ワールドビクトリーロード
「戦極〜第七陣〜」
2009年3月20日(金・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館
開場15:00 開始17:00
▼メインイベント(第10試合) 戦極ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R
○キング・モー(アメリカ/Kingdom
of Mayhem)
判定3−0 ※30−24、30−27、30−27
●川村 亮(パンクラスism/第4代ライトヘビー級キング・オブ・パンクラシスト)
これまで以上の豪華な衣装を身につけたモーガールズ(ダンサー)のド派手なダンスと共にモーはリングに上がる。対する川村はアメリカの国旗をモチーフにしたコスチュームで登場。ここまで戦極で圧倒的な強さを見せているモーから川村は勝利をもぎ取ることが出来るか? リング上で対峙すると、同じ階級とは思えないほどモーの体が大きい。
1R、この日はサウスポーに構えるモー。川村にじりじりとプレッシャーをかけて、豪快なタックルでテイクダウンを奪う。
川村はアームロックを仕掛けながら立ち上がるが、モーはそこに首相撲からパンチとヒザ蹴り。すぐに川村をマットに寝かせる。川村は背中を見せて立ち上がろうとするが、モーはその川村を持ち上げるようにしてバスター!
頭からマットに叩き落された川村だが、すぐに立ち上がって右ストレートから激しくモーと打ち合う。モーは川村をロープに詰めてタックルで押し込むと、川村は背中を見せる。モーは川村の股の間で腕をクラッチして持ち上げるようなテイクダウン! しかし川村はその度に立ち上がり、グラウンドでの展開を許さない。
ブレイク後、川村がモーのタックルを潰してパンチを落とす。モーはその川村を跳ね返すようなパワフルなタックルで川村をコーナーまで押し込む。ここも川村は背中を見せて立ち上がり、ブレイクを待つ。再開後、川村が右ストレートで前に出るが、モーがタックルでテイクダウン。川村は四つんばいになって完全には寝かせられない。
2R、モーはここもサウスポーに構えてノーガードで川村を挑発する。打撃の攻防の中でモーの指が川村の左目に入ってしまい、川村にはドクターチェックが入る。再開後、川村が左フックから右ストレート。
これを右手を伸ばして制しようとするモーだったが、右手の指が川村の左目に入ってしまい、再び川村にドクターチェック。そしてモーにはイエローカードが提示される。
再開後、パンチで前に出て行く川村にモーが飛びヒザ蹴り。川村は体を沈めるようにして右のカウンター。さらに右ミドルを蹴るが、その蹴り足をキャッチしたモーが川村のバックへ。川村はすぐに立ちあがる。パンチで前に出ていく川村。モーも左ストレートを出すが、あまり威力はない。
川村はモーをロープにまで詰めて右ストレート。モーがタックルでテイクダウンを狙うが、川村は背中を見せて立つ。ブレイク後、やはり川村が右ストレート。モーはタックルでテイクダウン、そしてバックコントロールから川村の顔面にヒザ蹴りを入れる。川村はセコンドの北岡の指示に合わせて立つ。
3R、サウスポーのモーに右ストレートで前に出る川村。モーを後退させて右アッパーを突き上げる川村だったが、モーのタックルでテイクダウンを許してしまう。川村はすぐに立ち上がってコーナーでモーと正対、そして距離を取ると川村がパンチで前に出る。
モーはそこにカウンターのタックル、川村は倒されるものの、すぐに立つ。致命的なダメージはないものの、川村はモーのタックルでテイクダウンされ、立ち上がるために時間を使ってしまう。
残り1分、モーが川村の股の下で両腕をクラッチして頭からバスター! これで川村の動きが一瞬、止まる! それでも何とか立ち上がる川村。終了間際、川村はモーを突き放して右ストレート、右ヒザ蹴り、そしてバックブロー! 起死回生の攻撃を繰り出していくが当たらず。
試合が終わると川村はフラフラとなり、自分の力ではすぐに立ち上がれないほど消耗。最後まで反撃を試みた川村だったが、モーの牙城を崩すことは出来なかった。
試合後、モーはファンをリングに上げて「キング!」「モー!」の掛け合い。最後は試合を裁いた木村レフェリーにも「モー!」とコールさせるモーだった。
▼セミファイナル(第9試合) 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○日沖 発(ALIVE/修斗世界ライト級3位・TKO世界フェザー級王者)
一本 1R4分12秒 ※腕ひしぎ十字固め
●クリス・マニュエル(アメリカ/アメリカン・トップチーム)
※日沖がグランプリ2回戦に進出
大会のポスターに大きく扱われ、今大会のエースと目されている日沖。アメリカン・トップチームの軽量級ファイターであるマニュエルを迎え撃つ。日沖はエースらしい試合を見せて、2回戦に駒を進めることが出来るか?
1R、リーチで優る日沖が左ミドルから左右のストレートで前に出る。そしてマニュエルをコーナーに詰めてすぐにテイクダウンを奪う。日沖はマニュエルの上体を固めて足をまたぐようにしてパスガード、マニュエルの動きに合わせてバックを奪う。
そしてそこから日沖が腕十字! マニュエルは体をすぐに起こして立ち上がる。
しかし日沖はその動きについていってすぐにテイクダウン、サイドポジションからアームロックを狙う。必死に足を入れてガードポジションに戻そうとするマニュエル。
日沖はマニュエルの足関節狙いに対してコツコツとパンチを落とす。そして日沖がサイドポジションからパンチとヒザ蹴りを入れながら腕十字&三角絞め。
そして最後は腕ひしぎ十字固めで日沖が鮮やかな一本勝ち!
「大会前はプレッシャーもありましたが、終わってみればそれも楽しめました。(世界最強に近づいた?)まだまだです。名古屋のALIVEから来た日沖発です。僕が65kg、日本人最後の砦になります」とエースらしい言葉でマイクアピールを締めくくった。
▼第8試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○ナム・ファン(ベトナム/Ma Duアカデミー/EFWCライト級王者)
TKO 1R3分09秒 ※グラウンドパンチ
●門脇英基(和術慧舟會東京本部/第7代修斗世界ライト級王者)
※ファンがグランプリ2回戦に進出
元修斗世界ライト級王者・門脇とアメリカで活躍するファンの一戦。どちらも一流のグラップラーであり、高度な寝技合戦が期待される試合だ。ファンは紫帯を巻いた道衣を身にまとっての入場、門脇のセコンドには岡見勇信がつく。
1R、ジャブを突いて前に出るファン。鋭い右ストレートを門脇の顔面に当てる。門脇もそこにアッパー、フックを返すがファンの圧力に押される。ジャブ、左ボディを打ち込むファン。
しかし門脇も下がりながらではあるが右ストレート、左フックを返していく。徐々に固さが取れてきたのか、門脇が左ジャブを上手く使ってファンをコントロールする。
しかしファンは強引に距離を詰めて左ボディ、アッパーを突き上げる。上手くファンのパンチを見切っていた門脇だったが、ロープ伝いに下がったところでファンの右フックがクリーンヒット!
これで門脇がダウン! ファンが鉄槌を落としたところでレフェリーがストップ。寝技合戦が期待された一戦だったが、一度も寝技の展開にはならずファンがパンチで門脇をマットに沈めた。
▼第7試合 戦極ヘビー級ワンマッチ 5分3R
○BIG・ジム・ヨーク(ニュージーランド/SIAM
GYM)
KO 1R4分33秒 ※スタンドのパンチ
●ジェームス・トンプソン(イギリス/London
Shoot)
ゴングが鳴らされた直後にいきなりラッシュを仕掛けるゴング&ラッシュでPRIDEの人気者となったトンプソンが約2年ぶりに日本に凱旋!
対戦相手のヨークもこれまで判定決着がなしというアグレッシブファイター、KO決着は間違いなしの試合となった。大会前の囲み取材で「ゴング&ダッシュは試合を見てのお楽しみ」と話していたトンプソンだったが…
1R試合開始のゴングが鳴ると、トンプソンはヨークを目掛けていきなりダッシュ! しかしヨークはそれをかわして左右のフック! 思わず後方に倒れたトンプソンだったが、タックルでテイクダウンを狙う。
そこにフロントチョークを狙うヨーク。トンプソンはしつこいタックルでテイクダウンを狙うがヨークは倒れない。試合がスタンドになると、トンプソンの左のパンチがヒット! これでヨークがバランスを崩す。
ここからしばらく四つの攻防が続き、展開が少なくなるがスタンドの打撃戦の中でトンプソンの左フックにヨークがカウンターの左ストレート! これでトンプソンがダウン! 完全に目が飛んでしまったトンプソンを見てレフェリーが試合をストップ。スーパーヘビー級らしい豪快な試合展開&結末となった。
▼第6試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○小見川道大(吉田道場/日本国際柔道大会66kg級優勝)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−27
●L.C.デイビス(アメリカ/アメリカン柔術アカデミー/TITAN
FIGHTING CHAMPIONSHIPフェザー級王者)
※小見川がグランプリ2回戦に進出
ここまで13勝1敗の戦績を誇り、バオ・クァーチにも勝利しているデイビス。サンドロと並ぶ優勝候補に名前が挙がっている強豪だ。そのデイビスに挑む小見川は今回が戦極初参戦。2007年4月から約2年間、勝ち星から見放されており、この試合で復活の狼煙をあげたいところ。
1R、手足が長く構えがサウスポーのデイビス。小見川は右フックから飛び込んでデイビスに組み付く。そこから足技でテイクダウンを狙う小見川。
デイビスも必死に粘ってそれを阻止しようとするが、小見川が外掛けでデイビスをテイクダウンする。ハーフガードで上になる小見川はじっくりとデイビスの動きを制して、サイドポジションで抑え込む。デイビスの体をまたいでマウントポジションを取る小見川。
デイビスは小見川の体は跳ね上げて立ち上がろうとするが、小見川はその動きに合わせてバック、マウントとしっかりポジションをキープする。そしてパンチを落としながら小見川が腕十字へ!
デイビスの腕が伸びるが、デイビスはすぐに体を起こしてこれをディフェンスする。小見川がテイクダウンからの堅実な寝技でデイビスを完封したラウンドとなった。
2R、じりじりと間合いを測るデイビスがジャブを突いて左ストレート! 1Rよりも距離が遠くなり、デイビスがスタンドでイニシアチブを取る。タックルでテイクダウンを狙う小見川だが、デイビスはそれを切って離れ際の右フック! デイビスはそのまま小見川をロープまで詰めて左ストレートから右フック!
やや打撃で押される小見川だったが、組みの攻防になると鮮やかな投げでデイビスをテイクダウン。ハーフガードでしっかりとデイビスを抑え込む。しかしデイビスはタックルに切り替えしてテイクダウン、小見川はそこにガードポジションからのアームバーを狙うが、デイビスは立ち上がってスタンドを要求する。
スタンドに戻るとデイビスが右アッパーから左ストレート。小見川は強烈なローでデイビスの足を止める。右ボディストレートで飛び込む小見川にデイビスが右フック。
小見川は再び右ボディストレートで飛び込んでデイビスに組み付く。ここは攻防がなくブレイク。再開後、右から左フックを返す小見川。デイビスもそこに右フックを返すが、小見川がデイビスをコーナーまで押し込む。
3R、ワンツーで前に出るデイビス。小見川は右ボディから顔面への左フック、片足タックルでテイクダウンを狙う。デイビスはそれを切って左ストレートを返す。右のパンチからデイビスをコーナーまで押し込む小見川。テイクダウンを奪った小見川はインサイドガードからパウンド。
そしてデイビスが起き上がろうとしたところでフロントチョーク! これは極まらず、小見川はガードポジションで下になるが、そこからデイビスの腕を自分の腕と頭で抱えるアームバー。小見川はこれを基点としてスイープでポジションを入れ替えて、マウントポジションでデイビスを抑え込む。必死に暴れるデイビスだったが小見川のポジションキープは強く、デイビスは何も出来ず。
小見川が過去最高のベストゲームと呼べる試合内容で強豪デイビスに勝利! 小見川は「俺が負けると思ったやつら、クソッたれ!」と絶叫した。
▼第5試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○マルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァウニオン/第2代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト)
TKO 2R2分57秒 ※肩固め
●マット・ジャガース(アメリカ/Team
Wolfpack/KOTC世界スーパーライト級王者)
※サンドロがグランプリ2回戦に進出
総合戦績12戦全勝、初代フェザー級キング・オブ・パンクラスで優勝候補筆頭のサンドロが登場! 柔術の名門と知られるノヴァウニオンの所属ながら、鋭い打撃を武器とするサンドロが戦極のリングでもその強さを見せ付けるか?
対するジャガースはレスリングがベースで、KOTC世界スーパーライト級王者にもなっている。
1R、左フックからの右ストレートを見せるサンドロ。ジャガースも左右のストレートを返す。サンドロはジャガースをロープに押し込んでテイクダウンを奪う。
ジャガースの体をマットに叩きつけ、パスガードを狙っていくサンドロ。ハーフガードでしっかりとジャガースの体を抑え込むが、ジャガースも一気にサンドロの体を跳ね上げて立ち上がる。
スタンドに戻るとサンドロがジャガースの左フックにカウンターのタックル! 上手くジャガースをテイクダウンすると、ここでもバスターから足を抜いてハーフガードを狙うが、ジャガースがブリッジ! 一気にポジションを入れ替える。グラウンドで下になったサンドロだが、ハーフガードから脇を差し、ジャガースの足を抱えて鮮やかなスイープ!
そのままサイド、マウントとポジションを入れ替える。サンドロがサブミッションを仕掛けたところで、ジャガースがグラウンドで上のポジションを取り返した。
2R、左ミドルを蹴るサンドロに対して、ジャガースは左右のストレートで前に出る。サンドロはジャガースのパンチに上手くタックルを合わせてテイクダウンを奪う。サンドロは暴れるジャガースをしっかりとマットに寝かせて、ハーフガードからジャガースの足を腕で空けるようにしてパスガード。
ジャガースは足を入れてハーフガードに戻そうとするが、サンドロがそこに肩固め!ジャガーズは立ち上がってそれをディフェンスするが、サンドロは肩固めの態勢のまま、ジャガースをコーナーに押し込む! サンドロの両腕がガッチリと入り、ジャガースがそのまま前のめりに倒れ、レフェリーが試合をストップ! サンドロがスタンドの肩固めという珍しい技で見事な一本勝ちを収めた。
▼第4試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−27
●キム・ジョンマン(韓国/CMA KOREA
/KTT)
※金原がグランプリ2回戦に進出
山田哲也に引き続き、チームZSTとしての戦極参戦となった金原。黄色い道衣を着て入場の金原のセコンドには所英男がつく。対するジョンマンのセコンドにはミノワマンの姿が。“ZST最強の男”と紹介された金原はジョンマンの壁を乗り越えられるか?
1R、金原はジャブとインローを軽く飛ばす。じりじりと間合いを詰める金原にジョンマンが左フックを返す。左右のフックで前に出るジョンマン。金原はそこに右ローを返す。右ローから右ストレートを返す金原。
ジョンマンはそこに右フックを合わせようとするが距離は遠い。逆に金原はジャブ、右ローという対角線コンビネーションでジョンマンを下がらせる。
そして金原の右ストレートがヒット! ジョンマンは右フック、金原のローに左フックを返すが、これは当たらない。左右のフックで前に出るジョンマンに対して金原が右アッパー。完全に打撃戦の攻防が続く中、金原が右のスーパーマンパンチ(蹴りのフェイントからジャンプしての右ストレート)!
そして金原が左ミドルから距離を詰めて右ストレートからの連打! これでジョンマンがダウン! 金原はパンチを落としながらジョンマンの体をしっかりと抑え込む。金原優勢のままラウンド終了となった。
2R、ジャブ&右ローで前に出る金原。ジョンマンは右フックで前に出て行こうとするが、金原はローと前蹴りで上手く距離を作る。ジョンマンが強引に右フックで距離を詰めてくると、金原がタックルでテイクダウン狙い。しかしジョンマンはそれを切って何とかスタンドをキープする。
しかし金原は片足から両足と上手くタックルを切り変えてテイクダウンを奪う。
ハーフガードで強引にギロチンチョークを狙うジョンマンに対し、金原は丁寧にパスガードを狙っていく。そしてジョンマンの上半身をしっかりと押さえて肩固めへ!
これを外された金原だったが、今度はマウントポジションに移行。ジョンマンの動きを封じようとするのだが、ジョンマンはブリッジでポジションを入れ変える。残り1分で試合がスタンドに戻ると、金原は左ミドルから右ストレート。
射程の長い攻撃でジョンマンに距離を詰めさせない。ジョンマンは左フックから前に出て金原のタックルを切ってフロントチョーク! ここは残り時間がなくラウンド終了となった。
3R、じりじりと圧力をかけて前に出る金原。ジョンマンは左右のフックで金原を下げさせる。金原はそれをしっかりとブロックして右ロー。ジョンマンは金原のローに右フックで飛び込む。金原は右ストレートから左ハイキック!
しかしパンチで前に出ていくジョンマン。金原が両差しで組んでテイクダウンを狙うが、ジョンマンは強引に金原を投げ飛ばしてパウンド! 金原が体を起こしてくるところにジョンマンがフロントチョークを狙う。金原はそれを抜いてハーフガードで上を取り、マウントポジションへ。しかしジョンマンはブリッジで金原の体を返して試合をスタンドへ戻す。
互いに手を出さないため、レフェリーは両者に膠着による口頭注意を与える。再開後、金原が左ハイキックを2発。そして金原がジョンマンをタックルでテイクダウン。
最後は金原がしっかりとジョンマンを抑え込んだところで試合終了となった。判定は3−0で金原! ここまで連敗が続いていた日本人勢だが、金原が最初の勝利をもぎとった。
▼第3試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○ジョン・チャンソン(韓国/CMA KOREA/KTT)
一本 1R4分29秒 ※チョークスリーパー
●石渡伸太郎(GUTSMAN・修斗道場/第12回全日本アマ修斗ライト級準優勝)
※チャンソンがグランプリ2回戦に進出
互いに打撃を武器とする選手同士の激突。壮絶な殴り合いが期待される一戦の結末はいかに!? 石渡はGUTSMAN・修斗道場勢を引き連れての入場だ。
1R、サウスポーの石渡に右ストレートで飛び込んでいくチャンソン。リーチで優るチャンソンは右ミドル、左フックで前に出て行く。石渡はそこに右フック、そして右アッパー。チャンソンは距離が詰まるとヒザ蹴りを突き上げる。石渡の左ストレートとチャンソンの右ストレートが交錯! チャンソンは構えをサウスポーにスイッチすると、石渡を左右の連打で後退させて右フック!
打撃戦を嫌ってタックルに入る石渡だが、チャンソンはしっかりとテイクダウンを奪ってサイドポジションからパウンド! 石渡も必死に立ち上がり、試合をスタンドに戻す。
得意の左ハイキックを繰り出す石渡! そこから左右のフックをチャンソンの顔面に集める。そしてチャンソンを後退させて石渡が飛びヒザ蹴り! 怒涛の攻撃でチャンソンを攻め込む石渡だったが、チャンソンは下がることなく左右のフックで前進。石渡はそこに再び飛びヒザ蹴り!
チャンソンがタックルでテイクダウンを狙うが石渡は倒れない。
ブレイク後、チャンソンの左フックがヒット! これでバランスが崩してしまう石渡。チャンソンはそのまま石渡の後ろに回りこみチョークスリーパー! これがガッチリと入って石渡がタップ。チャンソンが石渡からパンチでダウンを奪い、見事な一本勝ちを収めた。
▼第2試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○ロニー・牛若(イギリス/チーム・トロージャン)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●山田哲也(しんわトータルコンバット/チームZST)
※牛若がグランプリ2回戦に進出
“元スーパー高校生”山田の戦極デビュー戦。ZSTのメインテーマに乗って花道に現れた山田は両手で力強くガッツポーズを作って、リングへと向かう。
1R、サウスポーの山田に対し、右ストレートから飛び込む牛若。山田はタックルでテイクダウンを試みるが、牛若は倒れない。牛若は山田の左ミドルに右ストレート! 山田は再びタックルに入り、粘る牛若をテイクダウンする。インサイドガードでしっかりと牛若を抑え込む山田だが、牛若が鮮やかなヒップスローでスイープ!
牛若はマウント、バック、マウントとポジションを変えて、山田を抑え込む。
やや劣勢の山田だったが、ここで下からのヒールホールド! これで山田が態勢を入れ替えてグラウンドで上を取りかけるが、牛若はすぐにタックルで山田をマットに寝かせる。ガードから三角絞めを仕掛ける。ここで牛若は立ち上がってスタンドを要求する。スタンドで右ストレートを打つ牛若。山田はそこにカニバサミ! これで牛若の足に絡みつき、再び足関節を仕掛ける。
しかし牛若はこれをしのぎ、グラウンドで上のポジションを取ってパンチを入れる。しつこく足関節を狙う山田だが、牛若は立ち上がってそれに付き合わない。
2R、右ストレートで飛び込む牛若に対し、背中を見せながらアームロックを仕掛ける山田。牛若は山田の体を持ち上げるようにしてテイクダウン、腕を抜いて山田の顔面にパウンド! 山田のガードポジションからの仕掛けを潰して、寝技には付き合わない。
スタンドに戻ると、牛若は山田の右フックをブロックして右のロングフック。山田はブラジリアンキック、飛びヒザ蹴りを見せるが、牛若はそれをキャッチしてテイクダウンを奪う。
インサイドガードの牛若は山田の上半身を潰してパスガード狙い。山田はそこにアームロックを狙い、牛若の体を蹴り離して顔面蹴り上げ!
山田が立ち上がってパンチを見せるが牛若も右ストレート。山田は再び背中を見せてのアームロックを仕掛けるが、牛若は山田の体を突き放してスタンドを要求する。左ミドルを蹴る山田だが、ここは尻餅。
山田は何度もガードポジションからアームロックを仕掛けるが、牛若のベースは崩れない。
3R、牛若が体を沈めたところに山田が左ミドル! ここから一気にパンチで攻め込むが、牛若が右ストレートをヒットさせて、そのままタックルでテイクダウンを奪う。ここで山田がガードポジションからのアームロックで牛若の腕を伸ばすが、牛若は一度、下になりながらもタックルで山田をマットに寝かせる。
スタンドを要求する牛若は右ミドル、山田も左ミドルを蹴るが、ここでも尻餅をつく。牛若は体を沈めて右ストレートで前に出て行く。そこに左のヒザ蹴りを合わせる山田だが、牛若の右ストレートを受けてガードポジションに引き込む。
スタンドに戻ると山田が左ミドル、牛若は右ストレートを返す。ここでもガードに引き込む山田。ここで牛若は自らアンクルホールド! 山田も足関節を仕掛けて上のポジションを取り返す。ここで試合は終了。山田はマットに大の字に寝転んだ。
最後までアグレッシブさを見せ付けた山田だったが、要所要所で牛若にスタンドでポジショニングで圧倒されて僅差の判定負け。大きな期待を集めた“元スーパー高校生”山田は1回戦で姿を消した。
▼第1試合 戦極フェザー級グランプリ2009開幕戦 5分3R
○ニック・デニス(カナダ/Ronin MMA/KOTCカナダ・フェザー級王者)
TKO 1R2分36秒 ※タオル投入
●川原誠也(パンクラスP’sLAB横浜)
※デニスがグランプリ2回戦に進出
1R、デニスが圧力をかけながら前に出ると、川原は後ろに下がりながら左右のフック。追撃を止めるようにデニスは首相撲にとらえ、川原のボディにヒザ蹴り!
これを嫌がる川原はいったん腕で突き放す。デニスが右ハイを出すと、川原は側頭部にかするように食らってしまいダウン! デニスが追撃するも、ダメージのない様子の川原は素早く立ち上がる。
デニスが川原をコーナーへと追い込むと、川原は体位を入れ替えデニスをコーナーへ押し込んだ。デニスはジャブを出しながら2度目の右ハイ。川原は持ち味のパンチを振るうも、リーチのあるデニスの右ストレートが川原の顔面を捕らえた!
ばったりとダウンした川原に対し、デニスは顔面へのヒザ蹴りを落としながら鉄槌とパウンドの連打! すると川原のセコンドからタオルが投入され、デニスがTKO勝利を収めた。
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