9月19日(日)横浜文化体育館で開催されるシュートボクシング協会『シュートボクシング・ワールドトーナメントS-cup2004』の、トーナメント出場全選手が決定した。立ち技格闘技世界一決定トーナメントというだけあって、様々な立ち技格闘技の選手が出場する。例年以上にバラエティーに富んだ今回のトーナメントは、史上最大の激戦となりそうだ。
注目は昨日参戦が発表されたジェンス・パルバー。レスリングのタックル&投げと総合でも主要武器となっているパンチで、UFCに続くタイトル獲得を目指す。しかし、1回戦の相手は前回のS-cupで準優勝を果たした中国武術・散打が送り込む、代常亮だ。投げが発達していて打撃も強力な散打だけに、パルバー1回戦負けの可能性は充分にある。
前回の覇者サワーは、V2へ向かって同じヨーロッパを主戦場とするオーレ・ローセンと対戦する。オーレがどれほどの実力者か分からないが、ヨーロッパ系ならスタイル的に噛み合いそう。準決勝でパルバーと代どちらと当たってもサワー有利は動かないだろう。今回も決勝へ進出するのではないか。
K-1 WORLD MAXが送り込んだ刺客、アルバート・クラウスはいきなりムエタイ戦士チャンプアック・チョ−セパサートと激突。これは厳しい相手との対戦となった。2002年のMAXではガオランをKOしているクラウスだが、チャンプアックはガオランよりも攻撃的で強い選手。全日本キックの佐藤嘉洋がガオランには判定勝ちしているが、チャンプアックにはKO負けを喫している事でも実力が測れる。ムエタイの一流を相手にクラウスのパンチが通用するか? チャンプアックが有利だと予想する。
そして、唯一人の日本代表となった緒形健一はアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの打撃コーチであり、ヴァンダレイ・シウバが所属するシュート・ボクセにもいたというカテウ・キビスと対戦する。シュート・ボクセ仕込みのアグレッシブな打撃は脅威だが、立ち技の実力なら緒形のほうが上と見る。
そうなれば準決勝は緒形VSチャンプアックとなるが、ローキックがあるため緒形はクラウスやサワーよりもチャンプアックに勝つチャンスがある。しかし、ムエタイは投げにも強いため攻略できるチャンスは少ない。チャンプアックがクラウス戦でどれだけ消耗しているかが、緒形勝利のカギとなるだろう。
<S-cupルール>
8人制ワンデイトーナメント
◇3分×3ラウンド インターバル1分
◇本戦3Rで決着が着かない場合、3分×1Rの延長を行う。決勝戦は、本戦3Rで決着が着かない場合、3分×2Rの延長を行う
◇ヒジによる攻撃は禁止とする。
◇その他については、公式ルールブックに法る
<賞金>
優 勝¥5,000,000
準優勝¥500,000
<副賞>
KO賞 各¥200,000
※投げによるKO、または立ち関節技によるギブアップにより勝利した場合は別途、各¥100,000
<トーナメント出場選手プロフィール>
“スーパーリーグのエース”
オ−レ・ローセン(OLE LAURSEN)
所属:KRSジム・チームオーレ
保持タイトル:IMTC世界スーパーウェルター級王者/タイKING'S Cup2002王者
戦績:29戦19勝12KO9敗1分
生年月日:1977年8月21日
出身:デンマーク
身長:173cm
体重:70kg
もともとアメリカに住んでいたが、ムエタイを学ぶ為にタイへと渡り、現在はタイに居住を置く。完全実力主義ともいわれる、ヨーロッパ最大の格闘技イベント"スーパーリーグ"にて、トップクラスに位置するスター選手として活躍。シェイン・チャップマンなどとも激戦を繰り広げ、K−1ジャパンMAX2004王者の小比類巻貴之をKOしたピーター・クルックにもKO勝利を収めている。
実は前回の、S‐cup2002に出場がエントリーされていたもののギリギリで実現せず、今回、初来日にして本戦への出場が決定。念願だった日本でのファイトに並々ならぬ意気込みで、初挑戦となるSBルールも「このルールは面白い。対戦相手は誰でも構わないが俺がベルトを頂く」と優勝を狙う。ダークホースと呼ぶにはあまりにも危険な男がSのリングを襲う。
“ジョン・イーゴ以上の実力者”
代 常亮(DAI JYOUAN)
所属:中国武術協会
保持タイトル:2003年中国散打65s級王者
戦績:
生年月日:1983年12月7日
出身:中国山東省
身長:172cm
体重:68kg
1997年より、中華武術学校に入学し散打を始める。2000年北京大学代表チームに選抜されるなど、試合で輝かしい結果を残しメキメキと頭角を表す。2001年『金龍カップ』65kg級の王者となり、翌年"中米散打争奪戦"にも選抜され見事勝利を収め、対外試合にも強いことを証明。昨年は全中国散打王者となり、現在最も波に乗る散打70kg級最強の王者。
過去、SBは散打との対抗戦において、散打王の繰り出す投げのパワーに苦しみ、ポイントを奪われることも多々あった。実際、前回のS-cupでは、中国代表の鄭裕蒿(ジョン・イーゴ)が豪快な投げのポイントを奪い、準優勝に輝いている。今回、中国武術協会が、鄭を「更に上回る実力者」として送り込んで来た、この代常亮が台風の目となるかも知れない。
“K-1 WORLD MAX初代覇者”
アルバート・クラウス(ALBERT KRAUS)
所属: ブーリーズジム
保持タイトル:K-1WORLDMAX2002王者
戦績:41戦32勝(21KO)6敗3分
生年月日:1980年8月3日
出身:オランダ
身長:175cm
体重:70kg
いわずと知れたK-1WORLD MAX初代王者。端正な顔立に似合わぬ激しいファイトを身上とするクラウスは、現在K-1MAXの顔として活躍する2003年度王者・魔裟斗と人気を二分する格闘技界の中心的存在。今年のK-1WORLDMAXにおいては惜しくも優勝を逃すが、永遠のライバル魔裟斗と4度目となる激戦を繰り広げ、更に評価を上げた。最近では、スーパーリーグなどでも活躍しており、ますますそのハードパンチに磨きをかける。今回、初となるSBルールに挑戦するが「S-cupだからといって何も特別なことはない。俺のパンチには簡単に近づけない。誰が相手でも倒すだけ」と、トーナメント優勝への自信は全く揺るがない。
“総合格闘技の粉砕機”
ジェンス・パルバー(JENS PULVER)
所属:チームエクストリーム
保持タイトル:UFC初代世界ライト級チャンピオン
戦績:33戦28勝4敗1分
生年月日:1974年12月6日
出身:アメリカ
身長:180cm
体重:68kg
ヘビー級・ミドル級問わず、総合格闘技の世界において、その名を知らぬ者はいないスーパースター。アメリカ最大のMMAイベント『UFC』の、初代・世界ライト級王者となり"ライト級世界最強"の称号を得る。一昨年のUFCコネチカット大会においては、先日のK-1 ROMANEXでドゥエイン・ラドウィックを秒殺したBJペンと、まさに世界頂上決戦ともいえるタイトル戦を行ない、これにも勝利を収め王座を防衛。現在も、国内外問わず様々な団体からのオファーがある中で、今回S-cupへの出場を決めたパルバー。「このルールで優勝する自信があるから」と、その出場理由を語る。誰と闘っても好勝負を生み出すパルバーが、このルールでどんな試合を魅せてくれるのか、大いに注目である。
“ノゲイラとシウバの遺伝子”
カテウ・キビス(KATEL KUBI)
所属:チームノゲイラ・CWB Sports
保持タイトル:ブラジルSTORMムエタイ王者
戦績:52戦49勝(9KO)3敗
生年月日:1976年1月15日
出身:ブラジル
身長:180cm
体重:75k
実は、このカテウもオーレ同様、前回のS-cup2002への出場が内定していながら、直前の怪我によって欠場し、同じチームのマヌエル・フォンセカが代打出場したという経過がある選手。今回、満を持して登場するこのカテウは、もともとシュートボクセに所属しており、STORMなどのブラジル国内におけるムエタイトーナメントのタイトルを総ナメにし、本場タイにおいても数々の試合に勝利している。国際式ボクシングでも8戦の経験があり、7勝4KOという勝率を誇る。現在は、あのアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと同じチームでトレーニングし、打撃に関してはノゲイラ等に技術指導をするという立場だという。イギリスで開催されたアルティメット・コンバットなどのMMAの大会においても脅威の打撃で勝利を収めた。ブラジル最強のトップストライカー。
“超象二世”
チャンプアック・チョ−セパサート(CHANGPUEK
CHORSEPASERT)
所属:ISS ジム
保持タイトル:WMTA世界Sウェルター級王者
戦績:119戦93勝(67KO)26敗
生年月日:1979年7月5日
出身:タ イ
身長:175cm
体重:70kg
日本での試合は、K-1MAXでの大野崇戦を含む2試合を行っており、両試合ともにパンチによる派手なKO勝利を収め、強烈なインパクトを残した。ムエタイ戦士にしては珍しく、蹴りよりもパンチでの激しい打ち合いを得意とする選手で、最近の試合では今年K-1アジアGPトーナメント王者となったガオグライ・ゲーンノラシンを2RでKO。その後、スーパーリーグなどで活躍するWKA世界ウェルター級王者・佐藤嘉洋を4ラウンドでKOしている。現在、あの"黄金の左ミドル"サッグモンコン・シッチュ−チョークと同じジムに所属しており、そのサッグモンコンがここのところ総合格闘技の練習に取り組んでいて、共にシュートボクシングルールへの対策を練っているという。最強の打撃に加え、投げ・関節技をも身に付けたチャンプアックに、付け入る隙は全くなくなったといえる。この、ムエタイ王者が、Sのリングをも席巻してしまうのか。
“S-cup2002覇者”
アンディ・サワー(ANDY SOUWER)
所属:リンホージム
保持タイトル:S−cup2002王者
戦績:98戦94勝3敗1分
生年月日:1982年11月9日
出身:オランダ
身長:172cm
体重:70kg
今から2年前の第3回S‐cupに彗星のごとく現れた19歳の超新星アンディ・サワー。同年、K‐1WORLD MAX2002で優勝を収めていたアルバート・クラウスとは元同門。本来、そのK-1MAXに出場が予定されていたのはアンディであったが、怪我の為に欠場。そのアンディの代打として出場したクラウスが優勝を果たし、直後に同ジムを離脱。アンディは、思いの全てをS-cup2002にぶつけ、世界の強豪を退けて見事優勝を果たした。その後もアンディは"黒船"として緒形、土井、後藤といった日本人エース達に勝利し続けるも、SBに対する愛情とS‐cup王者としてのプライドが芽生え、今ではSBの顔としてファンに親しまれる存在となった。昨年、K-1MAX2003の1回戦にて、クラウスとの因縁の対決も実現。しかし結果は、初回に偶然のバッティングで目の上を深くカットし試合続行不可能となったアンディのTKO負け。しかし、実際にパンチによるダメージも深く、言い訳の出来ない敗北であったことは事実。ただ、あれが本来のアンディの闘いぶりではなかった事も誰もが認める真実。今回、クラウスとの第2ラウンドは実現するのか!?
“日本の切り札”
緒形健一(KENICHI OGATA)
所属:シーザージム
保持タイトル:SB日本S・ウェルター級王者
戦績:1974年1月26日
生年月日:18戦17勝(15KO)1敗
出身:日本/山口県
身長:172cm
体重:70kg
今回、念願だったS-cup出場へのキップを掴んだ緒形。これまでも、シュートボクシングを背負いデニー・ビル、ラモン・デッカーといった世界の頂点との激戦を繰り広げてきたが、なかなか勝利という結果を残せなかった。しかし、昨年暮れに怪我からの復帰戦をKO勝利で飾り、続く2月1日大会もKOで勝利を収めると、約3週間後の2月24日、K-1
MAX日本代表決定トーナメントに緊急参戦し武田幸三と対戦。強烈なアッパーで武田をKO寸前まで追い込んだ。「自分の中で何かが変わった」と話す緒形は、「どんな相手との試合でも自分の全てを出す事が大事」と、ジムでの猛練習に加え、S−cupに向け、スペシャリストの元で、3ヶ月前から肉体の改造・改善に取り組んでいる。無理な負荷をかけたりせずにバランス重視で行なうトレーニングによって、一回り体も大きくなりバランスも修正されたという。「シュートボクシングを守る為」と、あらゆる敵と闘い結果を残し続けた、初代S-cup王者・吉鷹弘を意識し過ぎるあまり、力が入り過ぎていた自分を振り返り、「気負いすぎず、体の力を抜いて勝ちに行く」と、今回の大舞台に挑む。
「SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup2004」
シュートボクシング協会
2004年9月19日(日)神奈川・横浜文化体育館
開場16:00 開始17:00
※開場・開始時間が変更になりました。注意してください。
<対戦カード>
[S-cup2004ワールドトーナメント]
▼S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
アンディ・サワー(オランダ/リンホージム/S-cup2002王者)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク/KRS GYM Team OLE/IMTC世界Sウェルター級王者)
▼S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
ジェンス・パルバー(アメリカ/チーム・エクストリーム/初代UFCライト級王者)
VS
代常亮(中国/中国武術協会/2004年中国散打65kg級王者)
▼S-cup2004 1回戦
3分3R 延長1R
アルバート・クラウス(オランダ/ブーリーズジム/K-1 WORLD MAX2002王者)
VS
チャンプアック・チョーセパサート(タイ/ISSジム/WMTASウェルター級王者)
▼S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
緒形健一(日本/シーザージム/SB日本Sウェルター級王者)
VS
カテウ・キビス(ブラジル/チーム・ノゲイラCWB SPORTS/ストームムエタイミドル級王者)
▼S-cup2004 準決勝 (A) 3分3R 延長1R
サワーVSローセンの勝者
VS
パルバーVS代の勝者
▼S-cup2004 準決勝 (B) 3分3R 延長1R
クラウスVSチャンプアックの勝者
VS
緒形VSキビスの勝者
▼S-cup2004 決勝 3分3R 延長2R
準決勝(A)の勝者
VS
準決勝(B)の勝者
▼リザーブマッチ 3分3R 延長1R
宍戸大樹(日本/シーザージム)
VS
現在調整中
[ワンマッチ]
▼シュートボクシング 世界スーパーヘビー級王者決定戦(ヒジあり)
ネイサン・コーベット(オーストラリア/ファイブ・リングス・ドージョー/SB豪州ヘビー級王者)
VS
ニルソン・デ・カストロ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
▼シュートボクシング世界ウェルター級選手権試合
王者
土井広之(日本/シーザージム)
VS
挑戦者
現在調整中
<チケット料金>
SRS席 20,000円 RS席 15,000円 SS席 10,000円 S席 7,000円 A席 5,000円 B席 4,000円
<チケット発売場所>
チケットぴあ
/ ローソンチケット
/ e+(イープラス)
/ シュートボクシング公式サイト
<お問い合わせ>
シュートボクシング協会 03-3843-1212
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