FEG
「DREAM.8 ウェルター級グランプリ2009 開幕戦」
2009年4月5日(日)愛知・日本ガイシホール
開場15:00 開始16:00
▼メインイベント(第10試合)ウェルター級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分
○桜井“マッハ”速人(マッハ道場)
KO 1R 0分27秒 ※ヒザ蹴り→パウンド
●青木真也(パラエストラ東京)
ウェルター級GP開幕戦で実現した注目の日本人対決。大会前から2人は舌戦を繰り広げ、因縁を生む試合となった。青木はいつものようにセコンド陣と花道で握手をかわしての入場。マッハはリングに上がると青木の顔を鋭く睨みつける。
1R、いきなりパンチで飛び込むマッハに対して、青木がカウンターの片足タックルでテイクダウンを奪う。ここから青木はパスガードを狙うが、マッハはガードから青木の体をひっくり返してヒザ蹴り。さらにそこからパウンドを連打!
これで青木の動きが止まって試合をストップ!接戦が予想された一戦はマッハが野生の力を見せ付けて、戦慄の秒殺KO勝利を収めた。大喜びするマッハの横で、青木はリングを降りて花道で悔し涙を流した。
そして試合後、マッハは「ありがとうございます! 本当に皆さんのおかげでいい試合できました。自分でももっと苦戦すると思ってたんですけど、何が当たったのかな、よく覚えてない(笑)。まあでも勝ててよかったです。試合前は色々と悪口を言い合ったけど、青木君には謝りたいです。
まあ僕は20年も格闘技をやってて古いスタイルなんですけど、古いスタイルは古いスタイルで優勝したいと思います。古い人でチームを組んでやってきました。応援してくれた人、ありがとうございました!」と喜びを語った。
▼セミファイナル(第9試合)ウェルター級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分
○ジェイソン・ハイ(アメリカ/Team Bodyshop)
一本 1R 0分59秒 ※裸絞め
●白井祐矢(チームM.A.D.)
白井は長南亮の弟分であり、3月に行われたGP出場者決定戦に勝利し、今回のチャンスを手にした。
セコンドには長南、そしてキックボクシングのトレーナーでもある小野寺力がつく。
秒殺猛獣と紹介されたハイはキャップとマスクをかぶって顔を隠した不気味な出で立ちでの入場だ。
1R、サウスポーのハイはじりじりと間合いを詰めながら、右にステップして右アッパーから左フック! この一発で尻餅をつく白井!
ハイはすぐ白井のバックに回りこんでチョークスリーパーを狙う。必死にハイの腕を外そうとする白井だったが、ハイの腕はがっちりと入っており、白井が失神!
ハイがインパクト大の一本勝ちを収めた。メインイベント終了後、リングに上がったハイは
「2回戦にまた戻ってきて、今日よりもさらに素晴らしい試合をしたいと思う」と2回戦への意気込みを語った。
▼第8試合 ウェルター級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分
○マリウス・ザロムスキー(リトアニア/ロンドン・シュート・ファイター)
判定3−0
●池本誠知(総合格闘技スタジオSTYLE)
2月にDEEPで行われた出場者決定戦で門馬秀貴に勝利を収め、GPへの切符を手に入れた池本。大会前の記者会見では門馬戦で見せたダブルパンチに続くトリック技を練習していることを明かしており、この試合でもそれが飛び出すのか、注目が集まる。対するザロムスキーはドラゴンボールの孫悟空を思わせる道衣と真っ赤な逆立つ髪型のカツラを被ってリングに上がる。
1R、いきなりザロムスキーはバックキック! 池本はその蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪う。しかしザロムスキーもすぐに身体を反転させてタックルで池本をコーナーまで押し込む。
ブレイク後、サウスポーに構えるザロムスキーに池本が右ロー、右ハイキック。そしてダブルパンチ! さらにそこから池本はジャンプしながら両手を合わせてチョップ! 池本のトリッキーな技の連発に会場一気に湧き上がる。
池本は右ストレートで前に出て右ヒザ蹴り。ザロムスキーも左ハイキックからヒザ蹴りを突き上げる。組みの攻防になると池本が投げでテイクダウン。サイドポジションでしっかりとザロムスキーを抑え込むと、そこにヒザ蹴りを打つ。
しかしザロムスキーは抑え込まれることなく立ち上がる。池本はザロムスキーの左ハイキックに右の軸足蹴り。ザロムスキーは左インロー、左ハイキックを左の蹴りで攻撃を組み立てる。対する池本は右ローと右テンカオで反撃。ザロムスキーが左ハイキックから右フック、池本の右の蹴りに右フックで飛び込む。
手数の多いザロムスキーに対して、池本は落ち着いて距離を取って右のテンカオ、さらにザロムスキーの右フックにダブルパンチを合わせる。ザロムスキーはパンチから組み付いて四つからテイクダウン。しかし池本がガードに戻したところでブレイクとなる。
池本はザロムスキーのパンチに右のテンカオを連打! しかしザロムスキーも左ストレートから右フック! これが池本の顔面をとらえる。池本はガードをだらりと下げた独特の構えからバックブローを放つ。
さらに池本は右ストレート、前蹴り、それをフェイントにしての右ハイキック。さらにジャブからサイドキックと多彩な蹴り技でザロムスキーに距離を詰めさせない。
しかしザロムスキーも左ハイキック、右ローと蹴り技を返す。そして池本のジャブにザロムスキーが左ストレートのカウンター、そして右フック! さらにザロムスキーが右フックからの左ハイキック! これが池本の側頭部を捉え、池本の動きが止まる!
必死に組み付いてダメージをごまかそうとする池本。しかしザロムスキーはそれを突き放して右フック、そして池本の頭が下がったところに左ハイキック! さらに下がる池本にザロムスキーが左ストレートから連打をまとめる。
池本も何とか首相撲に持ち込んで、ボディにヒザ蹴り。これでザロムスキーの体が「く」の字に折れ曲がる! 1Rは互いに打ちつ、打たれつのスリリングが展開となった。
2R、左ハイキックを連打するザロムスキー。池本はザロムスキーが飛び込んでくるところに右テンカオ。池本が組み付いてテイクダウンを狙うが、ザロムスキーは倒れない。
そしてイノキ・アリ状態で上になったザロムスキーは何とバック宙! 池本だけでなくザロムスキーから飛び出した仰天技に場内からはどよめきが起こる。
スタンドに試合が戻ると、ザロムスキーの左ストレートに池本がタックル、そのままバックについてザロムスキーを寝かせる。池本はインサイドガードからパウンド、左右のフックがザロムスキーの顔面を捕らえる! しかしザロムスキーもすぐに立ち上がり、試合をスタンドに戻す。
再開後、ザロムスキーが左ストレートから右フック。池本は飛びヒザ蹴りを連打する。池本はタックルでテイクダウンを試みるが、ザロムスキーは池本のタックルを切って4点ヒザ蹴り。
立ち上がった池本はダブルパンチで前に出るが、ザロムスキーは右に回りながらの右フック。さらに左ストレートを当てて、池本を首相撲にとらえてヒザ蹴りを連打!
何とか立ち続ける池本だったが、試合が終わるとその場にばったりと崩れ落ちた。判定は3−0でザロムスキー。池本とのトリッキー対決を制した。メインイベント終了後、リングに上がったザロムスキーは「この試合のために頑張って練習をして、勝つことが出来てうれしい。DREAMは本当に素晴らしい大会だと実感できた。ファンのみなさん、会場まで来てくれてありがとう。これからDREAMはどんどん良くなっていくと思います」とDREAM初参戦の感想を語った。
▼第7試合 ウェルター級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分
○アンドレ・ガウヴァオン(ブラジル/チームブラサ)
一本 1R 7分34秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ジョン・アレッシオ(アメリカ/エクストリーム・クートゥア)
柔術世界王者としてウェルター級GPにエントリーした“怪童”ガウヴァオンは道衣とキャップを着用しての入場。アレッシオは銀髪に染まった髪の毛が鮮やかだ。
1R、ガウヴァオンはリラックスした構えからジャブ、左ハイキックを飛ばす。アレッシオもジャブを顔面やボディに打ち、右ストレートを伸ばす。ジャブのフェイントを入れながら距離を測るガウヴァオン。
アレッシオのパンチにタックルを合わせて引き込み、アレッシオはそれに付き合わない。アレッシオの右ローに右ストレートで飛び込むガウヴァオン。
ガウヴァオンはジャブからタックル、ハーフガードで引き込み、アレッシオの足を取って下から身体を起こしてアレッシオのバックにつく。
ガウヴァオンはアレッシオの身体を振ってテイクダウンしようとするが、アレッシオは思わずロープを掴んでそれを阻止。しかしガウヴァオンは落ち着いて、アレッシオを後方に投げ捨てる。そのままバックを奪ったガウヴァオンは両足を4の字クラッチして、後方から強烈な鉄槌を連打!
そしてアレッシオの動きに合わせてガウヴァオンが腕十字へ。アレッシオも必死にディフェンスしようとするが、ガウヴァオンはアレッシオの身体を回転させて腕を伸ばす! これでアレッシオがタップ! ガウヴァオンが前評判通りの強さを見せて、2回戦に駒を進めた。
試合後、ガウヴァオンは「自分のスタイルを日本のファンに見せることが出来たと思う。この日本から世界のMMAに自分のスタイルを発信していきたいと思う」と誇らしげに語った。
またメインイベント終了後にリングに上がったガウヴァオンは 「本当にDREAMは素晴らしいイベントだなと思う。願わくばこのベルト(DREAMウェルター級)を持って帰りたい」と王座取りをアピールした。
▼第6試合 フェザー級グランプリ1回戦 1R10分・2R5分
○DJ.taiki(フリー)
判定3−0
●所 英男(チームZST)
3月に開幕戦を迎えたフェザー級GP、日程をずらして行われることとなった一戦。山本“KID”徳郁も出場するGP2回戦に駒を進めるのはどっちだ?
DJ.taikiは氷室京介の「Kiss
Me」に乗って入場、いつもより長めのエアヴォーカルで氷室のモノマネを見せつけた。対する所はリングスとZSTのロゴが入ったジャージを着てリングへと向かった。所のセコンドには前田日明がつく。
1R、リーチで優るDJ.taikiは腰を落とした構えで所にプレッシャーをかけて前に出る。どちらも手を出さない展開が続く。
しかし所が飛び込んで右ストレートから左フック! DJ.taikiもそこに左フックを返す。左フックで飛び込み、すぐに距離を取る所。DJ.taikiはそこに左ミドルを蹴る。
所もインローを返して、DJ.taikiの左ミドルに左フックを合わせる。さらにDJ.taikiの左ミドルに所が右ストレートを合わせる。しかしDJ.taikiは強烈な左ミドル! 所はタックルから引き込み、DJ.taikiの足をすくって腕十字&足関節。しかしDJ.taikiはすぐに距離を取って、スタンドを要求する。
ブレイク後、左ミドルを蹴るDJ.taiki。この左ミドルのプレッシャーで所を下がらせる。所は足を使って距離を取りボディにジャブ、そして左フックで前に出る。
DJ.taikiは左ローと左ミドル、所も右ハイキックを蹴り返す。そしてDJ.taikiの左ミドルに所が右ストレート、飛びヒザ蹴り! 所の思い切った攻撃が当たる。
そして所が引き込みからサブミッションを狙うが、DJ.taikiはそれに付き合わない。所はイノキ・アリ状態から顔面蹴り上げ! これでDJ.taikiの顔が跳ね上がる。試合がスタンドに戻ると、所が右ストレートから飛び込んでヘッドロック気味にDJ.taikiの頭を抱える。
ブレイク後、DJ.taikiが左ミドルのプレッシャーで前に出て左フックを打つ。所は下がりながらも右ストレートを返す。そして所が片足タックル!
DJ.taikiはそれを切って4点ポジションからのヒザ蹴り。所はそこから引き込んでDJ.taikiの顔面を蹴る。
残り40秒、突っ込んでいく所にDJ.taikiが右フック! これでバランスを崩す所! 必死にDJ.taikiの片足にしがみついてテイクダウンを狙うが、DJ.taikiはそこにヒザ蹴りを入れる! 所が何とかDJ.taikiの猛攻を凌ぐという展開となった。
2R、DJ.taikiが左ハイキック! さらにバックブローを放つが、所はそこに組み付いてテイクダウンを狙う。所はDJ.taikiに背中を見せながらアームロック、DJ.taikiはそれをグラウンドで押し潰す。所はここから引き込んでグラウンドの展開を作ろうとするが、DJ.taikiはそこに左右のパウンドを連打! DJ.taikiはイノキ・アリ状態でブレイクを待つ。
残り3分過ぎ、所がワンツー、右アッパー! ガードを固めるDJ.taikiに左右の連打を集める。そして所がタックル、そのままDJ.taikiをコーナーまで押し込む。
DJ.taikiは目尻をカットし、ドクターチェックが入る。ドントムーブでの再開後、所はテイクダウンを狙うがDJ.taikiは倒れない。
所は自ら引き込んでグラウンドでの展開を狙うが、DJ.taikiは背筋を伸ばしてパウンド! 所は残り1分、何とか立ち上がってDJ.taikiをロープに押し込む。しかしDJ.taikiを倒すことが出来ず、所がグラウンドに引き込む。DJ.taikiはそこにパウンド、所は寝技で有効な攻撃を出せず、試合終了のゴングを聞いた。
判定は3−0でDJ.taiki! KIDとの対戦を熱望する所を下し、DJ.taikiがフェザー級GP2回戦への最後の切符を手にした。
試合後、フェザー級2回戦に進出した日本人全選手がリング上から挨拶、意気込みを語った。
「GPの前は自分が一番打撃が上手いと言いましたけど、今日の試合はそういう内容じゃなかったと思います。打撃を教えてくれるジムを探しています。誰か紹介してください」(DJ.taiki)
「1回戦は不完全燃焼な部分があったんで、次はボコり倒すんで楽しみにしてください」(前田吉朗)
「こんばんは。次は誰が相手であろうと必ず足を極めて勝とうと思います」(今成正和)
「こんにちは2回戦もKOで決着つけるんで、会場まで見に来て下さい」(高谷裕之)
「久々の試合なんで楽しみにしてます。それくらいです」(山本“KID”徳郁)
▼第5試合 ヘビー級 1R10分・2R5分
○ジェフ・モンソン(アメリカ/アメリカン・トップチーム)
一本 1R 1分42秒 ※前方裸絞め
●セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/クラブ・ヴォルク・ハン)
DREAMヘビー級戦線を占う一戦は、DREAM初参戦でジミー・アンブリッツにKO勝ちしたハリトーノフVS戦極でジョシュ・バーネットとも対戦しているモンソンという組み合わせになった。ハリトーノフはPRIDEヘビー級GPでセーム・シュルトに、モンソンはPRIDEで藤田和之に一本勝ちした実績がある。
1R、モンソンが片足タックルから潜りスイープを狙うが、ハリトーノフはモンソンの頭を潰してそれを許さない。しかしモンソンは上手くタックルに切り替えして、ハリトーノフからテイクダウンを奪う。
そしてモンソンはサイドポジション、上四方へと回りこみ上四方固めからのチョーク(ノースサウスチョーク)!
ハリトーノフも下からパンチを返していくが、モンソンの腕はがっちりと入っており、ハリトーノフがタップ。モンソンが見事なグラウンド技術を見せて一本勝ちを見せた。
▼第4試合 ミドル級(89kg契約)1R10分・2R5分
○福田 力(GRABAKA)
判定3−0
●ムリーロ・ニンジャ(ブラジル/Universidade
da Luta)
PRIDEで活躍し、ひさびさの日本復帰戦となったニンジャだが、大会直前に対戦相手だったユン・ドンシクが負傷欠場。急遽対戦相手がGRABAKAの福田へと変更になった。ニンジャが日本のファンに健在ぶりをアピールするか? それとも福田がこのチャンスをものにすることが出来るか?
GRABAKAのパワーホールと紹介された福田は長州力の入場曲パワーホールをリミックスした曲で入場! ニンジャは「忍者」と書かれたTシャツを着てリングに上がった。
1R、サウスポーの福田がじりじりと前に出ると、ニンジャはサークリングしながら右のパンチを返す。しかし福田はショートの距離での左ストレート!
さらに踏み込んでの右フック、左ミドルを蹴りこんでいく。ニンジャは右ストレートから組んでテイクダウンを狙うが、福田は倒れない。
しかしニンジャは一旦、距離を取って右ストレート! これで福田の動きが止まるが、ニンジャのタックルを潰して自分がグラウンドで上になる。
そして福田が強烈なパウンドを連発。ニンジャが立ち上がろうとすると福田ががぶった状態からヒザ蹴りを打つ。試合がスタンドに戻ると、福田が強烈な左ストレート! これで動きが止まるニンジャ! 福田は一気に左右のパンチの連打で遅いかかり、テイクダウンを奪う。
ダメージのあるニンジャだが、ガードポジションから三角絞めと足関節を仕掛ける。これで立ち上がると、ニンジャが渾身のタックルで福田をテイクダウン。
福田は背中を見せて立ち上がり、何とか四つで組む。ここでニンジャのパンチを顔面に受けた福田が右のまぶたから出血し、ドクターチェックが入る。
再開後、右ミドルを蹴るニンジャに福田が左ストレート。ニンジャは打撃のプレッシャーを入れつつ、片足タックルでテイクダウンを奪う。ニンジャは福田の上体を固めてパスガード。福田は亀になって立ち上がろうとするが、ニンジャはそこに4点ポジションからのヒザ蹴り!
やや動きが止まった福田だが、ニンジャの身体を前に振り落として、グラウンドで上のポジションを取ることに成功する。しかしここで福田の出血がひどくなり、2度目のドクターチェックが入る。
再開後、左右のフックで前に出るニンジャに福田が右フック。ニンジャはそのままパンチで四つに組むが、福田はテイクダウンを許さない。試合がスタンドに戻るとニンジャがインロー、右ミドル。福田はタックルでテイクダウンを狙うが、ニンジャは倒れない。
明らかにスタミナ切れが見える福田に対し、逆に息を吹き返してきたニンジャ。ニンジャが右ミドル、右フックで前に出て行く。そして福田の首をキャッチして首相撲からのヒザ蹴り! 残り30秒、ニンジャの右ストレートが福田の顔面を捕らえる。しかし福田もタックルでニンジャに組み付く。
2R、ニンジャのインローに福田が右フック。ニンジャは距離を取りながら福田の右足に左右のローを集める。互いに軽くパンチを出して距離を測る両者。
ニンジャのアウトローが何発も福田の右足を捕らえる。1Rに比べると圧倒的に手数が減る福田。しかし福田がニンジャをロープにまで詰めて左ストレート! これでニンジャの顔面がのけぞる。
ニンジャの左ローをもらいながらも福田は右アッパーから左ストレート、さらに今度は右フックから左アッパー。福田が単発ながらパンチで前に出る。
残り2分過ぎ、ニンジャがタックルでテイクダウンを狙うが、福田は四つの状態で倒れない。
試合は再びスタンドに戻り、福田が左右のフック! これでニンジャが下がる! 福田はニンジャをコーナーに詰めて左右の連打! ニンジャを打撃で追い込む。
ニンジャは必死に組み付いて、ギロチンチョークを狙うが、福田は極めさせない。試合は互いに死力を尽くした総力戦となり、試合終了のゴングが鳴らされると、両者は健闘をたたえるようにガッチリと抱き合った。
判定は3−0で福田の勝利! 試合直前のオファーを受けて、ビッグチャンスをものにした福田を、解説席にいた福田の先輩にあたる山本“KID”徳郁も祝福した。
▼第3試合 ライト級 1R10分・2R5分
○ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)
TKO 1R 7分58秒 ※ドクターストップ
●永田克彦(新日本プロレス/New Japan
Factory)
HERO’SでのJ.Z.カルバン戦以来、目の負傷より長期欠場に追い込まれていたシャオリンが今大会で電撃復帰! 五輪銀メダリストの永田を相手にその柔術テクニックは炸裂するか?
1R、サウスポーの永田はアウトロー、インローを蹴る。シャオリンはジャブを突いて距離を測り、両足タックル!
これを切られたシャオリンはハーフガードから永田の股にもぐりこみ、そこから永田の身体を振ってバックに回るような動きで永田の身体をひっくり返す。
立ち上がろうとする永田の手を束ねてシャオリンはマウントへ。一度はポジションを返されたシャオリンだが、暴れる永田を何度も寝かせ、マウントポジションを奪い続ける。その後もシャオリンがサイド、ニーオンザベリー、マウントとポジションニングで永田を圧倒。
そしてシャオリンがサイドポジションで永田の腕を足で押しつぶし、側頭部にヒザ蹴り! これで永田が側頭部から大量の出血! 鮮血に染まった永田を見て、ドクターは試合をすぐにストップ。シャオリンが予想以上の強さを発揮し、戦慄のTKO勝利を収めた。
▼第2試合 ミドル級(86kg契約) ワンマッチ 1R10分・2R5分
○アンドリュース・ナカハラ(ブラジル/極真会館)
TKO 1R 2分00秒 ※レフェリーストップ
●大山峻護(フリー)
極真空手の実績を持ち、総合格闘技デビュー戦では桜庭和志を苦しめたナカハラ。対する大山は約1年ぶりのDREAM参戦だ。
ナカハラにとってはドンシク戦に続く空手VS柔道という図式が成り立つ試合となった。ナカハラのセコンドにはフランシスコ・フィリオがつく。
1R、サウスポーの大山に対し、いきなりナカハラが鋭いインローを飛ばす。これを蹴りながら、ナカハラは右ストレート! ナカハラのローが大山の右足をとらえると「バチーン!」という音が鳴り響く。さらにナカハラはローをフェイントにした右ミドルを蹴る。
大山はナカハラをロープに押し込んで足元に潜って足関節を狙うが、ナカハラはすぐに距離を取る。大山は再びカニバサミから足関節を狙うが、ナカハラはグラウンドの攻防を許さない。
そして大山が立ち上がろうとしたところでナカハラが右ストレート! これで大山がダウン! ナカハラが追撃のパンチを落としたところで、レフェリーが試合をストップし、ナカハラが豪快なKO勝ちを収めた。
ナカハラは主催者、極真会館の面々、そしてブラジルの家族へお礼の言葉を述べてリングを降りた。
▼第1試合 ミドル級ワンマッチ(88kg契約) 1R10分・2R5分
○柴田勝頼(ARMS)
判定3−0
●ミノワマン(フリー)
ミノワマンと柴田によるプロレスラー対決が実現! 先に入場する柴田は入場ゲートでジャンプすると、そのまま花道を一気に走り抜け、リングへと上がった。セコンドには船木誠勝がつく。対するミノワマンは桜吹雪が舞う映像の中、いつもの赤いコスチュームでリングに上がる。そして2人はリング上でがっちりと握手をかわした。
1R、サウスポーの柴田に対し、じりじりと間合いを詰めるミノワマン。そしてミノワマンが左フックから一気に連打! 柴田もすぐにパンチを返す。そしてミノワマンが左フック!
ミノワマンがタックルで柴田をテイクダウンし、ハーフガードで抑え込む。ここからアームロックを狙うミノワマン。柴田はミノワマンの身体を浮かせて、ガードポジションに戻す。
ミノワマンもすぐに足をまたいで再びハーフガードとなるが、柴田も足を利かせてパスガードを許さない。ここでブレイクとなり、試合はスタンドから再開となる。
サウスポーの柴田に対し、ミノワマンはインロー。柴田も踏み込んでパンチを打とうとするが、手数は出ない。そこにミノワマンは右のロングフック。2人が距離を探るような展開が続く。
柴田は距離を詰めてバックキック。ミノワマンが片足タックルからアキレス腱固めを仕掛けると、柴田もこれに対してアキレス腱固め! まるでプロレスのような足関節の取り合いが続き、場内も沸き上がる。
しかしここではどちらも極めることが出来ず、ミノワマンがグラウンドで上を取り、サイドポジションで柴田を抑え込む。残り1分、ミノワマンは柴田の動きを固めるが、柴田はサイドポジションを取られながらもそこからミノワマンの顔面にヒザ蹴り。これでミノワマンの動きが止まる。
2R、ここではオーソドックスに構え直す柴田。テイクダウンを狙おうとするミノワマンに左フック、そして右ストレート!
これがミノワマンの顔面を捕らえるが、柴田は勢い余ってマットに倒れてしまい、ミノワマンがインサイドガードで柴田を抑え込む。しかしここでは両者の動きが止まり、ブレイク。両者にイエローカードが提示される。
ブレイク後、両足タックルでテイクダウンを狙うミノワマン。柴田はロープを背にしてそれを潰して、首相撲からのヒザ蹴り! これがミノワマンの顔面とボディに突き刺さる! これで動きが止まるミノワマン。柴田はミノワマンのバックに回り込み、ミノワマンの顔面にパンチを集める。ミノワマンはかなり苦しそうな表情を見せるが、残り1分で何とかインサイドガードに戻す。
残り30秒、ブレイクとなりパンチから組み付く柴田。そして何とそこからジャーマンスープレックスホールド!
宣言通りのプロレス技が炸裂し、場内は大きく沸いた。判定は3−0で柴田! 久しぶりの勝ち名乗りを受けた柴田は、コーナーに上がって叫び声を上げた。
試合後、柴田は「ここまで来るのに1年かかりました。だけどしょっぱい試合をしてすいませんでした。俺はプロレスラーとしてもっと強くなります。以上!」とマイクアピール、喜びをかみしめた。
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