2月9日(金)東京・新宿にある全日本キックボクシング連盟本部にて、5日の『K-1 WORLDMAX 2007〜日本代表決定トーナメント』リザーブマッチに出場したサトルヴァシコバ(勇心館)が記者会見を行い、保持していたWFCA世界ライト級王座を返上した。
会見場に現れたヴァシコバの姿を見て、集まった記者陣は騒然となった。ヴァシコバと言えば、ド派手なトランクスと毎回変わる奇抜なヘアスタイルがトレードマークだったのだが、なんと今日のヴァシコバは丸坊主になっていたのだ! 同席した全日本キックボクシング連盟・宮田充興行部長によれば、K-1MAXでの敗戦を受けて、ヴァシコバが頭を丸めてタイトル返上を申し出てきたという。
「K-1MAXで負けた後に色々と考えベルト返上をして、生まれて初めて坊主頭にしました。これからは新空手の、一人のキックボクサーとして、K-1MAXに挑戦していきたいと思います」と挨拶したヴァシコバ。そして神妙な面持ちのまま、記者との質疑応答に応じた。
――安廣戦の敗因は何だったと思いますか?
「倒すということだけを考えて、パンチが大振りになってました。僕の一番いけない形ですね。倒すつもりでいったのが、気持ちが空回りしてしまって、上手くパンチが当てられなかったです。安廣選手の捌きも上手くて、そこでちゃんとした判断も出来ませんでした。これからは確実に倒せる選手になりたいです」
――坊主にしたのは、ケジメをつけるためだったんですか?
「はい。負けてすぐに『頑張ります』という軽い気持ちではいけないと思うので。それでベルトも返上しました」
――試合前から負けたら坊主にしてベルトを返上しようと考えていたのですか?
「いえ。試合前は勝つことしか考えてませんでした」
――K-1MAXは4月から世界大会に入るため、試合のチャンスも少なくなると思います。
「もし4月の大会に出してもらえるのなら、オープニングファイトでも相手は誰でもいいんで出たいと思います」
――K-1には60kg以下のライト級が新設されるそうですが、そちらに興味はありませんか?
「70kgで試合をしているので、まずは70kgで考えていきたいと思います」
――逆に70kgまで階級を上げることは考えていますか?
「それは全日本キックさんにお任せします。ただライト級でもちょっとキツくて…ベルトも返上して今は真っ白な気持ちです…
とにかくMAXで借りを返していきたいです。新空手の人たちや、ファンのみなさん、K-1の方々に不甲斐ない試合をしてしまったので」
宮田「全日本キックでは66.6kg以下のウェルター級、70kg以下のスーパー・ウェルター級があります。今後のことについてはマッチメークで判断していきたいと思います。
現在、ウェルター級では王座決定トーナメントを行っていますが、そこで怪我人が出る可能性もありますし、そこに入るということも考えられる。階級に関しては本人の意思を尊重したいと思います」
――安廣戦を終えて、今どんなことを考えていますか?
「とにかく倒すか倒されるかを表現したいなと。そしてもっと凄いと思われるような試合をしたいです」
――ルールの違いは気になりませんでしたか?
「ローブローがあったんで少し蹴り辛いというのはあって、クリンチした覚えもないんですけどね…対応できていなかったかもしれません。ただそれも踏まえて盛り上げる試合をしたいです」
――約2年ぶりにベルトや肩書きのない身になったと思いますが。
「世界王者になった時は本当に気持ちよかったんです。それでMAXでも勝って、自分を高めてアピールしたかったんですけど。それを自分が出来なかったので、もうタイトルは持ってちゃいけないと思いました。これからは肩書きも捨てて、一人のファイターとしてやっていきたいと思います」
――具体的に復帰戦の時期は考えていますか?
「先ほども言いましたが、4月のMAXに出させてもらえるのであれば出たいと思います」
と、ここまでは非常に重い空気の中で会見が続いたが、髪型に話が及ぶとヴァシコバの表情も緩んだ。学生時代から、絶対に坊主にはしたくなかったタイプで、実際に髪を切るときもバリカンで一気に刈るのではなく、少しずつ短くしていったというヴァシコバ。
会見の最後には「髪が短くなるに連れて、自分って結構、悪人顔なんだなってことに気付きました。それで今日の服装は黒で統一してきました。坊主の人たちは『乾きが早くてスッキリする』って言うんです。その意味も分かります」と笑顔で話すなど、すっかりヴァシコバ節を取り戻した。
今年32歳、年齢だけを見るとベテランの域に達しているヴァシコバだが「周りのみんなからはもうチャンスは少ないと言われるけど、このままじゃ終われない。この悔しさをインプットしてやっていきます!」と、改めてMAXへのリベンジを誓った。
全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2007
「Departure〜野良犬FINAL〜」
2007年3月9日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
※本戦開始前にオープニングファイト予定
<決定対戦カード>
▼小林聡・引退記念エキジビションマッチ 3分1R
小林 聡(藤原)
VS
X(後日発表)
▼スペシャルマッチ 56kg契約 3分5R
山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
VS
藤原あらし(SVG/全日本バンタム級王者)
▼スペシャルマッチ 61.5kg契約 3分5R
大月晴明(AJKF/WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)
VS
増田博正(スクランブル渋谷/全日本ライト級王者)
▼第23代全日本ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 サドンデスマッチ 3分3R
山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級1位)
VS
金統光(藤原ジム/全日本ウェルター級2位)
▼第23代全日本ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 サドンデスマッチ 3分3R
湟川満正(AJジム/全日本ウェルター級3位)
VS
宝樹まもる(勇心館)VS三上洋一郎(S.V.G.) ※2・2新宿大会の勝者
▼全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
岩切博史(月心会/全日本フェザー級5位)
VS
中村元気(クロスポイント・ムサシノクニ)
▼全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
畑尾龍宏(REX JAPAN/全日本ライト級9位)
VS
遠藤智史(AJジム/前全日本フェザー級7位)
▼全日本ライト級ランカー昇格決定戦 3分3R(延長あり)
寺崎直樹(青春塾)
VS
野間一暢(JMC横浜GYM)
※本戦は上記8試合。試合順は後日発表。他3ラウンド数試合予定
<チケット料金>
野良犬FINALシート(特製チケット/特典付き/※連盟販売のみ)20,000円
RS席10,000円 S席7,000円 A席5,000円
<チケット販売所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
チケット&トラベルT-1
<お問い合わせ・チケット予約>
全日本キック 03−3365−1171 http://www.aj-kick.com
●全日本キックボクシング連盟 2007年度・大会スケジュール
3月9日(金)後楽園ホール
4月15日(日)後楽園ホール
4月 タイ遠征(予定)
5月11日(金)後楽園ホール
6月9日(土)新宿FACE 『CUB☆KICK’S-6』 ※追加
6月10日(日)新宿FACE 『CUB☆KICK’S-7』 ※追加
7月29日(日)後楽園ホール
8月25日(土)後楽園ホール
9月29日(土)後楽園ホール
10月 代々木第二体育館(予定)
11月18日(日)後楽園ホール
12月7日(金)後楽園ホール
※新宿FACE大会、横浜赤レンガ倉庫大会(はまっこムエタイジム)、その他追加大会予定
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