MTKマネジメント
「Survivor〜Round.3　立川隆史・引退記念興行〜」
2010年1月25日（月）東京・新宿FACE
開場18：00　開始19：00

▼立川隆史引退記念・スペシャルエキシビジョンマッチ　2分2R
立川隆史（アンリミテッド）
※エキジビションのため勝敗なし
京太郎（チームドラゴン/第2代K-1ヘビー級王者）

　1993年にドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団、“和製大砲”の異名をとり4番打者を任されるなどプロ野球選手として活躍し、2005年シーズンを最後に現役引退。2007年にK-1へ転向して大きな話題を集め、8月にプロデビュー、6戦3勝（2KO）3敗の成績を残し、昨年3月のK-1横浜大会での試合終了後に引退を決意した立川が、引退記念エキシビションマッチ＆引退式を行った。

　相手を務めるのは立川と共にK-1トライアウトで合格し、南アフリカでの強化合宿でも競い合ったK-1の同期である京太郎。現在、K-1ヘビー級チャンピオンの座に就いたかつての盟友が、最後の相手を買って出た。京太郎は立川が最後に所属した阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」の曲に読売ジャイアンツのユニフォームで入場。

　立川は「こい！　オラッ！」と声を発してカモンゼスチャー。京太郎のローキックやレバーブローを身体で受けるが、あまりの苦痛に顔を歪めてダウン寸前。それでも応援団の声援を受けて再び立ち向かっていき、ジャブと得意技のローキックを見せる。

　2Rも同様に声を発しながら京太郎のローとレバーブローを受ける立川。何度も苦痛に顔を歪めてダウン寸前となるが、逆に京太郎が“打って来い”と誘うと右フックを連打。現役K-1ヘビー級チャンピオンの攻撃を真正面から受け、その痛みを身体に刻み込んで立川のラストゴングは鳴らされた。

　引退試合の相手を務めた京太郎は「僕のK-1人生も立川さんと一緒のトライアルから始まって、ずっと格闘技をやってきた仲間です。立川さんはプロ野球をやってて、違うスポーツをやるのは難しかったと思うので尊敬していました。凄いなと思いました。今日は立川さんの相手をして、勇気をもらいました。4月にK-1で、もしかしたら僕が持っているベルトのタイトルマッチがあるかもしれないので頑張ります。今日は励みになりました」と挨拶。

　立川は「ロッテの応援団、いつも応援ありがとう」と野球時代からの応援団にお礼を言うと、あふれ出る感情が抑えきれず男泣き。「キツイ時に力強かったし、野球の後も応援してくれたことは一生忘れません。僕が野球を教えている子たちも応援に来てくれてありがとう。これからいろいろなことがあると思うけれど、挑戦することを恐れず、前へ前へ進んでいってください。

　12年間野球をやってきて、3年間格闘技をやらせてもらいましたが、野球で出来なかった引退試合をこのリングの上で出来たことを嬉しく思います。明日から現実を見ないといけないので、今日だけは夢心地のまま終わりたいと思います」と、駆けつけてくれたファンにメッセージを贈った。

　控え室では「スッキリです」と笑顔を浮かべた立川。引退の理由は「心技体の全てを試合に持っていけなければリングに立つべきではないと思いました」と説明し、「野球と格闘技の両方の想いがあり、しっかり今日けじめがつけられました」と語った。

　今後のことは「何も考えていない」と言うが、「野球と格闘技に恩返し出来ることがあればやっていきたい。野球の中でも格闘技で得たことを活かせると思う。いい経験をさせてもらったので、若い子たちのサポートをさせてもらえればいいと思います」と答えた。

▼第5試合　Survivorルール　55kg契約　3分3R延長1R
○KENJI（アンリミテッド/元WPMO世界スーパーフライ級王者＆元NJKFフライ級王者）
KO　1R1分40秒　※右ストレート
●吉田　晋（KING EXCEED）

　兄・優太と共にサバイバー旗揚げ戦で復帰したKENJIだが、旗揚げ戦では不完全燃焼の判定勝ち、2戦目では瀧谷渉太に判定負けともうひとつ波に乗れていない。今回はKENJIらしさをリング上で発揮することをテーマに第3戦に臨む。

　1R、パンチとローキックで勢いよく攻める吉田だが、KENJIのジャブからの右ローを続けてもらい動きが止まる。それでも打ち合いに行ったところでKENJIの意表を突く右ハイキックが炸裂し、ダウン。

　KENJIは右アッパーを突き上げ、左フックからの右ショートストレートで豪快に倒し、久しぶりのKO勝ちを飾った。

「大先輩である立川さんの最後の舞台に、花を添える気持ちで練習してきました。今年はもう1回やらないといけない相手がいるし、ぶっ倒したい人もいるので忙しい1年です」とKENJI。「立川選手、会場はあっためておいたので思い切り暴れてください！」と、この後に登場する立川にエールを送った。

▼第4試合　Survivorルール　75kg契約　3分3R
○拳月(強者 山根道場)
不戦勝
●チャーリー・ホースト(ギニア)

　試合前に第2試合から第4試合に繰り上がったことが発表されたが、最終的に「両者とも昨日の計量にパスしたが、今日になってホースト選手が戦意喪失したため欠場申請があったので、拳月選手の不戦勝とする」ことが発表された。

　拳月は「大阪から来た拳月です。自分らの団体が日本で一番ってことを証明するために殴り合いたかった。3位のヤツが逃げるなら2位と1位のヤツも逃げるんじゃないですか？（注※ホーストは元J-NETWORKミドル級3位で現在はランキングされていない）逃げへんヤツとやりたい。俺は殴り合いが好きなので、どこの団体でもいいので呼んでください。絶対面白い試合をするんで、強者をよろしく」と、怒りをマイクにぶつけた。

▼スペシャルエキシビジョンマッチ　2分2R
久保優太（アンリミテッド/Krushライト級GP2009準優勝＆元WPMO世界スーパーフェザー級王者）
※エキシビジョンのため勝敗なし
大月晴明（フリー/WPKC世界ムエタイ・ライト級王者＆元全日本ライト級王者）

　久保がハイキックやバックスピンキック、胴廻し回転蹴り、踵落としと派手な蹴り技を披露すれば、大月もブンブンとフックを振り回したり、バックブローを繰り出して場内を沸かせる。

　 大月が久保の蹴りでダウンしたり、パンチの連打を受けたりとサービス精神を発揮し、楽しい内容のエキジビションマッチとなった。

　大月は「僕はエキシビジョンの相手とかは普通やらないけれど、久保選手ということで二つ返事で引き受けました。久保選手は大好きな選手です。何度か一緒に練習したこともあるけれど、日本で3本の指に入る。K-1で絶対に活躍できると思うし、凄い選手になれると思います。今日はガチでやってくれと言われたんですが、ガチでやったら僕が立っていられないので打ち合わせをさせてもらいました（笑）」と挨拶。

　その言葉を受けて久保は、「僕が中学生の頃から憧れていた大月選手とのエキシビジョンということで嬉しい。いい経験になりました。この経験を活かして頑張っていきたい」と今後の意気込みを語った。

▼第3試合　Survivorルール　62kg契約　3分3R延長1R
○才賀紀左衛門(アンリミテッド/大誠塾)
判定3-0　※30-29、30-28、30-28
●白神喜弘(池袋BLUE DOG)

　前回12・9『Survivor 〜Round.2〜』でKO-ICHIから鮮やかなハイキックで3RKO勝利を飾った才賀と白神が対戦。白神は2009年5月3日に開催された『第20回全日本新空手道選手権大会』の軽量級決勝戦で、大みそかにHIROYAを破って『K-1甲子園』で優勝したあの野杁正明と決勝戦を争い、敗れたものの準優勝を果たした選手だ。

　1R、グローブを合わせると同時に左ハイキックを放った才賀は、プッシングから強烈な左右ロー。白神は空手仕込みの蹴り技を得意とする才賀にあえて蹴り合い勝負を挑み、パンチにつなげてパワフルに攻める。この勢いにやや押された感のある才賀は、プッシングからの強いローを中心に、終盤はこれも強い左ミドルをバンバンと当てて行く。

　2Rも才賀はプッシングしてのロー、左ミドルも的確にハードヒットさせて主導権を握るが、白神のパンチをもらう場面も多い。後半は才賀がバテ気味となり、それでもローを蹴り続ける。

　3R、才賀がローと左ミドルを次々と叩き込んで優勢になるが、白神もタフだ。蹴りをもらっても前へ出てパンチを返し、そのパンチをモロに浴びつつ才賀は蹴り続ける。才賀のスタミナロスは激しく、両者に組み付きが多くなったため口頭注意が与えられた。最後には白神がバックブローを繰り出し、才賀がグラつく場面もあったが、終始蹴り続けた才賀が判定で勝利を得た。

「不甲斐ない試合ですいません。もっと練習せなあかんなと思いました。スタミナが切れてもうたし。派手に勝つとこ見せたろ思っていたらバテバテになってしまって。次はいい試合を見せます。次はもっと練習してスタミナつけて、KOで勝ちたいと思います」と、右目が腫れて痛々しい才賀は反省しきりだった。

▼第2試合　Survivorルール　65kg契約　3分3R
○YOSHI（M＆Jキックボクシング）
KO　3R1分7秒　※右ストレート
●村浜武洋（大阪ファイティングファクトリー/元KICKフェザー級王者、元SB日本カーディナル級王者、Kー1JAPANGP97フェザー級トーナメント優勝）

　旗揚げ戦で久保優太に初回KO負けした村浜が再び参戦。旗揚げ第2戦で大石駿介に2RKO負けしたYOSHIとのサバイバル戦に臨む。

　1R、村浜はジャブから右ロー、YOSHIは豪腕を唸らせてフックを振るってくる。村浜はステップとヘッドスリップを使ってパンチをかわし、右ローにつなげていくが、何度かパンチを被弾しそうになる危ない場面も。

　2R、動き回る村浜に何度もワンツーでアタックをかけるYOSHI。村浜はそのパンチをかわしながら、回り込んでのロー、そしてパンチで迎え撃つ。

　 しかし、65kgという契約体重のためか両者のパワー差は歴然。村浜がYOSHIのパンチをもらう場面が増え、何度もロープに詰められる。

　3R、ステップを使って回り込みながらのジャブとロー、YOSHIがワンツーで飛び込んでくるとパンチで迎え撃つ村浜だが、右ローに右ストレートを合わされてロープへ吹っ飛ぶ！　そこへYOSHIがもう一発、右ストレート！　村浜は前のめりに倒れ、すぐさまYOSHIのKO勝ちが告げられた。

　YOSHIは「自分が格闘技をやる前にテレビで見て、その選手と今日闘えたので、点数をつけたら70点くらいですけれどKO出来ました。次、頑張ります。今度はキックでKO勝ちしていきたいです」と、名前のある選手を食ったことに満足そうだった。村浜はこれで8連敗となった。

▼第1試合　Survivorルール　70kg契約　3分3R
○田村陽典(KING EXCEED)
KO　1R1分32秒　※3ノックダウン
●武河正紀(シルバーアックス)

　最初からパンチで圧力をかけていった田村が右フックで最初のダウンを奪い、右ストレートで2度目のダウンを追加、最後も右ストレートで倒して圧勝した。