外国人選手と戦っても差は感じない
それなりの戦い方が必ずある
――7月にAFCでエジソン・ジニス(アメリカン・トップ・チーム)と対戦しましたが
本当、試合の前から色々大変だったんですよ。現地に着いてからも結構トラブルがありましたからね。
――試合前にも関わらず一緒の場所で練習したという話を聞いたのですが、本当なんですか?
僕はアメリカン・トップ・チームのヒカルド・リボーリオと仲が良くて、リボーリオの方から「練習に来いよ」って誘ってくれたんですよ。それで道場に行きました。アメリカン・トップ・チームには日本人からも出稽古に行く選手が多くて、みんなとてもフレンドリーに接して来るんですけど、その中に対戦するエジソンもいて、分けの分からない日本語でずっと喋りかけてくるんですよ。そしたらしばらくしてようやく対戦相手だって気づいたみたいで(笑)。でも結局そのまま仲良くなっちゃって、二人で一緒に体重測りながら「これならお互い大丈夫だな」みたいな話をしてました(笑)。その後、エジソンはとなりのマットで柔術を教えていて、僕がとなりでサンドバック叩いて。そういう感じで2日間くらい一緒の場所で練習してました。
――直前に対戦相手と会話したり、同じ場所で練習するのは気になりませんか?
僕は全く気になりませんね。仮に向こうが殺す気で来てても「ああ、そうですか」って感じで受け流します。逆に僕も向こうが知っている人でも殴ることは出来ます。名古屋ブラジリアン柔術クラブの早川代表にも言われたんですけど「緊張させるのは周りじゃなくて自分だから。どれだけそれを抑えられるかが大事なんだよ」って。
――実際に戦ってみてどうでした?
やっぱり巧かったですね。僕がやろうとしたことをすべてその前に封じられてしまいました。まあとなりで僕が打撃の練習していたというのもあるんでしょうけど(笑)。向こうは組み付くために打撃を出して来るんですけど、それが躊躇なく思いっきり打ってくるんですよ。僕は無理にタックルに行こうとは思ってなかったんで、どうしても倒されてしまいました。そこからハーフで上からコツコツ殴られるという展開が続きました。ルール的には修斗ルールに近くて、一旦、ポジションを取られて押さえ込まれるとなかなかブレイクがかからなかったんですよ。僕はDEEPやZSTでブレイクが早いルールで試合をして来たから、それに助けられていた部分もあったと思いましたね。
――タックルのための打撃でももらってしまうものなんですか?
やっぱりプレッシャーが強いですからね。あとはリーチも長かったです。エジソンを想定して身長の高い笛吹丈太郎(大和ジム/NKBウェルター級王者)さんとも練習したんですけど、エジソンの方が経験も豊富でしたし、うまくやられましたね。
――外国人選手のやりにくさは感じませんか?
それは感じませんね。相手も人間なんで当たるところに当たれば必ず倒れます。ようは向こうの力に力で対抗するから駄目なんですよ。相手の力というのは逃がすことが出来るんです。例えば相手に押された時にそれを受けて我慢するんじゃなくて、体を一瞬半身にして後ろに力を逃がす、とか。なかなか試合では使えないんですけど、常にそういうことは頭に入れて練習してます。
――力の差があってもそれなりの戦い方はある、と。
そうですね。技術は体力を凌駕するじゃないですけど、体が大きい相手に負けるというのは悔しいですから。こういう角度で当てれば一番力が伝わるんじゃないかとか、そういうマニアックで武道的な話を名古屋ブラジリアン柔術クラブの早川代表といつも話しています。
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