「IT’S SHOWTIME」
2011年3月6日(日・現地時間)オランダ・アムステルダム・スポーツホールサウド
ヨーロッパ最大の立ち技格闘技イベント『IT’S SHOWTIME』が、前回9月に続きスポーツホールサウドで開催された。VIPテーブル席も自由席も立ち見も全てが超満員。幸先良いIT’S SHOWTIME2011年度の初回大会となった。
▼ヘビー級 3分3R
○ヘスディ・カラケス
判定
●ダニエル・ギタ
冤罪事件(麻薬取引関与の疑いで連行されたが釈放された)のフラストレーションを爆発させるかのようなカラケスの序盤。予想を超えるスピード感溢れる動きがとても小気味いい。ギタはその速さについていけず、一方的なカラケス劇場の展開となった。
しかし終盤になってギタもボディブローでカラケスを捕まえた。このレバーへの攻撃が効いたのか、カラケスの動きが急激に鈍ったが、仕留めるまでには至らない。判定は序盤・中盤を抑えたカラケスを支持した。
▼70kg以下契約 3分3R
○アンディ・サワー
判定
●ローシン・オズニ
前評判はオーシー(オズニ)で、大方がサワー陥落を予想した。しかし始まってみると、終始圧力をかけて攻め込んだのはサワーだった。前へ出ては距離を潰し、攻め込んだ。
一方のオーシーは体を丸めたガード体勢を取ったので、せっかくの身長差も自ら消してしまった。前蹴りやジャブで距離を取ろうとしても、そのジャブ自体をかわして入り込んでくるサワーの動きにオーシーは為す術を失った。得意のヒザ蹴りを出すこともできず、逆にサワーは自在に飛びヒザを3度も繰り出した。
結局はキャリア・技量・スピード・圧力の全てにおいて、サワーが力の差を見せ付けた試合となった。お見事というほかに言葉はない。
▼70kg以下契約 3分3R
○アルトゥール・キシェンコ
判定
●ドラゴ
かなり激しい攻防となったが、キシェンコがずっとリードした。キシェンコの攻めは的確に当たるものの、ドラゴのパンチはほとんどがかわされた。
ドラゴはかなりのダメージを受けたようだが、ダウンだけは何とか免れた。文句なしの判定でキシェンコが勝利。
▼IT’S SHOWTIME 95kg級世界タイトルマッチ 3分5R
○ダニョ・イルンガ
判定
●ウェンデル・ロシュ
コンゴ難民のイルンガはドイツ在住。試合前に同郷のIT’S SHOWTIME70kg王者のクリス・ンギンビや、UFCで戦うMMA選手のチーク・コンゴのことを聞くと、当然のごとくしっかりと知っていた。顔はチーク・コンゴに似ている。イルンガ23歳に対し、ロシュは何と40歳。
ロシュは40歳とは思えぬスタミナとコンディションの良さだったが、判定にもつれこんだ結果はイルンガ。コンゴ出身選手がIT’S SHOWTIMEの70kgと95kgの2つの王座に就くこととなった。コンゴ難民の活躍が始まる。
▼70kg以下契約 3分3R
○ウィリアム・ディエンダー
判定
●ラシッド・ベラーニ
ベテラン同士の対戦。それも似た者スタイル同士。結果はディエンダーに。
▼70kg以下契約 3分3R
○ロビン・ファン・ロスマレン
判定
●シャビット・オウラッド・エル・ハジ
成長著しいロスマレン。前回のこの会場でもメインプログラムの初陣を見事に務め、ベテラン巧者のウィリアム・ディンダーをレバーフックでKOに葬っている。そのロスマレンを迎え撃つシャヒッド。昨年のIT’S SHOWTIMEアムステルダムアリーナ大会では、K-1 WORLD MAXオランダ王者のモハメド・カマルを寄せ付けない試合を披露した。
今夜も台頭する若手を圧倒しようと意気込んでいたが、フタを開けると終始流れを作ったのはロスマレンだった。これまでずっと先行世代を追いかけ、追って来る若手を抑えてきたシャヒッドが捕まった試合となった。文句なしの判定でロスマレンが大物食いの連覇達成。要注目株となった。
(レポート/写真:遠藤文康)
「〜最強打撃格闘技〜IT'S SHOWTIME 2011・3・6 アムステルダム大会(オランダ)」
<再放送>
3月12日 (土) 20:00〜22:00 J sports ESPN
3月16日 (水) 21:00〜23:00 J sports 2
特別解説:魔裟斗/解説:布施鋼治/実況:矢野武
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