――地元・北海道でTOMONORI主催興行が決まったそうですね。
「12月22日(土)に北海道・Zepp札幌で『NORTH
REGEND(ノース・レジェンド)』という大会をやることになりました。ちょうど今年が僕のプロデビュー10周年の記念なんですね。徐々にではあるんですけど北海道のキックボクシングも盛んになってきて、僕がまだ現役で動ける間に地元で試合をしようと思いました」
――もう対戦相手は決まっているんですか?
「どうせやるならタイトルマッチをやろうということで、僕が持っているUKFのベルトを賭けて韓国のチェ・ジンスン(=全日本キックで魂叶獅、藤原あらし、寺戸伸近と対戦。韓国キック四冠王)と戦います」
――決して顔見せのカードではないんですね。現地でもプロモーション活動する予定ですか?
「はい。明日からラジオに出たり記者会見をやったり頑張ってきます(笑)!」
――札幌の方で何か反響はありました?
「地元の人から『札幌で大会やるんだよね』とちょくちょく聞かれますね」
――北海道に縁のある選手が出場することになりそうですか?
「そうですね。うちのジムの秀策やハイパーキックリー選手にも出てもらいます。札幌で大会をやるというのは僕の夢だったので、それが一つ実現して本当にうれしいですね」
――TOMONORI選手のご家族も観戦される予定ですか?
「全員来ます! だからここで負けちゃったらどうしようかなって感じですよね(笑)」
――確かUKFはTOMONORI選手が最初に獲ったベルトですよね。
「はい。そういう想い出のあるベルトのタイトルマッチを地元でできることは感慨深いですよね。ダーウサミンとチャオタピーに負けて連敗中なんで、今度の試合でしっかり勝っていい年越しを迎えたいです」
■狙い通りのカウンターでラッタナデェにリベンジ
「タイ人に勝つための一つの形が出せたと思う」
――今年のTOMONORI選手は3月のラッタナデェ戦に始まり、その後は「試練のムエタイ3番勝負」としてタイの強豪選手と試合を続けてきましたね。3番勝負の結果は1勝2敗となりましたが、戦いを終えて今はどんな心境ですか?
「しんどかったですけど、すごくいい経験になりましたね。世界のトップと戦う機会は普通の選手にはないと思うし、タイではWPMFスーパーフライ級という世界タイトルにも挑戦させてもらいましたから」
――もう練習の方は再開されているんですか?
「チャオタピー戦で肋骨を怪我してしまったので、軽くロードワークを始めたくらいです」
――それでは3番勝負を振り返ってもらいたいのですが、まずはラッタナデェ戦(07年7月29日)から。この試合は3月のKO負けした後のリベンジマッチでしたね。
「この時は体調的にも、精神的にも、技術的にもすごく乗っていました。試合前に走り込みの合宿をやりましたし、ラッタナデェ対策でランバーさんとも練習させてもらったり、いい練習が出来ました」
――具体的にはどんなことを意識して練習していたんですか?
「ラッタナデェはすごくフェイントが上手い選手なんですね。まずはそれに惑わされない。そして向こうが出してきた攻撃にはすべてカウンターを合わせるくらいのつもりでやってました」
――試合ではそのカウンターが見事に決まる形で左フックでのKO勝利となりました。
「あれは完璧に狙ってました。ラッタナデェはジャブを打った後に手が下がる癖があるんで、これは左フックが当たるなと感じてましたから」
――練習でやってきたものを出すことが出来たわけですね。
「あの試合は集中力も凄かったんですよ。実際にラッタナデェの攻撃も全部見えてましたし」
――当時のインタビューで「フライ級はムエタイに勝てないと言われるのが頭にきた」とも言ってたじゃないですか。そういう周りの声に対する反発心はありました?
「ありましたね。軽量級=ムエタイに勝てないという先入観を自分が何とかしたいなと」
――実際にあの試合でTOMONORI選手の打倒ムエタイのスタイルが見えたような気がします。ある程度はムエタイに付き合って、最後はパンチのカウンターで倒すという。
「僕もあの試合でタイ人に勝つために一つの形が出せたかなと感じました」