3月1日(火)都内のホテルにて、元・新日本プロレス取締役の上井文彦氏の事務所(有)ビッグマウスが第2回記者会見を行った。
上井氏は新プロレスイベントの旗揚げを目指し、前田日明をスーパーバイザーとして迎える事を前回の会見で発表。しかし、今回の会見はプロレスに関する事ではなかった。上井氏は「私のスーパーバイザー前田さんを紹介します」と前田日明を呼び出し、二人で会見の席上に就いた。
上井
「前田さんといろいろ話している中で、随所に総合格闘技への熱い思いが散りばめられており、私の心に響きました。私のほうでは3月末から4月の頭にプロレスのイベントをやりたいということで、3月26日(土)さいたまスーパーアリーナを抑えております。前田さんの熱い思いを聞いたので、前田さん、出来るなら総合のイベントをやりますか、という話になりました。会場は抑えてありますよ、と。
そして、唐突ですが、3月26日(土)さいたまスーパーアリーナで私が総合プロデュース、前田さんには最初から実行委員長をやって欲しかったんですが、今回はスーパーバイザーという事で、名称は“HERO(ヒーロー)”このイベントを立ち上げる事になりました。
このイベントが前田さんの目指すリングスの復興、そのお手伝いになればとの事で私が総合プロデュースをやります。ビッグマウスはプロレス最強を目指す事が目的ですが、このリングでもプロレスラーが総合格闘技に立ち向かうための試合場になればいいと思いました。私のプロレスイベントも、4月23日(土)横浜アリーナで行いたいと思います。私が尊敬してやまない、FEGの谷川プロデューサーにお願いして、当初は“ビッグマウス・イリュージョン”という形でやりたいと思ってたんですが、ワールドワイドを目指していきたいので“レッスル1”という名前を貸して下さいとお願いしました。
本日の会見は、前田さんに総合格闘技の世界で一番になる場を提供したいとの事です」
前田
「まず始めに、ビッグマウスの選手を強い団体にいる選手にしたい。その環境整備の一環として、総合が必要になってくる。リングス・ジャパンは活動を休止してますが、オランダ、リトアニア、グルジア、ロシア…それぞれは今も試合を年間8〜9試合やってます。新しい選手を使って欲しいと要請されたりするんですね。彼らには日本のいろんな状況が分からないので、資料だけ送られてくる。自分にも、彼らを世界的ネットワーク創りに引き込んだ責任もあるんですよ。現在の状況は、特に中量級でいい選手が多数出てきているので、中量級をメインにして、ヘビー級も少しずつ、ビッグマウスの選手も育てる場にしていきたい。PRIDEさんでノゲイラ、ヒョードルその他いろいろリングスにいた選手が頑張ってますが、自分の選手を見る目、育てる目、世界最強はリングスが決めるというキャッチコピーがありましたが、それはPRIDEさんの場を借りて証明してくれたかなと思ってます。
未発掘の選手はいろんな所にたくさんいる。それらを陽の当たる所に出していきたい。上井さんに協力しながら、リングス・ジャパンの復活を目指して行きたいと思います」
上井
「3・26は日にちがないので、ファンサービスとして全席10,000円のような気持ちでやりたい。あと若い人のために6,000円。この2種類のみのチケットで勝負していきたい。後日、参加メンバーやカードを配ります」
●質疑応答
――現在、出場の確約が取れている選手はいますか?
上井「FEGと協力関係があるので、ボブ・サップ、秋山成勲、須藤元気、宇野薫などを出してくれるという話をもらっています。出場確定と思っていただいてけっこうです。最終的には9〜10試合を組みます」
――前田さんは、今上がった選手たちに選手をぶつける形になりますか?
前田「自分のところには、実際にこの選手を出してくれとの要請が多い。状況的にも中量級の選手が多いんですね。その辺から紹介していきたい」
上井「チケット関係なんですが、テレビ局、スポンサーがいるわけでもないし、会社は私ともう一人しかいないので、FEGに協力を頼んでいます。FEGさんとはいい状態で話が進んでいるので、いい関係が出来ています」
――FEG及びK-1とはどんな関係になるんですか?
上井「信頼関係です。僕との協力関係にあります」
前田「あと、総合の場、中量級の選手を活かしてくれる場を創りたい。中量級は世界中の人間の層の厚いクラス。自分も今は驚きの連続で、資料を見てるとこの世界には山本KIDクラスが10〜20人はいる。そのさらに上のレベルも、間違いなく3人はいる」
――ルールはKOKルールになるんですか?
前田「それは調整中です。貸してもらう以上、やりますが調整中です」
――前田さんは最低何人ぐらいはリングス・ネットワークから選手を呼びたいですか?
前田「4人ぐらい。あと、韓国で一時手をつけたコリアの連中からも来ている話がある。4人ぐらいは呼びたい」
――元リングス・ジャパンの選手にも声をかけますか? 例えば先日、高田道場を退団した山本宜久選手など。
前田「山本は自分が捕まえて話をしました。それで今後は、自分が面倒を見る事になりました。トレーニングや試合が出来る状況を創ってやろうと思っています」
――このイベントは今後も継続して行っていくんですか?
前田「中量級の選手層ってハンパじゃないんですよね。これを活性化していかないといけない。リングスもヘビー級で確立してから中量級、と考えてましたし、選手も育てていた。アマチュアの試合で、あの時点で世界大会が出来るくらいにまでなってました。日本のリングスは休止してますが、日本ではPRIDEが出てきたけど、選手にはそれは許可して。彼らにも生活があるから。この3年間トレーニングして、かえっていろんな幅が出来て良かったかなと思ってます。あれから3年間経ったけど、いろんな意味で驚くような人材が出てきた。ヘビー級も3人はいます。とんでもないやつがいる。いるんですけど、その内、引っ張ってきます。
山本KIDも去年見て、凄いと思ったというのが正直な感想ですけど、ビデオとか資料を見てもあのクラスはたくさんいるんですよ。総合で中量級をやりはじめたら、あっという間にあの(K-1MAX)レベル、顔ぶれ、緊迫感、面白さのあるリングになると思います」
――大会へ向けて、前田さんが海外へ行く事はありますか?
前田「まずロシアに行きます。それとリトアニア、オランダ、ブルガリア…海外へ行くことになってます。韓国も選手の絡みで行くことになってます」
――カード発表はどれぐらいになりそうですか?
上井「予定では3月5日にチケットの一斉発売をするので、それまでにという形でやります」
――他団体の選手にも声をかけますか?
前田「前向きにやります。正直言うと、ネットワーク内には50s〜170sくらいまで、嫌というほど選手はいるので」
会見後、記者の囲み取材を受けた上井社長は、「これは私のファンに対する奇襲攻撃です。ファンに対して鵯越の闘いですよ。ありえない闘いをファンに仕掛けてると。時間もないですから、10,000円・6,000円でどれぐらい来てくれるか。前田さんは相当突っ込んで見てる。自分の持っているテープを一晩中見てる。二度目からは前田さんが表に出てやってくれればいいと思っています。あの人は3年間溜めていたものを一気に吐き出そうとしている。藤田和之の出場は候補に挙がっていましたが、決まってはいません。
熱い心で前田さんに語られると、プロレス界に戻ってきてくれたのは、あの人の中では清水の舞台から飛び降りるつもりぐらいだと思うんですね。それに何か恩返しできるなら、リングス復興の力を貸したい。前田さんの目指す場になる。前田さんが連れて来る選手に期待してください。熱っぽく語っていましたから」と締め括った。
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