RISEクリエーション
「RISE 74」
2011年2月27日（日）東京・後楽園ホール
開場17：00　開始17：30

▼第10試合　バンタム級（-55.0kg）　3分3R延長1R
○Dyki（TARGET/同級1位・2009年 RISING ROOKIES CUPバンタム級準優勝）
延長R　判定2−1　※10−9、9−10、10−9
●前田浩喜（インスパヤード・モーション/WBCムエタイルール日本スーパーバンタム級1位・元ニュージャパンキックボクシング連盟バンタム級王者）
※本戦の判定は30−29、29−30、30−30

　寺戸伸近が保持するRISEバンタム級王座への次期挑戦者に最も近い男Dykiが、NJKFでチャンピオン経験のある前田と対戦。この試合に勝てば、タイトルマッチはほぼ確定となる。しかし、前田も11連勝を飾ったテクニシャンのサウスポー。一筋縄では行かない相手だ。

　1R、お互いの持ち味である蹴り合いからスタート。Dykiは徹底してローを蹴り、前田は高い位置を蹴る左ミドル。前田の左ミドルに必ず軸足蹴りを合わせるDykiは、左右フックを潜り込むようにして放つ。

　2R、Dykiが右ミドルからパンチでのインファイトを仕掛けて行くが、前田は左ミドルで突き放す。緊張感のある蹴り合いが続く中、Dykiのインローがローブローになって試合は一時中断。

　再開後、パンチで襲い掛かるDykiに前田の左フックがクリーンヒット！　一瞬怯んだDykiだが、すぐにローで仕掛ける。ワンツーを伸ばす前田は左ミドルでDykiを突き放し、Dykiは潜り込むようなパンチ。前田はヒザを突き上げて迎え撃つ。

　3R、お互いにミドルと右フック、ハイキックを打ち合う。Dykiが右ローを2連打、前田は左アッパーを2発返す。両者共にスピードのある蹴りとパンチを交錯させるが、決定打を奪えない。前に出るDykiがパンチで追い込めば、前田はジャンプしてのハイキック。両者譲らず、3Rを終えた。

　判定は1-1の三者三様でドロー！　延長戦へ突入する。前に出る前田が左ミドルを連発して行くと、Dykiは左ロー。この左ローに前田は片足を上げるが、すぐに前へ突進してパンチと蹴りでDykiをコーナーに詰める。Dykiも右ローで反撃。

　Dykiの右フックが前田を捉え、前田がロープ際へ吹っ飛ぶ。ここで前田につかんでのヒザ（反則）があり、イエローカードが提示される。

　一気に打ち合いを開始する両者。Dykiの左フック、右フックがそれぞれ前田を仰け反らせる。前田も左ミドルと左ストレートで猛追し、最後は激しい攻防となった。判定は2-1のスプリットデシジョンでDyki！　どちらが勝ってもおかしくない大接戦を僅かの差でDykiが制した。

▼第9試合　ヘビー級 3分3R延長1R
○上原 誠（士魂村上塾/同級1位）
KO　1R2分14秒　※右ローキック
●イ・ギファン（韓国/金海小龍/大韓ムエタイ協会ヘビー級3位）

　ヘビー級戦線で一歩抜き出ている上原が韓国の入れ墨獣を迎え撃つ。今回はヘビー級王座決定戦のトーナメント1回戦として行われ、この試合の勝者が7月に清水とベルトを争う。

　1R、自信満々の佇まいを見せる上原がジャブと右ロー。どっしりと構える上原はイがパンチで前に出てくると蹴りを返す。右ローを連続してヒットさせると、イは吹っ飛ぶようにダウン。立ち上がれる様子は全くなく、レフェリーが上原のKO勝ちを宣言した。

　上原は「1週間前に風邪をひいて今日も38度くらい熱があってキツかったかな。（タイトルマッチは）楽しみですよ。清水君、どこにいるのかな？　次の7月、清水君とタイトルマッチをやるので、盛り上げるから応援よろしくお願いします」とハイテンションでマイクアピールした。

▼第8試合　ヘビー級　3分3R延長1R
○清水賢吾（極真会館/同級2位）
KO　3R2分27秒　※右ハイキック
●高萩ツトム（チームドラゴン）

　昨年7月の上原戦でRISE初黒星を喫した清水が、2004年にK-1でデビューしたベテランの高萩と対戦。これまで何度もK-1のリングに上がって国内外の強豪と対戦してきた高萩だが、不思議なことに極真の選手にはことごとく苦杯を舐めさせられている。今回の試合はヘビー級王座決定トーナメントになっており、打倒・極真と決勝戦進出を果たしたいところ。

　1R、まとめてパンチを打って清水に顔面をブロックさせ、右ローを蹴ってはすぐに離れる高萩。それを何度か繰り返し、左フックから清水のブロックを突き破っての右フックをヒットさせた。この一発で清水は腰が落ちる。一気にラッシュをかける高萩の左右フックを、両腕ブロックで耐える清水。

　清水は前蹴りで突き放そうとするが、押されてのアッパーやフックなどパンチを連続して被弾。右ストレートからのヒザ蹴りで反撃を試みるも、右クロスをもらい、右アッパーからの連打で棒立ちに。そして、右フック連打でついにダウンを奪われる。さらにワンツーをもらってダウンするが、これはゴング後だった。

　2R、高萩の連打で清水は頭が激しく左右に揺れる！　それでも清水は前へ出てパンチ、ミドル、ヒザ蹴り。ワンツーから片手を引っ掛けてのヒザに持ち込む。高萩も打ち合いに応じ、両者ともフラフラだ。

　3R、逆転を狙って打ちに行く清水に高萩がワンツー。高萩のパンチを次々と被弾し、清水の頭が激しく揺れる。パンチ一辺倒で前に出て打ち合おうとする清水は右フックをもらい、マウスピースが吹っ飛ぶ！　清水はパンチで突進して接近するとヒザというパターンを繰り返し、高萩のパンチをもらっても前に出る。

　パンチに下がった高萩の頭部を清水の左ハイキックがかすめる。再びパンチを打ちに行った清水に高萩が左フック！　しかしその直後、中途半端に離れた高萩に清水が右ハイキック一閃！　これ以上はないというタイミングで決まり、高萩はバッタリと倒れる！　大逆転KO勝ちに立ち上がる観客も大勢いるほど。清水が最後の最後で極真魂を見せ付けた。

　清水はマイクを持つと「僕には大きな目標があって、11月に極真の世界大会があります。僕は出場権を持っていないので、6月のウェイト制大会に出て優勝して絶対に世界大会に出たいと思います。6月にウェイト制、7月にRISEのタイトルマッチ、11月に世界大会と全部優勝するつもりで頑張ります」と大目標をぶち上げた。

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