウンカウント! ようやく立ち上がった石川に歌川が飛びヒザ蹴り、左ストレートで突っ込んでいく歌川!
ゴングが鳴ると歌川はガッツポーズ! 判定は投げ技によるダウンで3ポイントを獲得した歌川が、劇的なエンディングで因縁の決着戦を制した。
▼第8試合 エキスパートクラス特別ルール 65kg契約 3分3R無制限延長R
○佐藤ルミナ(roots/修斗世界ライト級9位)
TKO 2R2分14秒 ※セコンドからのタオル投入
●マイク・キャンベル(オーストラリア/JABOUT/WKBF豪州ライト級3位)
ルミナがついにSBのリングに見参。前日計量で着用をほのめかしていたロングスパッツではなく修斗での試合同様コンバットショーツを着用。プロレスの名物リングアナウンサー、ケロちゃんこと田中秀和リングアナがルミナをコールするという奇跡のコラボが実現した。
1R、ルミナが左ローで先制、サウスポーのマイクに対して左へ回り込みながら飛びヒザ蹴り。ローに合わせて入り、アッパーから左フックとパンチをまとめる。
ミドルを捌いて右バックキックをボディへグサリ。フックで突っ込むと逆に左フックをもらってしまい、組み付くルミナをマイクが投げ飛ばす。立ち上がると一気にパンチで打ち合いに行くルミナ。タックルで組み付くがこれはブレイク。バックブローはかわされるも左フック。左ローにバックブローを合わせ、右ストレートで飛び込む。
2R、サイドに構えるルミナがサイドキック、相手の右ローの直後にバックブローをヒットさせる。フックで入り込むところにマイクはヒザを突き上げた。
ルミナはパンチのフェイントからタックルに行くが、同体で倒れてしまいブレイクに。下がるマイクにルミナがバックキック、左フックから顔面へヒザを突き上げ、小川直也のSTOにも似た大外刈りで体を浴びせ倒す!
後頭部をマットに叩きつけられ、弱気な表情でセコンドの方を見て立ち上がったマイクの左頭部には大きなコブ。ルミナは左右のフックで一気呵成に攻めようとしたが、マイクのセコンドからタオル投入。ルミナがSB初挑戦を勝利で飾った。
▼第7試合 エキスパートクラス特別ルール 71kg契約 3分3R無制限延長R
○梅野孝明(シーザー/ SB日本ミドル級3位)
判定3−0 ※30−26、30−25、30−26
●山口太雅(寝屋川/SB日本ウェルター級1位)
デビュー以来6戦全勝のホープ梅野は、前回の菊地浩一戦に続いて元同門との対決。今夜も豪腕が炸裂するか? かつての後輩と対戦する山口は、昨年タイトルマッチで宍戸を相手に大善戦し、大阪大会ではメインも務めた男だ。無敗のホープにSBの厳しさを教え込むことが出来るか。
1R、梅野が豪快な左ミドルと左ボディブローを叩き込むと、あまりの炸裂音に場内からどよめきが起こる。ダイナミックな攻撃で前へ出る梅野に、山口はボディ攻めとバックドロップも狙う。
2R、圧力をかけていく梅野が山口をロープへ釘付けにして右ミドルから右ストレート。山口はハイキックからボディを攻めて行く。右ミドルで追い込まれた山口が左フックで反撃し、ノーガードでもらった梅野は一瞬怯むもすぐに左右フックを振り回して山口を近づけさせない。
3R、左右のフックをブンブンと振り回し、ボディにもパンチを叩きつけてくる梅野。山口はブロックして梅野のパンチの打ち終わりを狙おうとしたが、左フックを返そうとしたところで逆に左フックをもらってダウン!
立ち上がった山口に右アッパーで追い討ちをかける梅野に、山口も左フックを思い切り振り回しての反撃。
しかし、左ジャブで下がったところへ右フックをガードの上からもらって山口が2度目のダウン。梅野は仕留めようと左右のフックをブンブンと振り回していくが、山口も粘って左右フックを返していき、判定にまでもつれ込んだ。これで梅野は無傷の7連勝をマークした。
▼第5試合 エキスパートクラス特別ルール 51kg契約 3分3R無制限延長R
○MIKU(クラブバーバリアン/DEEP女子ライト級王者)
KO 1R1分01秒 ※右ヒザ蹴り
●富田美里(シーザー)
女子総合格闘技の女王MIKUが、再びSBに参戦。対するは極真空手と柔道で初段を持つ現役女子大生シュートボクサーの富田だ。前回、富田はMIKUがその首を狙う藤井惠からSBルールで勝利を収めている。
しかし、富田は前日計量でなんと1・5kgもオーバー。規定の契約体重をパス出来ず、MIKU6オンス、富田8オンスのグローブハンデ戦となって冨田にはイエローカードも提示された。
1R、右ローで先制したMIKUは前蹴りを2発突き刺し、組んだ瞬間にセコンドからの「ヒザ!」という声に即座に反応してボディへヒザ蹴り。しっかり組んでヒザを入れ、逃げる富田を追っていって右のヒザ蹴りをボディへ!
富田はうずくまってダウンし、その様子を見たレフェリーが即座に試合をストップ。富田は悔しさからその場で号泣し、MIKUは戸惑いの表情を浮かべた。
<その他の試合結果>
▼第6試合 エキスパートクラス特別ルール 60kg契約 3分3R無制限延長R
○鈴木博昭(ストライキングジムAres)
判定3−0 ※30−27、30−25、30−26
●島田洸也(シーザー力道場)
▼第4試合 エキスパートクラス特別ルール 55kg契約 3分3R無制限延長R
○藤本昌大(龍生塾)
延長判定2−0 ※10−9、10−10、10−9
●伏見和之(シーザー力道場)
※本戦は30−29、29−30、30−30
▼第3試合 スターティングクラスルール 55kg契約 2分3R延長1R
○大桑宏彰(湘南)
TKO 延長R0分47秒
●大沢豊慶(大村道場)
※本戦は28−28、28−29、28−27
▼第2試合 スターティングクラスルール 57kg契約 2分3R延長1R
○高嶋龍弘(シーザー力道場)
判定3−0 ※三者とも30−27
●新井義文(シーザー)
▼第1試合 スターティングクラスルール 71kg契約 2分3R延長1R
○今野秀人(クロスポイント・ムサシノクニ)
判定2−0 ※29−29、29−28、29−28
●川地正倫(シーザー力道場)
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