↑桜井洋平との新旧エース対決を行う羅紗陀(左)と、ライト級王座決定戦に出陣する宮越
7月21日(水)東京・大島のキングジムにて、WBCムエタイルール日本&NJKFスーパーフェザー級チャンピオンの羅紗陀(キング)と、NJKFライト級2位・宮越慶二郎(拳粋会)が公開練習を行った。両選手は8月1日(日)東京・後楽園ホールで開催されるニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)『熱風 零七〜桜井洋平FINAL』に出場。羅紗陀はメインイベントで桜井洋平(Bombo Freely)のファイナルマッチの相手を務め、宮越はNJKFライト級王座決定戦を同級1位・一輝(OGUNI)と争う。
両選手は公開練習としては珍しい、3分3Rという長めのスパーリングを披露。2Rのインターバルでは向山鉄也キングジム会長が宮越に「(羅紗陀を)やっちゃっていいよ」、3Rの始まりには「カメラを意識せずガンガンやれ!」と両選手に発破をかける。
さすが昭和の名キックボクサー、手ぬるいことは公開練習でも嫌いなのだ。それに応えて両者のスパーは次第にヒートアップしていき、羅紗陀が鼻血(2日前に切れたところ)を出すなどかなり激しいものとなった。
「コンディションはバッチリです」と羅紗陀。桜井がデビューした1997年にはまだ9歳だったということで、「子供の頃から試合はよく見ていました。多分、自分が中学生の頃からいっぱい会場で見ています」という。しかし、相手の引退試合だから……という気持ちはなく「関係ないです。倒しに行きます」と容赦はしない。
羅紗陀にとっては前田尚紀、山本元気に続くレジェンドファイターとの対戦になる。「昔から憧れていた選手なので、引退するなら最後にやりたいと思いました」と自ら引退試合の相手に名乗りを上げた。
「あの頃は凄く強くてカッコいい選手だと思っていたので、今回やれて凄く嬉しいです。ガーッと一気に来る選手なので、自分は防御をしっかりして(桜井が得意の)ヒジをもらわないように動きたい。落ち着いて、よく見てやれば大丈夫だと思います。自分はどちらかと言えば、淡々として相手の動きを見て返してという感じです。桜井選手の攻撃をよく見て、自分の攻撃を確実に返して当てたいですね。作戦? やってみないと分からないので当日考えます」
臆する気持ちは全くないようだ。「リング上を見ていた頃は闘い方が強くて怖い選手だと思っていました。やったら怖いだろうなとずっと見ていたんですが、自分がチャンピオンになって経験を積んできて、どんどん気持ちが変わって今は勝てると思っています。(桜井は)昔の方が強かったんじゃないですかね」という。
練習は「いつも通りに頑張っています」と言い、今回はパンチに特に重点を置いているという。「パンチをいっぱい練習しているので当てたいですね。全ての技を出しますが、パンチで決めたい。Krushでの試合を見て、パンチをもらって倒れていたので、調子が悪かったのかもしれないですけれど、パンチを当てれば倒れるんじゃないかと思いました」とパンチでのKOを狙うようだ。
長身でヒジ・ヒザを得意にする選手は、NJKFスーパーフェザー級王座決定戦で闘った中須賀芳徳戦以来となるが、「別にいけると思います。3月にエキシビションで手を合わせた時はやりにくかったですが、その感覚を意識して練習しています」と、自信をうかがわせる。
先日のK-1MAXライト級(−63kg)日本トーナメントで優勝した大和哲也とは同じNJKF所属であり、年齢が近く(大和1987年生まれ、羅紗陀1988年生まれ)階級も近いことから周囲からライバル関係と目されている。大和の優勝は羅紗陀の目にどう映ったか。
「カッコよかったですね(笑)。決勝戦は凄くいい試合でした。今まで身近な選手だったし、自分もちょうどK-1の時代に生きているので、頑張らないとなって思いましたね」と刺激になったようである。
9戦目にして初のベルト獲得に王手をかけた宮越は、「これほど早くタイトルマッチが来るとは思っていませんでしたが、チャンスをもらったので。兄(宮越宗一郎=WBCムエタイルール日本統一ウェルター級王者)がベルトを獲ったので自分も欲しいと思っていました。ベルトを巻く自信はあります」と、兄弟チャンピオン誕生を狙う。
兄からは「冷静に行けば大丈夫」、会長である父からは「下から攻めて、慣れてきたら上でカウンターを狙って自分の個性を活かしてパンチで決めろ」と言われた。小学生から空手を始め、高校生でキックボクシングを「何となく始めた」という宮越。「左フックは当たれば倒れる」と得意技に自信を持っている。
対戦する一輝は粘り強いファイトが売り物で、特に3R以降から力を発揮するスロースターター。あの大和哲也に3戦目で初黒星を付けた男でもある。
「一輝選手はパンチ主体で後半にどんどん来る印象。警戒するのはストレートですね。3〜4Rには決めたい。向こうが追い上げてくる前に倒したいです。いつも最初はやられているイメージがあるので。下から攻めていって最後はパンチで倒したいです。相手の出方を待って当ててみたい」
自分は「ガムシャラに攻める、ムエタイスタイルではないスタイル。そこが新しい感じだと思います」という宮越は「実はヒジ・ヒザが苦手(笑)。K-1ルールの方がやりやすい」という。「いずれはK-1に出たいと思っています。とりあえずベルトを獲ってからですね」と、「まだ経験が足りませんが、いずれは大和選手とやってみたい。K-1ルールでやりたいです」と同じ団体の大和との対戦を目標としてあげた。
NJKFライト級のベルトは、羅紗陀が闘う桜井、そして大和が保持していた歴代エースが巻いてきたベルト。「その名に恥じないように頑張りたい」と宮越は語った。
ニュージャパンキックボクシング連盟
「熱風 零七〜桜井洋平FINAL」
2010年8月1日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
<全対戦カード>
▼桜井洋平FINAL 60kg契約 3分5R
桜井洋平(Bombo Freely/WFCAムエタイ世界ライト級王者)
VS
羅紗陀(キング/WBCムエタイルール日本&NJKFスーパーフェザー級王者)
▼NJKFフェザー級王座決定戦 3分5R
米田貴志(OGUNI/同級1位/WMCインターコンチネンタル・スーパーバンタム級王者)
VS
中嶋平八(誠至会/同級2位)
▼NJKFライト級王座決定戦 3分5R
一輝(OGUNI/同級1位)
VS
宮越慶二郎(拳粋会/同級2位)
▼67kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R延長1R
大和侑也(大和/NJKFウェルター級王者)
VS
K・ルークプラバーツ(センチャイムエタイ/元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級10位)
▼65kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R延長1R
高橋誠治(町田金子/NJKFウェルター級2位)
VS
須釜和成(拳粋会/NJKFスーパーライト級2位)
▼NJKF BONITA BOXEO アトム級 3分3R
ちはる(ウィラサクレック・フェアテックス/第2代M-1ミニフライ級王者)
VS
山田純琴(y-park/NJKF BONITA BOXEOアトム級1位)
▼ライト級 アグレッシブマッチ 3分3R延長1R
ひでお(北流会君津/同級5位)
VS
畠山隼人(E.S.G/同級7位)
▼ライト級 アグレッシブマッチ 3分3R延長1R
ミシマ(格闘道場G-1/同級6位)
VS
健司(インスパイヤード・モーション/同級10位)
▼ウェルター級 3分3R
堀 地(町田金子)
VS
中谷安裕(ワイルドシーサー群馬/MA日本キックボクシング連盟)
<チケット料金>
VIP席15.000円 SRS席12,000円 RS席10,000円
S席7,000円 A席5,000円
※当日券は各500円増し。
<チケット販売所>
チケットぴあ=TEL:03-5237-9999、TEL:0570-02-9977(全国共通)
後楽園ホール=TEL:03-5800-9999
NJKF事務局=TEL:03-6912-7247
出場選手所属ジム
<お問い合わせ>
NJKF事務局=TEL:03-6912-7247
●NJKF2010年度スケジュール
(B)はブリザードジム、(S)はセンチャイムエタイジム主催
8月1日(日)東京・後楽園ホール
9月5日(日)東京・新宿FACE(S)
11月7日(日)東京・後楽園ホール
12月5日(日) 東京・新宿FACE(S)
12月19日(日)東京・ゴールドジムサウス東京アネックス
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