B-FAMILY NEO
「Muay Thai WINDY Super Fight Vol.2」
2010年3月14日(日)東京・新木場1stRING
開場17:00 開始17:30
写真&レポート:鈴木雄一郎
▼メインイベント(第8試合) 59kg契約 3分5R
○シーサイアム・エクシンデコンジム(タイ)
判定2-0 ※49-48、49-48、49-49)
●祥汰(祥龍館Team S.R.K. ver Wolf)
前回、同興行でメインを飾り、ヨーユットを迎え撃った祥汰。初のムエタイの壁に挑戦する一戦となったが、蓋を開けてみれば序盤にヒジで切り裂かれ、ミドルやヒザで苦しめられ、ムエタイの壁が厚いことを身をもって思い知らされることとなった。
今宵ムエタイの壁に再挑戦する祥汰と対するは、現役のムエタイ戦士シーサイアム・エクシンデコンジム(タイ)。戦績こそ浅いが、現役ムエタイ戦士であることに変わりはない。
1R、開始早々、右ローや右ミドルを打ち分けていく祥汰。これに対して、回転の速いワンツーを仕掛けていくシーサイアム。
左フックから右ローとつないでいくところに、祥汰は右ストレートを合わせてシーサイアムのアゴをとらえる。
しかし当たりが浅く決定打には至らず。祥汰が右ミドルに、シーサイアムはすかさず左ストレートを返す。祥汰の左ローにカウンターで右フックを合わせるシーサイアム。
2R、踏み込んで右ローを出す祥汰。更に左ローも追撃。祥汰の左ミドルに左ストレートを合わせ応戦するシーサイアム。
やがて首相撲へと持ち込まれ、シーサイアムがヒザを叩き込み、防戦となっていく祥汰。
しばらく間合いを図る展開となっていくが、終盤にはロープ際で首相撲からヒザの展開が続く展開となっていく。
3R、いきなり飛び込んで祥汰の頭上に右ヒジを落とし込んでいくシーサイアム。ヒジ狙いにしたのか、祥汰の右ミドルをキャッチして右ヒジ!しかし祥汰はこれを紙一重でかわす。だが、その後に、シーサイアムの右の縦ヒジで祥汰のこめかみ付近をカット。
ドクターチェックへとなるが再開となる。再開直後、シーサイアムは左ストレート、左ミドルとつなげ、祥汰をコーナーにつめてワンツーを叩き込んでいく。
4R、序盤から首相撲からヒザの展開が続いていく中で、シーサイアムは右ヒジで祥汰を切りにかかる。祥汰の右ローに、シーサイアムはワンツー、左ストレートを返す。距離をとって祥汰は左ミドルを出していくが、シーサイアムがこれをキャッチしコカす。その後左ミドルを出しながら距離をとるシーサイアムに左フックを当てていく祥汰。
5R、3、4Rに続き、ヒジ狙いのシーサイアム。いきなりバックヒジを仕掛けるが、きっちりガードして右ミドルを返す祥汰。シーサイアムがロープを背負ったところに右ハイを出す祥汰だったが、スウェーでかわされてしまう。このRは前蹴りを多く使っていくシーサイアム。
祥汰のジャブに前蹴りを合わせ、更に左ミドルを追撃するシーサイアム。その後も前蹴りから左ミドルと、同じパターンで攻めていくシーサイアム。ロープ際で首相撲の取り合いとなって試合終了のゴング。
判定の結果、2-0でシーサイアムに軍配が上がることとなった。ジャッジ二者いずれも差は1ポイントという僅差であったが、やはりムエタイの壁に挑戦するには早すぎる感は否めなかった。
▼セミファイナル(第7試合) 61kg契約 3分3R
○ヨーユット(タイ/B-FAMILY NEO/元ルンピニースタジアム認定フェザー級4位)
判定3-0 ※30-27、30-26、30-27
●ダイナマイト柿崎(ドラゴン)※デビュー戦
前回も同興行に参戦したヨーユット。新進気鋭の祥汰(Team
S.R.K ver WOLF)と対戦するも、序盤にヒジで切り裂き、ヒザやミドルで試合をコントロールし、終始主導権を握った状態で完勝している。
祥汰に続きヨーユットへの挑戦に名乗りを挙げたのは、アマチュアで10戦10勝(10KO)というパーフェクトレコードを保持するダイナマイト柿崎(ドラゴン)。なんと柿崎はこの試合がプロデビュー戦なのだという。デビュー戦で“日本人キラー”ヨーユットに勝利するとなったらこれは大事件である。果たしてその結末はいかに?
1R、落ち着いた立ち上がりの中、ヨーユットはジャブを突いて、足払いで柿崎をコカす。距離をとって柿崎が左フックを仕掛けるが、ヨーユットも左フックを返す。前蹴り、右ミドルを単発で出していくヨーユットに、柿崎はジャブでタイミングを掴もうとするが、そのジャブに合わせてテンカオを出すヨーユット。終盤にヨーユットは左フックで柿崎からダウンを奪う。
2R、開始からワンツーを出し、右ローを出しながら突っ込んでいく柿崎。打って来い!と言わんばかりにオープンガードで構えるヨーユット。
そのヨーユットは鋭いテンカオや左ミドル、右ストレートと、単発だった1Rとは対照的に、コンビネーションを出してくる。牙をむき始めてきたヨーユットに、徐々に引き気味になっていく柿崎。それでもステップしてジャブをつく柿崎だが、なかなか踏み込んでいけない。
3R、小刻みにステップを踏み、余裕をちらつかせるヨーユット。ジャブを出しながらヨーユットとの間合いを詰めていく柿崎。ヨーユットもジャブを出し始め、ジャブの差し合いとなっていく。
ジャブ、右ストレートを出すヨーユットは、軽い足取りでステップを踏みながら右ミドルを出す。依然としてオープンガードのヨーユットは、ノーモーションで左ミドル、左フックを出していく。押されていく柿崎だが、ジャブをついてステップして右ストレートを出していく。しかし、ヨーユットが右フック、右アッパーを返して試合終了のゴング。
判定は、ダウンを奪うなどしてフルマークでヨーユットが圧勝。柿崎に何もさせずに終始主導権を握る“独り相撲”で圧勝する形となった。
▼第6試合 ジュニアファイト 35kg契約 2分5R
○那須川天心(K-RIVER/極真空手世界ジュニア大会優勝)
判定3-0 ※50-48、50-48、50-46
●大田原虎仁(B-FAMILY NEO/TRIBELATE&Muay Thai WINDY Super Fight&カミナリモン35kg級王者)
ジュニアクラス最多のタイトル3冠王を成し遂げ、名実共に最強の称号を手中に収めている大田原。
一方、那須川は極真空手世界王者。那須川は100戦のキャリアを誇り、その中で、敗北を喫したのはわずか4回。ムエタイ王者vs空手王者という王者対決となり、ここにジュニア最高峰のカードが実現。
入場から互いの声援が飛び交い、大田原は静かに入場する中で、那須川は自らに気合いを入れ、雄叫びをあげての入場となった。
1R、序盤は互いに様子見といったところか、出方を探っているようだった。先に大田原が右ハイを仕掛けると、前蹴りから右ローを返す那須川だが、大田原はすかさず左ローを打ち返す。
前に出る那須川は左右ローを打ち分け、更に右フックをフルスイングで出すが、大田原はこれをしっかりとガード。やがて首相撲からヒザの展開へとなっていき、互いにヒザの応酬へとなっていく。
2R、先手を仕掛けたのは大田原。ジャブで牽制すると、そこから突っ込んで右ミドル。そこへ右ローを追撃する大田原だが、カウンターで右フックを合わせる那須川。
更に右フック、左ストレート、左ハイと鮮やかなコンビネーションをつないでいく。序盤で見せたジャブから右ミドルを出す大田原。これに那須川はワンツー右ローで応戦。
3R、大田原が左ローと右ローを打ち分けていくが、那須川は右に回り込んで右ローを返して首相撲へと持ち込む。もみ合いとなり、ブレイクがかかって間もなく、大田原が右ストレート、右ミドル、首相撲からヒザを出していく。那須川も首相撲で応戦し、互いに一歩も退かない。大田原の右ミドルに合わせて左アッパーを返す那須川。
ジャブを突き、左ストレート、左ミドルと那須川は手を休めない。会場内から凄まじい天心コールが響き渡り、大田原陣営の声援をかき消す程だ。
4R、開始から首相撲からヒザの応酬が続くと、今度はローやミドルの応酬となっていく。那須川が距離をとりながら左ミドルを出すと、大田原は右ミドルを返して首相撲からヒザへと持ち込んでいく。互いに仕掛ければすかさず返す。まさに一進一退の攻防となっていく展開となった。
5R、ゴングが鳴ると同時に那須川が猛追をかけて首相撲からヒザを仕掛けてくる。那須川がジャブから左ミドルとつなげば、大田原もジャブから左ミドルと同様の展開を見せる。
大田原がワンツーを仕掛けてくるのを那須川がうまく捌いて左ミドル、左ストレート、首相撲からヒザをつなげていく。残り10秒のコールがなされると、両者は足を止めてリング上で壮絶な打ち合いを展開。会場内が興奮の坩堝と化したところで試合終了のゴングが響き渡り、勝敗は判定へと委ねられることとなった。結果、那須川がフルマーク判定で大田原を破り、リベンジを果たした。
2分5Rという試合設定で行われた一戦。一般のアマチュアはおろか、プロ選手でもそう戦い抜けるものではないはずだ。スタミナが心配される中で、両者はスタミナ切れを見せずに戦い抜いたことには脱帽…その一言に尽きる。
「これぞジュニアの試合」と思わせるにふさわしい内容であった。ジュニアの試合で会場内が揺れた現実を目の当たりにし、今後のジュニアクラスの戦いに対する更なる期待を寄せることができそうだ。
▼第5試合 55kg契約 3分3R
天野祐一郎(東京KBA)
KO 2R2分59秒 ※右ヒザ
●渡辺紀夫(BFN)
▼第4試合 70kg契約 3分3R
○HAJIME(GOOL'D' RICH 旭)
判定3-0 ※三者共に30-28
●三澤ケイ・リバー(K-RIVER)
▼第3試合 51kg契約 2分3R
△カノム・シッソー(フリー)
ドロー 1−0 ※30-29、30-30、30-30
△トモコSP(WSRフェアテックス)
▼スペシャルエキシビションマッチ ※判定あり
△大田原友亮(B-FAMILY NEO/サマーパンムエタイスタジアム90ポンド級王者)
ドロー 判定1−0 ※20-19、20-20、20-20
△白岩よしや(ドラゴン)
▼第2試合 65kg契約 3分3R
○佐藤 翼(ドラゴン)
KO 1R1分15秒 ※右ストレート
●栗原利彰(BFN)
▼第1試合 アマチュアファイト 2分2R
○扇 孝行(フリー)
判定3-0 ※20-18、20-18、19-18
●HITOSHI(祥龍館)
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