WBC(世界ボクシング評議会)が認定するムエタイ世界組織WBCムエタイの日本ランキングを制定する「WBCムエタイ日本ランキング選定委員会」の第3回会合が、11月2日、都内にて行われた。委員会は格闘技マスコミによって形成。同ランキングはタイのWBCムエタイ本部に提出され、世界ランキングに反映される。
ランキングの選定基準は過去3ヵ月間に行われたムエタイ及びキックボクシングルール、3分5Rヒジありの試合結果のみが対象となり、内容云々は反映されない。ルールの違うK-1、シュートボクシング、R.I.S.E.などの試合は対象外。
評価の優先順位は(1)VSタイ人の実績・戦績、(2)直接対決での勝敗(ヒジあり、5回戦=ヒジなしまたは3Rでの試合は参考とする)、(3)戦績、(4)VSムエタイを想定しての実力、となっている。
今回より日本のジムに所属し、日本を主戦場にするタイ人を含む外国人もランキングの対象となった。そのため、各階級で順位の変動が起きている。また、60KgトーナメントなどWBCの階級カテゴリーに属さない体重で行われた試合に関しては、その契約体重よりも軽い階級の選手に関してのみ現行階級に実績を反映させる。
なお今回、タイからの検討課題として女子の日本ランキング作成についての要望もあったが、WBCムエタイ女子ルールが不明のため次回以降に持ち越された。
WBCムエタイ日本ランキング委員会制定
「WBCムエタイ日本ランキング」(2007年11月1日付け)
※今回のランキングの横()内は前回のランク
◆ミニフライ級(47.61kg以下)
該当者なし
◆ライトフライ級(48.97kg未満)
該当者なし
◆フライ級(50.802kg未満)
1(1)TOMONORI(NJKF/OGUNI/WMCインターコンチネンタル同級王者、2007MACH
GO GOフライ級最強決定トーナメント優勝)
2(3)建石智成(新日本キックボクシング協会/尚武会/日本同級王者)
3(-)久保賢司(NJKF/立川キックボクシングアカデミー/NJKFフライ級王者)
<解説>建石は参考期間中タイ人に二連敗を喫しているが、強豪ムエタイと闘えるレベルにあることを実績として評価。3位にはNJKFフライ級王座を獲得、タイ・パタヤでタイ人にヒジで勝利した久保賢司がランクイン。
前回2位の魂叶獅は長期欠場、5位の森田晃充はバンタム級転向のためフライ級から除外。飛燕野嶋、高橋拓也はヒジあり5Rでの試合がないため同じくランク外へ。フライ級は試合自体が少なく、参考記録がないため今回は3位までとなった。
◆スーパーフライ級(52.16kg未満)
該当者なし
◆バンタム級(53.524kg未満)
1(2)藤原あらし(全日本キックボクシング連盟/S.V.G./全日本同級王者、真王杯55kg級トーナメント準優勝)
2(-)ワンロップ・ウィラサクレック(M-1/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1同級王者)
3(1)米田貴志(NJKF/OGUNI/NJKF同級王者、2007真王杯55kg級トーナメント優勝)
4(3)国崇(NJKF/拳之会/NJKF同級1位)
5(5)深津飛成(新日本キックボクシング協会/伊原道場/日本同級王者)
6(4)寺戸伸近(全日本キックボクシング連盟/BOOCH BEAT/全日本同級1位)
7(7)前田浩喜(NJKF/インスパイヤードモーション/NJKF同級2位)
<解説>ワンロップに勝利した実績が高く評価されて藤原が初の1位に。今回より日本のジム所属で日本を主戦場にする外国人もランキングの対象になったことでこれまでの実績からワンロップが2位に。上位の入れ替わりに伴い、米田、国崇、寺戸がそれぞれランクダウン。深津はバンタム級王座の防衛成功でそのまま5位。前田もランクは変わらず。
前回6位だった蘇我はフェザー級転向のためバンタム級から除外。
◆スーパーバンタム級(55.34kg未満)
該当者なし
◆フェザー級(57.153kg未満)
1(-)駿太(MA日本キックボクシング連盟/谷山/MA日本同級王者)
2(5)山本真弘(全日本キックボクシング連盟/藤原/全日本同級王者)
3(2)久保優太(NJKF/立川KBA/NJKF同級王者)
4(-)カノンスック・ウィラサクレック(M-1/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1同級王者)
5(3)前田尚紀(全日本キックボクシング連盟/藤原/全日本同級1位)
6(6)菊地剛介(新日本キックボクシング協会/伊原道場/日本同級王者)
7(4)中村元気(フリー/クロスポイント・ムサシノクニ)
<解説>山本元気、藤原あらしを破っているコムパヤックに勝利した実績が高く評価され、駿太がランク外から1位に大躍進。2位は60Kgトーナメントで上階級の大月に勝利したことを考慮して山本真弘。カノンスックは60Kg契約で大月に敗れたが上階級のTURBOにKO勝ちしているため4位に初ランクイン。
菊地はフェザー級王座の防衛に成功したことで中村よりも上位に。以上の結果から久保、前田、中村はそれぞれランクダウン。
◆スーパーフェザー級(58.967kg未満)
1(1)石川直生(全日本キックボクシング連盟/青春塾/全日本同級王者)
2(-)山本元気(全日本キックボクシング連盟/DEION/全日本同級1位、WBCムエタイ世界同級6位)
3(2)桜井洋平(NJKF/Bombo Freely/真王杯60kg級トーナメント優勝、NJKFライト級王者)
4(6)中須賀芳徳(NJKF/OGUNI/真王杯60kg級トーナメント準優勝/NJKFフェザー級2位)
5(3)大宮司進(フリー/シルバーウルフ/ISKA世界同級王者、M-1同級王者)
6(4)TURBO(フリー/FUTER_TRIBE ver.O.J/WMAF世界同級王者)
<解説>1位の石川は変わらず。2位にWBC世界王座へ挑戦した山本元気が階級の変更に伴いフェザー級からランクイン。参考期間中に試合を行っていない桜井はワンランクダウン。4位の中須賀はライト級の遠藤に勝利したためランクアップ。
山本真弘にKOで敗れた大宮司、カノンスックにKOで敗れたTURBOはランクダウン。ラスカルタカは試合を行っていないためランク外へ。
◆ライト級(61.235kg未満)
1(1)石井宏樹(新日本キックボクシング協会/藤本/日本同級王者、WBCムエタイ世界同級10位)
2(3)大月晴明(全日本キックボクシング連盟/AJKF/WPKC世界ムエタイ同級王者)
3(2)増田博正(フリー/スクランブル渋谷/全日本同級王者、WBCムエタイ世界同級16位、同世界スーパーフェザー級10位)
4(-)ヨーユット・センチャイジム(NJKF/元ルンピニースタジアム認定フェザー級4位/センチャイ)
5(-)ソンクラー・センチャイジム(NJKF/元WPKFフェザー級王者/センチャイ)
6(4)梶原龍児(フリー/チームドラゴン/J-NETWORK同級王者)
7(5)小宮由紀博(J-NETWORK/フォルティス渋谷/J-NETWORK同級1位)
8(-)山本佑機(MA日本キックボクシング連盟/橋本/MA日本同級暫定王者)
9(6)壮泰(MA日本キックボクシング連盟/橋本/MA日本スーパーライト級王者)
<解説>日本在住外国人がランキング対象選手となったため順位に大変動があったのがこの階級。1位はライト級王座を防衛した石井で変わらず、カノンスックを破った大月が2位にランクアップし、そのため増田がワンランクダウン。
日本人に勝利したヨーユットとソンクラーがこれまでの実績も考慮して4位と5位に初ランクインしている。そのため梶原、小宮がランクダウン。MAライト級暫定王者になった山本佑機が8位に入り、タップルワンに敗れた壮泰が9位に。前回7位の西山は試合がないためランク外へ。
◆スーパーライト級(63.50kg未満)
該当者なし
◆ウェルター級(66.678kg未満)
1(1)山本優弥(全日本キックボクシング連盟/青春塾/全日本同級王者)
2(-)ゲンナロン・ウィラサクレック(M-1/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1同級王者)
3(3)正木和也(新日本キックボクシング協会/藤本/日本同級王者)
4(2)水町 浩(MA日本キックボクシング連盟/士魂村上塾/MA同級王者)
5(4)笛吹丈太郎(NJKF/大和/NJKF同級王者)
6(5)石毛慎也(NJKF/東京北星/元NKB同級王者)
7(7)健太(NJKF/ESG/NJKF同級1位)
8(-)クリストフ・プルボー(全日本キックボクシング連盟/スクランブル渋谷/全日本同級2位)
<解説>エイメルスに勝利した山本優弥が変わらず1位。2位には白須に敗れるも71Kg契約で榊に勝利したゲンナロンがこれまでの実績も考慮されて初ランクイン。3位の正木は王座防衛に成功しているため変わらず、水町は試合を行っていないため4位にダウン。
笛吹はドローで王座を防衛しているがゲンナロンがランクインしたため5位に、石毛も同様にダウン。その笛吹と引き分けた健太は変わらず7位。8位には69Kg契約で金沢に勝利したプルボーが初ランクイン。湟川は試合なしのためランク外へ。
◆スーパーウェルター級(69.853kg未満)
1(-)クンタップ・ウィラサクレック(M-1/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1同級王者)
2(4)白須康仁(MA日本キックボクシング連盟/花澤/WMAF世界同級王者、WBCムエタイ同級世界18位)
3(1)山内裕太郎(全日本キックボクシング連盟/AJ/全日本同級王者、WBCムエタイ世界同級9位)
4(-)泰輝(全日本キックボクシング連盟/JMC横浜/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級10位)
5(2)望月竜介(フリー/U.W.F.スネークピットジャパン/全日本同級1位)
6(3)大輝(全日本キックボクシング連盟/JMC横浜/前全日本ウェルター級王者、WBCムエタイ世界ウェルター級4位)
7(6)濱崎一輝(フリー/シルバーアックス/全日本同級2位)
<解説>参考期間中に2勝しているクンタップが1位。ゲンナロンに勝利した実績から白須が2位にランクアップ。山内はスターリンとドローのため3位にダウンした。泰輝と望月は期間中に直接対決で1勝1敗と互角だったが、泰輝のKO勝ちを評価(望月は泰輝に判定勝ち)して泰輝4位、望月5位に。
大輝はクンタップに敗れたためと上位陣に押された形で6位にダウン。それにより濱崎が7位となった。前回5位の新田は該当する試合から離れているためランク外へ。
◆ミドル級(72.575kg未満)
1(1)松本哉朗(新日本キックボクシング協会/藤本/日本同級王者、WBCムエタイ同級世界7位)
2(2)中村高明(全日本キックボクシング連盟/藤原/全日本同級1位)
3(3)寒川直喜(フリー/バンゲリングベイ/J-NETWORK同級王者、WBCムエタイ同級世界13位)
4(-)後藤龍治(新日本キックボクシング協会/伊原/IMFスーパーウェルター級王者)
5(4)若生浩次(NKB/大阪真門/NKB同級王者)
6(-)K.ルイス(MA日本キックボクシング連盟/花澤/WMAF世界同級王者)
7(5)我龍真吾(フリー/ファイティングマスター/M-1同級王者)
<解説>1〜3位は変動なし。4位に1位の松本とタイトルマッチで引き分けた後藤がランクイン。そのため若生がワンランクダウン。6位には我龍を破ったK.ルイスがランクインし、敗れた我龍は7位に。
◆スーパーミドル級(76.20kg未満)
該当者なし
◆ライトヘビー級(79.38kg未満)
該当者なし
◆クルーザー級(86.18kg未満)
該当者なし
◆スーパークルーザー級(95.45kg未満)
該当者なし
◆ヘビー級(104.50kg未満)
該当者なし
<解説>前回まではランキングを制定していたが、この階級での該当試合がないためしばらく凍結することになった。
◆スーパーヘビー級(104.50kg以上)
該当者なし
■WBCムエタイ日本ランキング選定委員会
井原芳徳(BoutReview編集部員)
押切伸一(フジテレビ「SRS」構成作家)
熊久保英幸(GBR編集長)
橋本宗洋(フリーライター)
高崎計三(フリーライター)
布施鋼治(スポーツライター/委員会議長)
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