▲石井から手渡された「鬼。石井慧」と書かれた色紙を手に、会見に臨んだ岩釣兼旺氏(左)と坂口道場の坂口征二代表
1月21日(水)東京・狛江市にある坂口道場にて、元拓大柔道部監督の岩釣兼旺氏が会見を行い、昨年11月に総合格闘家の転向を発表した北京五輪柔道100kg超級金メダリスト・石井慧に“鬼”の称号を与えたことを発表した。
岩釣氏は、あの史上最強と謳われる故・木村政彦氏の弟子にあたり、1971年全日本柔道選手権チャンピオン。現在は坂口道場で師範を務めている。
→闘病中の岩釣兼旺氏(左)を訪れた石井慧。(C)ゴング格闘技/和智正夫
悪性リンパ腫(血液のがん)で闘病中の岩釣氏だが、今月5日にお見舞いに石井が訪れたときに“鬼の称号”は与えられた。
鬼の称号とは「無人の境をゆくがごとく強さ」から故木村氏が呼ばれていたもの。過去には木村氏のほかに、3人の鬼(横山作次郎、徳三宝、牛島辰熊)が存在しており、石井は史上5人目の“鬼”ということになる。
岩釣氏は、石井が全日本選手権で初優勝した当時から勝負への執念を高く買っていたという。師・木村の9時間の練習に迫る8時間の練習量や、川での砂利上げをする足腰鍛錬といった人間離れした石井の練習風景を間近でみて「彼は50年に一人の逸材だ。全日本選手権もこのままいけば、10連覇し、山下泰裕選手の9連覇を破るのではないか。木村政彦先生の“鬼の称号”を受け継ぐのは彼しかいない」と考えたようだ。
10日には、石井と岩釣氏が故・木村氏の自宅を訪問。木村夫人からは「ぜひ(木村の)遺志を受け継いでください」と声をかけられ、石井は「私に継がせてください」と決意。その後日、「鬼。石井慧」と書かれた色紙を石井が岩釣氏に渡したエピソードも明かされている。
毎月1回は抗がん剤を投入し、病魔と闘っている岩釣氏だが、「石井君とは現地まで応援に行くと約束しています。UFCに上がるときには、必ず応援に行きたい」とした。
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