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【立ち読み】第7回 左を制する者は世界を制すーー魔裟斗の技術の巻

2006/03/25

■ステップイン・アウトを用いて反応を見る

 魔裟斗にとって復帰第二戦となるこの試合。魔裟斗の復調ぶりを観るには最適な相手ではないだろうか? 打撃が得意であるとはいえ総合を主に闘うイアンは、回転力の速い連打以外にこれといった武器はなく、リーチも短くステップも使わない。魔裟斗組み易しの相手だからである。

 ローのカットに難があり、ジャブとローのコンビネーションで攻められては、タフなイアンにも荷が重すぎるのでは? というのが戦前の私の予想であった。

 立ち上がり、イアンの連打を警戒してか慎重に攻め入る魔裟斗。どんな相手でもステップイン・アウトの出入りで相手の反応をうかがい、しっかり攻撃の間を作り出そうとするあたりは、いつも通りの磐石の試合展開。

 現在の国内のファイターで魔裟斗のようにステップイン・アウトを用いて反応を見る選手は、魔裟斗以外には宍戸大樹と山本真弘しかいない。あの鋭い出入りは練習の賜物であることは間違いないが、このステップがあるからこそ 自分の距離をしっかり作り出し、闘いのイニシアチブを奪うことが可能なのである。

 ヘッドスリップに優れる魔裟斗が自分の距離をしっかり保とうとするのであるから、勝率も良くKO負けが少ないのも当然のことであろう。

この続きは吉鷹弘の「打撃」研究室にて公開中→

【関連リンク】

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