株式会社ワールドビクトリーロード
「戦極−SENGOKU−」 2008年3月5日(水)東京・国立代々木競技場第1体育館 開場17:00 開始18:30
観衆=15,523人(満員=主催者発表)
▼メインイベント(第7試合) ○ジョシュ・バーネット(フリー/第10代無差別級キング・オブ・パンクラシスト・第7代UFCヘビー級王者・PRIDE
GP 2006 無差別級トーナメント 準優勝)113.2kg 一本 3R3分23秒 ※ヒールホールド ●吉田秀彦(吉田道場)108.7kg
試合前のVTRではPRIDE消滅と戦極への想いを口にした二人。「戦極旗揚げ戦のメインイベントはこの試合しかない」とジョシュ。吉田も「想像を絶する試合をしたい」とこの試合について熱く語る。
ジョシュはお決まりの北斗の拳のテーマ曲「愛をとりもどせ!」で入場。吉田も柔道衣に身を包み、マウスピースを口にくわえるいつもの姿で登場だ。吉田は柔道衣を着たまま試合に臨む。
1R、ジャブを突きながら右ローを蹴る吉田。ジョシュもジャブを突きながら距離を詰める。大振りの右フックからジョシュに組み付く吉田。するとここでジョシュが吉田の後ろに回り込んで豪快なバックドロップ! 吉田の体を高々と持ち上げて、えげつない角度でマットにたたきつけた! しかし吉田もすぐにガードポジションに戻してジョシュの追撃を阻止。ジョシュは吉田のクローズガードをバスターのような形で外そうとするが、吉田はジョシュの両腕を自分の腕で引っ掛けてそれを許さない。ここから吉田は自分の足をあげて腕十字を狙うが、ジョシュはこれに早く反応して立ち上がる。 吉田を左足を抱えて足関節を狙う素振りを見せるジョシュ。吉田はジョシュの体を蹴り離して立ち上がる。ここから投げを狙う吉田。しかしジョシュは倒れない。そして吉田の後ろに回りこんでバックドロップの態勢へ。
ジョシュのバックドロップに期待するファンからは大歓声が起こるが、吉田はジョシュの腕をキャッチしてアームロック! そしてジョシュの体を後方へと転がす! ここで吉田が亀の状態になると、ジョシュは吉田のつま先を掴み、自分の膝で吉田の足首を抑えてアンクルロック。自分の腕を引き抜くと、吉田の体をひっくり返してハーフガードで上になる。
ジョシュは足関節のフェイントを入れながらパスガード狙い。しかし吉田もジョシュの動きを足で阻止し、それを許さない。ジョシュをクローズガードに捕える吉田。ジョシュは再びバスターでそれを外す。そして吉田の足のクラッチが外れると。ジョシュはすぐに足関節! ここでラウンド終了のゴングが鳴る。 2R、ジャブと右ローで攻めるジョシュ。吉田の首をキャッチするとヒザ蹴りを突き上げる。吉田も左右のフックやアッパーを繰り出し打撃で応戦。ジョシュはその打ち終わりに組み付くと、コーナーにおしこまれながらも上手く吉田の後ろに回りこむ。そしてバックドロップを狙うジョシュ! しかしここは吉田の体がロープの外に出てブレイクとなる。 再開後、右フックで距離を詰めて前に出る吉田。そこから左右のパンチを繰り出し、ジョシュの首をキャッチするとヒザ蹴り! しかし吉田はこれでバランスを崩してしまいグラウンドで下になってしまう。ここでジョシュは吉田の足を掴んでヒールホールドへ! 吉田はこれを回転しながら必死に逃げる。 するとここからジョシュは亀になる吉田にパウンド、吉田の体を持ち上げてバックドロップを仕掛ける。さらにジョシュは吉田の足を掴んでSTF狙い! 様々なプロレス技にトライする。
ここからジョシュは吉田の体を仰向けにしてマウントで押さえ込む。抱きつく吉田の顔をヒジで突き放してマットに叩きつけるジョシュ。こつこつパンチを落とし、アームロックを狙いながら吉田の脇を自分の膝で完全に空けさせる。 ジョシュの体を手で突き放しブリッジ逃げようとする吉田だが、ジョシュは吉田の体を上手くコントロール。再びマウントポジションで吉田を押さえ込むと、残り10秒を切ったところで腕十字へ! しかしここは吉田が自分の腕をクラッチして極めさせない。 3R、ジョシュは強烈な右ロー。組み付こうとする吉田を突き放して再び右ローを蹴る。さらに吉田をコーナーに押し込んだジョシュはすぐに後ろに回りこんでバックドロップ狙い。
吉田は自ら膝をマットについて亀になり、それを阻止する。ここからジョシュは吉田の体をひっくり返してマウントポジションへ。ブリッジして逃げる吉田の後ろにつくと、吉田の体を持ち上げて強引にバックドロップを狙う。 これを凌いで何とかガードに戻す吉田。するとジョシュは吉田の足をキャッチしてクロスヒールホールド! これはきわまらなかったものの膝十字固め、ヒールホールドと移行し、吉田からタップを奪った。 試合後、マイクを握ったジョシュは「久しぶり! 吉田さん、本当に強い。心強い。でもこれからみんな選手、世界の選手、おまえはもう死んでいる!」と流暢な日本語でマイクアピール。戦極の旗揚げのメインを締めくくった。
▼セミファイナル(第6試合)
○五味隆典(久我山ラスカルジム/PRIDEライト級王者)69.7kg
TKO 1R2分28秒
●ドゥエイン・ラドウィック(アメリカ/ハイ・アルティチュード)69.4kg
休憩明け、場内には五味が控え室から入場ゲートへ向かうライブ映像が流される。そしてスクリーンに映し出された「復活」の文字。五味はVTRの最後で「1ランク上のオッサンを目指しているから」とダウンタウンの番組から言葉を引用した。ラドウィックに続いて五味は新しい入場テーマ曲で入場、歓声が沸き起こる。
1R、サウスポーの五味とオーソドックスのラドウィック。五味はジャブを伸ばしながら圧力を掛けていき、ラドウィックは左右にステップ。五味が打ち合いに行くとパンチをかわしたラドウィックの左フックがヒット、続いてボディストレート。 お互いにジャブを突き、再び距離を縮めていく。ラドウィックはボディに右ストレートを伸ばしつつ、よく伸びる右ストレート。しかし五味はその右ストレートに右ストレートをカウンターで合わせ、ラドウィックよりも速く返しの左フック!
これでラドウィックがダウン! すかさず五味がフィニッシュに入ろうとするが、ラドウィックもすぐに立ち上がる。しかし、ここでラドウィックが右目尻から流血し、ドクターチェック。ドクターのストップがかかり、五味のTKO勝利となった。 五味は「凄くいい選手でホント、これからだよねってところでした。アクシデントだったので、もう一度やります」とファンとラドウィックに再戦を約束。
「平日にも関わらず満員のお客さんに集まっていただいて、1年ぶりのリングですけど自分が一生懸命に練習するから、叱咤激励してくれる人や応援してくれる人が周りにいて…」と、ここまで言うと五味の声は震え、ついには言葉が途切れ途切れに。 目を潤ませ、声を詰まらせながら五味は感謝の言葉を続けた。こんな五味を見たのは初めてである。「今日集まってくれた人たちは本当に大切な人たちです。これからもよろしく!」場内は温かい拍手に包まれた。 試合後、五味は観戦にも来ていた盟友・須藤元気と昨晩電話で話したことを告白。須藤は過去にUFCでラドウィックに敗れたことがある。 「昨日、元気くんから連絡があって“タッグマッチでやろうよ”って言いました。一本の矢より二本の矢になって、二人でやろうって夜に話し合いました」と、須藤と心のタッグを組んでリングに上がっていたことを明かした。「元気くんも胸のつかえがとれたよ、と言って帰ってくれたのでよかったですね」と、笑顔を見せた。
▼第5試合 ○三崎和雄(GRABAKA/PRIDEウェルター級GP2006覇者)82.2kg
一本 2R2分2秒 ※フロントチョーク ●シアー・バハドゥルザダ(アフガニスタン/ゴールデン・グローリー/第5代修斗世界ライトヘビー級王者)82.9kg
バハトゥルザダは壮大なテーマ曲で入場。三崎は大晦日と同じように客席には背を向けて入場ゲートに登場。曲の盛り上がりが最高潮に達したところで、自分の全身を張って気合を入れて、花道を走りながらリングへ上がった。
1R、三崎は飛び跳ねるようなステップでバハトゥルザダの周りを左右に回る。ほとんどパンチや蹴りがないまま間合いを測る攻防が続くが、ロープを背負った三崎にバハトゥルザダが右ストレート! これが三崎の顔面に入り、一瞬、三崎の動きが止まる。さらに追撃のパンチを繰り出すバハトゥルザダ。三崎は落ち着いて胴タックルで組み付くとテイクダウン、足を脱いでハーフガードで押さえ込む。 ここから三崎は自分の頭でバハトゥルザダの脇を空けさせるようにしてアームロック! ストレートアームバーとチキンウイングアームロックをたくみに使い分け、ストレートアームバーでキャッチを奪う。ここは何とか腕を外したバハトゥルザダ。三崎はバハトゥルザダの足にヒジ打ちを連打。ここから足を抜いて一気にマウント、バックとポジションを替えていく。 しかしバハトゥルザダも三崎がバックを取る動きに合わせて、グラウンドで上のポジションを奪い返す。ガードからバハトゥルザダに密着する三崎。バハトゥルザダはそれを突き放してパンチを落とすが、クリーンヒットはない。 2R、ジャブ&ローで攻める三崎。バハトゥルザダは左右のフックでぐんぐん前に出て行く。ジャブでその前進を止めようとする三崎。バハトゥルザダはそれでも構わずパンチで前に出て右のミドルを蹴る。パンチの手数では上回るバハトゥルザダだが、三崎もバハトゥルザダの右フックをブロックして右ストレート! 激しいパンチの打ち合いが続く。 右ローや左ボディで攻撃を散らす三崎。バハトゥルザダはミドルを蹴って距離を詰めてタックルで三崎を押し込む。しかしここで三崎がカウンターの内股! バハトゥルザダを豪快に投げると、立ち上がったバハトゥルザダに必殺のフロントチョーク! これががっちりバハトゥルザダの首に入り、三崎が鮮やかな一本勝ちを収めた。 試合後、マイクを握った三崎は「戦極ファンの皆さん、こんにちは! 昨年の大晦日に試合後のマイクで色々と叩かれたから、今日はマイクを止めていこうと思ったんだけどマイクを渡されて…」と苦笑い。 しかし「一つだけ言わせてください。俺はこのリングの上で生き残っています。この試合を迎えるまで神様から色んな試練を与えられて、苦しい、遠い道のりでした、でも俺はここで生きている。これが生きるということだと思います。
これからはこのリング上で生きること、命の大切を試合を通じて伝えていきたいと思います。皆さんもこのクソ高いチケットを買って大会を見に来てください。僕はそれ以上のものをお返しします!」と三崎らしい言葉でこれからの戦いについて語った。 さらに三崎はリングサイドで試合を観戦していた歌手の長渕剛氏とガッチリ握手! ファンの大声援を背にリングを後にした。
▼第4試合 ○藤田和之(藤田事務所)115.9kg
一本 1R1分23秒 スピニングチョーク ●ピーター・グラハム(オーストラリア/A・E FACTORY)112.8kg
拳を振り上げ、ハイテンションで入場してきたグラハム。K-1で立ち技の実力は証明済みだが、総合は今回がデビュー戦となる。リングインするとスキップでリング内を跳ね回り、観客のブーイングを浴びる。
続いて藤田は懐かしの入場テーマ、炎のファイターオーケストラバージョンで入場。セコンドにはマルコ・ファスらを従えている。レフェリーチェックでは激しい睨み合いを展開! 1R、グラハムは細かいパンチを出しながら、タックルに来る藤田を牽制。パンチを出しつつ、タックルから素早く逃れる。
しかし、三度目の片足タックルで藤田がテイクダウンに成功! あっという間にサイドポジションを奪い、マウントへ移行する藤田。再びサイドへ戻り、上四方の形に回転しながらノースサウスチョーク(※正式裁定はスピニングチョーク)! グラハムは堪らずタップ! 因縁の決戦は藤田があっさりと勝利を収めた。 ガッチリ握手を交わし、グラハムは藤田の手を挙げて勝利を称えた。闘い終わってノーサイド、藤田もグラハムに深々とお辞儀で応えた。
▼第3試合 ○エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)82.9kg
一本 1R4分51秒 ※ヒールホールド ●瀧本 誠(吉田道場/シドニー五輪柔道81Kg級金メダリスト)81.9kg
サイボーグは黒いフードをすっぽりとかぶって花道に登場。瀧本は道衣を脱いで試合に臨む。 1R、サイボーグはサウスポーの瀧本に対し右ストレート。さらにそこから返しの左フックを打つ。そして距離が離れるとすぐにインロー。サウスポー殺しの定石とも言えるコンビネーションだ。
瀧本もかかんに左ストレートを打ち返すが、やはり打撃ではサイボーグの方が上。サイボーグは左手で瀧本の右手を触るようにして距離を取りながら右ハイキックと右インロー。組み付く瀧本を突き放してテイクダウンを許さない。 ジャブ&インローを多用するサイボーグ。前足重心でクラウチングスタイルに構える瀧本はこのローをカットすることが出来ない。さらに瀧本が距離を詰めようとすれば、サイボーグはすかさず右ハイキック。サイボーグが距離を支配する。そしてサイボーグの強烈なインローが立て続けにヒット! これで瀧本はバランスを崩してしまう。 やや崩れ落ちるようにグラウンドに寝転ぶ瀧本。パンチを打とうとするサイボーグの首と腕を抱えて、下からのアームバーを狙おうとするが、サイボーグはそれを察知して腕を引っこ抜く。
ここでは両者の動きが止まりブレイク。スタンドでの再開後、サイボーグは間髪入れずに右のインロー! 組んでくる瀧本からテイクダウンを奪うと、何と自ら瀧本の足をキャッチして足関節! 公式アナウンスではヒールホールドと発表されたものの、アキレス腱固めの形で瀧本の足を極めた。
▼第2試合 ○川村 亮(パンクラスism)92.7kg
判定 3−0 ●アントニオ・ブラガ・ネト(ブラジル/グレイシー・フュージョン)92.7kg
ブラガもピットブル同様、ハイアン・グレイシーの写真が胸にプリントされたTシャツで入場。川村は星条旗を模したベストを身に纏い、花道を一気に駆け抜けた。
1R、勢いよくコーナーを飛び出したブラガはいきなりタックル、川村は受け止めてロープを背にして耐えたが、両足を掬われてグラウンドに持ち込まれる。すぐに立ち上がった川村を再び両足を救ってテイクダウンするブラガ。ドントムーブで中央へ。 ブラガはすでにマウントポジション、ブリッジで返そうとする川村にパウンドを入れていく。ブラガはわざと川村に回転させやすいように片足を開き、川村に反転させバックから四の字フック。必死に立ち上がろうとする川村だったが、ブラガはバランスを保ちながら顔面へパンチ。 バックマウントから両足を引っ掛け、川村をエビ反りにさせるブラガ、川村の首を狙うが、川村は向き合いながら脱出に成功! 立ち上がるとすぐにパンチを連打していくが、ブラガのタックルに捕まる。立ったままバックに回るブラガを川村はアームロックの体勢に捕らえ、コーナーでテイクダウンを阻止した。 2R、今度は川村から歩み寄り、左右のパンチを放つ。左フックで突っ込んだ川村は足を滑らし、すぐに立ち上がって駆け足で逃げるもブラガに捕まってグラウンドに引きずり込まれる。マウントを奪うブラガ、パンチを叩き込み今度はバックマウント。前に落とそうとする川村だが、ブラガは腕十字狙い。両手をクラッチして防ぎ、立ち上がる川村! 右のパンチを伸ばす川村は左フックでボディを叩く。前傾姿勢から左フック、右フックで追い詰めていきもう一度の右フックがヒット! が、ブラガはタックルでテイクダウン。すぐに立ち上がる川村はブラガの腕をアームロックに捕らえる。バックについて川村を引き倒すブラガ、川村は尻餅をつくようにブラガの上に載り、ボディにパンチを落とす。 3R、川村は左ローを出しつつワンツーを狙う。左右のフック、ブラガが打ち合ってきたところに右フックをヒットさせるが、ブラガがタックルでテイクダウンに成功。サイドへ回るブラガ。これはロープ際だったのでドントムーブに。川村はブラガの胴に両腕を巻きつけると、起き上がって逆にブラガをテイクダウン! 顔面へのヒザを狙うが、これはブラガが腕で防御して決まらない。
川村はボディにヒザを入れながらサイドへ、抑え込みながら細かくパンチを入れる。ドントムーブでリング中央にいくと川村は自ら立ち上がってスタンドを要求。パンチの連打でブラガをコーナーへ追い詰め、ブラガがタックルに行こうとすると背中を見せて走って逃げる。コミカルな動きに場内が沸く。 川村は距離を取るとまたパンチを連打していったが、今度はタックルに捕まってグラウンドへ。残り1分、川村はバックを取ったブラガの腕をアームロックに捕らえ、さらに上になってパンチを落としていくも、ここでゴング。ブラガは両手を高々と挙げて勝利をアピールしたが、判定はスタンドでのアグレッシブ性で優った川村の勝利を告げた。ブラガは判定を不服としたように、肩を落としてさっさとリングを後にした。
▼第1試合
○ニック・トンプソン(アメリカ/フリースタイル・アカデミー)75.7kg 判定 3−0
●ファブリシオ“ピットブル”モンテイロ(ブラジル/グレイシーバッハ・コンバットチーム) 75.4kg
1R、長身のトンプソンはリーチ差を活かして、離れた間合いからジャブを突く。そしてそこから左右のロー。じわじわと距離を詰めるピットブルに対して、パンチを顔とボディに上手く打ち分ける。そしてトンプソンの右ストレートが立て続けにヒット! ややパンチで後退するピットブル。しかしトンプソンのジャブにタックルを合わせてテイクダウンを奪う。 イノキ・アリ状態からパンチを落とすピットブル。トンプソンは長い手足を使ってそれを阻止しつつ、ハーフガードから潜るようにしてタックル。ポジションを入れ替えると、ピットブルの下からの腕十字をディフェンスしながらパンチを落とす。ピットブルはガードポジションで腰を切りながら足関節、そのままタックルに移行してトンプソンをコーナーまで押し込む。 ここからテイクダウンを奪ったピットブルはトンプソンの足を束ねてパスガード狙い。必死に足を一本入れてそれを許さないトンプソン。再びハーフガードからの潜りタックルで立ち上がることに成功する。トンプソンは四つ組みの状態からヒザけりを連打。
さらに自分の左手を外から回してピットブルの左手首をキャッチ、そこから右手でパンチを打ってテイクダウンを狙うという小技を見せる。しかし最終的にはピットブルがグラウンドでマウントを取ったところで、ラウンド終了となった。 2R、左ハイキックを飛ばすトンプソン。ピットブルもすぐに右ローを返す。トンプソンはジャブで距離を測りつつ左右のストレート、右のパンチをボディと顔面に打ち分けていく。
ピットブルはトンプソンのパンチにカウンターのタックルでテイクダウン、トンプソンの上体を固めながらパスガードを狙う。 ハーフガードから一本脇を差して立ち上がろうとするトンプソン。ピットブルはトンプソンの差している腕を抱えて上のポジションをキープする。ここからピットブルが足を一本抜いてはトンプソンが足を戻すというパスガードの攻防が続く。トンプソンは亀になってピットブルをテイクダウン。ピットブルはイノキ・アリ状態から足関節を狙う。トンプソンはこれをディフェンスすると、上からパンチを落とし続ける。
3R、インローを蹴るピットブルに対して、トンプソンは左に回りながら右ストレート。ピットブルのタックルを切ると、逆にテイクダウンを奪う。インサイドガードから背筋を伸ばしてパンチを落とすトンプソン。
下から脇を差して密着しようとするピットブル。トンプソンは立ち上がって、イノキ・アリ状態からローを飛ばす。
ブレイク後、リーチを活かして離れた距離からジャブを当てるトンプソン。ピットブルはタックルからトンプソンのバックに回るが、トンプソンはバックを取られながらもピットブルの腕をアームロックに捕える。
ピットブルは強引にトンプソンの体を後方に投げてテイクダウンを奪い、サイドポジションで押さえ込む。しかしトンプソンも長い手足を使って、ピットブルのパウンドと関節技をディフェンス。スタンドの打撃でポイントを稼いだトンプソンが勝利を手にした。
<オープニング>
大会のオープニングVTRでは、いきなり「夢」の文字がスクリーンに映し出され、「夢を見るのもいいが、我々は本物の戦いを極めてみせる」のナレーション。さらには「我々が貫くのは“誇り”ここに宣戦布告する」という言葉で締められた。
また、VTR中で戦極のナンバーは「第一陣」「第二陣」「第三陣」となることが明らかに。ルール説明はPRIDEのようなアナウンスだけによるものではなく、モニターに絵巻が映し出されての説明となった。
第1試合の煽りVTRでは、寝ている人を起こす目覚まし時計が叩き壊され、「お前ら、まだ夢DREAMを見ているのか? 先に行かせてもらうぞ」と、これも3・15旗揚げ戦を行う『DREAM』を大いに意識した作りとなっていた。
なお、休憩明けに発表された15,523人(満員=主催者発表)の観客数は「代々木第一体育館の過去最高記録」であることもアナウンスされている。
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