DRAGON GYM
「BREATHLESS MUAYTHAI 6」
2010年7月18日(日)宮城・ZEPP SENDAI
開場17:00 オープニングファイト開始17:15
▼メインイベント(第12試合)バンタム級 3分3R
○若山龍嗣(DRAGON)
判定2−0 ※30-29、29-29、29-28
●ハリィ永田(はまっこムエタイ)
「ブレスレスムエタイ6」メインにはドラゴンジムの名勝負男・若山龍嗣が登場。戦績こそ8戦3勝4敗1分(1KO)と負けが先行する若山だが、うち2敗はタイで南部王者などムエタイ戦士に喫したもの。
アウェーの地で格上強豪との対戦にもひるまぬハートに、地元での初メイン、さらには今大会で引退を飾った先輩・小野寺紘也から魂のバトンも託され、名勝負男が燃えるにはこれ以上ない条件が揃った状態でリングへ向かう。
入場時には引退試合を終えたばかりの小野寺をはじめ、ドラゴンジム勢が総出でバックを固め、若山をサポートする。対するハリィは“ハマのマリンタワー”の異名を持つ175cmの長身選手。身長を活かした打ち下ろしのストレートとヒザ蹴りで、13cm差の若山(身長162cm)に襲い掛かる。
1R、まずは若山が勢いを発して向かい、パンチと右ローで攻勢。長身のハリィに対し臆するところがない。距離が詰まって首相撲に捕まりそうになると、若山は腰に抱きつき展開を与えない。
ならばとハリィは中盤からテンカオを出し始め、これを中間距離から入ってくる若山のボディに見舞っていく。そしてこれに手応えを得ると、ハリィは表情に自信を増し前に出ていく。しかし終盤は若山もこのテンカオに対して左右のフックを合わせて振るい、マリンタワーを揺るがしラウンドを終える。
2Rも1Rに生まれた、パンチの若山vsヒザのハリィの図式は変わらない。ハリィはどんどん前に出て、テンカオを若山に見舞っていく。クリンチ、プッシング、合わせてのパンチで対抗する若山だが、ハリィの前進・圧力が上回り下がらされる。2Rはハリィのラウンドか。
最終3R、2Rの劣勢を感じ取り、若山は開始からすぐ前へ出る。入魂のローを打ち込み、テンカオにはロングフックを合わせる。
ハリィが首相撲を狙ってきても胸元をプッシングし、再びローキック。さらにストレート、左右フックで押していく。名勝負男の本領発揮で、ハリィのヒザ狙いを分断し、気迫のパンチで下がらせて試合終了。
ジャッジは30-29、29-29、29-28と2人が若山を支持して判定勝利。初メイン、そして先輩・小野寺の引退興行を勝利で飾り安堵した表情の若山を、ジムメイトたちが祝福した。
▼セミファイナル(第11試合)スペシャルエキシビジョンマッチ 2分2R
−村上リエ(DRAGON/J-GIRLSライト級&WPMO世界女子ライト級王者)
※エキシビジョンのため勝敗なし
−佐々木 仁子(チームドラゴン/初代J-GIRLSフェザー級王者)
ライト級無敗の女王・村上と、フェザー級最強女王の佐々木。ともにJ-GIRLSでベルトを巻く、両者による顔合わせがエキシビジョンで実現した。
初回、サウスポーの村上は佐々木の右ローをすかして左ミドル。前に来る佐々木にバックステップして間合いを詰めさせず、右ミドル、前蹴りも見舞っていく。そして佐々木の意識が下に落ちるとストレートを繰り出しヒット。1Rは172cmの村上が、158cmの佐々木に対し距離取りで上回る形で終了する。
迎えた2R、村上は再び距離を開けミドルとストレートで展開せんとするが、佐々木は前進を強めミドルを浴びるとすぐに右インローをリターン。ガードを固めて圧力を強め、村上のパンチを弾くとさらに右ローを繋げ、村上の内股を赤く腫れ上がらせる。終盤は両者拳を振るって打ち合いを繰り広げ、2分2Rの攻防を終了。エキシビジョンという形ではあったが、ともに相手の持ち味を崩さんとする見応えある攻防を展開した。
両者は8月12日にバンコクで行われるタイ王妃誕生記念イベントで、揃ってタイトルマッチに挑むことが決定。村上は試合後マイクを持つと、「いい報告ができるよう頑張ります」と仙台のファンにベルト奪取を誓っていた。
▼第10試合 小野寺紘也引退試合 フェザー級 3分3R
○小野寺紘也(DRAGON)
KO 2R1分52秒
●左馬之助(峯心会)
ドラゴンジムの中心選手として活躍した小野寺紘也の引退試合。19歳でドラゴンジムに入門した小野寺は全日本キックにも参戦し、戦績23戦11勝11敗1分(5KO)。
25歳とまだ若い小野寺だが新たな道へ進むことになり、引退試合を行うこととなった。対戦相手は長野・峯心会の左馬之助。アマチュアで40戦以上の経験を持ち、プロでも4戦のキャリアを踏む侮れない相手だ。
初回、サウスポーの小野寺は左ローを主軸に攻撃を展開。左ミドルも打ち込みそこから連係して左ロー、馬之助の右ミドルにすぐさまリターンしての左ローと、次々に右足をとらえ相手の機動力と戦意を奪っていく。
1Rで足を殺すのに成功した小野寺は、2Rに入るとミドル・パンチと攻撃を散らし、最後はロープ際に詰まった馬之助に左ストレートからパンチのラッシュを浴びせて大の字にノックアウト。キャリア最終試合を勝利で締めくくった。
続いて迎えた引退セレモニーで、小野寺はまず観客や会長に感謝を伝え、これから試合に臨む同門の村上リエと若山龍嗣にそれぞれエールを送り、自分のことより仲間を押し出さんとするマイクに人柄がしのばれ感動を呼んだ。
最後も退場する小野寺に、応援へ駆け付けた観客が多数握手を求めに集まり、小野寺の新しい門出を祝していた。
▼第9試合 ウェルター級 3分3R
○佐々木 道(闘鶏ジム)
KO 3R2分40秒
●ヤスタカ・ペタス(バングリングベイスピリット)
地元七ヶ浜町出身のヤスタカには、客席から野太い応援の声。さらにセコンドからは、仙台でのバイクレースを終え駆けつけたニコラスが真っ赤に日焼けした顔で指示を飛ばす。ここまで3戦3敗と勝ち星のないヤスタカは是が非でも勝利したいところだったが、佐々木がサウスポーから繰り出す左のパンチと蹴りに苦戦。さらに首相撲でのヒザにも削られ、最後はそこからのラッシュでスタンディングダウンを喫し、そして左ストレートで2度目のダウンを奪われKO負けとなってしまった。
▼第8試合 52kg契約 3分3R
○MITSUKI(DRAGON/J-GIRLSフライ級5位)
判定2-0 ※30-28、30-29、30-30
●カノム・シッソー(フリー)
宮城県出身のMITSUKIと、岩手県出身のカノムによる東北対決。MITSUKIはストレートとミドルを放ちながら前進してのファイトを展開。カノムはこれにバックステップしていき、間合いを保って対応する。MITSUKIに距離を詰められると組んでのヒザ。カノムが巧くさばいているようにも見えたが、MITSUKIの前進は止まらない。最終3Rには鼻から出血したMITSUKIだが、パワフル&アグレッシブにカノムを押し切り試合終了。前に出る姿勢が支持を受け、2-0の判定勝ちを果たした。
▼第7試合 64kg契約 3分3R
○モニカ(DRAGON)
判定3-0 ※30-27、30-27、29-26
●小澤聡子(チームドラゴン/J-GIRLSフェザー級6位)
両者は昨年12月にJ-GIRLSで対戦。ヒザのモニカvsパンチの小澤という図式になり、結果はドロー。7ヵ月を経て今回は首相撲ありのキックルールで再戦となる。1R、184cmと長身のモニカは右ミドルを蹴っていくが、161cmの小澤はこれを受けるとすぐに左ローをリターン。この攻撃で足を効かせ、モニカが首相撲に来てもプッシュして押し戻す。
しかし2Rに入るとモニカの前進&首相撲戦法が小澤をとらえるようになり、ヒザを集めていく。3R、ヒザからの攻勢でスタンディングダウンを奪ったモニカは、最後も正面からの打ち合いに応じ、小澤を後退させて試合終了。堂々の、そして嬉しい初勝利を上げた。
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