DEEP事務局 「DEEP 40 IMPACT」 2009年2月20日(金)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:15 ※フューチャーファイトは17:50開始
▼メインイベント(第10試合) DREAMウェルター級GP出場者決定戦 76kg以下契約 5分3R
○池本誠知(総合格闘技スタジオSTYLE/第3代DEEPウェルター級王者)
TKO 1R1分42秒 ※レフェリーストップ
●門馬秀貴(和術慧舟會A-3)
※池本がDREAMウェルター級GP出場権を獲得。
今大会のメインは池本VS門馬による約5年ぶりのリマッチ。前回の対戦では門馬が肩固めで池本に一本勝ちを収めており、池本にとってはリベンジマッチとなる。
また対戦カード決定後に、この試合がDREAMウェルター級GP出場者決定戦にも発表され、様々なテーマのある一戦となった。門馬のセコンドにはいつものように秋山成勲がつく。
1R、ジャブと右ローを出す門馬。池本もインロー、右ロー、右ハイを蹴り返す。門馬は前蹴りで池本を蹴り離し、そこに右ストレート!
池本はそれをかわして、グラウンドで上を取るとすぐに踏み付けとサッカーボールキック! しかしここで池本は距離を取り、スタンドでの展開を希望する。
再開後、池本は右ロー、左ハイキックと蹴りを中心に攻撃を組み立てる。その後もジャブ、左ミドル、右ローといった射程の長い攻撃を繰り出す池本。門馬はそれを受けてインロー。そして池本の左フックに右ストレート、さらにローに左フックのカウンターで前に出て行く。
やや池本がパンチで劣勢になったかに見えたが、門馬がロープを背負ったところで池本が何とダブルパンチ(※両拳をつけて、そのまま前に突き出す。空手でいう双手突き=もろてづき)! この意表をついた一撃が門馬の顔面を捉え、門馬は前のめりにダウン!
池本が一気にパウンドで襲い掛かったところで、レフェリーが試合をストップ。池本が劇的なTKO勝利を収め、門馬にリベンジを果たすと共にDREAMウェルター級GPへの切符を手にした。
試合後、池本は「まだまだ大阪の選手は、東京で名前を売るのが目標です。こうして東京の大会でメインをやらせてもらって、応援してくれる人がいてうれしかったです。門馬選手を超えることが出来て、門馬選手の分までDREAMで頑張ります。DREAMでも2本目のベルトが取れるように頑張りたいです」と次なる戦いへの意気込みを語った。
そして池本のマイクアピールを受け、ウェルター級GP出場が決まっている青木&マッハもリング上で挨拶。青木が「(試合を見て)僕が必ず勝つと確信しました。頑張ります」と発言すれば、マッハは「やるだけです。以上」と一言。GPでも熾烈な日本人対決が繰り広げられそうだ。
●試合後の池本のコメント 「門馬選手はパンチで来ると思っていたんで、パンチVS蹴りの勝負になると思っていました。それで前蹴りやローを使って、最後はKOしようと思っていたんですが、思い描いた通りの試合でしたね。
試合で見せたダブルパンチは、今のトレーナーさんに教えてもらった技で、ずっと練習していたものです。きっと普通の人がやらないことをやったら相手はびっくりするだろうし、一発入ったら効かせることができます。試合では1、2発しか使えない技だと思いますが、ちょうど門馬選手がロープで下がれない場所だったんで使いました。今までミットでしかやったことがなかったんですが、かなり効いたんじゃないですかね。最後のヒザ蹴りとパウンドはダメ押しだったと思います。
実はダブルパンチ以外にもまだ出してないトリッキーな技があって、これは本当に危ない技です。次の試合で出せたらいいですね。ダブルパンチは名前を変えようと思いますけど(笑)。ちなみにそのトレーナーさんはフィジカルを指導してくれる人で、その人の下で加圧トレーニングやライオンや動物の動きを真似するクリーチャートレーニングをやっています。 (DREAM参戦が決まりましたが)昨年末にDynamite!!の会見に出席してから、ずっと大きな舞台に出たいと思っていたんですが、結果的にまだ出なくて良かったんだと思います。そのおかげで今のトレーナーさんと練習させてもらって、フィジカルも強くなったし、体幹のバランスも良くなった。万全の状態でDREAMに出られるし、今だったら(DREAMでも)行けると思います。 青木選手のプロデビューの相手は僕で、あの時はトーナメントの1回戦で僕が抽選で青木選手を選んだんです。それでリベンジしたいという気持ちもあります。また桜井選手は僕が修斗でデビューした頃から王者だったし、ずっと目標にしてきた選手なので(2人のことは)意識はしています。 でもその2人は上に行くためには当たる選手だと思うし、GPの出場全選手が発表されて、その中で魅力がある選手と戦いたい。DEEPでチャンピオンになってからは試合内容も意識しているし、僕はPRIDEでは全くいい試合が出来なかったので、今回こそはいい試合を見せたいという気持ちがあります。だから早く出場メンバーを知りたいですね」
▼セミファイナル(第9試合) DEEPミドル級次期挑戦者決定戦 5分3R
○福田 力(GRABAKA/DEEPミドル級トーナメント準優勝)
TKO 1R0分45秒 ※レフェリーストップ
●桜井隆多(R-BLOOD/元DEEPミドル級王者)
※福田がDEEPミドル級王座挑戦権を獲得。
ミドル級王者・中西への挑戦権をかけて桜井と福田が再戦! 前回の対戦では判定までもつれる接戦となり、福田が判定で勝利を収めているが、再戦の行方はいかに!?
1R、ローを蹴って距離を測る桜井だったが、福田が鋭いタックルで桜井をテイクダウンする。ここから亀になって立ち上がろうとする桜井だったが、福田は巧みなバックコントロールで桜井の動きを制すると、強烈なパウンドを連発!
これを顔面に受けた桜井はそのまま動きが止まり、レフェリーが試合をストップ! 前回の対戦では判定にまでもつれた一戦だったが、今回は福田が圧倒的な勝利を収めた。(※試合後の佐伯代表によると桜井は寝技の攻防中に足を負傷した模様)
試合後、福田は「次は絶対にベルトを取るんで応援よろしくお願いします」と挨拶。これを受けて会場にいた王者・中西がリングイン。
風邪を引いていて声が出ないという中西は、リングアナのお宮の松を通じて、「防衛戦はてっきりDJ.taikiとやると思っていたんですが…ただこの試合を見て、すごく気合が入ったんで、もう一回リキさんといい試合をしてみたいと思います」と、福田との防衛戦への意気込みを語った。
▼第8試合 DEEPライト級王座決定トーナメント一回戦 70.3kg以下契約 5分3R
○菊野克紀(ALLIANCE)
TKO 1R4分15秒 ※レフェリーストップ
●チョン・ブギョン(韓国/チーム・ユン)
※菊野が決勝戦進出
ブギョンは「やれんのか!」やDREAMにも参戦していた元柔道五輪銀メダリスト。必殺の腕十字で青木真也を極めかけたこともある寝業師だ。
対する菊野は柔道、極真空手をバックボーンに持つ、高阪剛の愛弟子。試合前のコメントで菊野は「DEEP×DREAMという対抗戦の意識が強い。ポッと出の選手にDEEPのベルトは渡さない」と対抗心を燃やす。
1R、細かくパンチのフェイントを入れるブギョン。パワフルな左フックで距離を詰めようとするが、菊野は上手くそれをさばく。そして距離が開くと強烈なローを蹴る。
しかしブギョンも強烈なローキックを返す。左右のフックで前に出るブギョン。互いに間合いを測る展開が続くが、菊野が左ハイキックを一閃!これがブギョンの顔面を捉え、ブギョンは後方にバッタリ!
菊野は一気にパウンドを落とて襲い掛かるが、ブギョンはすぐに下からホールド。足を入れてガードポジションに戻し、このピンチを逃れる。試合はスタンドに戻るが、菊野の左ハイキックでブギョンの右目の周りが大きく腫れ上がりドクターチェックが入る。
再開後、インローを蹴っていく菊野。これでブギョンを下がらせると、サウスポーに構えを変えてから必殺の三日月蹴り&左ハイキック!
これは何とかディフェンスしたブギョンだったが、菊野の三日月蹴りがブギョンのボディにグサリ!
これで思わずうずくまるブギョン! 菊野が一気にパウンド、サッカーボールキックで攻め込むと、レフェリーが試合をストップ。菊野が鮮やかな蹴り技でブギョンをマットに沈めた。
試合後、菊野は「メジャー落ちした選手が勝てるほど、DEEPは甘くないです! 4月のトーナメント決勝戦に勝って、僕がDEEPのライト級を背負わせてもらいます」と力強く宣言。リング上では空手の型で記念撮影に応じた。
▼第7試合 DEEPライト級王座決定トーナメント一回戦 70.3kg以下契約 5分3R
○松本晃市郎(今田道場) 判定3−0 ●中尾受太郎(フリー)
※松本が決勝戦進出
「世界と戦うために70kgに体重を落とした」という元ウェルター級王者の中尾が王座決定トーナメントに参戦。対戦相手はDEEP本戦で5連勝中の松本。ベテラン中尾VSDEEP生え抜きの松本という試合になった。
1R、松本はガードをだらりと下げた独特の構え。上体をくねくねさせながら、プレッシャーをかけて中尾を下げさせる。お互いの攻撃を警戒してか、ほとんど手を出さない両者。レフェリーからは「もっとアグレッシブに動くように」と口頭注意が与えられる。
再開後、いきなり左ストレートで飛び込む中尾。中尾が首相撲のような形になり、松本がコーナーに中尾を押し込む。試合がスタンドに戻ると、再び距離を測りながらインローを蹴る松本。
中尾もローを蹴りながら前に出て、ロープに詰まった松本に組み付く。中尾が距離を取ると、松本が中尾をコーナーまで詰めて強烈なインローを連発。中尾も先ほどと同じようにローを蹴りながら前に出て松本に組み付く。
ブレイク後、インローを蹴る松本に中尾が左ストレート。しかし松本は頭を振って、それをかわす。距離が離れるとインローを蹴り続ける松本。中尾の右足の内側が真っ赤に腫れ上がる。
2R、大振りの左アッパーで中尾を威嚇する松本。パンチを空振りしても舌を出して中尾を挑発する。足を使って中尾に距離を詰めさせない松本。しかし中尾が松本をロープに詰めて組み付くことに成功する。ここから投げでテイクダウンを狙う中尾だったが、グラウンドで上になるのは松本。
中尾はラバーガードで動きを固めて、松本の側頭部にコツコツと鉄槌を落とす。ブレイク後、今度は松本が組み付いて中尾をコーナーに詰める。ここから中尾は松本の首をキャッチして、首相撲からのヒザ蹴り! 松本はそれを突き放す。松本の蹴りを空振りさせて、再び首相撲に持ち込む中尾。四つで組むと、松本をコーナーまで押し込む。しかしここも目立った動きがなくブレイク。動きの少ない展開に客席からはブーイングも飛ぶ。再開後、松本はローをカットしない中尾にインローを連打。
中尾が左ストレートで飛び込むが、松本は頭を振って組み付く。ここで中尾が松本をコーナーまで押し込むものの、ここで中尾のヒザ蹴りがローブローとなり、松本にインターバルが与えられる。
インターバル後、松本はインローを蹴りながら、それをフェイントにしたパンチ! 中尾は左ストレートで飛び込むが、これも当たらない。中尾は自らガードに引き込み、松本の手首をコントロールして三角絞めを狙うが、松本のディフェンスは固い。
3R、距離を取りながらインロー、アウトローを蹴る松本。中尾は一気に距離を詰めてテイクダウンを狙う。そして松本の首を取って鋭いヒザ蹴りを突き刺す。
ブレイク後、左アッパーで飛び込む松本! 中尾はそれを受けても構わず前に出て左ストレートを返す。中尾に組み付いてテイクダウンを奪ったのは松本。ラバーガードで松本の動きを固める中尾に対し、松本は細かく中尾のボディにパンチを落とす。ブレイク後、前に出るのは中尾。
左ストレートを果敢に狙うが、単発のため当たらない。組みの攻防になると中尾が引き込み、自らガードポジションへ。どちらも展開を作ることが出来ず、ブレイクとなる。再開後も左ストレートから前に出て行くのは中尾。松本は下がりながら、コンパクトにパンチを返す。組みの攻防になると、中尾が引き込むが、ここはブレイクとなる。再開後、松本をロープにつめた中尾が左ストレート! 松本も右フックを返し、それが中尾の顔面を捉える。
しかし中尾はニヤリと笑って左右の連打で前へ! 松本をロープまで押し込む。しかし松本はテイクダウンを許さず、試合はスタンドへと戻る。そしてこのまま試合は終了。どちらも決定打に欠く微妙な内容となったが、判定は3−0で松本! 1階級上の元王者を下し、トーナメント決勝に駒を進めた。
▼第6試合 77.1kg契約 5分2R
○長谷川秀彦(SKアブソリュート/第2代DEEPウェルター級王者)
判定3−0
●石川 真(剛術)
1R、打撃を出しながら長谷川が組み付く。一度はテイクダウンしたが、石川はすぐに立ち上がる。二度目のテイクダウンでガッチリ押さえ込んだ長谷川は、石川の腹部にパウンドを落としながらマウントポジションへ。石川は防戦一方だったが、うまくリバースし上を取る。
スタンドでは積極的に打撃を出しながら組み付いた長谷川はグラウンドで上になる。ここでもマウントを取り、安定した試合運び。残り時間一分となり、長谷川は足関節へ。石川の顔面にかかとを落としながらチャンスを狙ったが極められない。
2R、一気にバックを取った長谷川は寝技にいくもチャンスを握られない。石川の強烈な打撃の前にしても長谷川は一切臆することなくパンチを出し、テイクダウンする。石川を抱え込んだ長谷川はバスター。パンチで石川を下がらせた長谷川はバックを奪い、後ろからパンチを叩きながらチャンスを伺うもブレイク。
スタンドでは、ボディへのパンチ、右ストレートと打撃でも打ち負けない長谷川。残り時間1分、お互いに打撃を出し合ったところでゴング。
判定勝利を収めた長谷川は「1月25日にうちの父親が癌で亡くなりました。(遺影を持ちながら)お父さん目立ちたがり屋だったので、ちょっとみんなで見送ってやってください」と四方にお礼。
そして「今年はまだ始まったばかりですけど、年内いっぱいは試合が出来るように頑張りたいと思います」と今年の目標を掲げていた。
▼第5試合 無差別級 5分2R
○田澤和久(THUG LIFE香和)
一本 1R2分55秒 ※袈裟固め
●ティム“ビックパーム”パーシー(アメリカ/チームオオヤマ)
大会前からDEEP・佐伯繁代表が大絶賛していたスーパーヘビー級の新鋭外国人選手パーシーが遂にDEEPのリングに初登場!
1Rのゴングが鳴ると、いきなり仕掛けたのは田澤。するとパーシーは下がりながらアッパー。右ストレートもヒットさせ、うつ伏せになった田澤に一方的な攻めを見せる。パーシーの左ストレートに合わせるように、田澤がタックル。
パーシーはガッチリと受け止めると見事なフロントスープレックス! これで田澤から上を取り、押さえ込んだパーシー。しかし展開が膠着したためにブレイク。田澤は打撃を出しながら組み付くと、柔道仕込みの大外刈り! パーシーを寝転がすと、一気に袈裟固めで絞り込み、田澤が一本勝ちを収めた。
▼第4試合 93kg以下契約 5分2R
△井上俊介(吉田道場)
ドロー 判定0−0
△加藤 実(フリー)
1R、右ハイやパンチといった打撃で攻める井上に対し、柔道をベースとする井上が綺麗な払い腰でテイクダウン。
グラウンドで有利なポジションを取り続けながらパウンドを落としていくが決定的な場面を作れない。
2Rには、井上の組み付きを避けるように加藤がぐるぐると回りながら打撃のチャンスをうかがう。
加藤のパンチで井上は鼻血を出す場面が見られたものの、終盤にはお互いに疲れを見せ始めた。消極的と判断された加藤にはイエローカード(注意)。決め手に欠けた試合はドローに終わった。
▼第3試合 77.1kg契約 5分2R
○長岡弘樹(総合格闘技DOBUITA/初代TRIBELATEウェルター級王者)
判定3−0
●渡辺良知(AACC)
終始主導権を握っていたのは長岡。打撃でプレッシャーをかけ、渡辺との打ち合いでもヒットさせる。パンチを出しながら組み付いた長岡はテイクダウンしパウンド。
下の渡辺は三角絞めを狙う場面もあったが、極められない。判定で長岡が勝利した。
▼第2試合 70.3kg以下契約 5分2R
○岡澤弘太(AXIS一宮/チームZST)
判定2−0
●伊藤有起(ALLIANCE)
伊藤のパンチに合わせて、岡澤がタックルを仕掛ける。グラウンドになると、岡澤が腕十字を積極的に仕掛ける展開に。
2Rも、岡澤は何度か腕十字を極めかける。しかし、伊藤の鉄壁なガードにふさがれてしまう。判定2−0で岡澤が辛くも勝利した。
▼第1試合 65.8kg以下契約 5分2R
○直撃我聞(PUREBRED大宮)
判定3−0
●広斗(SFK)
広斗のセコンドには元J-NETスーパーライト級王者・寒川慶一がつく。
広斗のローに対し、カウンターでパンチを合わせる直撃。積極的にタックルも仕掛け、上のポジションを取ったのは直撃。パウンドで攻め込む場面を作ったが、広斗は粘りを見せる。終始、優位に試合を運んだ直撃がDEEP初参戦で初勝利を挙げた。
▼フューチャーファイト第2試合 70kg以下契約 5分2R ※判定無し
○佐藤宗幸(蒼天塾)
TKO 1R4分6秒 ※パウンド
●本村康博(AACC)
▼フューチャーファイト第1試合 73kg以下契約 5分2R ※判定無し
△近藤秀人(マッハ道場)
時間切れドロー
△小林 裕(U-FILE CAMP)
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