ニュージャパンキックボクシング連盟
「KICK TO THE FUTURE 6」
2012年9月22日(土)東京・後楽園ホール
▽第2部 WBCムエタイ インターナショナル&日本タイトルマッチ、王座決定戦
▲大和(右)がイギリスのカーポウィッツ(左)に勝利してタイトルを獲得
▼メインイベント(第5試合) WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーライト級王座決定戦 3分5R
○大和哲也(大和ジム/WBCムエタイ日本スーパーライト級王者、WMCインターコンチネンタル・ライト級王者)
判定3−0 ※49−48、49−48、50−48
●ポール・カーポウィッツ(イギリス/UKMF61,5kg級英国王者)
※大和が新王座に就く。
かねてからWBCムエタイ世界タイトル奪取を目標に掲げている大和が、その足がかりとなるインターナショナル王座に挑む。
対戦相手はWBCムエタイ本部の推薦を受けて来日するUKMF61,5kg級英国王者カーポウィッツ。カーポウィッツは1989年生まれの23歳で、戦績は17戦13勝(5KO)3敗1分。大和はこの未知なる相手に勝利し、ベルトを獲得することが出来るか!?
1R、細かくフェイントを入れながら前に出て行く大和が奥足ローと右ハイキックを蹴る。カーポウィッツは前蹴りと左右のミドルで距離を取るが、大和はカーポウィッツをロープまで詰めて得意の左ボディ、右ストレートを打ち込む。さらに大和は左フックを狙いながら、構えをスイッチして左のロングフックを狙う。
2R、左ミドルから右ストレートを打つカーポウィッツに対して、大和はそれをディフェンスして左フックから右ハイキック、そして左ボディを打ち込む。
カーポウィッツがヒジ打ちを狙うと、大和はそれを落ち着いてさばきながら左ボディ、プレッシャーをかけ続ける。
3R、一気に大和が距離を詰めて左ボディ、右ハイキック、右ストレートと手数を増やす。カーポウィッツは左右のミドルを蹴ると、それをブロックして前に出る。大和はパンチをダッキングしてかわしたカーポウィッツに右ハイキックを蹴る。大和が出てくるところを待ってミドルやヒジ打ちを狙うカーポウィッツに対して、大和もバックブロー、ヒジ打ち、飛びヒザ蹴りと技のバリエーションを増やすが、カーポウィッツを捕らえきれない。
4R、構えをサウスポーに変えたカーポウィッツは大和の右ミドルをキャッチして、何度も大和を転倒させる。大和は飛び込むようなヒジ打ちを狙うが、これも当たらず、なかなかペースを掴めない。
5R、やや強引に前に出て行く大和はカーポウィッツの前蹴りをキャッチして左ボディにつなげる。カーポウィッツは下がりながら距離を取って、バックヒジを狙い、大和に組み付く。カーポウィッツをロープまで下がらせて左ボディからパンチをまとめる大和が、ロープ伝いに下がるカーポウィッツに右ストレートを当てると、カーポウィッツが尻餅をつき、レフェリーがダウンを宣告。再開後、大和は左ボディから一気に攻め込むが、カーポウィッツを捕らえきれず。
判定3−0で大和が勝利し、WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーライト級王座を獲得。しかしジャッジ2名が1ポイント差、残り1名は2ポイント差と、最終ラウンドに奪ったダウンのポイントで何とか勝ちをもぎ取るという薄氷を踏む勝利だった。
控え室では「久しぶりに課題の残る試合でしたね。外国人選手とやっても当たり負けしないという自信が過信になっちゃいました。(カーポウィッツは)巧くて駆け引きを知っているというか、やりづらかったです」と試合を振り返った大和。
カーポウィッツの巧さに苦戦したことを認める一方で「相手のペースにはめられたけど、最後の最後で勝ちをしっかり持ってこられたのは良かった。今日の試合はそういう勝負強さを見てもらえればいいかなと思います。カーポウィッツは世界のトップ選手じゃないと思うけど、中の上もしくは中の中の選手で、インターナショナルのタイトルを争うのにはふさわしい相手。今日は世界レベルがどういうものかを教えてもらいました」と収穫もあったという。
次戦として11月24日のNJKF後楽園大会への出場が決まっている大和は「次はタイ人もしくは外国人選手とやりたいですね」と国際戦を希望。「僕はWBCムエタイの世界タイトルを獲って、それを世の中に出すことが目標。自分ではその重役を担っていると思います」と、改めてインターナショナルの先にある世界タイトル奪取の野望を語った。
▲宮越(左)が強敵・健太(右)をTKOに葬って初防衛に成功
▼セミファイナル(第4試合) WBCムエタイ日本スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○宮越宗一郎(拳粋会/WBCムエタイ日本スーパーウェルター級王者)
TKO 3R1分22秒 ※ドクターストップ
●健太(E.S.G/NJKFスーパーウェルター級王者/挑戦者)
※宮越が初防衛に成功。
スーパーウェルター級タイトルマッチとして、王者・宮越と健太が激突。両者はNJKFウェルター級、スーパーウェルター級戦線でトップクラスの活躍を続けてきたが、意外にもこれが初対決となる。
1R、じりじりと前に出て、健太の前足に左右のローを蹴る宮越。健太はジャブと前蹴りで距離を取って左ミドル、右ローを蹴る。
2Rも健太がジャブを当て、宮越の攻撃をバックステップでかわしながら左ミドルや右ローを当てる。宮越もじりじりと距離を詰めて右ロー、左フックを打つが、健太は回り込むようにして奥足ローを蹴る。
3R、健太が左ミドルと右ローを蹴り、宮越も同じように左ミドルと右ローを返す。健太は右ローのフェイントから右ストレートにつなげ、前に出て行くが、そこで宮越が右の縦ヒジを当てて、健太の左目尻を切り裂く。
健太にドクターチェックが入り、試合再開となり、健太はローとハイキックでラッシュを仕掛ける。宮越も右フックとハイキックを返す。そして健太に2度目のドクターチェックが入り、試合はストップ。宮越が見事なヒジ打ちでWBCムエタイ日本タイトルを防衛した。
▲変則スタイルの町田(右)を破り、中須賀(左)が2度目の防衛に成功
▼第3試合 WBCムエタイ日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
○中須賀芳徳(なかすか・よしのり/OGUNI GYM/WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者)
判定3−0 ※48−46、49−46、50−46
●町田 光(橋本道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーフェザー級王者/挑戦者)
※中須賀が2度目の防衛に成功。
王者・中須賀が挑戦者にMA日本キックボクシング連盟スーパーフェザー級王者・町田を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦を行う。町田はこの3年間、日本人相手に負けたことがなく、居合い抜きの動作を取り入れた必殺の居合いパンチを武器とする。中須賀のヒジ・ヒザが勝つか、それとも町田の居合いパンチが勝つか?
1R、サウスポーの中須賀が前蹴りと左ミドルで距離を取る。
町田は右ストレートで飛び込んで居合いパンチ(左フック)を狙うが、中須賀も左ストレートとヒジ打ちを狙う。さらに町田は頭上で刀を構えるような姿勢から飛び込む左アッパーと変則的な攻撃を続けるが、中須賀は左のヒザ蹴りと左ストレートで迎え撃つ。
2R、町田が右ボディストレート、体を左右に振りながら左フックで飛び込む。中須賀はそこにヒザ蹴りを狙って左ストレートへ。下がる町田に左のヒザ蹴りとストレートを連打する。
3R、中須賀は左のヒザ蹴りで町田をロープまで下がらせて左ストレートを打つ。しかし町田もプレッシャーをかけて中須賀にロープを背負わせると強烈な奥足ローと右ローを蹴り、右ローに狙いを絞って集中攻撃を浴びせる。
4R、やはり右ローで前に出て行く町田。中須賀はそこに左ヒジを合わせ、左ヒザ蹴りと左ストレートで町田を下がらせる。町田も右ローと飛び込むような左フックで反撃を試みるが、中須賀も有効打を許さない。
5R、ここも右ローから前に出る町田だったが、中須賀は組んだ状態から左ヒジを叩き込み、飛びヒザ蹴りとヒジ打ちの連打を浴びせ、そのまま町田を押し倒す。レフェリーからダウンは宣告されなかったものの、町田は右の側頭部をカットし、ドクターチェックが入る。
再開後、勢いよくパンチで飛び出していく町田に、中須賀はヒジとヒザ蹴りの乱れ打ち。ヒザ蹴りで町田を後方にふっ飛ばし、ついに町田からダウンを奪う。立ち上がった町田に対しても、中須賀はヒジの連打で猛攻を仕掛け、そのまま試合終了のゴング。
中須賀が持ち味のヒジ・ヒザで町田を撃破し、2度目の王座防衛に成功した。
★第2試合(宮元啓介vs日下部竜也)、第1試合(水落洋祐vs宮越慶二郎)、第1部 NJKF全階級トーナメント「NEW JAPAN WARS 2012」の試合結果はこちら
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