パンクラス
「PANCRASE 2011 IMPRESSIVE TOUR」
2011年4月3日(日)東京・ディファ有明
開場14:00 第2部開始17:30
▽第2部
▼メインイベント(第8試合) アテナルール 52.5kg契約 5分2R
○V.V Mei(フリー/VALKYRIEフェザー級王者)※V一から改名、初参戦
判定2−0 ※20−20、20−18、20−19
●WINDY智美(パンクラスism)
18年の歴史を誇るパンクラスにおいて、初めて女子の試合がメインイベントを飾る。WINDYはパンクラスism所属唯一の女子選手として、長くアテナ(パンクラスの女子部門)を引っ張ってきた存在。一方のVは女子金網総合格闘技『ヴァルキリー』のチャンピオンで、今回が初参戦。両者とも「男子に負けない試合をする」と試合前に意気込んでいる。
Vがチャリティー販売したグッズのVライト(青・緑・赤のライトが点滅する棒)をリング四方のファンが振る中、Vはベルトを肩にかけて入場した。
1R、勢いよくコーナーを飛び出したWINDYはパンチを出しながらプレッシャーをかけ、Vが連打で入ってくるとパンチで迎え撃つ。WINDYが右のカウンターと左ロー。Vは下段蹴りからタックルに行くが、これは切られた。打撃ではやはりWINDYが優勢だ。
軽くステップを踏んだVはパンチを出すWINDYに胴タックルで組み付き、コーナーへ押し込む。そのまま押し倒してテイクダウンを奪い、パスガードを狙いながらコツコツとパンチ。立ち上がったVは勢いをつけてパウンドを叩き込み、ニーオンザベリーからパンチ。
そしてバックを奪ってスリーパー狙い! 残り10秒で腕十字に切り替えたが、WINDYが耐えた。
2R、開始すぐにタックルへ行ったVが自軍コーナーでテイクダウンを奪う。立ち上がったWINDYを再びテイクダウンし、バックを奪う。立ち上がろうとするWINDYとそれを寝かせるVという攻防が続き、背中に飛びついたVをWINDYが振り落としてパンチからヒザ! しかし、Vはすぐに組み付いてコーナーへ押し込む。するとWINDYは顔面へヒザ蹴り!
しつこく組み付きにくるVにWINDYはヒザ蹴り、Vは低空タックルからテイクダウンを狙うが、WINDYが上になってパウンドを落とす。さらに胴タックルに行くV。WINDYは離れるとすかさずヒザ蹴り。Vも組み付いていく。
メインにふさわしい熱戦は大いに場内を沸かせ、試合をコントロールする場面の多かったVが判定2−0で勝利。パンクラス初参戦で、アテナのエースであるWINDYを下した。
Vはマイクを持ち、「震災の影響で多くの選手が悲しみを胸に秘めたまま練習をそれでも続けないといけない状況で、満足できる練習が出来た人は少ないと思います。しかし、こういう時こそ選手は魂を見せなければいけないと思います。技術を高めてこれからも戦いたいと思います」と声を詰まらせながら語った。
インタビュースペースでは「みんなに元気を届けるためにハートで戦わないといけないと思っていました。WINDYさんのおかげでアツい試合が出来てよかったと思います。相手が前に来てくれた分、自分も前に出て行けた」とコメントしたV。パンクラスには継続参戦していく意向だと言う。
一方、WINDYは敗れた悔しさを滲ませ、「出せるものは出せた。パンクラスを背負っていたし、負けちゃいけなかった。でも、これで終わりじゃないので。これからも戦います」と号泣しながらコメントした。
また、この試合は今回から設けられた3賞(ベストバウト賞=両者に各5万円、ベストKO賞=KO勝ちした選手に3万円、ベストサブミッション賞=一本勝ちした選手に3万円)のベストバウト賞に選出された。
▼セミファイナル(第7試合) フェザー級 5分2R
○タクミ(パラエストラ大阪/元KOTCライト級王者)※初参戦
一本 1R3分27秒 ※チョークスリーパー
●川那子祐輔(秋本道場Jungle Junction)
37歳の大ベテラン、修斗のタクミが初参戦。迎え撃つは昨年のネオブラッドトーナメントでまさかの初戦敗退を喫したが、その後は3連勝を飾っている川那子だ。
1R、向き合った瞬間に川那子の右フックがヒットし、腰を落とすタクミ。パウンドで追い討ちをかける川那子をタクミはラバーガードで動きを止める。タクミはオモプラッタで上になり、バックを奪うとスリーパー狙い。
転がって逃げようとした川那子だが、腕が食い込んで苦悶の表情を浮かべる! しばらくは耐えた川那子だが、レフェリーがストップ。タクミが貫禄の一本勝ちを奪った。
「ちょっと危なっかしい試合でしたが何とか勝てました。震災で被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げます。関西の人間として、格闘家として支援していきたいと思います。僕たちファイターに出来ることをします」と、タクミはメッセージを送った。この試合でタクミはベストサブミッション賞を獲得した。
★第6試合〜第1試合、第1部の結果はこちら
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