ワールドビクトリーロード
「戦極〜第十一陣〜」
2009年11月7日(土)東京・両国国技館
開場14:00 開始16:00
※オープニングファイトは15:00〜
▼ダブルメイン(第9試合) 戦極フェザー級チャンピオン挑戦者決定戦 5分3R
○小見川道大(吉田道場)
判定2−1 ※29−29(小見川)、30−29、30−29(小見川)
●日沖 発(ALIVE)
戦極としては初となる両国国技館大会を締めるのは小見川と日沖による戦極フェザー級次期挑戦者決定戦! 当初、この2人は戦極フェザー級GP決勝で対戦するはずだったが、日沖がドクターストップで決勝を棄権。2人が対戦することはなかった。そんな幻のフェザー級GP決勝戦、制するのはどっちだ!?
1R、体を振りながら前に出ていく小見川。日沖は細かくジャブを突いて小見川に距離を詰めさせない。小見川はボディから顔面にパンチを散らし、日沖のジャブにかぶせるような右ストレート!
これで日沖をコーナーまで吹っ飛ばす。しかし日沖は片足タックルで小見川をテイクダウン。立ち上がろうとする小見川をしっかりと寝かせる。
そして日沖がボディへのヒジ打ちとパウンド。小見川は両足を入れてガードポジションに戻す。日沖の体を蹴り離して立ち上がろうとする小見川。しかし日沖はすぐに小見川の後ろに回り込むと、ここから腕十字! 小見川は両腕をクラッチしてそれを防御。腕を抜いてガードポジションの日沖にパンチをまとめる。
2R、インローと左ミドルのフェイントを見せ、ジャブを突く日沖。小見川は左フックから距離を詰めようとするが、日沖はしっかりと距離を取る。ジャブとストレートをボディと顔面に打ち分ける日沖。
ジャブと右ストレートが小見川のボディを捉える。日沖のジャブに右のパンチをかぶせる小見川。日沖はジャブを突いてヒザ蹴り! 小見川はそれをブロックして左フックを返す。ジャブと前蹴りで自分の距離を保つ日沖。ここで両者とも手数が少ないということで口頭注意が与えられる。
再開後、日沖がジャブと右ロー。小見川は日沖のジャブをダッキングでかわして右フックで前に出て行くが、そこに日沖はカウンターのタックルを合わせる。テイクダウンを許した小見川だが、下から日沖を殴り、日沖の体を蹴り離して立ち上がる。パンチの圧力をかけて前に出る小見川。日沖は距離を取ってミドルとハイキックを蹴る。
3R、日沖の右ミドルに右ストレートで飛び込む小見川。日沖もカウンターのタックルを狙うが小見川は倒れない。日沖のジャブをかわしながら右フックで前進する小見川。
日沖のジャブ、ストレートをもらいながらも、小見川は左右のフックで日沖を下がらせる。ここで日沖がタックルで小見川をテイクダウン。しかし小見川はすぐに立ち上がって、四つ組みで日沖をコーナーに押し込む。
ブレイク後、パンチで圧力をかけていく小見川。再びコーナーで四つ組みの攻防となるが、ここもブレイクとなる。再開後、小見川の右ストレートが立て続けにヒット! さらに日沖が右ハイキック! 小見川はそれをブロックしてパンチで前進。日沖のタックルを切って打撃戦に持ち込む。
前に出てパンチを出し続ける小見川に対し、足を使ってそれをかわし、有効打を許さない。残り30秒を切ったところで小見川が組み付くと、日沖は飛びつき三角! 最後はこの状態で試合終了のゴングを聞いた。
テイクダウンとポジションコントロール、そしてアウトボクシングでポイントを取った日沖と手数を出して前に出続けた小見川。ジャッジは2−1と分かれたが、小見川のアグレッシブさが評価され、小見川が接戦をものにした。
しかし小見川は「まずこの試合を受けてくれた日沖選手、本当に強かったです。ありがとうございました。判定で勝っても、勝った気がしません…」と納得のいかない表情でマイクアピール。
最後は「小見川道大、クソッタレ!」とKO・一本で試合を決められなかった自分に怒りをぶつけた。また試合後、小見川は一週間前に太ももを負傷していたことを告白。しかし大晦日のタイトル挑戦に対しては「組まれるならやりたい」と前向きな姿勢を見せた。
▼ダブルメイン(第8試合) 戦極ミドル級ワンマッチ 5分3R
○マメッド・ハリドヴ(チェチェン共和国/ポーランド/TEAM KSW)
TKO 1R2分45秒 ※レフェリーストップ
●ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル/アメリカン・トップチーム/初代戦極ミドル級王者)
初代戦極ミドル級王者のサンチアゴが約10カ月ぶりに復活。
対戦相手のハリドヴは極真空手をベースに持ち、PRIDEでも活躍したダニエル・アカーシオをKOしたこともある東欧系のファイター。サンチアゴはこの未知の強豪を相手から戦極王者としてきっちり勝利を奪うことが出来るか?
1R、ハリドヴはいきなり鋭い左ミドルとインローを蹴る。サンチアゴはジャブを突きながらワンツー。
この右ストレートで距離を詰めたサンチアゴは両差しからテイクダウンを奪う。グラウンドで上になったサンチアゴだったが、ハリドヴが下から鉄槌! これがサンチアゴの顔面を捉えると、サンチアゴの動きが止まる! ここからハリドヴは腰を抜くようにして立ち上がり、中腰の状態からパンチを連打! 何と初参戦のハリドヴがサンチアゴを下す金星を挙げた!
試合後、マイクを握ったハリドヴは「みなさん、こんばんは。いつも日本で試合をすることを夢に見ていた。このスポーツをよく知っているファンの前で試合が出来て本当にうれしい。ありがとう!」と喜びを爆発させた。
▼第7試合 戦極ライト級ワンマッチ 5分3R
○ホルヘ・マスヴィダル(キューバ/アメリカ/アメリカン・トップチーム)
TKO 2R3分3秒 ※レフェリーストップ
●北岡 悟(パンクラスism)
今年8月に廣田瑞人に敗れて王座から陥落。試合後は引退をほのめかす発言もあった北岡だったが今大会で復活! 戦極ライト級の外国人選手の中では実力ナンバーワンとも言われるマスヴィダルに挑む。
前日会見では「ベルトは取られたけど、誰にも負けない輝きを持っている」と言い切った北岡。その輝きを試合で発揮することが出来るか? 北岡は短い髪を金髪に染めて『哀戦士』に乗って登場。
リング下で場内をグルリと見渡してから、マスヴィダルの待つリングへと上がった。
1R、サウスポーの北岡は前後にステップしながら、一気に片足タックル! マスヴィダルをロープまで詰めるとテイクダウンを奪う。しかしマスヴィダルは背中をマットにつけることなく、完全にグラウンドでの展開を許さない。そしてここから北岡がマスヴィダルの右足をキャッチしてアキレス腱固め!
マスヴィダルは体を回転させてそれをディフェンスし、北岡の顔面にパンチを落とす。それでも北岡はマスヴィダルの足を離すことなく、今度はヒールホールド! しかしここもマスヴィダルは体を回転させて足を引っこ抜く。
マスヴィダルに立ち上がられた北岡だったが、すぐにマスヴィダルの右足を取って片足タックル。マスヴィダルに尻餅をつかせるが、マスヴィダルは手をマットについて寝かされない。そして試合がスタンドに戻るとマスヴィダルが右ストレートと右ハイキック!
これで北岡がバランスを崩す! 北岡は自ら引き込むようにして足関節を狙うが、マスヴィダルは体を起こしてパウンド! マスヴィダルがサイドポジションからパンチを落としたところでラウンド終了のゴングが鳴る。
ここでマスヴィダルがすぐに立ち上がったのに対し、なかなか起き上がることが出来ない北岡。セコンドに両脇を抱えられるようにして立ち上がると、おぼつかない足取りで何とか自陣コーナーに戻る。北岡の消耗度はかなり大きい。
2R、すぐに両足タックルに入る北岡。マスヴィダルからテイクダウンを奪うところまでは行くが、ここでもマスヴィダルは背中をマットにつけることなくブレイクを待つ。
再開後、北岡はすぐにタックル。マスヴィダルをテイクダウンしてアンクルホールド! そしてヒールホールド! 一気にマスヴィダルの足を極めにかかるが、マスヴィダルも体を起こしてそれをさせない。インサイドガードで上のポジションを取ったマスヴィダルは立ち上がってスタンドを要求する。
スタンドに戻ると北岡が左ミドル。しかしマスヴィダルはそれをキャッチして北岡のバランスを崩してテイクダウンを奪う。そしてガードポジションを取る北岡にマスヴィダルがパウンドを連打! 北岡の動きが止まったところで、レフェリーが試合をストップ! 北岡陣営もほぼ同時のタイミングでタオルが投入された。
試合後、マスヴィダルは北岡の健闘を称えつつ「自分がタイトルマッチに相応しい選手だとは思わないか? 次は自分がタイトルに挑戦させて欲しい」と廣田への挑戦をぶちあけた。一方、なかなか立ち上がることが出来なかった北岡は、マスヴィダルのマイクが終わると自力で立ち上がり、四方に深々と頭を下げて、リングを降りた。
▼Fight of the Soulフェザー級ワンマッチ 5分2R
○上山知暁(U-FILE CAMP 町田)
TKO 1R4分29秒 ※レフェリーストップ
●BULL(BLUE DOG GYM)
▼第6試合 戦極ライト級ワンマッチ 5分3R
○横田一則(GRABAKA)
判定3−0 ※29−28、30−29、30−29
●光岡映二(フリー)
廣田瑞人が王者に君臨する戦極ライト級で日本人対決が実現。光岡は戦極ライト級GPではベスト4で北岡悟に一本負けを喫するも、その後は2戦2勝。北岡戦を除けば、戦極では4戦4勝、その全てが一本勝ちという結果を残している。
一方の横田もGPでは決勝で北岡に判定負けしたが、現王者の廣田には判定勝利。今年に入ってからはレオ・サントス、ライアン・シュルツという強豪外国人選手から勝利を収めている。この日本人対決を制し、廣田の持つベルトに近づくのはどっちだ!?
1R、サウスポーの光岡に対し、横田はジャブと右の前蹴り。この前蹴りで光岡を下がらせる。光岡は左ストレートから右フック。横田はバックステップでそれをかわす。ジャブで距離を取る横田をじりじりとロープまで押し込む光岡。
胴タックルのような形で組み付き、テイクダウンを狙いつつ肩パンチ。横田も光岡の足をかけてテイクダウンを狙うが、どちらも倒れることなくブレイクとなる。再開後、ジャブから距離を詰めて横田がワンツー。光岡は下がりながら横田に片足タックル。
背中を見せて立ち上がる横田のバックにつくと豪快に持ち上げてテイクダウンを奪う。そのまま横田のバックにつこうとする光岡だったが、ここで横田は一本背負い! 光岡を投げてグラウンドで上のポジションを取る。しかし光岡も体を反転させて上のポジションを取り返すと、立ち上がる横田のバックを取る。
ここでアームロックを仕掛ける横田。光岡は横田の股の間で両腕をクラッチするようにして横田をバスター。それでも横田はすぐに立ち上がって、グラウンドで不利なポジションを与えない。
2R、横田がジャブと左フック。光岡が右フックを返すと、横田はそれを前蹴りで突き放す。圧力をかけて前に出る光岡。ここから上体を沈めてパンチとタックルを狙うが、横田もボディストレートや左フックで距離を詰めさせない。
組みの攻防になるものの、どちらもテイクダウンできずにブレイクという展開が続く。横田の右ミドルをさばいて組み付く光岡。横田は体をロープに預けてブレイクを待つ。
しかし、横田の放ったヒジ打ちが脊髄部分への攻撃だったということで口頭注意が与えられる。再開後、すぐに組み付いてテイクダウンを仕掛ける光岡だったが、横田はバランスを崩しながらも立ち上がり、グラウンドでの展開を許さない。
横田のインローにジャブを返す光岡。光岡が組み付くと、横田は背中を見せてロープに体を預けてテイクダウンをディフェンス。そして離れ際に横田が右ストレート、右ミドル!
これが光岡を捉えるが、光岡も横田の体を押し返して左ストレート! このパンチで横田を下がらせる。
3R、ジャブで前に出る横田に光岡は右フック。横田のパンチを受けながらも、光岡は前に出てテイクダウンを狙う。そして光岡は離れ際の右フック! 横田もすぐにワンツーを返す。光岡はジャブを突いてパンチで突進、横田に組み付くがテイクダウンは奪えない。
ブレイク後、今度は横田がタックルに入るが、光岡はそれを切る。上体を低くして横田のパンチを空振りさせて組み付く光岡。ここもバックを取らせてテイクダウンを阻止する横田だったが、テイクダウンの攻防の中で横田がグラウンドで上を取る。しかし光岡も横田に攻められることなく立ち上がる。
ブレイク後、横田がインローと前蹴り。そこに右フックの光岡。横田も右ストレートを返す。パンチから組みつく光岡。片足タックルで横田をテイクダウンしようとするが、横田はアームロックでそれを切り替えして立ち上がる。
ここで飛びヒザ蹴りを放つ横田。そのままグラウンドで上を取ると、しっかりと光岡を寝かせてコツコツとパンチ、体を起こして光岡の顔面を踏みつける。試合はどちらも譲らない一進一退の攻防となったが、3Rにテイクダウンを奪った横田が接戦をものにした。
試合後、マイクを握った横田は「光岡さん、めちゃくちゃ強かったです。凌ぎ合いでいい試合になったと思います。本当は大晦日にタイトルマッチやりたいですけど…ファン、関係者の皆さん、後押ししてください!」と大晦日への王座挑戦をアピール。
そして「僕は戦慄のマイクパフォーマーというあだ名を勝手につけられました。(カメラに頭を近づけて)前回の試合ではハゲじゃないことをアピールしましたが、完全に私はハゲですね。実はそれを隠すためにラインを入れているんです。でも今回はそれに失敗しました……あまりウケてなくてショックだな(苦笑)。えっ〜これにめげず、マイクを頑張ります。そしてそれ以上に試合を頑張ります」と成長した(?)トークで試合を締めた。
▼第5試合 戦極ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R
○スタニスラブ・ネドコフ(ブルガリア/ブルガリアン・ブシドー・フェデレーション)
判定2−1 ※28−27、29−29(ランデルマン)、28−28(ネドコフ)
●ケビン・ランデルマン(アメリカ/Tapout Training Facility)
戦極での試合は昨年5月以来となるランデルマン。この期間に長年所属していたハンマーハウスを離れ、柔術の青帯も取得。日本のファンに新たなランデルマンスタイルを見せることが出来るか。対するネドコフはブルガリア出身でレスリングと柔術をベースに持つ選手。ここまで7戦7勝という成績を残している。
1R、ジャブを突きながら前に出ていくランデルマン。インローでネドコフのバランスを崩すと、組んできたネドコフからテイクダウンを奪う。ここでネドコフはランデルマンの体をガッチリとホールド、両者の動きが止まりブレイク。
ネドコフには注意が与えられる。再開後、一気に右フックで前に出るネドコフ。ランデルマンはそこにタックルに入り、ネドコフの体を振るようにしてテイクダウンを奪う。
2R、ジャブからタックルに入るランデルマン。ネドコフはそれを押しつぶして、グラウンドで上を取る。サイドポジションを取ったネドコフは体を起こしてパンチを落とすが、ランデルマンは上手くネドコフの体をひっくり返す。するとここでネドコフのコスチュームが破れるハプニングが発生!
ネドコフはコスチュームを着替えて試合を再開した。スタンドでの再開後、ランデルマンをコーナーに押し込むネドコフ。しかしテイクダウンを奪うのはランデルマン。
ここからパスガードを狙うが、ネドコフが体を起こしてランデルマンをタックルで押し倒し、パンチを落とし続ける。ランデルマンがタックルに入ったところでラウンド終了となる。
3R、パンチで前に出て行くネドコフ。ランデルマンをテイクダウンするとインサイドガードからパンチを落とす! ここで防戦一方となるランデルマンはネドコフの体にしがみついてブレイクを待つ。
両者にイエローカードが提示された後、ジリジリと圧力にかけて前に出るランデルマン。しかしここでも両者共に手が出ず、レフェリーは両者にレッドカード! 何とどちらも減点1という状況になる。
これで火がついたようにタックルからレスリングの攻防を見せる両者。しかしテイクダウンを奪うまでには至らず、試合はスタンドに戻る。軽く打撃を交換する両者。残り30秒を過ぎたところで、ネドコフがテイクダウンを奪うものの、特に動きがないまま試合終了。判定は2−1でネドコフが勝利、しかし場内からは膠着で両者に減点1が与えられるという試合内容にブーイングが飛んだ。
▼第4試合 戦極ウェルター級ワンマッチ 5分3R
○郷野聡寛(GRABAKA)
判定3−0 ※30−26、30−27、30−28
●辛拉麺(韓国/CMA/Team Blue Dragon)
UFCから日本に主戦場を移し、戦極の舞台を選んだ郷野だったが、ダン・ホーンバックルにまさかのKO負け。UFCを合わせると現在3連敗中だけに、今回は是が非でも勝利が欲しいところだ。そんな心境を表すかのように、郷野は恒例となった入場パフォーマンスを封印してリングに上がる。
一方の辛拉麺(シン・ラーメン)は父親が辛拉麺を製造している会社に勤めていることから、このコミカルなニックネームを持つ選手だが、ここまでの戦績は13勝4敗。
身長190cmを誇り、柔術&キックボクシングをベースに持つファイターだ。辛拉麺は本物の辛拉麺を客席に投げ込みながらの入場だ。
1R、ガードを上げてややアップライト気味に構える郷野。辛拉麺のジャブを受けて前蹴り、右ローを蹴り返す。じりじりと圧力をかけて前に出る辛拉麺は左フックから右ストレートを放つ。その後も前に出て、郷野をコーナーやロープに詰める辛拉麺。郷野は足を使ってコーナーから脱出し、右ローと左ミドルを蹴っていく。
郷野は辛拉麺の前足に左右のロー、右ボディストレート、左ミドルで辛拉麺に距離を詰めさせない。辛拉麺が強引に距離を詰めてくると、郷野は辛拉麺のボディに左のヒザ蹴り! これがボディを捉えると、辛拉麺は自らガードポジションに引き込む。1Rはこの状態のまま、試合終了となった。
2R、ここも郷野はアップライト気味に構えて、辛拉麺の攻撃を誘うようにして右ロー、前蹴り。そして辛拉麺が右ストレートで前に出てきたところでカウンターのタックル!
これが絶妙のタイミングで決まり、郷野が辛拉麺からテイクダウンを奪う。辛拉麺はガードポジションから三角絞めを狙うが、郷野は背筋を伸ばしてそれをディフェンス。体を起こしてパンチを落とす。
辛拉麺は長い手足を使ってそれをディフェンスし、郷野の右腕をキャッチしてアームロック、腕十字。郷野は立ち上がって腕を抜くと、辛拉麺の両足を膝で割ってパスガードを仕掛ける。辛拉麺も必死に足を入れてそれを阻止するが、郷野は辛拉麺の足を振って、左右に動きながら足を一本抜くことに成功する。
ここから郷野は辛拉麺の足のクラッチの間に腕を入れて、腰を切るようにしてパスガード。サイドポジションからヒザ蹴りとパンチを落とし、辛拉麺が体を反転させて立ち上がろうとすると、その際を狙ってヒザ蹴りを突き上げる。試合がスタンドに戻ってからも郷野はしっかりと距離を取り、辛拉麺に有効打を許さない。
3R、ワンツーで前に出て行く辛拉麺。郷野をコーナーまで押し込むが、郷野は上手く態勢を入れ替えて、そこから脱出する。
そして郷野はジャブを突きながら右ボディストレート、そしてそこから顔面への右ストレート! この一撃で辛拉麺がダウン。辛拉麺はすぐに立ち上がるが、郷野は左フックと左ボディ、そして飛びヒザ蹴り! 完全に郷野がスタンドでペースを掴む。郷野は辛拉麺にローを蹴らせて、そこに飛び込むような左フック。この左フックで辛拉麺を下がらせると、郷野はサウスポーに構えをスイッチして左の前蹴り! これが
辛拉麺のボディに突き刺さる。そして辛拉麺がロープを背負ったところで左ハイキック!
これで辛拉麺をぐらつかせると左の飛びヒザ蹴りを放つ! ここから郷野は辛拉麺をコーナーに詰めて左のボディ、ヒザ蹴りと怒涛の連打!
辛拉麺がパンチを打ち返しても、それをしっかりと空振りさせて、辛拉麺に圧力をかけ続ける。そして再び辛拉麺をコーナーに詰めると左ボディ、左フック、ヒザ蹴り!
辛拉麺のヒザ蹴りがローブローとなり、試合が一時中断されるも、郷野はジャブから右ロー。そして両足タックルで辛拉麺をテイクダウン。ここで試合終了となった。判定は3−0で郷野。完勝で約2年ぶりの勝利を手にした。
試合後、マイクを持った郷野は「自分はUFCでやっていて、ずっと英語を勉強してました。UFCは失敗したけど、ここで英語でダン・ホーンバックルでメッセージを送りたいと思います」と前置きして、流暢な英語でホーンバックルにメッセージ! ホーンバックルとの再戦をアピールした。
▼第3試合 戦極フェザー級ワンマッチ 5分3R
○マルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァウニオン/初代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト)
KO 1R2分33秒 ※右フック
●星野勇二(和術慧舟會GODS)
初代ケージフォースフェザー級王者にして、日本フェザー級屈指の実力者である星野が戦極に初参戦。フェザー級GPでは惜しくもベスト4で敗退したものの、出場外国人選手の中では最強の呼び声も高かった第2代フェザー級キング・オブ・パンクラシストのサンドロに挑む。
1R、ジャブで前に出る星野に対し、サンドロは右ロー。星野はタックルのフェイントから左フック、前後にステップして細かくフェイントを入れる。サンドロはじりじりと圧力をかけて、星野にコーナーを背負わせると、右ストレートからパンチで飛び込む。
ここから組みの攻防になるが、どちらもテイクダウンすることなくブレイクとなる。再開後、星野の左の前蹴りにサンドロが右フック! 星野もそこにカウンターの左フックを合わせる。
距離が開くと、サンドロは再び星野にコーナーを背負わせて左フックから飛び込む。ここで先ほどと同じように組みの攻防になるが、どちらも腰が強く倒れない。ブレイクで試合がスタンドに戻ると、右のローを蹴る星野にサンドロが右ストレート。
そのまま距離を詰めると星野のガードの間に右アッパー! これで星野の顔が跳ね上がったところに強烈な右フック! これが星野の顔面を打ち抜き、星野がそのまま後方にバッタリ! サンドロが強烈なパンチで星野をマットに沈めた。試合後、マイクを握ったサンドロは感謝の言葉を述べると「もう一度、チャンピオンになりたい。そのチャンスが欲しい」とフェザー級王座への挑戦をアピールした。
▼第2試合 戦極ヘビー級ワンマッチ 5分3R
○デイブ・ハーマン(アメリカ/F1 Fight Team/Nashville MMA)
KO 1R2分25秒 ※グラウンドでのカカト落とし
●BIG・ジム・ヨーク(ニュージーランド/Team BIG JIM)
今年1月に戦極初参戦を果たしたハーマンは練習パートナーがおらず、一人で練習していたにも関わらず総合無敗を誇っていた“最強のエア格闘家”。しかし戦極でチェ・ムベに敗れて、初敗北を喫したことをきっかけに、トレーナーをつけて本格的に練習を開始。今回の試合で戦極初勝利を目指す。
対するヨークは戦極を主戦場とするお馴染みのヘビー級ファイターだ。
1R、サウスポーのハーマンに対し、ヨークが左フックで突進。
ハーマンはそこに組み付いて、ヨークの体をコーナーに押し込むと、ヨークからテイクダウンを奪う。
しかしすぐにヨークも立ち上がり、試合をスタンドに戻すと、ハーマンの左ミドルをブロックしながらパンチで前進。ハーマンが首相撲に持ち込もうとすると、ヨークはクリンチアッパー、テイクダウンを奪う。するとここでヨークがハーマンの足をキャッチして足関節!
この意表をついた攻撃に驚きの声が上がるが、ハーマンはそれをディフェンスしつつ、ヨークの顔面にカカト落としを連打! これがヨークの顔面をとらえ、ヨークの動きが止まる! ハーマンが体を起こしてパンチを落としたところでレフェリーが試合をストップ! ハーマンがグラウンドでのカカト落としでヨークをKOするという衝撃的な勝利を挙げた。
試合後、マイクを握ったハーマンは「どうもありがとう。強い相手と前に出ていい試合が出来てよかった。また戦極に帰って来たいと思う」とファンに戦極再出撃を誓った。
▼第1試合 戦極フェザー級ワンマッチ 5分3R
○ロニー・牛若(イギリス/チーム・トロージャン)
判定3−0 ※30−30(牛若)、30−29、30−28
●大澤茂樹(吉田道場/戦極育成選手)
レスリングで輝かしい実績を残し、戦極育成選手として総合格闘家に転身。ここまで戦極では4戦4勝の成績を残す大澤が遂に本戦デビュー。フェザー級GPにも出場した牛若を相手にどんな試合を見せられるか?
1R、サウスポーの大澤に対し、じりじりと圧力をかけていく牛若。大澤が右フックで飛び込むと、そこに牛若は右ストレートを合わせる。コーナーに詰められた大澤だったが、牛若に組み付いてテイクダウンを狙う。ここで牛若が上手く大澤の体をコントロールして、大澤のバックに回り込む。
しかし大澤は牛若の体を前に落とすようにして、グラウンドで上のポジションを取る。インサイドガードから体を起こしてパンチを落とす大澤。牛若は大澤の体をホールドしてそれを阻止する。
2R、ここも互いに距離を探り合う両者。牛若が右ミドルを蹴れば、大澤も左ミドルを返す。右ミドルから右ストレートを打つ牛若。大澤はそこにカウンターのタックルを合わせてテイクダウンを奪う。ここで体を起こそうとする牛若だったが、大澤は牛若の頭をがぶるようにしてコントロール。
牛若の顔面に鉄槌を落とす。しかし牛若も大澤の体を振って立ち上がり、スタンドの攻防に戻す。じりじりと圧力をかけて前に出る牛若。今度は牛若が大澤の左ストレートにタックルを合わせて、ロープ際でテイクダウンを奪う。
ここから牛若がパンチを落としつつ、大澤のバックに回り込もうとするが、大澤は牛若の体をバスター! 豪快にマットに叩きつけるが、牛若はポジションをキープする。
3R、大澤のインローを受けて、牛若が右ハイキック。牛若が右ストレートで前に出ると、大澤はバックステップでそれをかわす。大澤は距離を取ってインロー。
牛若は大澤をロープまで下がらせて右ハイキック、右ストレートを放つ。ここでレフェリーは膠着を誘発したとして大澤に口頭注意。再開後、牛若が右のヒザ蹴りを放つと、大澤はそれをキャッチしてテイクダウン。
インサイドガードで牛若を押さえ込みつつ、細かくパンチを落とす。すると今度はガードポジションで膠着を誘発したとして、牛若に口頭注意が与えられ、ブレイクとなる。再開後、左ストレートで前に出る大澤。牛若は大澤の左ミドルに右ストレートを合わせる。
大澤が圧力をかけて前に出ていくと、牛若がカウンターのタックル。テイクダウンを奪うことに成功するが、牛若がバックを取ろうとしたところで、大澤が牛若の体を豪快に持ち上げてテイクダウンを奪う。
最後は大澤がグラウンドで上を取ったところで試合終了となった。判定は3−0で牛若。大澤は本戦の初陣を飾ることは出来なかった。
▼オープニングファイト バンタム級 5分2R
○RYOTA(キングダムエルガイツ)
一本 2R1分06秒 ※アームロック
●矢島雄一郎(禅道会総本部/チームZST)
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