▲森井洋介(右)を破った秋元皓貴(左)
MA日本キックボクシング連盟
「BREAK-30 〜UNIFICATION〜 WBCムエタイ日本4大タイトルマッチ」
2012年10月7日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▲秋元(右)は多彩な技で日本フェザー級トップの森井(左)を下した
▼メインイベント(第11試合) WBCムエタイ日本フェザー級タイトルマッチ WBCムエタイ日本ルール 3分5R
○秋元皓貴(真樹ジムAICHI/MA日本フェザー級王者/挑戦者)
判定3-0 ※49-48、49-47、50-47
●森井洋介(藤原ジム/WPMF日本フェザー級王者、WBCムエタイ日本フェザー級王者)
※秋元が新王座に就く。森井は初防衛に失敗。
日本フェザー級を牽引してきた森井と16戦全勝10KOの超新星・秋元が激突する。森井は4月にNJKFのリングでNJKFフェザー級王者・中嶋平八を破り、WBCムエタイ日本フェザー級王者に。7月にはレベルスで長嶋大樹を判定で下し、WPMF日本フェザー級タイトル2度目の防衛に成功している日本フェザー級最強の二冠王。対する秋元は2010K-1甲子園準優勝者。プロデビュー後、今年7月に無敗のままMA日本フェザー級タイトルを獲得した超新星だ。
激闘派として知られる森井と、パンチ、キック、ヒザ、ヒジ、どれもKOにつながる攻撃を持った秋元との一戦は壮絶なものになることは必至! 最後にリングに立っているのは果たしてどちらか。
1R、ローの蹴り合いが続き、その中で森井は右ストレート、秋元は左フック。森井のパンチに左ミドルを合わせる秋元、さらに右ミドルも快音を発して決まる。秋元は後ろ廻し蹴りのフェイント。秋元は強烈な右ローを蹴っていく。
2R、森井がジャブからロー、秋元は右ローを蹴り続ける。森井が入ってくるところに左ミドルを合わせ、さらに飛びヒザ蹴り。間一髪かわした森井は入り込もうとするが、秋元は前蹴りと左ミドルで入らせない。
秋元が顔面前蹴り、左フック、左ハイキック。左の前蹴りから秋元がラッシュを仕掛け、パンチで森井をコーナーへ詰める。これで森井の左目下が腫れる。秋元の後ろ蹴りに吹っ飛ぶ森井。秋元はさらに左右フック。
異常なほどの落ち着き振りを見せる秋元に対し、森井はやや焦りを感じさせる表情。
3R、ローの相打ちから左フックを放つ秋元、森井は強烈な右ローを返してヒジ。秋元は左ミドルの二連発、目線を下に落としての右ハイキック。
圧力を強める秋元は左ボディ、飛びヒザ蹴りからヒジ。左右フックで追い詰められた森井もヒジ。秋元が左右のフックとヒジで圧力を懸けて森井を追いかけ、森井もヒジを返す。
4R、秋元は左ミドルを連発、ローの蹴り合いからパンチの打ち合いとなり、秋元が一度離れて左ミドルとロー。森井は左フックを狙っていくが、秋元はバックキック。
秋元が右ローを放ったところで森井が左フックを合わせる! これで秋元の腰が落ちる! しかし、秋元はすぐにヒジで反撃。森井は左右フック、秋元も左右フックを打ち返す。秋元は冷静さを取り戻して左ミドルで距離をとり、左右フックとヒジ。秋元が左右のパンチで逆襲する。
5R、開始と同時にローとフックで激しく打ち合う両者。森井のなぎ払うようなフックに秋元がバックキック、左ミドルとヒジ。これで森井が下がる。秋元は右ハイキック、両者の左フックとヒジが激しく交錯し、秋元が右ヒジ!
前に出る秋元が右ローとワンツー、右ヒジ。秋元が追い回す形となり、森井をパンチで追い込んでいく。秋元がヒジ、左ミドル、右ロー。森井もアッパーとヒジを返し、秋元も左フックを打ち返す。大乱戦の中、ゴングが打ち鳴らされた。
判定は3-0で秋元の勝利! キックボクシング界にニュースターが誕生! 秋元は連続KO勝ちは「7」で途切れたものの、デビュー以来無敗の17連勝を飾った。
秋元は「嬉しいですけれど、KOするって調子に乗って言っていて自分の未熟さを痛感させられました。森井選手は本当に強かったです。僕は3R以上戦ったことがなくて、森井選手はパンチが予想以上に上手くてもらっちゃって……よく覚えてないです」と試合を振り返る。
→無敗のままWBCムエタイ日本フェザー級チャンピオンになった秋元皓貴(中央)を祝福する応援団
そして、「スカッと勝ちたかったんですけれど苦戦して、でも僕にとっていい体験になったのでスーパーフェザー級に上げるかフェザー級でいくか分かりませんが、世界に飛び立ちたいと思います。自分の力が分からなくて、どこまでいけるか分かりませんが、世界で活躍できるように頑張ります」と、世界への飛躍を誓った。
▼セミファイナル(第10試合) WBCムエタイ日本フライ級タイトルマッチ WBCムエタイ日本ルール 3分5R
○加藤竜二(橋本道場/MA日本フライ級1位、WPMF日本フライ級王者、WBCムエタイ日本フライ級王者)
判定2-0 ※49-49、49-48、49-48
●松崎公則(STRUGGLE/WPMF日本スーパーフライ級王者/挑戦者)
※加藤が初防衛に成功。
当初、加藤は山野寛之(チームドラゴン)の挑戦を受けることが決まっていたが、山野が急病のためドクターストップで欠場。山野の代替選手としてWPMF日本スーパーフライ級王者・松崎の挑戦が決まり、王者対決でタイトルマッチが行われることに。
松崎は4月のレベルスで加藤の同門・伊東拓馬を破ってWPMF日本スーパーフライ級タイトルを獲得。加藤は松崎へのリベンジをアピールしており、今回、願ってもないチャンスとなった。
加藤が初防衛に成功するか、それとも松崎が2本目のベルト獲得となるのか。
1R、サウスポー同士。加藤は右の三日月蹴りから右のパンチを当てていく。スピードに優る加藤はパンチ、蹴りを一発当てては一度ステップバックし、もう一度入って当てるヒット&アウェー。松崎の左フックに左フックを被せる。右のジャブを多用する加藤は、そのジャブと三日月蹴りでしっかりと自分の距離を保つ。松崎はなかなか攻めに転じることが出来ない。
2R、ジリジリと歩み寄る松崎に加藤は左ハイキック、松崎は左フック。加藤の蹴り足をキャッチして松崎がコカす。加藤は回り込み、ステップを使って離れ、一発当ててはまたすぐに離れて再び入り込む加藤。
松崎は追っていく形でパンチを出すが、飛びヒザ蹴りで松崎の左目下は腫れ上がる。さらに口からも出血。松崎にドクターチェックが入る。
3R、ジャブとローで間合いをとる加藤は右フックをヒットさせて左ロー。松崎も右フックを返すが、加藤は右ハイキック!
松崎はジャブからヒジ、加藤はパンチとミドルを当てて距離をとる。松崎は右ヒジ。手数が極端に減った加藤に松崎は組んでのヒジ。加藤は首投げのような体勢で松崎をねじ伏せようとする。
4R、前に出る松崎に加藤は右ロー、右ヒジ、顔面前蹴り。松崎は距離を詰めてパンチとヒジ、首相撲からのヒザ。加藤は左右フックから右ロー、声を上げて前に出る松崎に加藤は居合い抜きのポーズやノーガードで挑発して右ローを蹴る。加藤も松崎のヒジで頬から流血する。
5Rの開始と同時に松崎がドクターチェック。再開後、松崎は前に出ると加藤は下がりながらヒジ、右フック。さらにタックルのようにして松崎をロープまで押していく。
加藤は右フックで松崎の腫れている左目下を狙い撃ち、さらにバックキック。松崎は一発逆転を狙ってヒジを狙っていくが、加藤もヒジとフックを返す。うなり声を上げながら前へ出る松崎に加藤は右フックとヒジ。松崎は左右フックとヒジを繰り出すが、加藤が右フックを当ててすぐに距離をとる。
試合終了のゴングが鳴ると、顔面が変形しながらも最後まで戦い抜いた37歳・松崎に拍手が送られた。判定は2-0で加藤が初防衛に成功した。
加藤は「デカいこと言った割にはしょっぱい試合をしてすみません。初めて顔を切られたのでビビりました。やっぱりおじさんパワーは根性が違いますね」と試合の感想を語ったあと、「次は海外で試合をしたいので組んでください。あとロミー(・アダンザ)と試合がしたいです」と海外進出を希望した。
★第9試合(大和侑也vs渡部太基)、第8試合(伊東拓馬vs木村健太郎)、第7試合(勇児vsハリィー永田)〜第1試合の試合結果はこちら
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