Zuffa
「UFC121　LESNAR VS VELASQUES」
2010年10月23日（土）アメリカ・アナハイム　ホンダセンター
※今大会の模様は10月25日（月）23：00よりWOWOWにて放送
リピート放送は10月29日（金）午前6：00

＜主な試合結果＞

▼メインイベント（第11試合）ヘビー級タイトルマッチ　5分5R
○ケイン・ベラスケス（アメリカ/挑戦者）
TKO　1R4分12秒　※レフェリーストップ
●ブロック・レスナー（アメリカ/王者）
※ベラスケスが新王者に就く。

　約1年ぶりの復帰戦でシェイン・カーウィンを下して王座防衛に成功したレスナーが早くも3度目の防衛戦を迎えた。挑戦者はMMA戦績8戦8勝・UFC戦績6戦6勝のパーフェクトレコードを誇るベラスケス。今年2月にはアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラから完璧なKO勝利を収めている。

　1R、いきなりレスナーが胴タックル！　ベラスケスはそれを切るが、レスナーは飛びヒザ蹴りからすぐに組み付く。レスナーの体を突き放し、細かくパンチを当てるベラスケス。レスナーは豪快なタックルでベラスケスをテイクダウンするが、ベラスケスはすぐに立ち上がる。片足タックルでベラスケスを金網まで押し込み、両足タックルでテイクダウンするレスナー。ベラスケスは背中を見せるようにして立ち上がり距離を取る。

　ベラスケスはじりじりと前に出てレスナーのジャブにカウンターのジャブ。そして片足タックルに入ると、レスナーの脇を潜るようにして見事なテイクダウンを奪う。レスナーはベラスケスのパンチをもらいながら立ち上がる。そこにベラスケスのパンチが当たり、レスナーがバランスを崩す。一気にパンチをまとめるベラスケス！　サイドポジションで上になったベラスケスは顔面にパンチとヒジ打ちを落とす！　

　レスナーも金網を蹴ってイノキ・アリ状態に戻すが、ベラスケスはニーオンザベリーからパンチとヒジ打ちを連打！　何とか立ち上がったレスナーだったが、そこにベラスケスがアッパーを突き上げると、再びレスナーが崩れ落ちる。ベラスケスが一気にパンチを落としたところでレフェリーが試合をストップ！　ベラスケスがレスナーを下し、無敗のままUFCヘビー級の頂点に立った。

▼セミファイナル（第10試合）ウェルター級　5分3R
○ジェイク・シールズ（アメリカ/元ストライクフォース世界ミドル級王者）
判定2−1　※28−29、30−27、29−28
●マーティン・カンプマン（デンマーク）

　非UFCにおけるウェルター級の最後の大物シールズが遂にUFCに初参戦！　マイク・パイル、ニック・トンプソン、ポール・デイリー、ロビー・ローラーに一本勝ちし、階級を上げたミドル級でもジェイソン“メイヘム”ミラーとダン・ヘンダーソンを撃破。大きな期待を受けてのUFC登場となる。UFC戦績8勝2敗という安定した実力を持つカンプマンを相手にシールズはどんな試合を見せられるか？　シールズにはニック・ディアスやギルバート・メレンデスといったニホンでもおなじみのファイターたちがセコンドについた。

　1R、自らプレッシャーをかけて前に出るシールズは左ミドルを蹴る。そして左右のパンチでカンプマンを金網まで押し込むと、そこから両足タックル！　カンプマンをオクタゴン中央でテイクダウンする。カンプマンは体を起こして立ち上がろうとするが、シールズはそれを寝かせてハーフガードで上になる。カンプマンの右脇を差してがっちりと上体を固めるシールズは、自分の左足を抜いてパスガード、そしてマウントポジションに移行する。

　しかしカンプマンもブリッジを効かせて、ここから脱出。スタンドに戻すことに成功するが、シールズはすぐにカンプマンを金網まで押し込み、両足タックルでテイクダウンを狙う。それを切って四つ組みの状態まで戻したカンプマン。首相撲のような形からシールズのボディにヒザ蹴りを入れて、完全に距離を取る。パンチで前に出て行くカンプマンに対し、シールズはジャブとインロー。シールズがタックルを仕掛けるが、カンプマンはそれを切る。残り10秒、シールズはパンチからタックルでカンプマンを金網まで押し込む。

　2R、シールズはジャブと右ロー、そして左ミドル。そこからのタックルは切られるものの、そのまま四つ組でカンプマンを金網まで押し込む。カンプマンは体勢を入れ替えて、首相撲からヒザ蹴り！　これをもらうシールズだったが、片足タックルでカンプマンに組み付いてテイクダウンを奪う。再びトップポジションを取ることに成功したシールズだったが、カンプマンもギロチンチョークを狙いながら立ち上がり、シールズの首を抱えてヒザ蹴り。

　ここでもシールズはしつこい片足タックルでカンプマンをテイクダウンし、サイドポジション、マウントポジション、ハーフガードで上になる。残り1分、シールズがマウントポジションをキープ。カンプマンは自分の足を入れて立ち上がる。カンプマンがシールズを金網まで押し込むが、ここでブレイクとなる。再開後、シールズが左ミドルを蹴り、カンプマンが左のパンチを返す。

　3R、シールズはローと左ミドル、片足タックルでカンプマンに組み付く。カンプマンはそれを切って左ハイキック。組み付こうとするシールズに首相撲からヒザ蹴りを飛ばす。さらにカンプマンはシールズのタックルを切って、立ち上がり際に右ハイキック。カンプマンのプレッシャーを受けて下がるシールズは片足タックルに入るもテイクダウンは出来ない。

　ここからシールズはカンプマンに背中を見せるように亀になり、そこから再び片足タックル。カンプマンはそれを切りながらアナコンダチョークを狙い、シールズが引き込むようにグラウンドで下になる。しかしシールズはカンプマンの脇を差してトップポジションを奪い返すことに成功！　シールズはサイドポジションでカンプマンを押さえ込み、カンプマン立ち上がろうとしたところでバックへ！　しっかりポジションをキープし、細かくパンチとヒジ打ちを入れる。

　2Rにカンプマンのヒザ蹴りをもらう場面があったシールズだったが、持ち前の粘り強いテイクダウンとポジションキープでスプリット判定ながらカンプマンを撃破。UFC初戦を勝利で飾った。

▼第9試合　ウェルター級　5分3R
○ディエゴ・サンチェス（アメリカ）
判定3−0　※30−26、29−28、29−28
●パウロ・チアゴ（ブラジル）

　昨年12月にBJ・ペンにTKOで敗れ、ウェルター級に階級を戻したサンチェスだったが、その初戦でジョン・ハサウェイに判定負けを喫した。対するチアゴも前回の試合ではマーティン・カンプマンに敗れており、共に再起を賭けての一戦となる。

　1R、サウスポーのサンチェスは左右のサイドステップして右フック。チアゴは前に出ながら右ストレートを返す。ジャブと右フックで前に出るサンチェスに対して、チアゴは下がりながら左フックを返す。サンチェスは構えをスイッチしてワンツー！　チアゴもすぐに右ストレートと左フックを返す。ここでサンチェスがタックルからテイクダウンを狙うが、チアゴはそれを切ってフロントチョーク。サンチェスが四つ組でチアゴを金網に押し込み、互いにテイクダウンを狙う展開となるが、距離が離れてスタンドに戻る。

　そしてチアゴが右ストレートからサンチェスに組み付いて、そのままテイクダウン！　サンチェスは脇を差して立ち上がろうとするが、ここでチアゴがアナコンダチョーク！　しかしサンチェスもすぐにそれに反応し、ディフェンスをしながら立ち上がる。

　サンチェスが左ストレートから右ボディ、左右のストレートでチアゴを金網まで押し込む。ここでサンチェスは両足タックル、片足タックルでテイクダウンにトライ。チアゴはそこにフロントチョークを狙いつつ、離れ際の右ハイキックからパンチの連打！　サンチェスはそれをブロックしてアッパーを突き上げる。

　2R、構えをオーソドックスにスイッチするサンチェス。チアゴはワンツーで前に出てサンチェスを下がらせる。再び構えをサウスポーに戻したサンチェスは左右のパンチからタックル。そのままチアゴを金網まで押し込むがチアゴは倒れない。しかしサンチェスはしつこくチアゴを追い掛けて、グラウンドでトップポジションを奪うことに成功する。

　ハーフガードからアームロックを狙うチアゴ。自分の足でサンチェスの体をまたぐようにして腕を極めようとするが、サンチェスは立ち上がってそれをディフェンスする。ここでチアゴはガードポジションからサンチェスの体を巴投げのようにしてスイープを狙うが、サンチェスはすぐに体を起こしてチアゴに両足タックル！　そのままチアゴの体を豪快に持ち上げてテイクダウンを奪う。

　チアゴは下からサンチェスの足を取ってタックルで立ち上がろうとするが、サンチェスはそれを潰してバックからパンチを落とす。チアゴはサンチェスの体を前に落として、パンチから右ハイキックを蹴る。

　3R、パンチからタックルに入ったチアゴだったが、サンチェスにそれを切られると自らハーフガードで引き込んでしまう。ここからアームロックを狙うチアゴだったが、サンチェスはそれを潰してチアゴのバックに回り込む。動きが止まるチアゴにサンチェスはパンチとヒジ打ち。必死にポジションを返そうとするチアゴだが、サンチェスはそれを押さえ込んでパンチを落とす。

　サンチェスの体を振り落として立ち上がりかけたチアゴだったが、サンチェスはすぐにチアゴに覆い被さってトップポジションをキープする。チアゴは下から足関節を狙うが、これも外されて再びサンチェスがバックポジションへ。ここでチアゴはサンチェスの体を前に落として起死回生のアナコンダチョークを仕掛けるが、サンチェスはこれもディフェンスする。そしてサンチェスはインサイドからパウンドとヒジ打ち！　最後はマウントポジションを奪って怒涛のラッシュを仕掛けた。

　1Rこそチアゴにテイクダウンを奪われたものの、2・3Rは確実にトップポジションをキープしたサンチェスがチアゴを下した。

▼第8試合　ライトヘビー級　5分3R
○マット・ハミル（アメリカ）
判定3−0　※29−28、29−28、30−27
●ティト・オーティズ（アメリカ/元UFC世界ライトヘビー級王者）

　元ライトヘビー級王者で人気ファイターでもあるティトだが、最後の勝利は2006年10月のケン・シャムロック戦。そこから4年間は1分3敗と結果が出ていない。逆に対戦相手のハミルは2008年9月にリッチ・フランクリンに敗れて以来、4戦4勝と連勝街道を突き進んでいる。

　1R、低い構えからジャブを突いて前に出るティト。そこから左ハイキックを飛ばす。勢いよく前に出るティトに対し、ハミルもジャブや左フックのカウンター。さらにハミルはティトをテイクダウンし、サイドポジションでティトを押さえ込む。しかしティトもすぐに反転し、タックルの要領で立ち上がる。

　スタンドではティトがミドルとロー、左フックから右ハイキックを蹴る。ハミルもジャブとローを返していく。ティトはジャブで前に出てバックブロー、右フックを見せるが空振りに終わる。ハミルはティトのパンチをバックステップでかわしてジャブ、そして右フック。ハミルのジャブがティトの顔面を捉えたところでラウンド終了。

　2R、ティトはジャブ＆インロー。ハミルはジャブと左フックでティトを下がらせる。ハミルが右ストレートを打てば、ティトも右ストレート。ハミルはパンチから左ハイキック、右ローにつなげる。ハミルの右のパンチにタックルに合わせるティトだったが、ハミルはすぐに距離を取る。ティトは左右のフックからハミルの首をキャッチしてヒザ蹴り。ハミルはそれを外してジャブ、そして左ボディを打つ。

　互いにジャブとローを打ち合う展開が続き、ティトがハミルに金網を背負わせてヒザ蹴り。積極的に手を出すティトだったが、ハミルがカウンターのタックルでテイクダウンを奪う。ガードポジションになったティトは立ち上がろうとはせず、下からサブミッションを仕掛けるティト。しかしハミルがそれを潰してパンチとヒジ打ち。ティトは足関節も狙うが、逆にハミルが足を外してサイドポジションで押さえ込む。

　3R、ハミルが飛び込むような左フック。ティトのジャブをかわして右アッパーを狙う。ティトもパンチから左ハイキックや左ミドルを狙うが、ことごとくハミルにかわされる。ハミルはガードを高く上げて距離を取り、ティトが前に出てくるところにジャブを当てる。第7試合のシャウブVSゴンザガ同様に打ち合う展開はないまま時間が過ぎ、ポイントをリードしているハミルがティトをテイクダウン。ハミルがハーフガードからパンチとヒジ打ちを落とし、ティトがそれを受けながら下からパンチとヒジ打ち。ティトがハミルの脇を差して体を起こして立ち上がろうとしたところで試合終了となった。

　ティトの打撃をもらうことなく、全ラウンドでテイクダウンを奪ったハミルがティトに完勝した。

▼第7試合　ヘビー級　5分3R
○ブレンダン・シャウブ（アメリカ）
判定3−0　※3者とも30−27
●ガブリエル“ナパオン”ゴンザガ（ブラジル）

　過去にミルコ・クロコップをKOしたこともあるゴンザガ。しかしその後はランディ・クートゥア、ファブリシオ・ヴェウドゥム、シェイン・カーウィン、ジュニオール・ドス・サントスに敗れ、タイトル戦線からは遠ざかっている。対するシャウブはTUF10の出身で、現在は2連勝と波に乗っている。

　1R、じりじりと圧力をかけて前に出るゴンザガ。シャウブはそこに右ストレートを狙う。ゴンザガはジャブと右ロー。シャウブもジャブを返して、ゴンザガの右ローをキャッチしてテイクダウンを狙う。さらにシャウブはゴンザガのジャブに被せるような右ストレート！　ゴンザガもジャブから右のパンチを返すが、シャウブのコンパクトな右ストレートが当たる。ゴンザガはシャウブのジャブをかわして右ロー。さらにシャウブのジャブに合わせてタックルに入り、離れ際に右のヒジ打ちを狙う。

　互いにジャブを突く展開の中、シャウブはジャブから右ストレート。ゴンザガは右ローを返す。ゴンザガが左ハイキックを蹴ると、シャウブはそれをブロックして左ジャブ。そして近い距離でパンチの打ち合いになると、シャウブの右ストレートがヒット！　これでゴンザガが下がる！　シャウブはそれをジャブで追いかけて右アッパー、そして右フック！　これでゴンザガがダウン気味に尻餅をつくが、ラウンド終了のブザーが鳴らされた。

　2R、シャウブのジャブを受けて右ローを返すゴンザガ。しかしシャウブがそこに右ストレートを合わせて前に出る。こつこつと右ローを蹴るゴンザガだったが、シャウブがそれをしっかりとカットし、ゴンザガが後方に倒れる。そこにパンチをまとめるシャウブ。ゴンザガはすぐに立ち上がるが、自らが出す攻撃にことごとくカウンターを合わされて手数が圧倒的に減る。

　逆にシャウブは確実にジャブをヒットさせて、そこから右ストレート、右ボディストレート！　両腕ブロックで顔面を守るゴンザガにパンチから右アッパー、ヒザ蹴りと攻撃をまとめる。ジャブを基点に試合を作るシャウブ。ゴンザガもシャウブの右ストレートに右ストレートを合わせるが当たらない。シャウブがジャブからワンツーで前に出たところでラウンド終了となった。

　3R、ジャブ、左フックと左のパンチで試合を作るシャウブ。ゴンザガもジャブを返すが、シャウブはそれをヘッドスリップでかわしてジャブ、さらに左ボディを打つ。ゴンザガもシャウブのジャブに右フックを狙うが当たらない。

　ポイントでリードしたと判断してか、無理にはパンチで倒しにいかないシャウブ。しっかりと距離を取りながらジャブでゴンザガを近づけさせない。レフェリーからもっとアグレッシブに動くように注意が与えられるものの、展開は変わらず。時折、ゴンザガが飛び込むようなパンチを見せるが、シャウブはバックステップでそれをかわす。終了間際、シャウブがパンチで打ち合ってタックル。ゴンザガがバックに回り込むが、ここで試合終了。的確なジャブとカウンターでゴンザガをコントロールしたシャウブが判定勝利を収めた。