グッドルーザー
「Krush.19」
2012年6月8日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
※オープニングファイト開始17:30
▲バックブローでダウンを奪った久保優太(右)
▼メインイベント スーパーファイト 65kg契約 3分3R延長1R
○久保優太(Fighting Kairos/K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japan Tournament王者、ISKA世界ライト・ウェルター級王者)
判定3−0 ※30−26、30−25、30−25
●アブデラ・エズビリ(モロッコ/F-1 WORLD MAX王者、WKNヨーロッパ65kg級王者)
未知の強豪と対戦する久保は戦前、「3連続KO勝ち中なので、またKOを見せて皆さんに喜んでもらえる試合を約束します」と、今回もKO勝ちすることを宣言。
対するエズビリは頭を銃で撃たれたことがあるという驚愕のエピソードを持つ、フランスを主戦場に頭角を現したモロッコの新星。昨年にWKNヨーロッパの65kg級タイトルを獲得、2011年10月1日にフランスで行われたトップ8選手によるトーナメント『F-1 WORLD MAX』では見事優勝を飾っている。
1R、サウスポーの久保は鋭い左ミドルと左ロー、エズビリはローと左フック。久保はワンツー。エズビリがローとパンチで前へ出るが、久保の左ミドルが快音を発して決まる。エズビリはパンチを空振りする場面が目立つが、ローはしっかりと当てていく。
2R、左フックで突っ込むエズビリはパンチを振り回してのロー。久保は三日月蹴り、さらにヒザ蹴りとボディを狙う。
ジャンプしてのパンチ、パンチを振り回してのローと前へ出るエズビリだが、久保は左のヒザを突き刺して右のボディブロー! さらにヒザと右ボディで追い討ちをかけ、ダウンを奪う。
しかし、エズビリがダウンしたあとに久保が蹴りを入れたとして、久保には警告、エズビリには休憩が与えられる。再開後、ローを蹴り続けるエズビリに久保がバックブローでダウンを追加。久保はラッシュをかけたが、このラウンドでのKOは逃した。
3R、久保は三日月蹴りとボディブロー、エズビリは胴廻し回転蹴りを放つが不発に。久保の左フックと右ストレート、さらにヒザ蹴り。久保は右フックを振り回すエズビリと正面から打ち合い、左ボディを突き刺す。久保の左右フックにグラつくエズビリだが、それでもローを蹴ってくる。久保の三日月蹴りがグサリと突き刺さり、さらに左ハイキック! 顔面前蹴り、パンチの連打でめった打ちにするが、エズビリもパンチを返しながら耐える。
タフなエズビリをKOすることは出来なかったが、久保が大差の判定で勝利を飾った。久保は「強かったです。本当はメインなのできっちりKOで締めくくりたかったんですが、KOすることしか考えてなかったのでコメントが……。僕は世界で一番になりたいので、Krushと日本の格闘技を僕が背負って頑張りたいと思います。皆さん、ついてきてください」と挨拶。大量の汗をかき、息も切れ切れだったところが、苦しい試合だったことを物語っていた。
試合後、久保は今回の試合を65kg契約で戦った(これまでは63kg)ことについて聞かれると、「少しずつウェイトを上げていきたい。(70kgを目指している?)はい。自信もあります。2階級制覇も考えています」と、70kg級転向を視野に入れていることを明かした。
▲初参戦の板橋寛(左)から完封勝利した石川直生
▼セミファイナル スーパーファイト Krush -60kg Fight 3分3R延長1R
○石川直生(青春塾)
判定3−0 ※三者とも30−29
●板橋 寛(スクランブル渋谷/元R.I.S.E.スーパーフェザー級王者)
Krush初参戦となる板橋は、ボクシングを得意とするサウスポーで、2009年1月から2011年2月までRISEスーパーフェザー級王座を保持(2度防衛)。2007年10月から2010年4月まで9連勝(1つの引き分けを挟む)を達成し、19勝(3KO)5敗2分と高い勝率を誇っている。ムエタイのスーパースター、アヌワット・ゲオサムリットから日本人初勝利を奪ったほか、カノンスック・ウィラサクレック、尾崎圭司、裕樹ら名だたる強豪を撃破してきた。
石川はKrushライト級GPでは決勝進出を果たしたが(決勝はドクターストップで棄権)、その後は2勝5敗1分と大きく負け越している。1月9日のKrushで−60kg王者・卜部弘嵩(チームドラゴン)と引き分け、復調の兆しを見せた石川は、侵略者・板橋を撃退することが出来るか?
1R、サウスポーの板橋は左ローを序盤から連発し、石川は左へ大きく回る。石川の右ストレートで右目の辺りから出血する板橋。
石川の飛び込んでの右フックがヒットし、石川はさらにボディへのヒザ蹴りと飛びヒザ蹴り。石川の長いリーチを活かした右ストレート、右ボディストレートが板橋に突き刺さる。
2R、板橋は左ミドルから右ストレート、石川も右ストレートを返して飛びヒザ蹴り。石川は大きく動いて顔面前蹴り、右ミドル、ジャブ、カウンターのヒザ蹴りと追ってくる板橋へ巧みにヒットさせる。石川は右ハイキックから右ストレート、板橋も左フックを返すが、縦横無尽に蹴りを出す石川になかなかパンチを決められない。
3R、ローからパンチで前へ出る板橋に石川は右ストレート。間を詰めたい板橋だが、そこへ石川が飛びヒザ蹴り! パンチを当てられてもすぐにハイキック、飛びヒザ蹴りを返す石川。板橋が接近すると石川はクリンチで板橋の攻撃を防ぐ。石川の右ストレート、ヒザ蹴り。石川の左ヒザ連打に板橋は尻餅をつく。石川はさらに飛びヒザ蹴りと右ストレート、前蹴り、右ミドルと前へ来る板橋を押し返す。
石川がダメ押しの右ストレートを突き刺し、板橋のラッシュはしっかりとブロック。
石川が完封とも言える内容で外敵・板橋を判定3−0で撃退。石川は「ダウンは取れなかったけれど、勝った! 人間は何回だって生まれ変われることを証明したかった。自分のやりたいことを思いっきりやれば必ず結果はついてくるから!」と、マイクで絶叫した。
▲ディン・ニン(左)にバックキックを見舞う尾崎圭司
▼第7試合 スーパーファイト 64kg契約 3分3R延長1R
○尾崎圭司(チームドラゴン)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−27
●ディン・ニン(中国/北京盛華国際武術クラブ/CEP)
尾崎と対戦するニンは22歳でありながら、23戦19勝(7KO)4敗の戦績を持つ。4月21日に中国で開催された65kgトーナメント「英雄伝説2012アジア65kg級チャンピオントーナメント」では、一回戦で園田顕悟(小比類巻道場)から勝利(二回戦で敗退)しており、「177cmの長身から繰り出すパンチ、蹴りが得意」(宮田充プロデューサー)だという。
迎え撃つ尾崎は「今年は世界戦をテーマにしていきたいと思っていて、みんなに世界戦に出してもいいと思われる試合をしたいと思います」と試合前に意気込みを語っていた。
1R、パンチで前に出るニンに尾崎は下がりながらローを蹴り続ける。ニンの振り回してくるフックをかわし、前足を内側と外側から何度も蹴る尾崎。ニンは早くも動きが止まり、尾崎のローに足が跳ね上がる場面も。ニンの足は真っ赤に染まる。尾崎はバックブロー、後ろ蹴りも見せた。
2Rもローを蹴り続ける尾崎。ニンはパンチを出すが、その度にローを合わせられる。右ローを嫌がり、サウスポーに構えるニン。しかし、尾崎はその右足を蹴り続ける。尾崎は回転蹴りやかかと落としなど、余裕を持った戦いぶり。
3R、左右のストレートで前に出るニンに尾崎は下がりながら右ロー、左インロー。さらにバックキック。ニンも勝負を捨てずに大きなパンチを繰り出すが、尾崎のバックキックをもらう。
パンチを振り回すニンに尾崎がバックブローと飛び後ろ回し蹴りを連発し、判定3−0で勝利を収めた。
尾崎はマイクを持つと、「国際戦で緊張していて倒せなかったんですが、完勝だったと思います。8月の名古屋大会に出てもいいですか? Krush初の地方大会なんですが、これを皮切りに日本各地でKrushをやっていただきたいと思います」と、8・26名古屋大会出場をアピールした。
★第6試合(大沢文也vs後藤勝也)〜オープニングファイト3試合の試合結果はこちら
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