以下は谷川プロデューサーのコメント
交渉については直接、弁護士と話を進めました。そこで話がまとまってから、マネージャーが登場したという形です。
今回、ここまで契約が長引いた原因はPPVの問題です。現在、タイソンは「ショータイム」と契約が残っていて、K-1としてはHBOとショータイムの両方で放送したいというプランを考えていました。過去、タイソンは最低でも60万件のレートを持っており、K-1に出ることでそのレートが下がることを懸念し、PPVに乗り気ではなかったからです。タイソンのギャラはボクシング時代のものとほぼ変わらないので、PPVでの成功が必要です。そのため正式に合意に至るまでに時間がかかってしまいました。
デビュー戦についてはアメリカの現地時間で7月31日、会場はラスベガスのMGM、ニューヨークのMSG、ロサンゼルスのステーブルセンターを候補に考えています。この3つの会場の中で最もいい条件を出したところを選びたいと思っています。
これはK-1の世界戦略の第一歩です。7月31日はこれまでのボクシングにないような、K-1のオールスターが勢ぞろいのビッグイベントにするつもりです。その中で最も大きいのがタイソンの参戦というわけです。タイソンの対戦相手としてはK-1ファイターを考えています。また今はまだ公表できませんが、タイソン以外にもアメリカの大物を招聘して、PPVの件数を上げたいと思っています。
まずアメリカでタイソンの試合を数試合組みたいと考えています。それを日本のファンに還元できるような形にしたいですね。
アメリカの場合、PPVの契約は試合の3ヶ月前には完了するので、4月末にはすべてが決定すると思います。なので4月のラスベガス大会の時にタイソンを呼んで記者会見を開きたいと思っています。
――日本ではどのテレビ局になるんですか?
TBSさんです。色々各局にこの話を持っていたんですが、 TBSさんが一番熱心に対応してくれました。放映権料の方もそれなりの額を払っていただけるということなんで。協力体制が一番しっかりしているTBSさんとやることにしました。かなりのビッグマネーが動くことになると思います。ただタイソンの場合は契約してからも大変だと思います。リングに上がらすことが大変です。ちゃんとトレーニングさせて最高の状態にしてあげたいです。アメリカの米軍基地やハワイなどあまり雑音の入らないところで練習させたいですね。タイソンはかなり神経質な選手なんで、盛り上げながらケアしないといけないです。
ボクシングではどうだったかは分かりませんが、K-1としてはタイソンを良くしてあげようと考えていますし、タイソンには良くなって欲しい。借金を全部返してあげるくらいの気持ちです。あれだけ悩んでサインしてくれたということは、かなりやる気を持っていると思いますから。
――タイソン選手自身は7月31日に試合をするということは認知しているんですか?
タイソン本人は5月にでもやりたいと言っていました。ただ全体的に考えてそれが難しかったんです。なのでタイソンの気が変わらないうちにやりたいな、と。タイソンは7月31日と分かったうえで契約書にサインしています。
さっきも話しましたが、アメリカは日本と違って、契約書があって初めて、色々なことが決まるんです。なのでPPVや会場はタイソンに契約書にサインしてもらうまでは進められない状態だったんです
。
――イベントについては?
10試合くらいを考えています。昨年の大晦日に開催した『Dynamite!!』のような大会になると思います。K-1ルールだけじゃなくてMMAルールの方も取り入れていこうと考えています。
|