MA日本キックボクシング連盟
「BREAK-11 〜NEXUS〜」
2011年3月26日(土)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼スペシャルメインイベント3(第9試合) 初代MA日本スーパーウェルター級王座決定戦 3分5R延長1R
○武田一也(JMC横浜/同級1位)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●廣虎(WS沖縄/同級2位)
※武田が初代王座に就く。本戦の判定は49-48、48-49、48-48
新設されたスーパーウェルター級王座の初代王者決定戦を争うのは、25歳の武田と27歳の廣虎。武田は昨年9月、WBCムエタイ王座決定戦でタイトル獲得に失敗しており、ベルト奪取に懸ける想いは強い。一方の廣虎はボクシング出身で9勝の内7つがKO勝ちというハードパンチャーだ。
1R、左右のミドルとローで蹴りを多用していく武田。廣虎もローを蹴るが、蹴り数は武田の方が断然多い。
廣虎は左右のヒジ、右フックを狙う。 武田はパンチをしっかりとブロックしての右ローと右ミドル。
2R、前に出る武田の左ミドルが快音を発してヒット! 前に出ながら左右ローを蹴り、左ミドルにつなげる。廣虎が繰り出すパンチはしっかりとブロッキングで受け、左ミドルを蹴っていく。廣虎の左ボディには右ヒジを合わせ、ガッツポーズ。廣虎の額にはたんこぶが出来る。ヒジと左ミドルを混ぜ、自分のペースで攻め続ける武田。
3R、廣虎はロングの距離からパンチを繰り出すが武田に右ローを蹴られ続ける。武田の左ミドル&右ローに廣虎もローで応戦し、ワンツーを繰り出していく。
廣虎がパンチをまとめてくると、すぐにヒジを振って下がらせる武田。廣虎は右ストレートと左ボディ。後半になると廣虎が距離を詰めてのパンチ連打で武田を押し始め、ヒジも振るう。
4R、廣虎が右ローと左ミドル、そしてジャブ。廣虎が蹴りを多用し始めたことにより、試合展開が変わった。
廣虎のパンチが当たり始め、右ローも武田を捉える。武田はワンツーと左ミドルで前へ出て行くが、廣虎が左フックからの右ストレート、右フックでダウンを奪う! 廣虎が右フックで再び武田をグラつかせたところでこのラウンドは終了。
5R、流れを引き寄せた廣虎はジャブ、右フック、右ストレート。武田は前へ出て右ヒジ。廣虎もヒジを繰り出し、右ローを蹴る。
武田の顔面前蹴りに廣虎はワンツーで応戦、徹底的にヒジで逆転を狙う武田! 廣虎もパンチを返す! 廣虎は右目尻から出血するが、ドクターチェックが入るまでには至らない。前に出てヒジとパンチで追い続ける武田だが、廣虎は下がりながらもヒジやパンチを返す。両者の応援団が盛り上がる中、最終ラウンドのゴングが鳴った。 しかし、判定は三者三様のドロー! 王座決定戦のため延長戦へ突入した。左ミドルと右ロー、右ボディストレートで前に出る武田。廣虎は細かくパンチを打ち返す。
左右のミドルとパンチでボディを攻める武田だが、廣虎もボディを打ち返して右ストレート! 武田はヒジから右ストレート、廣虎が左フック。両者足を止めてパンチを打ち合い、ヒジを出し合う。武田のワンツーがヒットすると廣虎は口を大きく開けて叫びながら殴りかかる! 激しい打ち合いに場内は大歓声! そして、試合終了のゴングが鳴った。判定はジャッジ三者とも10-9で武田! 大接戦を制し、初代チャンピオンの座に就いた。
「地震の影響で大変な中、来ていただいてありがとうございました。自分も全額は厳しいんですが、ファイトマネーの中から募金をしたいと思います。会長やジムの先輩、練習に付き合ってくれた周りの人に感謝します。
今日、来ていただいた皆さん、本当に力になりました。これからもっと上へ上へ行って有名になりたいのでよろしくお願いします」と、武田は声を詰まらせながらマイクアピールした。
控え室では「停電の時間をさけて昼間に練習していました。練習相手が来られなかったりしたこともありましたが、問題ないと思っていました」と打ち明けた武田。「自分はK-1向きではないのでムエタイの方で有名になりたい。ベルトをあと2〜3本は獲りたいですね。次はWBCムエタイのベルトを狙います」と、次なる目標を語った。
また、この日は25歳の誕生日だったこともあり「この運命的な場面でベルトを獲らなかったら才能はないと思っていました。勝ってホッとしています」と笑った。
▼スペシャルメインイベント2(第8試合) 64kg契約 ネパール泰国際戦 3分5R ※ヒジなし
○シラー・トーバンセン(タイ/WS群馬/元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級王者、元オームノーイスタジアム認定同級王者)
判定2-0 ※48-48、49-48、49-48
●モハン・ドラゴン(ネパール/村上塾/MA日本スーパーライト級王者)
昨年11月に激闘を繰り広げ、ネパール人初のキックボクシング王者となったドラゴンが、ムエタイに初挑戦。シラーはこれまで日本では無敗を誇っている元ムエタイ二冠王。ネパールVSタイという国際戦となった。
1R、ドラゴンはサウスポーに構えてジリジリと前に出る。シラーは右ミドルと右フックで距離を取り、ドラゴンに入らせない。構えを左右にスイッチしながら距離を詰めていくドラゴンだが、シラーの重い右ミドルでなかなかパンチの距離には入れない。
痺れを切らしたか、ドラゴンはうなり声を上げながらパンチで攻めていくが、シラーも打ち返して両者クリーンヒットは奪えなかった。
2R、うなり声を上げながら左右フックとローで攻めるドラゴンに、シラーは右ローと右ミドル。ドラゴンが大振りのフックを連続して空振りする度に場内からはどよめきが起こる。シラーはパンチをかわしての右ミドル。パンチをかわす、またはブロックして攻撃を返すシラーに、ドラゴンの攻撃は空を切るばかりという展開に。
3R、シラーの右ミドルと右ロー、そして固いブロックになかなかパンチをヒットさせることが出来ないドラゴン。それでも右ローを蹴り、パンチで突進する。シラーがカウンターの右ミドル、ドラゴンは左右のフック。距離が詰まると組み付いて動きを止めてしまうシラー。振り回すようなパンチで追い回すドラゴンだが、シラーのディフェンスを崩すことが出来ない。
4R、シラーは右ローを蹴っては組み付いてドラゴンの動きを止める。ドラゴンは構わず両腕を振り回してのフック。シラーは疲れが見えるが、右ミドルは鋭く、首相撲の力も衰えない。
突進するドラゴンの右フックがようやくシラーにヒットしたが、シラーは首相撲で難を逃れた。
5R、ドラゴンが左右のパンチで襲い掛かり、シラーの頭部を捉える。シラーが組み付いてブレイクになるという展開が続く。シラーの右ミドルに右フックを返すドラゴン。パンチで突進していくが、シラーはすぐに組み付いてドラゴンの動きを止める。パンチで突進を続けるドラゴン、かわすシラー。絶妙の距離感と組み付く技術でシラーが逃げ切り、シラーが判定勝ちした。
★メインイベント1(伊東拓馬vs幸二郎)〜オープニングファイト第1試合の結果はこちら
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