FEG
「K-1 WORLD MAX 2009〜日本代表決定トーナメント」
2009年2月23日(月)東京・国立代々木競技場第一体育館
開場16:00 開始17:00
▼メインイベント(第11試合) 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長2R
○小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI/2004・2005日本王者)
判定3−0 ※28−26、28−27、27−26
●山本優弥(青春塾)
※小比類巻が3度目のトーナメント優勝
長島、日菜太といったニューカマーの活躍が目立った今年の日本トーナメント。決勝に勝ち残ったのはTATSUJIと長島を下し、初の決勝進出を決めた山本と、オロゴンと城戸に勝利し、3度目の日本トーナメント制覇を目指す小比類巻。
1回戦・準決勝とタフな試合が続いている山本に対し、小比類巻は準決勝で城戸をKOするなど、ほとんどダメージらしいダメージはない。ここまでの試合を振り返ると、小比類巻が圧倒的に有利。山本はこの逆風を跳ね返し、悲願の日本王者達成なるか? それとも小比類巻が復活の優勝を遂げるのか?
1R、右ローキックを蹴る山本は細かくジャブを突いて前に出る。山本は小比類巻をコーナーに詰めて右ストレートから左フック! 小比類巻も右フック、そして左ボディを打ち返す。じりじりと前に出て左フックで飛び込む山本。
小比類巻はヒザ蹴りを返して組み付く。左ボディ&ヒザ蹴りで攻める小比類巻。何とか耐え続けていた山本だったが、小比類巻のヒザ蹴りと右フックでダウンを奪われてしまう。何とか立ち上がりファイティングポーズをとる山本。ここはそのままラウンド終了となる。ジャッジは3者共に10−8で小比類巻。
2R、右ストレートで飛び込んでいく山本。小比類巻は掴んでのヒザ蹴りを多用するが、山本は渾身の左フック! これで小比類巻の動きが止まる! しかし小比類巻は落ち着いて距離を取り、左右のフックからヒザ蹴り!
山本をコーナーに詰めて連打をまとめるが、山本は倒れない。小比類巻は左右の連打とヒザ蹴り! その後もパンチとヒザ蹴りで攻め込む小比類巻だが、山本は声を上げながら、必死にパンチを振り回して前に出る。ジャッジは10−9、9−9とやはり小比類巻有利。
3R、突っ込む山本にヒザ蹴りを突き刺す小比類巻。そこから右ハイキックを放つが、山本はそれをブロックして右ストレート! この右ストレートが小比類巻の顔面をとらえ、小比類巻がダウン!
大逆転勝利の予感に大きく沸き返る場内! 山本は必死にパンチで前に出て、小比類巻がそこでクリンチという展開が続く。
組みヒザ蹴りからのパンチで攻め込む小比類巻。しかし山本も左フック、右ストレート! そして右フックで前に出る! 小比類巻も左ボディ、左フック、ヒザ蹴り! 山本をロープに詰めてボディと顔面に連打! しかし山本も左フックと飛びヒザ蹴りを返す! そして大熱狂のまま、試合は終了となった。
気迫のこまった戦いを見せた山本だったが、判定は28−26、28−27、27−26で小比類巻。小比類巻が4年ぶりの日本トーナメント優勝を果たした。
試合後、「長い間、本当にお待ちどう様でした。今日の出場選手はみんな、非常に強かったです。オロゴン選手、体調が悪いと思ったけど強い選手でした。城戸選手、因縁の対決という形だったと思いますが、ギリギリの勝負でした。
そして決勝の山本選手。気持ちは俺より強かったです。素晴らしい選手と闘えて、皆さんありがとうございます」とこの日の戦いを振り返った小比類巻。
集まったファンに「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた後、「去年・一昨年、みっともない姿を見せたんで、今年はここのリングでスタートを切りたいと思います」と2009年の飛躍を誓った。
▼セミファイナル(第10試合) スーパーファイト 3分3R延長1R
○佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/2006・2007日本王者)
KO 2R1分18秒 ※右ロー
●セルゲイ・ゴリアエフ(ロシア/アクションフォース/MMA武士道)
昨年の世界大会準決勝では魔裟斗からダウンを奪うものの敗れた佐藤。大晦日Dynamite!!ではアルトゥール・キシェンコにも判定負けを喫しており、これが2009年出直しの一戦となる。
対戦相手のゴリアエフは戦極で五味隆典からパンチでダウンを奪い、勝利を奪っている総合格闘家。ここ最近はK-1を始めとする打撃格闘技でも総合格闘家が結果を残しており、ゴリアエフもその波に乗るか?
1R、ワンツーで前に出るゴリアエフに対し、佐藤は右ローキックを蹴る。さらに佐藤は大きく前に出て奥足ローキックを蹴る。この奥足ローキックをバシバシと当てて、左ミドルを蹴る佐藤。
ゴリアエフは右フックのカウンターを狙うが、佐藤はそれをしっかりとブロック。ゴリアエフをロープやコーナーに詰めて的確にローキックを当てる佐藤。佐藤の右ローキックでゴリアエフの体が流れる。ジャッジは3者とも10−9で佐藤。
2R、ここもワンツーで一気に前に出て行くゴリアエフ。一度は佐藤をスリップさせるものの、佐藤の右ローがゴリアエフの左足を捉えると、ゴリアエフがダウン!
何とか立ち上がったゴリアエフだったが、佐藤はすぐにゴリアエフをコーナーに詰めて右ロー! この右ローで立て続けにダウンを奪ってゴリアエフをKO。佐藤が横綱相撲でK-1の強さを見せた。
▼第9試合 スーパーファイト 3分3R延長1R
○上松大輔(チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−29
●渡辺一久(フリー/元プロボクシング日本フェザー級王者)
元ボクシング日本王者でありながら、反則行為を連発した過去がある“狂犬ボクサー”渡辺。試合前から対戦相手の上松を挑発しまくるなど、狂犬ぶりを発揮した。
1R、いきなり左フックで飛び込む渡辺。上松はそこに右ローを合わせる。上松の左フックをかわして、逆に左フックを返す渡辺。上松をコーナーに詰めると一気に怒涛の連打! さらに渡辺は胴廻し回転蹴り。上松は右ローから左フック、そして左のテンカオ。渡辺が右のロングフックで飛び込む。さらにバックキックまで見せる渡辺。
渡辺の変則的な攻撃に対し、上松はコツコツと左右のロー。渡辺が飛び込んでくるところに左フックを合わせる。
距離が開くと左ミドルと左のヒザ蹴りを蹴る上松。渡辺は左フックから強烈な右フック! 上松のヒザ蹴りに右フックで飛び込む。ジャッジは3者とも10−10のドローとなる。
2R、上松のローを受けた渡辺は足を前後にステップして挑発。そして離れた間合いから一気に飛び込んで右ストレートから左フック! 上松に飛びかかるようなパンチを放ち、場内を沸かせる。
渡辺をロープに詰めてワンツーで前に出る上松。渡辺のパンチには左のヒザ蹴りを合わせる。ガードを下げて左右のフックを振り回す渡辺。
上松は渡辺をロープに詰めて左のテンカオ! これで渡辺の動きが止まる。しかし渡辺はその場で2段蹴りを見せる。ジャッジは10−9で上松、10−10のドローが2名。
3R、左のテンカオで前に出る上松。渡辺も左右のフックを振り回し、激しいパンチの打ち合いとなるが、ここで上松のヒザ蹴りがヒット! 渡辺の足が止まる!
渡辺はロープの反動を利用したジャンプパンチ。しかし上松はしっかりとガードを上げて右ロー、そして右ストレートで渡辺の顔面を打ちぬく!
このまま前のめりに倒れる渡辺だったが……何とそのまま前転してジャンプ! 誰もがダウンだと思った場面だったものの、渡辺は何事もなかったかのように立ち上がる。
トリッキーな動きを見せ続ける渡辺。しかし上松はそれに惑わされることなく、渡辺の腹狙いでヒザ蹴りを徹底。
終了間際、渡辺がマットに倒れるようなパフォーマンスを見せたが、これをレフェリーはダウンと判断。
そのまま試合が終わり、判定は3−0(30−28、30−28、30−29)で上松。予想以上のトリッキーなファイトを見せた渡辺だったが、上松が堅実な闘い方で勝利を収めた。
▼第8試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
○小比類巻太信(BRAVI
RAGAZZI/2004・2005日本王者)
KO 2R0分58秒
●城戸康裕(谷山/2008日本王者)
※小比類巻が決勝に進出
当初の予定では小比類巻の対戦相手は日菜太だったが、1回戦終了後に鼻骨骨折が判明。日菜太に敗れた城戸が繰り上がりで準決勝へと進出、日本王者対決が実現した。
日菜太の左ミドルで右手にダメージを負い、延長ラウンドまで闘っている城戸。一方の小比類巻は城戸とは対照的にほぼノーダメージ、スタミナのロスもない状態での試合となる。
1R、左ミドルを蹴る城戸。小比類巻はジャブを突きながら距離を測るが、城戸も左フックを返す。城戸は右手のダメージをかばうかのように、構えをサウスポーに変える。
そこから左ミドルを蹴っていく城戸。小比類巻は軽く手を出して、城戸の様子をうかがう。左アッパーで飛び込む小比類巻。城戸はバックブローや左フックを放ち、小比類巻がコーナーを背負ったところで左ストレートを連打! 小比類巻もガードを固める城戸に右ストレートから返しの左フック! ジャッジは10−10×2でドロー、10−9で小比類巻となる。
2R、オーソドックスから右ローを蹴る城戸。小比類巻は右ストレートから右ハイキック! そして小比類巻は右のカウンターから連打をまとめて城戸からダウンを奪う。
再開後、右フックからで前に出る小比類巻。
城戸はロープを背負いながらも、必死にパンチを返すが、そこに小比類巻の右フックを2発! これで崩れ落ちる城戸! 小比類巻がパンチで城戸をマットに沈め、決勝進出を決めた。
▼第7試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
○山本優弥(青春塾)
TKO 3R0分59秒 ※ドクターストップ
●長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/NJKFスーパーウェルター級王者)
※山本が決勝に進出
1回戦では昨年の日本トーナメント準優勝のHAYATOをマットに沈めた長島。準決勝では宣言通りに1回戦とは違う、アニメ『マクロスフロンティア』のランカ・リー役の新たなコスチュームで、『娘娘飯店』の入場曲をバックに登場し、会場を沸かせる。対する山本はTATSUJIと延長Rまで及ぶ激闘を闘っており、コンディション面ではやや長島が有利。山本も長島も快進撃に飲み込まれてしまうのか?
1R、右フックで前に出て行く長島! これでスリップした山本だったが、すぐに左ミドルを蹴って距離を取る。縦拳のようなパンチを打ち込む長島に対し、山本はそれをしっかりとブロック。
長島の右アッパーにカウンターの右ストレート! しかし長島も左右の動いて、山本のガードの隙間にパンチを打ち込む。ガードを固めて前蹴りを出す山本。長島は右のパンチから飛び込んで左フックを返す。終了間際、長島が左アッパー! これで山本の顔が跳ね上がるが、山本も左フックを返す。ジャッジは10−9×2で長島、10−10のイーブンとなる。
2R、山本が右ストレートのフェイントから左フックを二発! 長島も右フックから飛び込んでいくが、山本もパンチを返す。長島の左フックに山本も左フック。
山本はガードを固めてひたすら前に出て、長島に距離を作らせない。ここで長島が1回戦でカットしていた右目尻から出血、ドクターチェックが入る。
再開後、左ミドルを蹴って前に出る山本。さらに左フックを2発。長島が右ストレートから一気に前に出て山本をロープに詰める。しかし右ストレートで飛び込む長島に山本の左フックのカウンターがヒット! 長島がマットに膝を付き、山本がダウンを奪う! このダウンにより、ジャッジは3者とも10−8で山本。ポイントで逆転に成功する。
3R、長島が左右のフック&アッパーで怒涛の連打! しかし山本は両手を広げて効いてないよとアピール! そして右ローの連打から山本が左フック! 山本もタフさと前に出る圧力が長島を下がらせる。さらにここで長島の右目尻からの出血がひどくなる。
そしてドクターチェックの後、ドクターが試合をストップ! 山本が長島をTKOで下し、決勝進出を決めた。
▼第6試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
○アルバート・クラウス(オランダ・チーム・スーパー・プロ/2002年世界王者)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−29
●イ・スファン(韓国/KHAN/仁川ムビ/2003年韓国ミドル級王者)
1R、サウスポーのスファンはいきなり強烈な左ミドル! さらに鋭いインローを飛ばす。クラウスもそこに右ストレートで飛び込み、連打をまとめる。スファンも右のボディブロー、さらに左ローを蹴る。リーチ差を生かした左ミドル、左ボディストレートを放つスファン。
クラウスもインローを蹴りながらパンチにつなげるが、スファンのブロックは固い。クラウスが右の飛びヒザ蹴り! ここから一気にパンチをまとめるが、スファンも左フックを返す。
終盤、スファンをロープに詰めて連打をまとめるクラウス! スファンはブロックを固めてそれを凌ぐ。ジャッジは10−9でクラウス、10−10×2のドローとなる。
2R、クラウスがインロー。スファンはインロー、奥足ローを上手く蹴り分ける。左フックで飛び込むクラウスにスファンは左のヒザ蹴り。さらにスファンは打ち下ろすようなパンチから左ローにつなげる。スファンのボディにパンチをまとめるクラウス。スファンはそれをブロックして左ロー、クラウスの左ボディに左フックを返す。
圧力をかけてスファンにロープを背負わせ、右ボディから左フック、左ボディから右ストレートを打つクラウス。
スファンは左ミドルでそれを止めようとするが、クラウスのパンチの回転力を止められない。ジャッジは3者とも10−10でドロー。
3R、左ボディから左ローを蹴るスファン。クラウスもスファンの懐に飛び込んでパンチを打とうとするが、スファンはそれを突き放す。しかしクラウスはスファンをコーナーまで詰めて右ボディから左フック。
さらに、左右のボディブローでスファンの腹を狙う。そしてコーナーを背負うスファンにクラウスが右ストレート! クラウスのパンチでスファンが下がる場面が目立つ。
判定は30−28、30−29、30−29でクラウス。スファンから手堅く勝利を収めた。
▼第5試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI/2004・2005日本王者)
判定2−0 ※29−28、29−28、28−28
●アンディ・オロゴン(チームオロゴン/2008日本ベスト4)
※小比類巻が準決勝に進出
2007年の日本トーナメントで対戦している両者。この時は小比類巻が試合前に負傷していたものの、K-1ルール2戦目だったオロゴンがダウンを奪い番狂わせを起こした。
小比類巻はオロゴンへのリベンジを果たし、復活の狼煙を上げることが出来るか? 一方のオロゴンは大会前の前日計量でまさかの体重オーバー、減点1からのスタートとなる。
1R、軽くインローを蹴るオロゴン。小比類巻が前蹴りを出したところで、これがローブローとなり、いきなり試合が中断となる。
再開後、ジャブを突きながら右フックを返す小比類巻。ジャブを突きながら左フック、右ローを蹴る。オロゴンがじりじりと前に出るが、手数は少ない。
左アッパーで飛び込むオロゴンに右フックを被せる小比類巻。小比類巻はボディへのジャブから顔面への左フックを返す。
オロゴンが左で飛び込んでくると、そこに再び右フックを被せた。やや静かな立ち上がりとなったラウンドは3者とも10−10のイーブン。
2R、小比類巻が左ミドル。オロゴンはインローから前に出るが、小比類巻は距離を取る。頭を下げてパンチで突っ込むオロゴンだが、これは虚しく空を切る。小比類巻は前蹴りで距離を取り、インローを蹴りながら右フック。
小比類巻が組み付くと、オロゴンは左右のパンチを遮二無二振り回す。互いに手数が少なく、組みの攻防が多いため、レフェリーから注意が与えられる。ジャブから左ミドルを蹴る小比類巻。オロゴンがパンチで飛び込むと、小比類巻が組み付いてしまい、再びレフェリーから注意。
ジャブ&右ロー、左フックを打つ小比類巻。オロゴンが右ストレートで飛び込む。ジャッジは10−10×2、10−9でオロゴンとなる。
3R、小比類巻は右ローを蹴って、左フックから組み付き、そのままサバ折り。レフェリーからは小比類巻にイエローカードが提示され減点1となる。
再開後、小比類巻は距離を詰めて左ボディを連打! オロゴンがパンチを打ち返すと右ローを返す。
オロゴンをロープに詰めて右ローを蹴る小比類巻。このローでオロゴンの体が流れる。さらにオロゴンの左に小比類巻が右フック! ガードを固めるオロゴンに連打を集める。ジャブから右ローを蹴る小比類巻。
その後もやや組み付きが多かった小比類巻だったが、オロゴンの減点もあり、判定2−0(28−28、29−28、29−28)で小比類巻が準決勝へ進出した。
▼第4試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○日菜太(湘南格闘クラブ/R.I.S.E.
70kg王者)
判定3−0 ※三者とも10−9
●城戸康裕(谷山/2008日本王者)
※日菜太が準決勝に進出
昨年の日本王者・城戸が連覇に挑む。ここまで魔裟斗、小比類巻貴之(現・太信)、佐藤嘉洋と歴代日本王者たちは連覇を達成しているが、城戸もそのジンクスを守ることが出来るか?
対する日菜太は黄金の左ミドルを武器に、昨年R.I.S.E.で大ブレイク。MAXファイターたちを次々と撃破し、今大会への切符を手に入れた。
1R、日菜太はいきなり左ミドル! そして城戸をロープにつめて左ストレートを打ち込む。さらに日菜太は城戸のミドルをキャッチして左ロー、バックキックを放つ。
しかし城戸も右ミドルから右ロー! 日菜太と蹴りで真っ向から勝負する。日菜太は左ロー、バックブローで前に出て、城戸の動きを止める。そこに左ストレートから前に出る日菜太だが、城戸もそこに右ストレート。
さらに飛びヒザ蹴りを返す。日菜太の左ストレートを受けて城戸がヒザ蹴り。しかし日菜太の強烈な左ミドルが城戸をとらえる。終盤、城戸もバックブローから右ストレートで前に出る。判定9−9でイーブン。
2R、左ミドルで前に出る日菜太。城戸はそこに左フック。しかしバックキックから突っ込んできたところにヒザ蹴り! そしてコーナー際で城戸が上手く体位を入れ替えて、コーナーを背負う日菜太にパンチの連打。そして右のヒザ蹴り! これで日菜太がダウン!
城戸が劣勢を跳ね返すダウンを奪う。再開後、日菜太は左ミドル&ロー。城戸は日菜太に組みついて、マットに日菜太を倒す。日菜太は左ローと左ミドル。城戸はそこに左フックを狙う。
左ストレートから前に出て左ミドルの日菜太。城戸はそこに左フックから右ストレート。日菜太を下がらせて左フックを振る。しかし日菜太はそれに構わず強烈な左ミドル! これが城戸の右腕を捉える。ロープへと下がりながら飛びヒザ蹴り、左ハイキックを返す城戸。ダウンを奪った分、ジャッジは3者とも9−8で城戸を支持する。
3R、日菜太が左ミドルから右フックで前に出る。日菜太の前蹴りに城戸が左フックを合わせる。ワンツーで前に出て行く日菜太。城戸も右ミドルを蹴り返す。
城戸の右ミドルを受けて日菜太は左ロー。日菜太は城戸のブロックを跳ね返すような左ミドルを蹴りこむ。
城戸は日菜太のボディに右のヒザ蹴り。日菜太はワンツーから左ミドル! その後も左ミドルを連打する日菜太。日菜太の左ミドルをブロックする城戸の右腕が徐々に下がってくると、日菜太はそこを狙ってパンチで攻め込む。しかし城戸も必死にパンチで前に出てヒザ蹴り! 日菜太が左ミドル、城戸がパンチで前に出たところで試合終了となった。
判定はジャッジ1名が城戸を支持するものの、27−27、28−27、27−27でドロー。試合は延長戦へのもつれ込む。
延長R、日菜太が左ミドル。城戸はそれを受けてインローを返す。日菜太は左ミドルからインロー、城戸はそこに左フックを狙う。日菜太の左ミドルに距離を詰められない城戸。城戸はここで構えをサウスポーにスイッチする。
構わず左ミドルを蹴る日菜太。日菜太の左ミドルで完全に城戸の動きが止まる。左ミドルの連打を止めない日菜太! バックキック、左ストレートで城戸を攻め込む。
城戸も必死に前に出てパンチを振り回すが、日菜太のガードは固い。
しかし城戸も左ストレートから前に出て日菜太をぐらつかせる! 城戸がパンチの連打をまとめるが日菜太を仕留めることが出来ず。判定は3者とも10−9、10−9、10−9で日菜太! 昨年の日本王者・城戸が一回戦で姿を消した!
▼第3試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○山本優弥(青春塾)
判定3−0 ※三者とも10−8
●TATSUJI(アイアンアックス/2006・2007日本準優勝)
※山本が準決勝に進出
3年前の日本トーナメントで対戦している両者。この時は山本が試合中に肩を脱臼し、TKO負けを喫している。
トーナメント抽選会では自らTATSUJIとの再戦を希望した山本。山本のリベンジか? それともTATSUJIがそれを退けるか?
1R、左ミドルで前に出る山本。TATSUJIはそれを空振りさせて左フック、右ロー。TATSUJIは細かいパンチから左ボディにつなげる。
ジャブを突いて山本を下がらせて右ストレート、右ローを蹴るTATSUJI。山本も下がりながら左フック、右ローを返す。
山本の左ミドルに右ストレートで飛び込むTATSUJI。そして左ボディから左フック、ワンツーから左ボディを打つTATSUJI。山本も左ミドルを起点に前に出て行く。
TATSUJIはジャブを上手く使って山本を突き放し、左右のフック!山本も左フックを返す。互いに手数を止めないノンストップバトルは3者とも10−10のイーブンだ。
2R、ここも左ミドルを蹴る山本。TATSUJIもパンチから右ロー、そして細かい連打から左フックを返す。TATSUJIのパンチをしっかりとブロックして右を返す山本。しかしそこにTATSUJIが右ストレート! これで山本がぐらつく!
一気に襲い掛かるTATSUJIに対し、下がりながらハイキック、左フックを返す山本。右ストレートで前に出るTATSUJIに山本が左ミドル。山本も左フック。TATSUJIは左を細かくついて右、そして左フック。しかしここで山本が起死回生のバックブロー! これでTATSUJIがふらつく!
さらに右ハイキックを蹴る山本。でもTATSUJIもすぐにパンチを返して追撃を許さない。このラウンドも3者とも9−9とどちらも譲らない展開となる。
3R、左ミドルと前蹴りを出す山本。TATSUJIはそれをブロックしてワンツー、左ボディ。山本は左ミドルから右ロー、TATSUJIはそれをブロックしてワンツー。山本も左ハイキックを返す。TATSUJIのパンチをブロックし、それを押し返して右ローを返す山本。TATSUJIも山本のガードの上からパンチを打つが、山本のブロックは固い。逆にしつこく右ローを蹴り続ける山本。
TATSUJIも右フックを連打して前に出る。山本が右のヒザ蹴り、TATSUJIは左ボディ。残り10秒、激しく手数を出し合う両者だが、どちらも決め手に欠ける。
ジャッジ1名が29−28で山本を支持したものの、残り2名は29−29、29−29でドロー。試合は延長戦へもつれこむ。
延長R、前蹴りと左ミドルを蹴る山本。TATSUJIはそれを受けてパンチで飛び込む。左フックを振る山本。さらに右ローを蹴るが、TATSUJIは左ボディで飛び込む。顔面のガードが固い山本に対し、ボディを狙い打ちにするTATSUJI。
山本はそれを受けても必ずローを蹴る。ここで山本が左ハイキック! これでTATSUJIの動きが止まる! 明らかに失速したTATSUJI。
山本はTATSUJIを下がらせて左のヒザ蹴り。そしてTATSUJIのヒザ蹴りに山本が左フック! これでTATSUJIが尻もち! 微妙なタイミングだったものの、TATSUJIにダウンが宣告される。再開後、山本は左ハイキック、左ミドル! TATSUJIも山本のガードをこじ開けようと右アッパーを連打するが、当たらない。
判定は3者とも10−8で山本。山本がTATSUJIへのリベンジを果たすと共に準決勝への切符を手に入れた。
▼第2試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
○長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/NJKFスーパーウェルター級王者)
KO 2R0分36秒
●HAYATO(FUTURE_TRIBE/2008日本準優勝)
※長島が準決勝に進出
今大会で最大の注目となったコスプレキックボクサー長島の参戦。大会前から大きな話題を振りまいた長島は、アニメ『マクロスフロンティア』のランカ・リー役のコスプレ姿で登場し、『星間飛行』の入場曲が流れる中、大勢のコスプレイヤーたちを引き連れリングへ上がった。
対するHAYATOは緑のガウンを着用しての入場、波に乗る長島をストップすることができるか? 長島を睨みつけるHAYATOに対し、長島は全く視線を合わせない。
1R、左ミドルを蹴るHAYATO。長島は右フックからパンチをまとめる。HAYATOのブロックの上から構わす左右のパンチを振り回す長島。しかしHAYATOはそこに左フック、右ストレートのカウンターを合わせる。ここで長島が左目尻から出血、ドクターチェックが入る。
再開後、左ミドルで前に出る長島。HAYATOはそこに右ストレート。しかし長島が右フックから得意の乱打戦に持ち込み、HAYATOの左フックを空振りさせて右フック! これでHAYATOがダウン!
ダウン後、HAYATOの左フックに長島が右ストレート。HAYATOも左フックのカウンターを合わせ、さらにそこから右ストレート! 長島も右フックから連打をまとめて、一気にHAYATOに襲い掛かる。
ガードを固めるHAYATOに長島が左フックを合わせ、膝をつくHAYATO! しかしここはスリップと判断されて、試合は続行。再開後もHAYATOの左フック、長島の右アッパーが激しく交錯する! ジャッジは9−7、10−8×2で長島。
2R、HAYATOの蹴りがローブローとなり、長島にインターバルが与えられる。再開後、すぐにパンチの打ち合いに持ち込む長島。そして右のフェイントから強烈な左フック! これでHAYATOがダウン!
そして再開後、HAYATOのヒザ蹴りに長島が右フック! HAYATOがマットに大の字! これで2ノックダウンを奪った長島のKO勝利。コスプレ戦士・長島が昨年のトーナメント準優勝のHAYATOをマットに沈めた。
▼第1試合 スーパーファイト 3分3R
○HIROYA(フリー/K-1甲子園2008優勝)
判定2−0 ※29−29、30−29、30−29
●才賀紀左衛門(大誠塾)
昨年K-1甲子園優勝を果たしたHIROYAが2009年の初陣に挑む。対戦相手の才賀とは一昨年の大晦日に対戦し、HIROYAが勝利を収めている。
1R、才賀のインローにHIROYAが右ロー。才賀はパンチで飛び込んで、前蹴り。さらに左ミドルでHIROYAに距離を詰めさせない。
HIROYAはどっしりと構えて右ストレートから左ボディ。才賀は足を使って距離を取り、前蹴りを起点に左右のロー。HIROYAも左ミドルを蹴るが、それ以降の攻撃が続かない。逆に才賀は離れた間合いから一気に飛び込んで右ストレート。
さらにワンツーから左ミドルなど上手く自分のペースで試合を進める。そして終盤、才賀がHIROYAのボディにバックキック! 1Rは10−9×1、10−10×2でジャッジ1名が才賀を支持する。
2R、インローを蹴りながら前に出るHIROYA。才賀はサウスポーに構えを変えて左の前蹴り、左ミドル。しかしHIROYAは才賀をコーナーに詰めて左ボディを打つ。HIROYAの圧力に下がる場面が目立つ才賀。左ストレートから飛び込む才賀にHIROYAが右ストレート。
HIROYAが左フックから右ロー、右ボディストレートで前に出る。才賀も必死に前蹴りで距離を取ろうとするが、HIROYAの前進は止まらない。
HIROYAは才賀の懐にもぐりこんで右アッパーから左フック、さらに左フックを連打する。才賀は胴廻し回転蹴りを見せるが当たりは浅い。ジャッジは3者とも10−10だが、やや試合のペースはHIROYAか。
3R、オーソドックスに構えて前蹴りを出す才賀。ジャブから飛び込んでいく才賀だが、HIROYAはそこに左フック。
さらにHIROYAは右ボディーストレートから左フック、そして右ストレート! これで才賀の腰が落ちる。HIROYAは左ボディ、そして右フックからの左フック!
才賀は左前蹴り、左ハイキックを返すがHIROYAはそれでも前に出る。HIROYAはインローで前に出て右ストレート、才賀も左ミドルやハイキックを返す。判定は29−29、30−29、30−29でHIROYA。1Rはポイントを失った才賀だったが、2R以降の盛り返しで勝利をもぎとった。
▼オープニングファイト K-1ルール 3分3R
○我龍真吾(ファイティングマスター/WMAF世界&M-1ミドル級、UKF世界ライトミドル級王者)
判定2−0 ※27−27、28−27、28−26
●大渡博之(正道会館/全日本空手道選手権軽量級4度優勝)
“闘う電通マン”VS“元ヤンキー”という図式で注目を集める一戦。試合残り1分での殴り合い=我龍タイムは実現するか?
我龍は特攻服とマスクをつけてのド派手な入場。大渡はTシャツでの静かなリングインとなった。試合前、我龍はいつものガン飛ばしで睨みを効かせる。
1R、いきなりパンチで前に出て行く大渡。下がる我龍にスイッチしてからの左ストレート! これが我龍の顔面を捉え、大渡が早くもダウンを奪う。再開後、右の顔面前蹴りを突き刺す大渡。
しかし我龍もすぐにパンチを打ち返す。さらに我龍はヒザ蹴りから詰めてパンチ。我龍の前蹴りに大渡が左アッパーで飛び込む。
一気に距離を詰めて左ボディを打つ我龍。しかしここで大渡がバッティングをアピール、試合が一時中断となる。再開後、前蹴りから左フック、右ストレートで前に出る大渡。そのまま組みの攻防になると我龍がそれを突き飛ばす。右前蹴りから右ハイキックの大渡。我龍はその大渡をマットに転がす。
両者の右ストレートが交錯! そして互いに顔面前蹴り。大渡が右ストレートから左アッパー! そして大渡の左フックで我龍がふらつく。ジャッジはダウンを奪った大渡を9−8×3で支持。
2R、ジャブから右ローの大渡。我龍は組みつく大渡をマットに叩きつける。左右の連打で前に出る我龍。大渡はそこに左フックを返す。しかし大渡の攻撃をお構いなしとばかりに、我龍は距離を潰してショートの連打をまとめる。そして我龍が組みの攻防から大渡のボディにヒザ蹴り!
大渡はここでバッティングをアピールするが、レフェリーはダウンを宣告する! 再開後、右ストレートから左ボディの我龍。そして再び大渡のボディにヒザ蹴り。やや大渡の動きが鈍くなる。右フックを振り回して前に出る我龍。大渡はそこに左フックを返すが、我龍の勢いが優る。ジャッジは10−9、10−8×2で我龍。我龍が挽回したラウンドとなった。
3R、右ストレートで飛び込む我龍。大渡も前蹴りから距離を詰めて左アッパー、右ストレートを返す。大渡は左ハイキック、左フック。しかし我龍は下がらない。
一発パンチを当てては組むという展開が続く大渡。我龍は右のパンチで距離を詰めて左ボディ、さらに右フック。大渡も右ストレートで飛び込む。大渡の前蹴りに我龍がワンツー、さらに組んで倒す。大渡は掴みが多いということで、レフェリーから警告が与えられる。
残り1分、我龍がガードを下げて我龍タイムを要求するが……大渡はそこに容赦なく顔面前蹴り! 我龍の顔が大きくのけぞる。しかし我龍もパンチで前進! 大渡もヒザ蹴りを返す。
組みになると大渡りをマットに叩きつける我龍。そして「かかってこい!」とアピールして、大渡と激しく打ち合う。
試合終了のゴングが鳴らされると、我龍は勝ちを確信して、両手を広げてアピール。1Rと2Rを互いに取り合う形となった一戦は判定2−0(27−27、28−27、28−26)で我龍! “ヤンキー”我龍が“闘う電通マン”大渡を下した。
▼日本代表決定トーナメントリザーブファイト 3分3R延長1R
○白須康仁(キングビースト/WMAF世界スーパーウェルター級王者)
判定3−0 ※30−28、30−28、30-29
●尾崎圭司(チームドラゴン/2007日本ベスト4)
昨年の日本トーナメントでは1回戦で城戸に敗れた尾崎。対する白須はそのトーナメントでリザーブマッチで勝利を収めている。リザーブマッチに勝利し、トーナメント優勝への可能性を残すのはどっちだ!?
1R、インローを蹴る尾崎に白須が右ローを返す。尾崎はインローから左ミドル。前に出てくる尾崎を前蹴りで突き放す白須。尾崎のミドルをブロックして右ローを蹴る。尾崎の左足を狙って左右からローを蹴る白須。尾崎はそれを受けて左ミドルを蹴る。互いに細かくローを蹴り、尾崎がそこからミドル、白須が前蹴りにつなげる。
そして徐々にローからパンチへとつなげていく両者。ハイキックなど高い蹴りで攻める尾崎。白須は尾崎のジャブに右ストレートを合わせる。ジャッジは3者とも10−10のイーブンとなる。
2R、細かい左右のパンチで前に出て行く尾崎。白須はそこに右ロー、そして右ストレートのカウンターを合わせる。ローを蹴りながら前に出る尾崎。白須はそこに右ストレート、そして奥足へのローキックで尾崎の足を止める。そして右ローの連打から前に出る白須!
さらに白須は飛び込んでの左フック、ジャブへ右ストレートのカウンター! 前蹴りのフェイントから右ストレート、左ボディから右ストレートなど、白須が多彩なコンビネーションで尾崎を攻め込む。尾崎も必死にパンチをまとめて前に出るが、そこに白須が右ストレートを2発! 白須が優勢に進めたラウンドは3者とも10−9で白須のラウンドとなる。
3R、ポイントで負けている尾崎が一気にパンチでラッシュ! 白須は右ロー、前蹴りでそれを突き放す。
果敢にパンチで前に出る尾崎だが、白須のブロックは固い。何度も白須も右ストレートのカウンターが尾崎の顔面を捉える。左ボディで飛び込む白須に尾崎が左フック。左ミドルで白須を下がらせ、バックキックを放つ尾崎。しかし白須は右ストレートのカウンターを巧みに使いこなし、尾崎に決定打を許さない。
終了間際、尾崎が必殺のバックキック! これが白須の頬をかすめるが、白須もすぐにパンチを打ち返す。判定は30−28、30−28、30−29で白須。ローキックだけでなく、パンチの技術向上を見せた白須が尾崎を下した。
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