▲今大会で下段カカト蹴りを多用した南(写真は準決勝)
白蓮会館主催 全関東空手道選手権大会
2008年6月8日(日)東京・代々木第2体育館
▼一般 有段の部 重量級 決勝戦
○南豪宏(白蓮会館)
判定 5−0
●伊藤伴恭(勇征会)
今大会の大きな目玉は南豪宏の復活である。今から16年前、極真の全日本重量級に出場し準優勝、他流派ながらアッパレと、大山倍達館長から激励された人物だ。その後、極真空手に挑み続け常に上位進出、それが『最強の侵略者』という異名を取った。白蓮会館の全日本においては7度制覇している。
2004年の世界大会以来、約4年ぶりの出場となった。「かみ合わなかったら一回戦も危ないと思った」と南。初戦こそ動きが堅かったものの、回を重ねるごとに調子を上げてきた。
決勝の相手は伊藤伴恭、準決勝で優勝候補の外人選手との激戦を制した上で決勝戦に挑む。その伊藤相手に更に調子を上げ、現役時代を上回ると思えるほどの突きと蹴りの威力、コンビネーションの速さ、そして新しい技である下段カカト蹴りを駆使し本戦5-0で圧勝。
来月39歳とは思えない見事な復活劇、そしてこの優勝、準優勝者には今年11月に行なわれる世界大会の出場権が得られる。
試合に復活しようと思った理由に「特に世界大会出場を狙って出たわけではないんですよ。出場権を得ましたが、出るかどうかは杉原館長と相談して決めます。今回の出場理由は…実は妻とも7年間一緒に空手をやってるんですけど、試合には一緒に出たことはなかったので出てみました」
妻の(南)陽子さんは女子有段の部で3位に入賞。「今回は主人と一緒に出られて楽しかったです。練習も同じ目標を持ってがんばれましたから。また機会があったら一緒に出たいです」
また少年部の教え子と共に出場したのも初めてで、日頃から指導している立場から、子供たちと同じ選手という同じ立場となって闘う姿を見せたいという気持ちもあったという。
★その他トピックス
▼一般女子 有段の部 無差別級 決勝戦
○木村敬代(フルコンタクトカラテスクール)
判定 5−0
●島田彗巳(淑徳巣鴨高校)
木村が一回戦から決勝戦に至るまで終始圧倒。体格も破壊力も他の選手とは抜きん出ていた。突き、蹴りの破壊力、スピードは男子選手並み。全国の女子空手選手で彼女に勝てる人間がいるとかと思うほど。決勝も島田の技は入るが、まず体格が違う。相手の攻撃を跳ね返し破壊力のある攻撃を叩き込む。
会場に男性強豪選手並みの破壊音が響く。やはり高校生と鍛え抜かれた大人は違う、と思いきや、木村も高校生とのこと。女子空手界に木村の時代が来そうだ。
▼一般初級の部 重量級 決勝戦
○ソムチャイ・ニョムラット(少林拳法)
判定 5−0 ※ソムチャイに技あり
●浅井啓文(西山道場)
伝説のムエタイ戦士・サックモンコンが現在、少林拳法という流派で打撃を教えており、今年1月に未経験のフルコンタクト空手の大会「極真連合会・世界大会」に出場し
いきなり準優勝に輝いた。
そして、今回はその弟子、ソムチャイ・ニョムラットが出場。少林拳とはいえ、ほぼムエタイ・スタイル。ジャンピングミドルキック中心に勝ち上がる。
一方、浅井は190cm、80kgの体格を生かし、技は荒削りながら突き蹴りのパワーで突進し圧倒する試合展開で勝ち上がってきた。決勝は始終相撲のような超接近戦に。こうなると、体格差(身長差+20cm、体重差+8kg)ある浅井が、ソムチャイを圧倒。
ソムチャイは一発一発の重いミドルを蹴っては、浅井に突き飛ばされるという展開。
しかし、意外なことに試合終了の合図と同時に浅井は背中を丸める。そこで審判は下突きによる技ありと判断。ソムチャイが奇跡の大逆転優勝を飾った。
▼壮年の部 中級クラス 無差別級 二回戦
○金丸祐二(山梨)
判定
●佐々木博之(東京)
芸能レポーターとして全国のお茶の間でお馴染みの佐々木博之さん(52)が出場。
学生時代に極真空手を学んでいたが、就職で足が遠のき、再び47歳から空手(白蓮会館)を始めた。内容は真正面からの激しい打ち合いでほぼ互角の展開ながら結果は惜しくも判定負け。
「相手が胸や肩にパンチを打ってくると、ムキになって避けないで打ち返しちゃうんですよね。それが逆に技をもらった回数が多いなどマイナスの判定にもつながってちゃって(笑)。再び空手をはじめて5年になりますが、今まで4回大会に出てまだ勝ちがないんですよ(今回は1回戦シード)。これを最後にしようと思ったけど、また出ます!」と、佐々木さんは力強く宣言。次こそは勝つという執念が伝わってきた。
<試合結果>
幼年の部
優勝 角川夏見 フリー
準優勝 川端友真 白蓮会館堺支部
小学1年生の部(男女混合)
優勝 西島来哉 白蓮会館東大阪東支部
準優勝 山口朱衣 坂本道場
小学2年生女子の部
優勝 播戸絵有 白蓮会館神戸支部
準優勝 金谷香 西山道場
小学2年生男子の部
優勝 真壁旺斗 MAC
準優勝 和田暉元 MAC
小学3・4年女子の部
優勝 秋山唯 秋山道場
準優勝 小浦菜々美 翔拳塾
小学3年生男子の部
優勝 田中将騎 白蓮会館東大阪東支部
準優勝 中里隆雅 白蓮会館神戸支部
小学4年生男子の部 軽・中量級
優勝 畑和磨 白蓮会館堺支部
準優勝 山口真基人 白蓮会館東大阪東支部
小学4年生男子の部重量級
優勝 後藤優太 MAC
準優勝 亀山大輔 白蓮会館堺支部
小学5・6年生女子の部
優勝 水野寧々 フルコンタクトカラテスクール
準優勝 村崎裕佳子 西山道場
小学5年生男子の部
優勝 伊藤凌雅 練
準優勝 宇佐美将己 MAC
小学6年生男子の部 初級クラス
優勝 星野洋一郎 正拳会
準優勝 田代和也 MAC
小学6年生男子の部上級クラス
優勝 鈴木孝太 MAC
準優勝 金谷昴児 西山道場
中学女子段外の部(無差別)
優勝 井上里佳子 白蓮会館東大阪東支部
準優勝 鈴木茜 正拳会
中学女子有段の部(無差別)
優勝 秋山優女 秋山道場
準優勝 亀山彩花 白蓮会館堺支部
中学男子段外の部(無差別)
優勝 田島賢吾 練
準優勝 仲上龍馬 坂本道場
中学男子有段の部(無差別)
優勝 福地勇人 淑徳巣鴨中学
準優勝 高木貴一 坂本道場
一般女子段外の部(無差別)
優勝 平井良子 白蓮会館神戸支部
準優勝 小泉亜希子 白蓮会館札幌支部
壮年の部 初級クラス(無差別)
優勝 田里雅広 白蓮会館沖縄支部
準優勝 松木繁 白蓮会館山梨支部
壮年の部 中級クラス(無差別)
優勝 高野誠司 白蓮会館東大阪南支部
準優勝 太田勝彦 白蓮会館横浜支部
一般初級クラス 軽・中量級(70キロ未満)
優勝 堀内隆文 白蓮会館山梨支部
準優勝 松本栄一 MAC
一般初級クラス 重量級(70キロ以上)
優勝 ソムチャイ・ニョムラット 少林拳法
準優勝 浅井啓文 西山道場
一般中級クラス 軽・中量級(70キロ未満)
優勝 森本慧 正道会館
準優勝 菅原一馬 高空會
一般中級クラス 重量級(70キロ以上)
優勝 竹澤真吾 MAC
準優勝 渡辺康 白蓮会館山梨支部
一般女子有段の部(無差別級)
優勝 木村敬代 フルコンタクトカラテスクール
準優勝 島田慧巳 淑徳巣鴨高校
壮年有段の部(無差別級)
優勝 朝井忠弘 白蓮会館羽曳野支部
準優勝 内藤勇二 白蓮会館横浜支部
一般有段の部軽量級(65キロ未満)
★優勝、準優勝者が世界大会出場権
優勝 重政貴樹 極眞會
準優勝 小林健太 金剛カラテ
一般有段の部中量級(65キロ〜75キロ未満)
★優勝者、準優勝者が世界大会出場権
優勝 宮崎聖也 極眞會
準優勝 若槻昌高 正援塾
一般有段の部重量級(75キロ以上)
★優勝、準優勝者が世界大会出場権
優勝 南豪宏 白蓮会館堺支部
準優勝 伊藤伴恭 勇征会
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