NPO法人全世界空手道連盟 新極真会
「第19回佐賀筑後空手道選手権大会」
2009年3月15日(日)佐賀県総合体育館
「一般部初優勝の相手が弟だったことが一番に嬉しい」
優勝した河瀬優太朗(佐賀筑後支部)は決勝を兄弟対決で制した。
河瀬兄弟はワールドカップに兄弟で出場を決めた島本兄弟と同じくユース出身の選手であり、兄弟そろってジュニアトーナメントを数多く制してきた。現在、兄・優太朗は18歳、弟・俊作はまだ16歳だが、すでに一般部の試合に挑戦し、技術とパワーを兼ね備えた逸材として注目されてきた。しかし、その破竹の勢いも一般部の厳しい壁に苦しんだ。優勝候補の筆頭として昨年の九州大会に出場した優太朗は従来の組手を見せることができずまさかの4位。その後もケガでチャンスを逃した。
一方弟の俊作は成長著しくウエイト制4位に入賞。ワールドカップ代表選手入りまであと一歩のところまで迫ったが、全日本大会の選考試合でまさかの敗退を喫してしまった。
ふたりの再出発の場となったのは地元佐賀で開催された佐賀筑後大会。新極真会の2009年最初のトーナメントとなる。地元開催となったこの大会でふたりはトーナメントの両端に配置され、兄弟決勝を熱望する地元の期待がうかがわれた。しかし、ウエイト制の前哨戦となる今大会には福岡の徳田則一、奄美の亀山真など九州各地の強豪がエントリーし、それは兄弟決勝が容易でないことを示していた。
その過酷なトーナメントの中、河瀬兄弟はそろって準優勝に進出。予想通りの勝ち上がりを見せ優太朗は亀山と、俊作は徳田との対戦。
↑準決勝戦、重量級の亀山の圧力を的確な内股で止める河瀬優太朗。
準決勝第一試合、キャリアでは優太朗が勝るものの、亀山は16歳ながら体重100kgを誇る巨体であり昨年のドリームカップを制するなど目覚ましい成長を見せている精鋭であり、優太朗にとっては最大の正念場となった。大型選手でありながら器用にテクニックを駆使する亀山に優太朗は苦戦するかに思われたが、試合が始まると内股への下段廻し蹴り、全身で圧力をかける突きを軸に飛び後ろ蹴り、胴廻し回転蹴りなどの大技を駆使してペースをつかみ本戦で勝利をつかんだ。
↑準決勝第2試合。再延長にもつれ込む激戦になったが、河瀬俊作が前蹴りと内股で徳田則一の猛攻を止めた。
大ベテランの徳田との対戦となった俊作だが、両者は昨年のウエイト制で対戦し俊作が勝利していた。それだけに徳田の意地が滲み出ていたが、俊作も兄弟対決への最後の関門となる徳田に果敢に攻めていった。判定はやや俊作有利に進みながらも徳田の粘りもあって再延長に突入した。積極的に前に出て攻め込もうとする徳田に対して鋭い前蹴りと内股への蹴りで迎撃する俊作が試合の流れを完全に掴み激闘を制した。
ついに兄弟決勝を果たした河瀬兄弟は序盤から遠慮なしのガチモード、佐賀県最強の兄弟喧嘩を見せてくれた。
→ついに実現した兄弟対決。兄の意地を見せた優太朗の下段が俊作を捉え、勝利を掴んだ。
兄弟揃って突きの強さに定評があるが体ごと叩き込むような優太朗に対して、スピードと回転力で突く俊作。俊作は手数と突きをきっかけにした大技でペースを握ろうとするが、優太朗は大技を冷静に捌き、的確に内股へ蹴りを決めていった。
これで流れを掴んだ優太朗が本戦で勝負を決めて優勝を決めた。
→果敢に兄に挑む俊作。優太朗も「俊作の突きは効いた!」と弟の成長を評価した。
河瀬兄弟が次に挑戦するのは5月のウエイト制大会。翌月にワールドカップを控え、主力選手が参戦しない中、対他流派の要としてこの10代の兄弟にかかる責任と期待は大きい。
↑優勝を決めた河瀬優太朗(右)と準優勝の河瀬俊作
■入賞者
優 勝 河瀬優太朗(佐賀筑後支部)
準優勝 河瀬俊作(佐賀筑後支部)
第3位 亀山真(奄美支部)
第4位 徳田則一(福岡支部)
敢闘賞 里村裕次(佐賀筑後支部)
技能賞 河瀬俊作(佐賀筑後支部)
↑3位決定戦は徳田と亀山の奄美対決となった。16歳の亀山が大先輩を破って3位に入賞した。
↑特別演武は新極真会相談役の三瓶啓二がつとめた。手刀バット切りと下段バット4本折りをおこない見事完遂した。
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