12月22日(月)タイ・ラジャダムナンスタジアムにて、スタジアム生誕記念興行が開催された。
今大会は同スタジアムの誕生記念興行であり、一年を締め括る大きな興行であり、ボクシング1試合を含む全10試合が実施された。
WMC世界フェザー級タイトルマッチでは、日本人としては初出場の駿太(谷山)とデンダナイ・PKステレオ(タイ)が対戦。駿太のセコンドには今年のK-1MAX日本王者で、駿太の同門である城戸康裕もセコンドとして現地入りし、駿太の勝利をサポートした。
日本では、WMAF世界王者奪取や、ムエタイ最高峰である現役ラジャダムナン王者とドローの接戦を決めるなど、08年の駿太は、まさに昇り龍のごとくムエタイ界のピラミットを上り詰めた感があった。はたして、本場のムエタイはどうなのか?
試合は初回、お互いの様子を見て距離が離れた状態だ。駿太は前蹴りとローキックで様子を見た。
2Rに入りお互いの距離が若干詰まる。駿太はデンダナイをパンチの射程距離に定め前進。右ストレート狙いだ。
しかしデンダナイは駿太と打ち合いには応じずに前蹴りで突き放し、そして体制を崩した駿太に一気に詰め寄り、首相撲の接近戦に持ち込む流れだ。
3Rに入ってからも駿太は右パンチ狙いで前進し続けたが、しかしその威勢の良い攻めが裏目に出て、パンチをかわしてからのデンダナイの生き生きとした攻めが目立ち始めた。実はこの首相撲へ組み移るまでの接近戦の攻防はデンダナイの得意な距離ともいえる。駿太は、これに捕まり足払いで多数こかされる。
この「こかされる」という行為も何時も2本足でバランスを保たなければならないムエタイでは御法度。
デンダナイはこうしたポイントの操作で駿太に大きく差を付け、判定勝ちに持ち込む作戦だ。日本国内で、常に打ち合いに応じてきたムエタイ選手とは試合の組み立て方が違っていた。
4Rに入ってからもパンチで打開策を得ようとする駿太だが、デンダナイの前蹴りは駿太を全く寄せ付けず。前進する駿太だが試合はそのまま。
距離操作に長けたデンダナイが勝ち逃げを決めた。駿太としては、打ち合いに向き合う事すらできなかった苦い判定負けとなった。
来年も新年早々からルンピニー王者ノーンオー・シットオーとの対戦が決まっていた駿太だが、今回の試合前から痛めていた足の怪我があり、ノーンオー戦は欠場することを自身のブログで発表した。再起が待たれる。
チューチャルン・プロモーション
「ラジャダムナンスタジアム生誕63周年記念興行」
2008年12月22日(月)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第8試合 WMC認定フェザー級王座決定戦 3分5R
○デンダナイ・PKステレオ(タイ)
判定3−0 ※50−47、50−47、50−46
●駿太(日本/谷山ジム)
※デンダナイがWMC認定フェザー級新王者に
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