ワールドビクトリーロード
「戦極〜第六陣〜」
2008年11月1日(土)さいたまスーパーアリーナ
開場14:00 開始16:00
▼メインイベント(第11試合) 戦極ライト級グランプリシリーズ2008ファイナル 5分3R
○北岡 悟(パンクラスism)
判定3−0
●横田一則(GRABAKA/第3代DEEPライト級王者)
※北岡が戦極ライト級GP優勝
第9試合で五味が敗れるという波乱が起こったライト級。ここまで秒殺勝利を連発して決勝に勝ち残った北岡。横田は準決勝で廣田を判定で下しての決勝進出。北岡は気合は入りまくりの表情でリングを、横田をにらみつける。
1R、前後左右に大きくステップするサウスポーの北岡。そこからタックルでテイクダウンを狙うが、横田は背中を見せてそれを阻止する。
ブレイク後、すぐにタックルでテイクダウンを狙う北岡だったが、横田は尻餅をつきながらもすぐに立ち上がる。
すると北岡はそのまま横田の背中に飛び乗り、立っている横田からバックを奪うという状態になる。しかしここも両者の動きが止まりブレイク。
再開後、横田のパンチにタックルを合わせる北岡。横田は背中を見せて立ち上がってブレイクを待つ。ブレイク後、片足タックルから足関節を狙う北岡!
横田は体を反転させて立とうとするが、北岡は横田の足をキャッチしてグラウンドで上のポジションを取る。
横田はハーフガードでガッチリと北岡の体にしがみつき、サブミッションをディフェンスする。イノキ・アリ状態から北岡がフットスタンプを見せる。
2R、北岡が横田をコーナーに詰めてタックル。横田の両足をクラッチすると、横田の体を引っこ抜くようにしてテイクダウンを奪う。そこから北岡が足関節!
しかし横田もそれをディフェンスしてパンチを落とす。その後も何度も片足タックルでテイクダウンを狙う北岡。横田はロープ際でそれを阻止するが、これが場外に逃げたと判断され横田に注意が与えられる。
スタンドでの再開後、横田が北岡を下がらせて右ストレート! これで北岡が尻餅をつくが、すぐに横田の足にしがみついてテイクダウンを奪う。サイドポジションからフロントチョークを狙う北岡。それがディフェンスされると、今度はニーオンザベリーから鉄槌を落とす。
その後も北岡が横田を押さえ込み続け、鉄槌、ヒザ蹴りを落とす。さらに北岡は横田の腕を両足で挟み、奥の腕を差し上げて鉄槌を連打! 横田の動きが止まる。しかし横田も必死に体を反転させてそれをディフェンス。北岡は立ち上がって横田の顔面を踏みつける。
3R、左ストレートで前に出る横田。北岡はそこに片足タックルを合わせてテイクダウンを狙うが、横田の体がロープの外に出てしまいブレイク。スタンドでの再開後、自ら引き込む北岡。横田がパンチを落とすと、北岡は横田の足をくぐるようにしてタックル。横田は北岡の腕を取ってアームロックを狙う。しかしここも両者の動きが止まりブレイクとなる。
再開後、タックルを狙う北岡に横田が右のヒザ蹴り! 北岡はそれでも横田の足を取ってコーナーまで押し込む。横田はここでも背中を見せてブレイクを待つ。
右ストレートで前に出る横田。横田がパンチを出し、北岡の片足タックルを切るという展開が続く。横田はコーナーを背にしながら、北岡の肩口にヒジを連打。しかしここもブレイクとなる。
北岡に右ストレートを連打する横田。しかしここで北岡の右フック、左ストレートがヒット! これで横田がバランスを崩す。横田もすぐに立ち上がり右ストレートを連打。
北岡がタックルに入ったところで試合終了となった。判定は3−0で北岡! 北岡がライト級GPを制した。
全身で喜びを表す北岡はマイクを握ると「戦極ライト級GPシリーズ2008、チャンピオンの北岡悟です!」と挨拶。
そして「ここまで来るのに長かったような、短かったような気もしますけど、今までの苦節はタメみたいな感じで、今はうれしく思います。
光岡選手、横田選手という強い選手に勝てて、本当にうれしいです。二人の強い選手に勝てたことは、長く続く格闘技人生にとって自信になりました。
そしてチームの皆さん、パンクラスの皆さん、会場に来てくれた皆さん、テレビを見てくれる皆さん、本当に感謝してます。そしての僕の格闘技の先生である鈴木みのるさん、中井祐樹さん、そして船木誠勝さん! 本当に感謝してます。今日はこれが言いたくて優勝しました!」と感謝の言葉を述べる。
さらに北岡は「五味選手、今日は負けちゃったけど、1・4に僕とやるんですか?」とリングサイドの五味に対戦を要求!
すると五味はリングに上がり「今日は2試合、よくがんばった。おめでとう。今日は転んじゃったけど、次は万全の怪我のない状態でやりましょう。かかってこい!」とその要求を受ける意思を見せれば、北岡も「その挑戦を受けて立ちます!」と叫び、五味との王座決定戦を誓った。
そして再び1人でマイクを握った北岡は「戦極も、パンクラスも、総合格闘技は最高です!!!」と喜びを爆発させた。
▼セミファイナル(第10試合) 戦極ミドル級グランプリシリーズ2008ファイナル 5分3R
○ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
KO 3R0分49秒
●中村和裕(吉田道場)
※サンチアゴが戦極ミドル級GP優勝
準決勝ではバハドゥルザダを秒殺したサンチアゴ。一方の中村は佐々木とフルラウンドに及ぶ試合を戦っている。体力面ではややサンチアゴ有利か。ブラジル、日本の国歌が流され、決勝戦のゴングが鳴った!
1R、中村は準決勝と同じようにガードの低いゆったりとした構え。サンチアゴが右ストレートで飛び込んでくると左フックを合わせる。ジャブから右ローを蹴るサンチアゴ。中村はジャブを顔とボディに打ち分ける。じりじりとプレッシャーをかけて前に出る中村。サンチアゴは上体の低い中村に飛びヒザ蹴り!
しかし中村はそれを受け止めて、サンチアゴからテイクダウンを奪う。サイドポジションでサンチアゴを押さえ込む中村。そこから腕十字を狙うが、サンチアゴは中村の体を押して立ち上がる。
離れた間合いから左ハイキック、右ローを蹴るサンチアゴ。中村は左フックから飛び込んで右ストレート。ジャブでサンチアゴを突き放す。前足重心の中村に右ローを蹴るサンチアゴ。中村は左フックから右ストレートで前に出る。右ローのサンチアゴにジャブを返す中村。
終盤、サンチアゴの右ストレートが中村の顔面を捉える。
2R、左ジャブからリズムを作る中村。サンチアゴも左ジャブを返す。中村はサンチアゴの右ストレートをブロックして左フックから右ストレートを打つ。サンチアゴはパンチから中村の首を取ってヒザ蹴り。中村はサンチアゴをコーナーまで押し込んでテイクダウンを奪う。
中村はインサイドガードのポジションをキープして、腰を上げてパンチを落とす。サンチアゴの三角絞めをディフェンスして、上のポジションをキープしてパンチを落とす中村。中村がインサイドガードからリスクを犯さずに細かくパンチを落とすという展開が続いた。
3R、離れた間合いからジャブで飛び込む中村。サンチアゴもワンツーで前に出る。そしてサンチアゴが左フックから右ストレート! これでその場に崩れ落ちる中村。
何とかガードポジションを取ろうとする中村だったが、サンチアゴが追撃のパウンド! これで中村の動きが止まり、レフェリーが試合をストップ! 優勝候補サンチアゴが下馬評通りの強さを見せてGPを制した。
▼第9試合 ライト級ワンマッチ 5分3R
○セルゲイ・ゴリアエフ(ロシア/MMA BUSHIDO)
判定2−1
●五味隆典(久我山ラスカル/PRIDE初代ライト級王者)
GP優勝者と来年1月にライト級王座決定戦を控える五味が前哨戦に出陣! 対戦相手のゴリアエフはロシアのムエタイ王者で「ヒョードルよりも強い」と豪語する日本初登場の選手。五味は久しぶりの“スカ勝ち”で王座決定戦に弾みをつけられるか。
1R、183cmとライト級では長身で構えがオーソドックスのゴリアエフ。五味もサウスポーではなくオーソドックスに構える。細かく手を出して前に出る五味。ゴリアエフのパンチをかわしてカウンターの左フックを狙う。ゴリアエフの左ボディに五味が左フック。
そしてゴリアエフの左フックにタックルで組み付くと、五味がテイクダウンを奪う。
五味の両腕をかんぬきにとらえるゴリアエフ。五味はそれをバスターで外そうとする。ゴリアエフのクロスガードが外れると、イノキ・アリ状態から踏み付けを狙う五味。
そのままパスガードを奪い、上四方固めからアームロックを狙う。必死に暴れてポジションを返そうとするゴリアエフだったが、五味はマウントポジションに移行して狙い済ましたパウンド! 残り10秒で腕十字を狙うが、ゴリアエフは両腕をクラッチしてそれをディフェンスする。
2R、このラウンドはサウスポーとオーソドックスを細かくスイッチする五味。オーソドックススタイルから左ジャブ、左フックを出す。そしてゴリアエフのローをキャッチすると、そこに右ストレート! ゴリアエフは後方に倒れるが、すぐに立ち上がる。
今度はサウスポーに構えなおした五味は、ゴリアエフをロープに詰めて、ゴリアエフが前に出てきたところに右フックのカウンター。再びオーソドックスに構えを変えるとゴリアエフのジャブをブロックしながら左のパンチを返す。五味をローをキャッチされると、体を反転させてそれを抜く。
ここまで打撃でペースを掴んでいたかに見える五味だったが、左フックを打とうとした瞬間にゴリアエフの左ストレートがカウンターでヒット! この一発でバランスを崩してしまう五味。
さらにゴリアエフが右ストレートを打ち抜くと、五味はその場に崩れ落ちる。必死に立ち上がる五味だったが、足元がふらつく! 逆にゴリアエフは右アッパー、ジャブから左フックと一気に畳み掛ける。
五味はタックルでテイクダウンを狙うが勢いがない。ガードを高く上げてゴリアエフのパンチを警戒する五味。オーソドックスに構えてジャブを突く。五味の右にゴリアエフが左のテンカオ。五味もパンチで前に出て行くが、バランスが悪い。
3R、オーソドックスに構える五味。ここは打撃戦は避けてタックルでテイクダウンを奪う。五味はイノキ・アリ状態からゴリアエフの顔面に踏みつけ!
そこから一気にマウントポジションを奪い、パンチを連打するが、ゴリアエフに立ち上がられてしまう。
頭を振って大きな左フックを打つ五味。ゴリアエフがジャブを突くと、五味は右ボディストレート。ゴリアエフの右のパンチをヘッドスリップして右フックを当てる。ここから五味はかぶせるような右フックを連打!
これがゴリアエフの顔面を捉えるが、ゴリアエフも下がりながら左のパンチを返す。何とかゴリアエフをKOしようと必死にパンチで前に出て行く五味だったが、ゴリアエフを捕らえることは出来ない。
判定は2−1のスプリットで何とゴリアエフ! 3Rに猛反撃を見せた五味だったが、2Rに失ったポイントを挽回することが出来なかったというレフェリーの判断だ。五味は判定を聞くと何も言わずにリングを降りて、すぐさま控え室に戻る。王座決定戦に弾みをつけるどころか、五味は足元をすくわれる形となってしまった……。
▼第8試合 ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R
○キング・モー(アメリカ/チーム・クエスト)
TKO 3R0分41秒 ※レフェリーストップ
●ファビオ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
ヴァンダレイの再来と称されるファビオが戦極に2度目の参戦。対戦相手は前回の戦極デビュー戦で鮮烈なKO勝利を収めているモー。この日のモーは前回に引き続き、王冠とマントの王様ルックで花見に現れ、セクシーな衣装のダンサーを何人も引き連れて、ド派手な入場だ。
1R、サウスポーのモーは軽快なステップから両足タックルで豪快なテイクダウン! ファビオの頭をコーナーに向けると、インサイドガードやイノキ・アリ状態から強烈なパンチを落とす。何とかクロスガードに戻すファビオだったが、モーはファビオの顔面に鋭いパンチを当てる。
亀になって立ち上がろうとするファビオだったが、モーはそれをがぶってヒザ蹴り。片足タックルの要領でファビオをマットに寝かせる。ガードポジションから三角絞めを仕掛けるファビオ。
モーは背筋を伸ばしてファビオの足のクラッチを切ると、すぐにパンチを落とす。そしてモーはイノキ・アリ状態からファビオの足を振って強烈なパウンド! 何とかファビオが立ち上がるものの、豪快なスラムでファビオをマットに叩きつける。
2R、インローを蹴るファビオ。モーはファビオがパンチで前に出てきたところで、カウンターのタックルを合わせる。テイクダウンを奪ったモーはインサイドガードからパウンド、ファビオはハーフガードから潜りスイープを狙うが、モーはそれを潰してパンチを落とす。
モーはファビオを亀の状態にすると、頭を抱えてヒザ蹴り。モーが圧倒的なグラウンドコントロールでファビオを押さえ込み続ける。ここまでグラウンド&パウンドで攻め続けるモーだったが、ファビオのガードワークに手こずり、有効打が少なくなる。
3R、上半身を左右に振って前に出て行くファビオ。しかしモーが鮮やかにカウンターでタックルを奪う。そこからモーはファビオの頭をコーナーに押し付けてパウンドを連打!
これがファビオの顔面を打ち抜き、ファビオの動きが止まり、レフェリーが試合をストップ。ややファビオに苦戦した感のあったモーだったが、終わってみれば見事なTKO勝利を収めた。
▼第7試合 ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R
○アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル/チーム・ノゲイラ)
判定3−0
●モイス・リンボン(フランス/ヨーロッパ・トップチーム)
久しぶりの日本での試合となったノゲイラ弟ことホジェリオ。この2年の間にボクシングで積んでおり、パンチの技術の向上に力を入れてきた。対するリンボンは“シャンゼリゼ通りの悪童”というニックネームを持つバッドボーイキャラだ。
1R、サウスポーのホジェリオはパンチのプレッシャーをかけて前に出る。そしてリンボンの右ミドルに右フックのカウンター。ホジェリオはリンボンを下がらせると、左ミドルを蹴る。さらにリンボンの大振りのパンチにコンパクトなカウンターのパンチを合わせる。
リンボンは右のアウトローを蹴って距離を取りつつ、右フックからホジェリオに組み付く。しかしここでテイクダウンを奪ったのはホジェリオ。
必死に立ち上がろうとするリンボンをマットに寝かせると、パンチを落としながらパスガードを狙う。ホジェリオがサイドポジションをとったところでラウンド終了となった。
2R、ホジェリオはローと前蹴りでリンボンを下がらせる。ここでも右フックから組み付こうとするリンボンだったが、ホジェリオがリンボンの足をすくってテイクダウンを狙う。
コーナーとロープに体を預けて立ち上がろうとするリンボン。ホジェリオはリンボンの体を左右に振ってテイクダウンしようとするが、リンボンが何度もロープを掴んでしまい、レフェリーからイエローカードが提示される。
ブレイク後、じりじりと前に出るホジェリオはリンボンがロープを背負ったところで左ストレート! これでリンボンを吹っ飛ばすが、KOを奪うまでには至らない。ホジェリオはリンボンの右フックに組み付いてテイクダウン。1Rと全く同じ形でグラウンドで上を取ることに成功すると、リンボンの上半身を押さえながらパスガードを狙う。
下からアームロックを狙うリンボン。ホジェリオが腕を伸ばされまいとディフェンスしたままでこのラウンドは終わった。
3R、ここは先に組み付いてテイクダウンを狙うホジェリオ。両差しから足をかけて、リンボンをテイクダウンする。ハーフガードで上になったホジェリオに対し、下からアームロックを狙うリンボン。2R終盤と全く同じ展開となり、レフェリーはブレイクを指示。
再開後、リンボンのヒザ蹴りをキャッチしてテイクダウンを奪うホジェリオ。リンボンはマットに手をついて、必死に立ち上がる。スタンドでの打撃の展開の後、リンボンが片足タックルでテイクダウン。
ホジェリオはギロチンチョークを狙うが、これは極まらない。試合がスタンドに戻ると、片足タックルでテイクダウンを狙うリンボン。ホジェリオはそれを突き放して左ストレート、ヒザ蹴りを打つがクリーンヒットはない。
判定は3−0でホジェリオの勝利となったが、試合前に宣言していた一本勝ちを奪うことは出来なかった。
▼第6試合 戦極ライト級グランプリシリーズ2008リザーブマッチ 5分3R
○ホルへ・マスヴィダル(キューバ/アメリカ/アメリカン・トップチーム)
判定3−0
●ハン・スーファン(韓国/CMA KOREA/第4代DEEPライト級王者)
日本人4選手が準決勝に勝ち残ったライト級GP。リザーブマッチは総合格闘技の名門アメリカン・トップチーム(ATT)のマスヴィダルVS五味隆典と対戦経験があるスーファンという外国人選手同士の組み合わせとなった。
1R、ガードを高く上げて構えるマスヴィダル。スーファンはインロー、ジャブを返す。
じりじりと前に出て行くマスヴィダルはスーファンの右ストレートに左フック。スーファンは大振りの右フックで前に出て行くが、マスヴィダルはバックステップでそれをかわす。
的確にジャブを当てるマスヴィダルはスーファンの蹴り足を取ってバランスを崩すと、間髪いれずにサッカーボールキック! スーファンはすぐに立ち上がって追撃を許さない。右ボディストレート、左ボディで前に出るスーファン。
しかしマスヴィダルが右ストレートからスーファンの首をキャッチしてヒザ蹴り! これがスーファンの顎を跳ね上げると、バランスを崩すスーファンにマスヴィダルがパンチをまとめる。あわやKO負けのピンチを迎えたスーファンだったが、何とかここから脱出すると、右ストレートを中心に果敢に打ち合う。
2R、ジャブを突いて距離を詰めるスーファン。さらに右ストレートのフェイントを入れて、パンチのチャンスをうかがうが、マスヴィダルはしっかりとガードを上げてジャブを返す。
その後は互いにジャブや左フックでけん制し、右のパンチを狙うという展開が続く。残り10秒、マスヴィダルが飛びヒザ蹴りを出したものの、ほとんどコンタクトがないラウンドとなった。
3R、ここも互いに間合いを測るという静かな展開が続く。ここでスーファンが胴タックルでマスヴィダルに組み付いていくが、テイクダウンの攻防でも動きが止まってしまい、ブレイクとなる。
再開後、今度はマスヴィダルが片足タックルでテイクダウンを狙うが、スーファンは倒れない。
その後も静かなスタンドの展開となったが、終盤、スーファンから右フックから組み付いて、マスヴィダルをテイクダウン。マスヴィダルが下から三角絞めを狙ったところで試合終了のゴングが鳴った。試合を決めるような動きはあまりなかったものの、1RにスーファンをKO寸前に追い込んだマスヴィダルの勝利となった。
▼第5試合 戦極ミドル級グランプリシリーズ2008リザーブマッチ 5分3R
○ジョー・ドークセン(カナダ/チーム・エクストリーム)
TKO 3R4分13秒 ※レフェリーストップ
●竹内 出(SKアブソリュート/第7代ミドル級キング・オブ・パンクラシスト)
ミドル級GPリザーブマッチは日本屈指の実力者
竹内とアメリカの実力者ドークセン。格闘技マニアには注目の一戦となった。
1R、竹内はドークセンのジャブをパーリング、右ストレートをダッキングしながらかわす。
ここから竹内が組み付いてドークセンをテイクダウン、イノキ・アリ状態からドークセンの足をさばいてパスガードを奪う。サイドポジションでがっちりと押さえ込む竹内。しかしドークセンは脇を差して立ち上がりタックルでテイクダウンを狙う。
それを切る竹内。ドークセンは竹内のバランスを崩して、ギロチンチョーク! しかし竹内はそのままタックルでテイクダウンを奪う。
ハーフガードで下になるドークセン。竹内の足をすくって潜りスイープを決めると、竹内の頭を抑えてヒザ蹴り! さらに竹内の立ち際を狙ってサッカーボールキックを放つ。
やや劣勢の竹内だったがタックルでテイクダウンを奪うと、インサイドガードからパンチを落とす。ドークセンも下から竹内のバランスを崩していく。
2R、ジャブを突いて前に出る竹内。ドークセンのパンチを頭を振ってかわして、一気に組み付いていく。
そしてドークセンの体をコーナーに押し込んでテイクダウンを狙うが、ドークセンも倒れない。スタンドに戻るとジャブ、左フックを当てる竹内。ドークセンの右のパンチに合わせてタックルで組み付くが、ドークセンがフロントチョーク!
これは竹内に頭を抜かれるものの、ドークセンはすぐにガードから三角絞め、腕十字を狙う。竹内はインサイドガードでポジションをキープし、担ぎパスガードを狙うが、ドークセンはタックルで竹内に組み付く。
しかしグラウンドで上のポジションをキープするのは竹内。グラウンドで上からパンチを落とす。
3R、ドークセンのパンチを空振りさせて、左フックや右ストレートを当てる竹内。ドークセンは首相撲からのヒザ蹴りを当てて、竹内のタックルを切りながらスイッチを狙う。
竹内はドークセンのスイッチを潰して、片足タックルでテイクダウンを奪う。しかしガードポジションのドークセンがヒップスローで竹内を鮮やかにスイープ! ドークセンがマウントポジションでじっくりと押さえ込み、竹内の顔面にパンチを落とす。
必死に暴れる竹内だったが、ドークセンは竹内の動きに合わせて、バックへとポジションを移行させ、パンチで攻め込む。
最後はドークセンがマウントからパンチを落とし続けたところでレフェリーが試合をストップ。ドークセンが玄人好みのテクニックを見せて、竹内との技術戦を制した。
▼第4試合 戦極ライト級グランプリシリーズ2008セミファイナル 5分3R
○北岡 悟(パンクラスism)
一本 1R1分16秒 ※ヒールホールド
●光岡映二(和術慧舟會RJW)
戦極では秒殺勝利を続けている北岡。公開練習では「五味選手よりも目立っちゃいますよ」と、今大会の主役獲りを宣言、花道をいつも以上に気合十分の顔で入場する。
光岡は1回戦で優勝候補の一人ホドリゴ・ダムに一本勝ちを収めての準決勝進出。セコンドには盟友の宇野薫がつく。
1R、互いにサウスポーの両者。光岡が拳を差し出すが、北岡はグローブを合わせない。離れた間合いからタックルでテイクダウンを狙う北岡。
光岡はそこにパンチを合わせるが、北岡はしつこく片足タックルで組み付いていく。そして北岡が光岡の体をリフトして豪快なテイクダウン! 一気にサイドポジションを奪う。ここで足を入れてガードに戻した光岡だったが、北岡はここで必殺のヒールホールド!
体を反転させて逃げる光岡だったが、北岡は光岡の右足をひねり上げて一本勝ち! 北岡がまたしても秒殺勝利で決勝に進出した。
▼第3試合 戦極ライト級グランプリシリーズ2008セミファイナル 5分3R
○横田一則(GRABAKA/第3代DEEPライト級王者)
判定3−0
●廣田瑞人(GUTSMAN修斗道場/第2代ケージフォースライト級王者)
GP1回戦のコセドナー戦では消化不良に終わっている横田だが、今回は公開練習の時点から絶好調を宣言している。対する廣田は1回戦でライアン・シュルツを下す金星を上げた。さらに今回は髪型も変えて気合十分だ。
1R、まずは距離を測ってジャブや蹴りのフェイントを入れる横田。廣田はじりじりと前に出て行くが、横田はそこに右ストレートを狙う。さらに廣田のガードの間にジャブを突き刺す横田。廣田のタックルを切ってスタンドの状態をキープする。
さらに横田が右ストレート、左フックで前に出る。ここで廣田が再びタックル。横田は背中を見せながら立ち上がる。
そして正面に向き直ると、横田が得意の首投げでテイクダウン! そのまま袈裟固めで押さえ込む横田だったが、廣田もすぐに体を起こして横田をコーナーに押し込む。
ブレイクによる再開後、右フックで前に出て行く廣田。横田は廣田の蹴りに右ストレートを合わせて、一気に前に出て行く。廣田はそこにタックルを合わせてテイクダウンを狙うが、横田は倒れない。
パンチのフェイントから組み付く廣田。しかしここでも横田は倒れない。
2R、距離を取ってインロー、ジャブを出す横田。パンチで距離を詰めて組み付く廣田だったが、横田が逆に廣田をコーナーに押し込む。ブレイク後、大きな右のパンチで飛び込む横田。これをガードされると、今度は右のテンカオ! 廣田がそれを受けて横田をロープに押し込むが、ここで廣田のヒザ蹴りがローブローとなる。
インターバル後、下がりながら横田が前蹴り、そしてヒザ蹴りのフェイントから右ストレート! これで距離を詰めると、廣田からテイクダウンを奪う。
ガードポジションで横田の上半身にしがみつく廣田。横田はそれを突き放してパウンド! 踏みつけるようにしてパスガードを狙うが、ここは廣田もすぐに立ち上がる。
パンチから組み付く廣田。横田は背中を見せるようにしてテイクダウンをディフェンスする。下がりながら横田が左ミドル、右のテンカオを返す。
3R、廣田のローにジャブを合わせる横田。廣田は横田の前蹴りをもらいながらも、前に出てテイクダウンを奪う。しかし横田はすぐに廣田の体を蹴り離して立ち上がる。スタンドに戻ると右ストレートで前に出る廣田に対して、横田はジャブや右フックのカウンターを狙う。
廣田の蹴り足を取ってテイクダウンを狙う横田。しかしここはブレイクとなる。
再開後、廣田の右ストレートをパーリングして左フックを返す横田。さらに大きな右アッパーを突き上げる。廣田も右ストレートや左フックで前に出て行くが、横田は左フックで組み付いて、テイクダウンを奪う。横田はインサイドガードでしっかりと押さえ込んでパウンド。
廣田は下から足関節を仕掛けてスイープに成功する。ガードポジションになった横田だったが、足を効かせて廣田のパウンドを阻止。横田がスタンドのパンチ、テイクダウンの攻防においてテクニシャンぶりを発揮して、廣田を完封した。
▼第2試合 戦極ミドル級グランプリシリーズ2008セミファイナル 5分3R
○中村和裕(吉田道場)
判定3−0
●佐々木有生(GRABAKA)
※中村がGP決勝に進出
先に入場するのは1回戦で近藤有己との日本人対決を制した佐々木。菊田早苗、三崎和雄ら、GRABAKAの面々を引き連れて、花道を歩く。対する中村は吉田道場のメンバー全員と入場ゲートで拳を合わせ、リングへと走り出した。
1R、ガードが低いリラックスした構えで前に出る中村。佐々木をロープを押し込むと飛びヒザ蹴り。そのまま組み付いていくが、佐々木はテイクダウンを許さない。ブレイク後、中村が右フックで飛び込むと、佐々木は左ミドルを合わせる。
ジャブを顔面とボディに打ち分けて、前に出る中村。ここでも中村が佐々木をコーナーをまで押し込むが、佐々木は倒れない。
スタンドに戻るとインローを蹴る佐々木。中村は左フックで飛び込む。左フックからヒザ蹴りを突き上げる中村。佐々木をコーナーに押し込みテイクダウンを狙うが、佐々木は倒れない。
スタンドの展開に戻ると右ハイキックを飛ばす佐々木。中村はガードをだらりとさげて腕をぐるぐると回しながら、左フック! さらにそこから右フックまで返して佐々木を後退させる。
2R、ステップしながら佐々木が左ミドル。これで中村に距離を詰めさせない。しかし中村は左フックで飛び込んで右ストレート! 今度は佐々木が組み付いて中村をロープに押し込む。一旦、距離をとってパンチをまとめる佐々木。中村がジャブを打つとそこに左ミドルを蹴る。中村は左ミドルをブロックしながら右フックで前に出る。
その後も佐々木が離れた間合いから左ミドル、中村が左フックで飛び込むという展開が続く。パンチで飛び込む中村に組み付く佐々木が中村をロープに押し込む。
しかし中村が佐々木を投げでテイクダウン! 中村はインサイドガードから背筋を伸ばしてパンチを狙うが、佐々木も下から足を効かせて、それを阻止する。
3R、左ミドルから前に出て行く佐々木。中村をコーナーに詰めると、右アッパーから左フック! これで中村の足が止まるが、中村も必死に左フックを返す。ジャブを伸ばす中村。佐々木は左ミドル、右ストレート。中村はコーナーから足を使って脱出する。佐々木は中村に組み付いてテイクダウンを狙うが、佐々木は倒れない。
すると中村がタックルでテイクダウン。インサイドガードから体を起こして、中村がパンチを落とす。佐々木は必死に中村の手首をキャッチしてパウンドを阻止しようとするが、中村は手首を回してそれを切ってパンチを落とす。
最後は中村がイノキ・アリ状態からパンチを落とし、亀になる佐々木のバックを取ったところで試合終了。打撃はほぼ互角であったが、テイクダウン力の差で中村が判定をものにした。
▼第1試合 戦極ミドル級グランプリシリーズ2008セミファイナル
○ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
一本 1R1分10秒 ※ヒールホールド
●シアー・バハトゥルザダ(アフガニスタン/ゴールデングローリー)
※サンチアゴがGP決勝に進出
ミドル級GP優勝候補の呼び声も高いサンチアゴ。セコンドには「家族のような存在」と公言しているHERO’Sミドル級王者のJ.Z.カルバンがつく。
対するバハドゥルザダは1回戦をエヴァンゲリスタ・サイボーグの負傷により勝ち上がった。
1R、じりじりと前に出て行くバハドゥルザダ。パンチから組み付いてテイクダウンを奪うが、サンチアゴがバハドゥルザダの脇をくぐって上のポジションを取り返す。
そのままサンチアゴはバハドゥルザダのバックにつくと、そこからバハドゥルザダの足をキャッチしてヒールホールドへ!
一気にバハドゥルザダの足をひねり上げてタップを奪い、サンチアゴがほぼ無傷でGP決勝戦に駒を進めた。
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