Zuffa 「UFC100」 2009年7月11日(日)アメリカ・ラスベガス マンダレイベイ ※今大会の模様は7月12日(日)22:10よりWOWOWにて放送 リピート放送は7月14日(木)18:40〜。
<全試合結果> ▼ダブルメインイベント(第10試合) ヘビー級王座統一戦 5分5R ○ブロック・レスナー(アメリカ/正規王者) TKO 2R1分48秒 ※レフェリーストップ ●フランク・ミア(アメリカ/暫定王者) 昨年11月にはランディ・クートゥアを下し、ヘビー級のタイトルを手にしたレスナー。対するミアは昨年末にアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラを下し、暫定王者を獲得した。レスナーにとってミアはUFCデビュー戦の相手でもあり、この時はミアに一本負けを喫している。レスナーはミアにリベンジし、王座統一を果たしたいところだ。 計量時の体重はレスナー=120.2kg、ミア=111.2kg。レスナーが約9kg重いことになる。試合前、レフェリーにグローブを合わせるように指示されるレスナーだが、それに応じず、ミアとはグローブを合わせない。 1R、サウスポーのミアに対し、レスナーは左手を伸ばして右ロー。ミアが左ストレートで飛び込むと、そこにレスナーは右ストレート! 組みの攻防になるとミアは前回の対戦で極めている膝十字を狙うが、レスナーもすぐにそれに反応する。 レスナーはハーフガードで上になると、ミアの顔を押してパウンドとヒジ打ち。レスナーはミアの首を左手で抱え、その左手を上からミアの左脇の下にまで回して固定。これでミアの動きを封じてボディと顔面にパンチを落とす。何とかここから脱出したミアだが、レスナーはミアの潜りスイープを押しつぶし、ミアの顔面にコツコツとパンチを落とす。レスナーのパンチを受けたミアの顔の左側は真っ赤に腫れ上がる。 2R、インローを蹴るミアだったが、レスナーはそこにタックル。レスナーは立ち上がって打撃を要求する。しかしミアはレスナーをパンチで下がらせて右のヒジ打ち! さらに首相撲からのヒザ蹴りを突き上げる。レスナーはそれをキャッチしてテイクダウン。今度はしっかりと金網際でミアを押さえ込む。半身になるミアにレスナーは強烈なパウンドを連打! これでミアは動きが止まってしまい、レフェリーが試合をストップ! ミアがラスベガス出身ということもあり、レスナーにはブーイングも起きたが、レスナーが圧倒的な強さでミアをマットに沈めた。 ▼ダブルメインイベント(第9試合) ウェルター級タイトルマッチ 5分5R ○ジョルジュ・サンピエール(カナダ/王者) 判定3−0 ●チアゴ・アウベス(ブラジル/挑戦者) ※サンピエールが4度目の王座防衛に成功。 マット・セラ、ジョン・フィッチ、BJ・ペンに勝利し、3度の王座防衛に成功しているGSP(=サンピエール)。この王者に挑むのはUFC戦績10勝1敗の戦績を誇るアウベス。GSPにとっては現時点では最強の挑戦者を迎え撃つこととなった。 1R、インローを放つGSP。アウベスもインローを返す。アウベスは左ミドル、そしてそこからの右ロー。GSPは片足タックルに入り、立ち上がろうとするアウベスの体をしっかりと寝かせる。アウベスは背中を見せるようにして立ち上がるが、GSPはそのままバックコントロールしてテイクダウン。腰を上げてディフェンスするアウベスだったが、GSPはしっかりとバックをキープ。しかしアウベスもすぐに体を反転させて立ち上がる。 試合がスタンドに戻ると、GSPのインローに右ストレートで飛び込むアウベス。GSPはそこに潜り込むようにして右ローを放つ。GSPの強烈な右ローがアウベスの前足を捕らえる。GSPはジャブで距離を測りながらタックルに入るが、アウベスは倒れない。インローとジャブで前に出るアウベス。アウベスはGSPを金網にまで詰めると左ミドルからパンチをまとめる! しかしここでGSPはアウベスの右ローを取って見事なテイクダウンを奪う。アウベスは背中をマットにつけることなく、すぐに立ち上がる。タイトルマッチに相応しい攻防が繰り広げられた1Rだった。 2R、インロー、右ローを蹴るGSP。そのインローにアウベスは右ストレートを合わせる。GSPはジャブとローで距離を測りながら、アウベスが打撃を返すとそこに絶妙のタイミングで両足タックル! アウベスからテイクダウンを奪い、しっかりとアウベスの体を寝かせてパウンドとヒジ打ち! これでアウベスが鼻から大量に出血する。 GSPはインサイドガードになると首相撲のようにアウベスの首を固定し、パウンドとヒジ打ちで確実にアウベスにダメージを蓄積させていく。ハーフガードで上になるGSPはここからアウベスの上半身を固めてパスガードを仕掛けるが、アウベスはGSPの脇を潜るようにして立ち上がり、GSPのグラウンド&パウンドから脱出する。 3R、右ローを蹴るアウベスにGSPがワンツー! アウベスが前に出て来るとGSPは右ミドル。GSPがタックルでテイクダウンを狙うがアウベスは倒れない。足を使って距離を取るGSPをジャブ、右ストレートで追いかけるアウベス。GSPはアウベスのパンチに合わせてカウンターのタックル! しっかりとテイクダウンを奪ってハーフガードで押さえ込む。 アウベスはGSPの脇の下から体を起こして立ち上がり、GSPにグラウンドの展開を許さない。試合がスタンドに戻るとどんどん前に出るアウベス。GSPは首相撲や前蹴りでそれに応戦。そしてGSPがアウベスからテイクダウンを奪い、すぐにインサイドガードで押さえ込み、パウンドとヒジ打ちで攻め込む。 4R、足を使ってインローで距離を取るGSP。アウベスもそれをパンチで追いかけるのだが、そこにGSPがパワフルな両足タックル! アウベスの体を豪快に持ち上げてテイクダウンを奪う。そしてGSPはアウべスの足を越えてマウントポジション、サイドポジションに移行する。アウベスはここもGSPの脇の下から体を起こしてエスケープ。GSPはアウベスのバックについてそこから腕十字! しかしアウベスもすぐに腕を引き抜いて、この試合初めてグラウンドで上になることに成功する。 アウベスは体を起こして左右のパウンド! しかしGSPはアウベスの体を蹴り離して立ち上がる。右ストレートから前に出るアウベス。GSPは下がりながら左フック。そしてアウベスの右ローをキャッチして右ストレート! これでアウベスからテイクダウンを奪う。アウベスは亀になって立ち上がろうとするが、GSPはボディにヒザ蹴り。そしてそのままアウベスの後ろに回りこみ、バックチョーク! 何とかアウベスが体を反転させたところでラウンド終了となった。 5R、逆転を狙ってパンチを繰り出すアウベスだが、GSPは落ち着いて距離を取りジャブ&ロー。アウベスも左ミドルから前に出るがGSPを捕らえきれない。そしてアウベスのパンチにGSPがカウンターのタックルを合わせる。アウベスも何とか立ち上がってスタンドに戻すが、有効打は出ない。そしてGSPはアウトボクシングを展開しつつ、豪快な両足タックルでアウベスをテイクダウンする。 アウベスは亀になり立ち上がるが、GSPも無理にバックキープはせずにスタンドの展開を選ぶ。そしてアウベスがジャブや左フックを打つと、そこにGSPがカウンターのタックルでテイクダウンを奪う。そして残り1分、GSPはじっくりとアウベスを抑え込みながら、肩固めを狙う。最後は押さえ込みに徹したGSPにブーイングも起きたが、GSPは5Rフルにアウベスを圧倒。試合が終わった瞬間、アウベスはGSPの手を挙げた。 判定は当然のごとく3−0でGSPとなり、磐石の強さを見せて4度目の防衛に成功した。試合後、穏やかな口調ながらも「アウベスは強い選手だし、これからも強くなると思う。ただこの階級にはもう相手がいないのかもしれないね」と語ったGSP。ウェルター級では敵なし状態のGSPだけに、ミドル級の絶対王者アンデウソン・シウバとの夢の対戦も期待されるが、GSPは「タイミングによると思う。もし対戦するのなら、時間をかけて体重を増やしてからやりたいと思う」と明言は避けた。 ▼第8試合 ミドル級 5分3R ○ダン・ヘンダーソン(アメリカ) KO 2R3分20秒 ※右フック ●マイケル・ビスピン(イギリス) 1R、じりじりと前に出ていくヘンダーソン。下がりながらジャブを突くビスピンだが、ヘンダーソンは右フックで前に出る。そして足を使うビスピンを強引に金網に押し込むと右フックから怒涛の連打! ビスピンはこれを凌いでジャブを突きながら距離を取る。さらにワンツーを放つビスピン。ヘンダーソンも左を突いて右ストレート! ビスピンは左ミドルを蹴る。 ヘンダーソンが右ストレートから組み付いてテイクダウンを狙う。ビスピンもヒザ蹴りを返して距離を取る。そしてビスピンがタックルでテイクダウンを狙うがヘンダーソンは倒れない。ビスピンは細かくジャブを打ち、そこから右ストレートを打つが、ヘンダーソンもそこに右クロスを放つ。 2R、ジャブで前に出るヘンダーソンにビスピンはジャブとインローを返す。それでも構わずジャブを突いて右ストレートで前に出るヘンダーソン。ビスピンはそれを首相撲に捕らえようとするが、ヘンダーソンの右フックがビスピンの即頭部を捕らえる。ビスピンはヘンダーソンの右フックを空振りさせて、すぐに右ストレートを返す。しかし全く圧力が衰えないヘンダーソンはインローからフルスイングの右フック! これがモロにビスピンの顔面を打ちぬき、ビスピンがマットの大の字! 完全にここで勝負ありだったのだが、ヘンダーソンはそこにジャンプしながら思いっきりパウンド! ここでレフェリーが慌てて試合をストップ。ヘンダーソンが戦慄のKO勝利を収めた。 ▼第7試合 ミドル級 5分3R ○秋山成勲(フリー) 判定2−1 ●アラン・ベルチャー(アメリカ) 記念すべき100回目の大会でUFCデビュー戦を迎えた秋山。入場曲はサラ・ブライトマンの「Time
to say good-bye」で柔道衣を着ての登場。セコンド陣と一緒に正座して一礼をするいつものパフォーマンスでオクタゴンへと上がった。セコンドには宇野薫もつく。 1R、ジャブをついて距離を測る秋山。ベルチャーは右ロー、右ストレートを返す。じりじりと前に出るベルチャーは左ミドル。秋山は左フック、左ジャブを突き刺す。ベルチャーは構えをサウスポーにスイッチし、インローを蹴るが、これがローブローとなり試合が中断される。 再開後、サウスポーとオーソドックスに構えをスイッチするベルチャー。ベルチャーが右ストレートから前に出ると、秋山も右ストレート、左フックを返す。そして秋山が強烈な右ロー、そして右ストレート! しかしベルチャーの左フックで秋山が尻もち! ベルチャーが一気に秋山を押し込む。 テイクダウンの攻防を経て、打撃戦になると左フックを返す秋山。ジャブで前に出て、左ミドルから右ストレートを打つ。ベルチャーもジャブを返し、秋山の体を押して右ロー。秋山は飛び込むような右ストレートで距離を詰めて、左フックから右ストレート、さらに右アッパーを突き上げる。 パンチで前に出る秋山だが、バランスを崩してベルチャーに組まれてしまう。首相撲から投げを仕掛ける秋山に対し、ベルチャーは突き放して右ロー。それをキャッチして秋山が右ストレートでテイクダウンを奪う。ベルチャーがオモプラッタを仕掛けるが、秋山はパンチを落とす。 2R、ベルチャーが左ミドルを蹴ると秋山がそれをキャッチしてテイクダウン。ベルチャーは潜りスイープを仕掛けて、秋山のバランスを崩すと何と足関節を仕掛ける! 秋山はそれをディフェンスしてサイドポジションでベルチャーを押さえ込む。ここから秋山は鉄槌とヒジ打ち、ガードポジションに戻されるものの、インサイドガードから鋭いパンチを落とす。 ベルチャーも下からヒジ打ち。ハーフガードから再び潜りスイープを仕掛けて、脇を差して立ち上がる。サウスポーに構えるベルチャーはインローと左ミドル。秋山は右ストレートと右アッパー。ベルチャーは秋山をプッシュして右ロー、ボディにジャブを放ち、そこからストレート! ベルチャーは秋山の体を押してからの右ローをコツコツと当てる。秋山はジャブから右ストレートを放つが、やや手数が少ない。逆にベルチャーの右ローがバシバシと秋山の左足を捕らえる。 3R、ベルチャーはやはり右ローを蹴って、秋山の足を止める。秋山はジャブから前に出て右ストレート。ベルチャーは左ボディから顔面にパンチを返す。距離が開くとベルチャーはジャブを使ってアウトボクシングを展開。秋山は右ストレート、右ヒジで前に出る。秋山はベルチャーのパンチを受けて左目を気にする仕草を見せる。 ベルチャーは右ロー、秋山はバックキックを返す。ベルチャーは右ローと右ハイキック。秋山は右ストレートで前に出るがクリーンヒットはない。ベルチャーの前蹴りに右ストレートを返す秋山。やや息が上がり、手数が少ない。ベルチャーが右ストレート、ローでバランスを崩すが、すぐに立ち上がってグラウンドの攻防を許さない。 残り1分、「来い、来い」と挑発する秋山に対し、ベルチャーは金網を蹴って右ストレート! これがモロに秋山の顔面を捉える! その後、ベルチャーはジャブ&ステップでアウトボクシングを展開。秋山も必死に組み付いてテイクダウンを奪うが、ベルチャーはすぐに秋山の脇を差して立ち上がる。最後はスタンドに戻ったところで試合終了となった。 試合はどちらも譲らない展開となったがは判定は2−1のスプリットディシジョンで秋山! 判定勝ちを告げられた秋山は思わずその場に崩れ落ち、セコンドの宇野と抱き合って勝利の喜びを分かち合った。 ▼第11試合 ウェルター級 5分3R ○ジョン・フィッチ(アメリカ) 判定3−0 ●パウロ・チアゴ(ブラジル) ※PPVのスケジュール上、第10試合後に行われた ▼第6試合 ライトヘビー級 5分3R ○マーク・コールマン(アメリカ) 判定3−0 ●ステファン・ボナー(アメリカ) ▼第5試合 ライト級 5分3R ○ジム・ミラー(アメリカ) 判定3−0 ●マック・ダンジグ(アメリカ) ▼第4試合 ライトヘビー級 5分3R ○ジョン・ジョーンズ(アメリカ) 一本 2R2分43秒 ※チョークスリーパー ●ジェイク・オブライエン(アメリカ) ▼第3試合 ウェルター級 5分3R ○キム・ドンヒョン(韓国) 判定3−0 ●TJ・グラント(カナダ) ▼第2試合 ミドル級 5分3R ○トム・ローラー(アメリカ) 一本 1R55秒 ※ギロチンチョーク ●CB・ダラウェイ(アメリカ) ▼第1試合 ライト級 5分3R ○シャノン・グガーティ(アメリカ) 一本 1R2分36秒 ※ギロチンチョーク ●マット・グライス(アメリカ)
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